医者が再び来たのはその数ヶ月先だった。大きな薬箱の中には無惨の望む品が入っており、無惨が早くとせがめば医者は薬を手渡した。すぐに薬を水で流しこんで効果を待てば、無惨の身体は次第に熱を帯び始めた。熱く吐き出される吐息と疼く腰に無惨は正しく己の状態を理解していた。
「……は、あ……ッ!!おい、これは、、……いっ……ふ、う……っ、、」
これは一体どういうことだ、そう言いかける無惨の唇を医者が奪う。性急に舌が差し込まれればそれだけで無惨は身体が熱くなってどうしようもなくなっていく。あっさりと夜間着を剥かれ、崩れた襟首に手が差し込まれた。
「ふ、ぅ、、……ん、む……ん、ぅううう……ッ!!」
冷たい手は自身の熱い肌を自覚させ胸の突起を指先で捏ねられればくぐもった声を上げて無惨はあっさりと達した。
「ん、ん……ふ、うう!!……んッ……ぅうッ!!」
ビクビクと震えた魔羅から白濁が吐き出され、その部分の着物の布地は色濃く染まる。水気を含んだ布地はピタリと張り付き、その恥ずかしさから無惨は顔を紅潮させた。唇を解放されれば無惨は全身を脱力させて医者の胸に顔を預けた。
「ん……っ、……んッ……ふ、は、ぁ……ん、ぅ、、」
息絶え絶えに喘いで肩の肌まで紅潮させた。……こんな強い快感は知らない、未だに身体を循環する熱が身体をおかしくさせていく。
「ふっ、、ん、ふ、……は、あ……ッ!!な、ぜ……こ、んな」
「薬の副作用です」
無惨の疑問に答える医者が耳元に息を吹きかけ囁けば、それだけで快感が駆け巡る。ビクビクと震える肩に手が這わされ、無惨は拒絶するように身を捩らせれば医者はぐっと引き寄せて衣類を脱がせた。
「この薬は大分薄めてありますが、副作用だけは治せませんでした。お辛そうなのでお手伝いします」
順応すれば、貴方様は誰よりも強くなれる。医者はそう言って無惨の尻肉を鷲掴んで揉みしだいた。その刺激だけで震える無惨はこれからのことを想像し絶望するしかなかった。
――――――――――――――――
薬の副作用、確かにそれは飲めば飲むほど反応が薄まっていった。それでも無惨は熱に苦しみながら医者に抱かれることが増えた。
――もう少しです
そう言って身を剥がされれば女のように扱われる屈辱に耐えた。医者が居ない時も薬を服用しなければならない時にも持て余す熱に身体が疼き、雄を欲さざるを得ない。意地でもそれはしたくなかった無惨は自室に籠り自慰をすれば使用人がやって来た。もう我慢できるか、そう言って無惨の身体を犯そうと身に付ける薄い布を剥ぎ取った。
「医者と毎晩あんなことしておいて、聞こえているんだぞ?」
実は期待しているんだろう?そう囁かられれば否定する言葉は喘ぎ声に変わった。熱で思うように動けない無惨の身体に汚らしい手を這わされてしまえばかつて初めてを奪われたことを思い出す。
――脳裏に何度も蘇る忌まわしい記憶
幼い身体を好き勝手に犯した使用人の厭らしい手つきと身体に這う舌と荒い息遣いが忘れられない。……結局昔から何にも変わってはいなかった。今となっては医者に身体を好き勝手にされて、薬の副作用で使用人に犯されようとしていた。結局弱い身体ではそれより強い者に喰われるだけだった。愕然と、その事実に打ちのめされる中、使用人の荒い息遣いが肌にかかり肌が栗立った。喘ぐ声を必死に抑えて、紅潮した顔は男を煽った。
「……っ、、……あんた、やっぱりスキモノだよ」
そうやって誘うんだな、そう囁かれて、無惨の中で何かが壊れた。
――――――――――――――――
今日も薬を飲んでいくが、結局何も変わらない。少しばかり身体が動くだけでいつまでも改善されなかった。それどころか最近は飢えが増して何を食べても食べた気がしない。
――間もなく、年は二十になる
いつまで経っても身体は治らない。全てを掛けた、支払える代償にも耐えて恥にも屈辱にも耐えた。
――それでも今年死ぬのだと悟れば無惨は癇癪を起こした
斧を一つ布団の中に隠し持ち、医者がやって来て後ろを振り向くと同時に、無惨は斧を大きく振り下ろした。頭に突き刺さる斧の刃先。噴き出す赤い血と共に無惨の罵詈雑言の怨嗟の叫びが溢れ出す。貴様のせいたと何度も何度も斧を振る。最早何も言えない医者の亡骸に更に追い打ちをかけて、ようやく斧を手放せば室内は真っ赤に染まり、医者だったものは肉片と化していた。切り裂かれる血肉の匂いがやけに美味しそうに見えて、無惨は喉を鳴らしてそれを貪った。
本編はラストですが、次は幕間で書いたものです。