どう考えてもベッドヤクザの司令官と繁殖訓練をするオルカ号のバイオロイドさんたちの話 作:鵺野アラタカ/NEO
オルカ号には、多数のバイオロイドが住む。
巨大な潜水艦であり、人類最後の拠点とも言える場所である。
拠点であるからには、住まう場所としての設備があり、また、様々な物資が必要である。
レプリコン220とブラウニー316は、オルカ号を維持する役目――資源探索の報告を終えたところであった。
彼女らは、オルカ号に乗り込んだ『220体目のレプリコン』と、『316体目のブラウニー』だ。
レプリコンもブラウニーも、ベストセラーと呼ぶべき数を製造されたバイオロイドだ。
人類が人類同士で戦争していたころからの製造数は、数十万――あるいは100万を超えるかもしれない。
「あ」
と、ブラウニー316が声を上げた。
視線の先には、白い衣服、そして灰色の防護防寒コートを着込んだ、長身のバイオロイドがいる。
黒い左目と白い右目が、声に気付いたか、視線に気づいたか、ブラウニー316を見る。
バイオロイドとして、お互いのことは当然のこととして感知できる――が、彼女のようなバイオロイドは他にない。
ブラウニー316は、尊敬すべきバイオロイドに駆け寄り、その長身を見上げた。
「ヴァルキリーさーん! 今帰りっすかぁー!?」
こら、と、追いついてきたレプリコン220がブラウニー316を掣肘するも、ブラウニー316には効果がない。
ヴァルキリー1――オルカ号に最初に乗り込んだヴァルキリー――は、このオルカ号に乗り込む多種多様なバイオロイドの中でも、特に有名なバイオロイドだ。
もちろん、"不屈の"とも称されるマリーや、ラビアタ"プロトタイプ"と比べれば、『ヴァルキリー』の知名度は決して高くない。
彼女の評判は、このオルカ号の中だけのものだ。
「帰りが一緒なの珍しいっすね、どーですか、ツナ缶の美味しい食べ方、ソワンシェフに教えてもらったんすよ~!」
彼女が有名なのは、ひとえに――その稼働率の高さ。ある種のワーカホリックであることが、原因だった。
ブラウニー316は、人好きのする笑顔で、ヴァルキリーの袖を引く。
ヴァルキリーは、困ったように眉をひそめ――
「――……。いえ」
その白い肌をわずかに朱に染めて、言う。
「これから、任務です」
「え? そのわりには、銃をもってないっすけど――」
「ブラウニー316……!」
レプリコン220は、ぐい、と、ブラウニー316の肩を掴む。
なんすかぁ、と漏らしたブラウニー316は、レプリコン220の腕で首をロックされ、引きずられていく。
「ぐぇええ、ぎぶぎぶ、たいちょー、ギブっす……!」
「い・い・か・ら!」
どすどすと歩き去っていくレプリコンが、肩越しに、ヴァルキリーを見た。
視線には、謝罪するような、激励するような色が乗る。
「…………」
ヴァルキリーは、その視線の意図を受け取り、しかし反応を返せない。どう返していいのか分からない。
ヴァルキリーは、高山などの過酷な環境でも十全に動けるよう調整されたバイオロイドだ。
体力的な意味でも、精神的な意味でも、彼女は長期間の孤独に耐えうる。
だからこそ――こうして、人口密度の高いオルカ号にいることは、逆にストレスの原因にもなっていた。
あるいは、出撃を繰り返すのは、そのためかもしれない。
ヴァルキリーは、自身をそう分析し、……違う、と、感じる。
もっと別の要因がある。
特に、ここ最近については。
「……暑い……」
ふ、と、ヴァルキリーは息を吐く。
吐息は熱を持っている。
灰色のコートを脱ぎ去り、彼女は白色の軍服を露わにする。
白皙の肌を朱に染めて、彼女は任務の場所へと急ぐ。
もう一度絡まれては、困ってしまう。
レプリコン220が気を回してくれていなければ、果たして自分は、なんと言っていたのか。
「…………。」
ヴァルキリーは首を振り、オルカ号の廊下を歩く。
指令室を越え――開かずの間とも、秘密の部屋とも呼ばれる場所へと、向かっていく。
/
オルカ号は、数千人規模が生活できる、巨大な潜水艦――半ば海中移動要塞都市とも言えるものである。
ラビアタは、ある種の希望をもって、数十人の人間が住まえるようなユニットをオルカ号に組み込んでいる。
果たして、オルカ号に乗り込む人間はただひとりのみである。
空いた人間用ユニットは、マリーやレオナ、ラビアタと言った基幹メンバー、いわば士官室として流用されているが――それでも、"士官室"が、すべて埋まっているわけではない。
いくらかは、例えば壁を抜いて士官食堂として使われているし、談話スペースとなっているし、資料室になっている場所もある。
秘密の部屋とは、その士官室のひとつである。
その扉の前に静かに立ち、彼女は自身の豊かな胸に手を添え、鼓動を把握する。
狙撃者として、鼓動によるブレは大敵だ。ヴァルキリーには、数秒ならば心臓を止める機能すらある。
その機能を利用し、彼女は強制的に落ち着く――これは任務なのだから。
「ヴァルキリー、1900、現着いたしました」
声に震えはない。
常通り、やや平坦とも言える声を、ノックとともに室内へと届ける。
「ああ、入ってくれ」
ヴァルキリーは、耳をわずかに赤くした。
標的を素早く発見するために強化された眼が、助けを求めるようにせわしなく動き回った。
無論、彼女の助けとなるようなものはない。
彼女は一度だけ深呼吸をして、扉横、パネルを操作する。
「……失礼します」
扉が開く。
室内は、薄暗い。
人間様のため、と、潜水艦という限られたスペースの中で、ラビアタが精一杯に整えた、居室ユニットだ。
狭いながらも、人類がまだ繁栄していたころの、ワンルームマンションなどに近い。
シャワールームやトイレまで備え付けてある。
その中で――廊下から入った光と、常夜灯の光が、彼を照らしていた。
ヴァルキリーの眼は、この程度の光があれば十全に見ることができる。
ベッドに座った、青年だ。
アジア系の外観であり、戦闘指揮中とは違い、どこか柔和そうな表情をしている。
――"司令官"と多くのバイオロイドが呼びならわす、人類最後の生存者だ。
「…………」
ヴァルキリーは、ゆっくりと室内に入り、扉を閉めた。
手に持っていたコートを、備え付けの椅子の背もたれにかけて、司令官へと向き直る。
「来てくれてありがとう、ヴァルキリー」
「いえ、……申しつけられましたので」
ヴァルキリーは、顎をわずかにあげて、司令官を見る。
司令官は苦笑して、立ち上がった。
彼は、オードリー・ドリームウィーバーが作成したのであろう部屋着を纏っていた。
華美ではない――しかし十分に上等な仕立ての衣服である。
『男性の服を作るのは初めてですのでインスピレーションが溢れて止まりませんわ』と言っていた(もちろん彼女流の言い回しで、だが)オードリーのため、ヴァルキリーもいくらか骨折っている。
171センチと、女性としては長身であるヴァルキリーだが――バイオロイドの中には、もっと大きな、あるいは豊満な体を持つ者も多いが――司令官は、ヴァルキリーよりもわずかに背が高い。
「申しつけたつもりじゃなかったんだけどな」
「私は司令官に従います」
「本当にか?」
軍服の肩を、司令官の手指が抱き寄せてくる。
ヴァルキリーは抵抗せず、司令官の肩に顔を埋めた。
狙撃手として――あるいは感覚を強化されたバイオロイドとして、敏感に作られた鼻孔に、司令官のにおいが充満する。
「ッ――」
ヴァルキリーが、はっきりと硬直した。
力の抜けたヴァルキリーを、おっと、と言って、司令官は支える。
「ふっ、ぅ、は――」
ヴァルキリーは、司令官の脇の下から腕を回して、その背に手を這わせた。
オードリーの作った服の触り心地を確かめるように。
あるいは、その肉体を確かめるように。
「もう来てくれないかと思っていた」
耳元でささやかれ、ヴァルキリーの腰の位置が落ちた。
膝から力が抜けていた。
「この前は、すまなかった――ヴァルキリー」
「い、いえ――」
ふす、ふすと、服に吐息を吸わせながら、ヴァルキリーは言う。
「――私の方こそ……最後まで、お付き合いできず……」
ヴァルキリーの怜悧な美貌に色がさす。
暗い室内であっても分かりそうなほどに。
豊かな胸を司令官の胸板に押し付ける。
軍服の固い生地はしかし、その下にある柔らかさを司令官に伝える。
「今日は、最後まで付き合ってくれるか?」
ヴァルキリーの艶やかな黒髪を撫でながら、司令官は囁きを耳に流し込む。
ヴァルキリーの腰がくねる。
早鐘のごとき鼓動を、司令官は感じ取る。
「は、はい――私は――」
ごくり、と、大きく、唾液を飲み込む音が、司令官の耳に届いた。
ヴァルキリーは、震える足でわずかに背伸びをして、お返しとばかりに、司令官の耳元に唇を寄せ、囁いた。
「このヴァルキリーは、本日、1900より、2400まで……司令官のモノとして……来たるべき人類復興のため――司令官と、繁殖訓練を実施いたします――」
/
「ッ、あ、ぁ……っ!」
ヴァルキリーは、ベッドで身悶えていた。
オードリーの繕った服も、軍服も、肌着も、下着も、既にベッドの下。
蹴りだされたかのようにグチャグチャに、それらは落ちている。
「ひぁっ、あ……っ!!!」
長い脚が、宙をかく。
泳ぐような動きは、司令官の舌の動きによって発生していた。
夢中で――あるいは母の乳を吸う赤子じみて、司令官は、ヴァルキリーの秘所を舐めしゃぶっていた。
太ももをがっちりと抱えられて、ヴァルキリーは、逃げられない。
「しれっ……かんッ……、そこ、そんなっ、あっ、いやぁっ……!」
ヴァルキリーは、涙すらこぼしながら、腰をくねらせる。
細い手指が、シーツを握りしめている。
「あっ、……あっ! くぅ、んっ……!」
ヴァルキリーは、司令官の前以外で、こんな声を出したことはない。
調整された通り――製造された通り、ほとんど常に、冷静な思考を保ってきた。
「やっ、あ――ぃあっ!」
鼓動も、声も、身の動きも。
なにもかもが、ヴァルキリーの制御下から外れていた。
「ちが――ちがうんですっ、いやではなくてっ……! んっ、やっ!?」
ヴァルキリーの背が反る。
シーツとの合間に隙間ができた。
下唇を噛んで、ヴァルキリーはぷるぷると震えた。
「っ……っ……そこっ……だめです、しれいかんっ……」
漏らすような声に、司令官は、笑いを返した。
その笑いすら、今のヴァルキリーにとっては、並大抵の鉄虫の攻撃より脅威である。
司令官の前歯の合間には、屹立したクリトリスがある。
バイオロイドは、人間を基にした人工生命体――そうであるがゆえに、人体由来の組織が残っている。
かつてヴァルキリーは、どうしてこんなものがあるのかと疑問したことがあった。
今もまたそう思う。
どうしてこんな弱点が、股なんかについているのか。
「待ってください……そのまま……ゆっくりと……くちを、ひらいて……っ」
司令官は、ぐ、と腕に力を入れた。
唇を柔肉にかぶせながら、歯列を開く。
ヴァルキリーは一瞬、ほ、と息を吐き、
「っ!?」
鋭い痛みじみた快楽に、身を跳ねさせた。
んぃい、と、高い声が、喉から、下唇を噛んだ口から、漏れている。
シーツを掴んでいた手指は離れて、司令官の頭を引きはがそうとしている。
犬歯の感触があった。
尖った歯が、尖りきった陰核を挟んでいる。
ヴァルキリーにとっては、噛み潰されているにも等しい。
「あ゛っ、あぁっ……! し、れいかんっ……!」
隠れる場所がどこにもない、司令官の前で偽装できるものはなにもない――ヴァルキリーは口を大きく開き、喘ぐ。
脚をぱたぱた泳がせて、涙と唾液をこぼし、司令官に懇願する。
「もっ、だいじょうぶですからっ……もっ、うっ、そうにゅうっ、かのうですからぁっ……! ほっ、欲しくなっていますっ、ぅ、からっ、ですから、そこばっかりはっ……!」
必死の求めに――完全に泣きの入ったヴァルキリーに、司令官は哀れさを感じたか。
がっちりとロックしていた脚を解放してやり、身を起こす。
持ち上がっていたヴァルキリーの尻が、ぺたんとベッドに落ちた。
薄い腹が、呼吸に合わせて、激しく上下する。
司令官は、鼻から下についたヴァルキリーの汁を腕で拭う。
「し――司令、官――」
笛のような呼吸音に混じった、喘ぐような声。
豊かな胸はふるふると揺れ、力が入らないのか、股は大きく開脚。
内腿が、時折痙攣するように震えている。
既に触れてはいないが、余韻でか、秘所が、とぷとぷと、愛液をこぼし続けている。
震える腕が、持ち上がった。
そうして、ぺしゃりと落とすように、彼女は股間に手を添える。
柔肉が、くぱ、と開かれた。
「くだ、さい……司令官――」
司令官は、わずかに微笑するヴァルキリーを見下ろし、笑った。
ヴァルキリーの表情が凍る。
「司令官――」
司令官の手が、ヴァルキリーの片脚を持ち上げた。
そのまま、本でも閉じるように、両足を揃えさせられる。
「――い、いやです、司令官――いえ、いやではなく――嫌ではないのですが――」
司令官は、ヴァルキリーの表情を記憶する。
このような表情、このオルカ号の誰も、見たことはあるまい。
冷静、冷徹――シスターズオブヴァルハラの、孤高の狙撃手。
そんな彼女が、童女のように泣きそうになっているなど、誰が想像しようか。
司令官は、股座をいきり立たせながら、ヴァルキリーの、戦士としては不必要なまでに発達した尻を持ち上げる。
「やっ……」
そうすれば、ヴァルキリーは、膝を支えに、尻を高く掲げた姿勢となる。
汗を吸った長髪が、ヴァルキリーの肩を流れた。
「司令官っ、どうか、せめて、しょ、正面から――こちらからは――」
司令官は、その願いを聞き届けない。
細い、しかし女としてよく発達した身にのしかかって、耳元に囁く。
ただ一言――短く。
鳴け、と。
「っ、――ぅ、うぁっ、は、入っ、って……!」
媚肉を、野太い亀頭が割る。
最後の人類として――彼の肉体を作り直す際、雄としての性能は、高められている。
それは例えば、女の奥底まで確実に届くような長さであったり。
子種があふれ出ないよう、みっちりと膣内を埋める太さであったり。
女を悶えさせて、子作りの覚悟を女に決めさせる形状であったり。
一晩女を抱き続けても問題ないような体力であったり。
一晩中でもセックスを続けられるような、精力であったり。
「~~~~っ、ァ……!!!」
ヴァルキリーは、己の芯を制圧されている、と感じる。
のしかかられ、豊満な乳房を、ベッドシーツに押し付けて、変形させながら、口をぱくぱくとさせ、呼吸を求める。
まだ、奥まで届いてすらいない。
挿入から10秒も経っていない。
男根の長さと、胴の長さ――ヴァルキリーは胴の短い設計であるが、それでも、届いてへそ程度まで。
呼吸を苦しくするような大きさとは思えない、と、ヴァルキリーは、挿入される前は思っていた。
一度挿入されてから――司令官と繁殖訓練を実施してから、思い違いだと知った。
逃げようとする手を、司令官が押しつぶすように握った。
ヴァルキリーは、その指を掴み返した。
狙撃銃を扱う繊細さはない。
ただ、本能のままに、力一杯に、握り返す。
「ぁ、あぁあああああッ、ふぁっ……!!!」
とちゅ、と、奥にたどり着いた感触を、ヴァルキリーは得る。
だと言うのに、男根はまだ余っている。
こんなものでは征服し足りないと。
もうそこで行き止まりだと言うのに、まだ、無理やりに、押し入ろうとしている。
ヴァルキリーは、首と尻を振って、それを拒否した。
もうそこまでなのです――そこまでで満足してください、と。
司令官が、腰を回した。
ぐのっ、と、子宮が歪んで、ヴァルキリーは降伏した。
あまりにも尊大な征服者が居座り、膣内から愛液が逃げ出すようにこぼれた。
「ぅんぁああああああっ、っく、ぁあああああああああ……!!!」
膣が引き伸ばされていく。
元より、子宮は膨らんでいた――子種を迎え入れるように、その機能を発揮していたのだ。
まだこんなものが奥ではない――と、司令官は、ヴァルキリーを躾けていく。
膨らんでいた子宮は押しつぶされ、せっかく出迎えたのに、と、涙のように、わずかに白濁した汁をこぼした。
「ァ……っ、は、ぁ……っ!」
ヴァルキリーの震える丸尻に、司令官の下腹が密着する。
ヴァルキリーは、詰めていた呼吸を再開し、浅い呼吸を連続する。
「し、しれい、かん、っ……」
司令官に、動く気配はない。
ヴァルキリーは、握りしめていた手を緩める。
司令官は、ゆっくりと手を持ち上げ、ベッドに頬を押し付けたヴァルキリーの頭を撫でた。
「ひぁ……」
ヴァルキリーは、全身が緩むのを感じる。
心地がいい――挿入だけで暴力じみた男根とは違って、手は優しい、と。
だというのに、膣内が不随意に、男根に絡むのを感じる。
甘えている。媚びている。後ろから征服されて、……その征服を悦んでいる。
頭を撫でていた手が、頬を撫でる。顎を這って、指先が唇を割った。
「はへぇ……ふぁ……」
司令官の太い指が、舌をこすった。
ぺちゃ、ぺちゃと、その指を舐る。
それこそが、忠誠を示す唯一の方策だ、というかのように。
そうして、声が降ってくる――準備はいいか。
「っ……!」
ヴァルキリーは、蕩けた表情を引き締め直す。
その動きで、はぷ、と指をくわえてしまって、……最後にもう一舐めしてから、彼女はそれを吐き出した。
準備――そう、これは、睦み合いではなく、訓練だった――ヴァルキリーは、ふぅ、ふ、と、浅く息を吐き、呼吸を整える。
「っ、司令官――問題、ありません」
顔を真っ赤にしながらも、眉を浅く立て、唇を引き結び、常通りに近い表情となって、ヴァルキリーは司令官を見上げた。
顔色が常通りならば――涙さえ流れていなければ、繁殖訓練の最中などとは分かるまい。
司令官は頷き、腰を回した。
「んっひっ」
一瞬で、その表情は崩れた。
みっちりと張り付いていたひだをはがされ、ヴァルキリーの身が震えた。
「っ、ぅうっ、ん、ン……!」
ずろ、と、音をたてるかのように、男根が引き抜かれていく。
ヴァルキリーは、シーツに額をこすりつけ、その喪失感と快楽に耐えた。
膣内を、雄性能の高い、反り返った、カリの高い男根が、がり、ごり、と削っていく。
抜ければ、次は、突き入れだ。
ヴァルキリーは、どぢゅ、と、音を聞いた。
体内から――胎内から響く音。
自身が突き崩された音だ。
「ん゛ぉッ、」
ヴァルキリーは、正面からでなくてよかった、と、思う。
司令官にだって見せられない――司令官には絶対見せられない貌をしていると、その確信があった。
「ふっ、ぶッ、お゛、あ゛ッ、ひ、ィっ」
のぢゅっ、ずむっ、こちゅっ、ぶちゅ、と、音が連続する。
揺さぶられる。
尻肉が波打つ。
そのたびに、獣じみた声が出た。
「ア、ぁ、あっ、し、れっ、かんっ」
ヴァルキリーの視界が白くなる。
ちかちかと光っている。
体がどうなっているのか分からない。
おなかのなかがぐちゃぐちゃにされている。
のしかかってくる司令官の体重と、短いピストンを繰り返してくる男根だけが、確かなものだった――だというのに、司令官が身を起こした。
「あっ、やらっ、――お゛ぁッあっ」
堅く反り返った男根で、膣内をぐいいと持ち上げられ、そして反射的に身をよじってしまって、ヴァルキリーは膣内を自ら抉り返した。
身をよじったままのけぞって、舌を突き出し、ア、と、鳴く。
ぶるぶると、自業自得で絶頂に堕ちたヴァルキリーを、司令官は笑って見下ろし、開いた唇を、唇で塞いだ。
どろりと溶けた表情で、ヴァルキリーは、それを受け入れた。
「ん、……む、はぷ、……ン……」
口内に押し入ってきた司令官を、出迎えるように。
片手で身を支えながら、片手で司令官を捕まえながら、舌を絡める。
んふぅ、ふぅ、と、ヴァルキリーは、己の鼻息を聞く。
こんなに息を荒げたことは、ほとんどない。
自慢ではないが、いつだって――呼吸を乱すこととは、無縁だったのだ。
彼女は隠れるのが上手く。走り回ったとしても、それは次の隠れ家へと向かうためのもので、その活動の多くは、むしろ活動しないことに向けられていたのだ。
情けない、と、彼女は思い、しかしそれをどうしようもないほどに、心地よく感じた。
司令官の首に、わずかに力が入る。
ヴァルキリーは、察し、捕まえる腕から力を抜いた。
唇が離れていく。
お互いの息を吐きかけながら、見つめ合う。
白とも灰色とも見える、強化された眼が、司令官がどうしたいかを――司令官がなにを求めているかを、正しく洞察した。
ヴァルキリーは、尻穴を締めるように力を入れて、雌穴を蠢かした。
いまだ奥まで挿入されたままの男根が、びくんと跳ねた。
「司令官、……繁殖……種付け訓練……私の体を、つかって……致して、ください……っ」
司令官は、表情を消した。
その顔が、ゆっくりと遠ざかっていく。
ヴァルキリーは、両手で枕を捕まえて、それを抱きしめ、顔に押し付けた。
がしり、と、くびれを、たくましい両腕がつかむ。
逃げられない。
ひ、と、恐怖の声が、泣き声が、出た。
「――ぃっ、いぃいいいい…………っ」
ずるるるる、と、長く、男根が引き抜かれる。
暗闇の中、枕に顔を押し付けていると言うのに、視界がちかちかと光った。
ひだが、脱け出ていく男根へ、行かないで、と媚びている。
肉が引きずり出されているような感覚すらある。吸い付いて、引っ張り出されている。
それにも、限界がある。
カリ首が、膣口から脱け出た。
涙と涎と鼻水を枕に吸わせながら、ヴァルキリーは覚悟を決めた。
――ずごッ、と、音がして、内臓の位置が変わった。
「ぶッ、」
尻肉が波打ち、背筋が泡立ち、ヴァルキリーは白目をむいた。
がくん、と背を反らし、しかし、司令官は止まらない。
ずぼッ、と音を立てる勢いで引き抜かれた男根は、一瞬すら停滞することなく、ぶち込まれる。
「お゛ぉッ、っふ、ア゛ぁアッ、アッあっあっあっぁあああ゛っ」
引き抜かれて、貫かれる。
ただそれだけが、ヴァルキリーを獣に帰す。
泣き声を――鳴き声を枕に飲ませて、ヴァルキリーは雄を貪る。
腰を振り、尻を押し付け、鳴き、雄性を煽る。
司令官もまた、獣に還っている。
この雌を孕ませる――繁殖する――種をつけて、胎を膨らませる。
その意思が、男根に乗っている。
みきみきと傘が膨らむ。
腰を打ち付ける音が高くなっていく。
我武者羅とも言える性交は、しかしヴァルキリーの意識を遠くにぶっ飛ばして余りある。
「じれ、っが、んッ、じれいがっ、ァ、あ、ぁあああああっ、じれぇがんっ、しっ、れいかんッんんんッ!」
ヴァルキリーは、ひたすらに、司令官、と叫ぶ。
続く言葉はない。
その言葉を持たぬのか――持ってはおれど、最後の理性が止めているのか。
出すぞ、という言葉は、どこか悔しさを滲ませていた。
ヴァルキリーは背を逸らし、高く尻を持ち上げ、最後の打ち付けを受け止めた。
司令官もまた背を逸らし、ヴァルキリーの腰を、己の腰に押し付けた。
「あっぁああああああああああああああっ、ぁああああああああああああああ――……ッ!!!」
長泣が、室内に響く。
ヴァルキリーの、紅潮した膣口から、糊のような精液が、ぶぷッ、と噴出した。
男女はおたがいに痙攣し、同時絶頂を味わい尽くす。
やがて、司令官は、またヴァルキリーにのしかかった。
立てていた膝が崩れて、ヴァルキリーはベッドに腹ばいになった。
司令官が、ヴァルキリーの手を、緩く握った。
「司令……官……」
握り返し、ヴァルキリーは、かすれた声で言う。
「訓練……は……もんだい……なく、なし、です……しきゅうが……おもい、ような……っ」
そうして、幾度かまばたきをして、ベッドの天板に埋め込まれた時計を見た。
「……現在……20、25……ですが……」
ヴァルキリーの言葉は足りない。
だが、司令官は、その言わんとするところを、正確に推察した。
下腹に敷かれて歪んだ尻肉を楽しむように、司令官は腰を使う。
んふ、とヴァルキリーが喘ぎを漏らし、尻肉を痙攣させた。
「く、くんれんっ、を、継続っ、しましゅっ……」
――そうして。
部屋の外まで響くような声を、ヴァルキリーは上げ続けた。
/
――ふと、ヴァルキリーは目を覚ました。
鍛えられた体内時計は、まだ深夜2時ごろだと言っている。
喉の渇きで、目覚めたらしい。
ヴァルキリーは身を起こそうとして、しかし、胴に腕が回っていること――それから、乳房に司令官が抱き着いていることに、気付く。
どうしてこうなったのか、と、寝起きの、やや胡乱な頭で思い出し、……一気に顔を赤くして、ヴァルキリーは、困った。
喉が渇いていた。
あれだけ、汗や汁や涙や――もろもろを垂れ流していれば、いくらヴァルキリーと言えど、水分補充は必要だ。
最後に口移しで水を飲ませていただいたような気もしているが。
どうすればよいでしょうか、と、胸の中の司令官の頭を撫でながら、つぶやく。
……簡単だった。
この幸福を手放すくらいなら、一晩の喉の渇きなど、いくらでも我慢できる。
「…………どうか」
どうか、と、ヴァルキリーは思う。
彼が英雄となりますように、と。
彼が英雄となりませんように、と。
矛盾したことを思う。
彼が英雄となれば――"ヴァルキリー"は、ずっとそばにいることだろう。
彼が英雄となれば――"ヴァルキリー"は、その死を看取ることになる。
「……大切なものが、できました……」
ヴァルキリーは、司令官を抱きしめながら、夢見るように呟いた。
ヴァルキリーは――このヴァルキリー1は、人類滅亡後に製造されている。
記録映像で『それ』を見たことはある。
ラビアタや、マリーをはじめとした"長老"とでもいうべきバイオロイドから、話を聞いている。
彼女も、バイオロイドとして、見たことのない人類に忠誠を誓っていた。
――つまらない言い方をするならば。
彼女はまったく男性に免疫がなく――そして、一目惚れだった。
「……聞かせてくれるか?」
ヴァルキリーは思わず腕に力を込めた。
豊満な乳房に顔面がすべて埋まった司令官が慌ててタップした。
「も、……申し訳ありません、司令官……」
「い、いや、いいんだ……スレイプニルの尻の下敷きになった時よりはマシだったから……あの時はまず首が折れるかと思ったが……」
はぁはぁと、窒息の危機から脱した司令官が、乳房を恐れるように顔を離して、言った。
「……起こしてしまいましたでしょうか」
「いや。……うん。起きたんだな。……ヴァルキリー」
「……はい。ヴァルキリーは――司令官?」
むに、と。
発達したヒップを、硬い手が握った。
「ヴァルキリー。……起きた」
「え――あの――司令官――も、もう、訓練は――」
ヴァルキリーの強化された眼は、にっこりと笑う司令官を見た。
「もう訓練じゃない」
/
「お゛ッ、んんんんんッ❤ しッ、司令官っ、しれぇかんっ、まっでくだざいッ、も、もう、24時ッ❤ 訓練っ、くんれっ❤ お終いでッ❤ おしまいなんですッ、これっ、ひぃっ❤ んひぃいい❤ しれいかんっ、まってくだひゃっ――おぐっ、ぅうううううう❤ あっ、あぁああああっ、ゆるしでくだざいっ❤ 奥ばっかりッ、ゆるしてぇえええええッ❤ あしたの、にんむがっ、ぁあああああああ❤ あ゛ぁああああああああッ❤❤❤ おぐはだめでずっ、だめっ、だめなんでずぅううううううッ❤❤❤ ――いやっ、いやぁああああ❤ だざないでっ、いまはいけまぜんっ、まっで、まってぐださいッ、たすっ、たすけてっ、でぎるぅうううっ、あがぢゃんできまずぅうううううううううッッッ❤❤❤ ぅんッ――お゛お゛お゛お゛ぉおお゛おお゛おおおおおおおおおおおおお❤❤❤うぅううううううううううううッ❤❤❤ あづぃいいいいいい❤ おなかがぁあああああああああッ❤❤❤ ほぉお゛おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ❤❤❤ ――――お゛ッ…………❤❤❤」
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「あ! ヴァルキリーさーん! お疲れ様っすー!!!」
その声に、ヴァルキリーは振り返った。
ブラウニー316――つい24時間ほど前に出会ったそのバイオロイドに、もはや懐かしさすら感じつつ、ヴァルキリーは一礼した。
「やー、ウチの隊長のレプリコンから聞きましたけど、司令官に? 司令官と? 夜戦訓練してたようで、お疲れ様っす!」
「ええ――はい……」
「んぇ? どうしたんすか? なんだか元気がないみたいっすけど……」
「いえ、問題ありません」
「いやいや、問題大ありっすよ、声もなんだかおかしいし、顔色――あ、んー、お肌はつやつやっすね?」
「え、ええ……そうでしょうか」
「そうっすよー、なんすか、いいお化粧でも見つけてきたんすげぶぅ」
ブラウニー316の首根っこをすっ飛んできたレプリコン220がひっつかんだ。
「すみませんウチのバカが! すみません!!!」
「い、いえ――」
ヴァルキリーは、あまりの勢いに内心ヒいた。
そうして、苦労しているのだろうな――と、どこか人間らしいような感想を得て、ふ、と笑う。
昨日と同じように連行されていくブラウニー316を、ヴァルキリー"たち"は見送る。
「ふぅ。まったく困ったものだな、ヴァルキリー」
「……はい。レオナ隊長」
ヴァルキリーの背後。
ヴァルキリーと同じく長身の――金髪のバイオロイド、鉄血のレオナが、艶やかに息を吐く。
「急ぐぞ。今日は先に着替えて待っていなければならないからな」
その背にユニットはなく――代わりに、手には、衣類の入った袋がある。
「いかな司令官と言えど、私とおまえの二正面作戦ならば勝ち目もあるだろうからな。ヴァルキリー。おまえの働きに期待している」
「…………はい」
ヴァルキリーは、ゆっくりと頷いた。
――ふたり揃ってベッドに沈む、一時間ほど前のことであった。
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●オリジナル設定とか
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○オルカ号について
原作からして、『メチャクチャ多く乗ってる』ことだけは確か。
このシリーズでは以下のような設定。
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人間100名弱+バイオロイド数千体が定員。
多少の無理で(ソワンイベントで見る限り既にちょっと無理をしている?)もうちょっと乗り込むことができる。
人間用の部屋については下記の通り利用されている。
○人間向けの部屋(以下、『士官室』)
人間向けの部屋は100室か少し下くらいの数用意されており、今はそのけっこうな割合が、別の用途に使われている。
用途の半分くらいが、マリーやラビアタ、ソワンやカーン、レオナあたりの上層部・各隊長格用の、いわば士官室、である。
その他余った分は、壁ぶち抜いて、士官食堂、談話室、資料室、バーなど。
そのうちのひとつが『秘密の部屋』とも呼ばれる部屋である。
あ、もちろんというか、一室だけ、本来の用途――即ち、人間である司令官の私室として使われている。
韓国版ではオルカ号を整備して云々、って感じらしいけど、そのイベントがちょっと前倒しになってるんじゃないですかね、このシリーズでは。
○秘密の部屋
上述のとおり、士官室のひとつ。
『人間用の部屋』はいくらかの階層にまたがって存在しており、この部屋は司令官の私室と同階層にある。
司令官の私室はたぶんエレベーターとか指令室に一番近い部屋で、秘密の部屋は奥まった場所にある。
同じ階層の部屋は、大半が空き部屋。
これはバイオロイドたちの遠慮によるもの。まだ部屋には余裕があるし……
(司令官室同階層の一部の部屋はオードリーが趣味で作った服のウォークインクローゼットみたいなことになっている)
○繁殖訓練
当然言い訳である。
バイオロイドと関係を持つ名目。
ちなみにというかもちろん、まだ繁殖はしていない。ピル的な薬をみんな飲んでいる。
バイオロイドと子供作ると、対策しないとヒドいことになるっぽいからね……
たぶんドクターあたりがそのあたりを先行研究中。
司令官がなんらかの原因で急死する可能性はあるし、予備は早めに作っておいた方がいいっていうのは当然の判断。
(たぶん精子を冷凍保存はしてる)
スケジュールの管理者はコンスタンツァ。
・T-8Wヴァルキリー
ヒロイン。狙撃系バイオロイド。たぶんこれが3、4回目の訓練。
公式設定的には肉体年齢23歳設定で171センチ。
ワーカホリック(任務参加率が超高い)で有名なのも公式。
「じゅっかいだけです」とかクソカワですね。
彼女に限らず、シスターズオブヴァルハラチームのメンバーは同系の服を着てる気がする。
(パッと見違うんだけどよく見たら同系でもうちょっと見ると各々雰囲気は共通してる、くらい)
心臓機能の操作についてはオリジナル設定。似たような機能がありそうではある。
ラストでナイトドレススキンを持ち込んだ。即死させてもらえなかった。
・鉄血のレオナ
ラストでちょろっと登場した。指揮型バイオロイド。
公式設定的には肉体年齢23歳設定で172センチ。
ラストでベビードールのスキンを持ち込んだ。即死させられた。
しぬほどちんちんによわい。
・T-2ブラウニー
最も多く生産されたらしい歩兵型バイオロイド。明るくてあんまり物事を深く考えない。あと察しも悪い。
一部ブラウニーはたぶん司令官のお手付き。
チョイ役で登場した316は、たぶん何気に最優秀ブラウニー(ゲーム的に言えばフルリンク済みLv90)だと思う。資源回収行ってたが。
肉体年齢17歳154センチ。
・T-3レプリコン
ブラウニーの上司役な歩兵型バイオロイド。ブラウニーよりマジメ。
肉体年齢17歳150センチ。ちまっこいな……
チョイ役で登場した220は、たぶん司令官のお手付き。
・司令官
健康的な青年型。身長176センチくらい。アジア系の外観。
戦闘時はともかく普段はわりと柔和な表情。
らすとちんちん。しぬほどちんちんがつよい。弱くする理由もねーけどさ、オメー。