※この作品はR-18です。

魔法少女をつくろう(全年齢版)   作:しおぽん

3 / 5
我慢せざるをえない状況ってよくない?(ドM)
耐える、、、耐える、、、
報われたら最高や(報われるとは言っていない)


「私、魔法少女になる!」

今日も1日楽しかった。

英語の授業は、

挨拶とか、自分の名前の言い方を習った。

 

ちゃんとできてるか不安だったけど、

外国人の先生はにっこり笑ってOKのサインを出してくれたから、きっと大丈夫。

 

掃除の時間も終わり、

先生は終わりの会で明日の予定を話していた。

クラスメイトのまいちゃんや、やまとくんは

あんまり先生の話を聞かない。

先生の話は難しいし、

時々、変だからあんまり好きじゃないけど、

だからって話を聞かなくて良いわけじゃないと思う。

そんな二人はヒソヒソと放課後の予定を話していた。

 

先生が舌打ちをしたあとに、日直に声をかけた。

日直の子は、終わりの挨拶をする。

「起立、礼、先生さようなら、皆さんさようなら」

挨拶が終わると、

皆は遊びにいったり、塾にいったりする。

まいちゃんが私の席まで来て手をとる。

「はるー、やまとの家に遊びに行くんだけど。一緒にいこーよ!」

まいちゃんとやまと君は仲がすごく良いから、邪魔じゃないか不安だ。

 

それに・・・

「赤井 春さん、ちょっとお話があるので残ってください。」

先生が舌打ちをした日は、居残りになる。

私はまいちゃんに断りを入れることにした。

 

「まいちゃん、ごめんね。次は必ず行くね。」

まいちゃんは先生の悪口を言いながら、仕方ないと言ってやまと君と帰っていった。

 

皆も次々に教室を出て行って、先生と二人きりになる。

「春ちゃん、それじゃあお勉強しようか。」

 

ゆっくりと迫ってくる体に圧されるように、

自分の席にすわる。

 

算数の教科書を開く、

今日やったところの復習かなあ。

「せんせえ、私お家に帰ったら復習してるから、大丈夫だよ?」

早くこの場所から、逃げたいからなんとか理由を考えた。上出来だと思う。

 

先生はニタニタと笑いながら口を開いた。

「嘘は良くないなあ、片親の子供がそんな事するわけないだろぉ?」

 

「春ぅー、だから先生が教えてあげるんだよぉ?」

先生の手が私の肩を抱く。

ビクリと体が震えた。

 

「せんせえ、嘘じゃないよ。ちゃんとお家にで復習もしてるよ。」

声が震える、逃げたいと思った。

 

「お前の家はなあ・・・?、母子家庭で、母親は高校生でお前を産んでるだよ!!!」

先生が声を荒らげる。

 

「クソビッチの子供を、俺があ!!親切心でえ!!教師として教育してあげてるんだよぉ・・・?」

泣いてしまいそうになる、助けてと叫びたくなる。

けれど、お母さんの顔が浮かんで声が詰まる。

 

私が低学年の時に、お母さんに聞いた言葉がある。

近所のおばちゃんがいつもお留守番偉いねって、

誉めてくれた時に聞いた言葉で、

気になった私は、お母さんに[母子家庭]って何と聞いたんだ。

お母さんは誰に言われたか、意地悪されてないか、

と怒ったような表情で確認された。

悪いことなんだと思った。

そのあとお母さんが私を抱きしめながら

「ごめんね。」って謝ってた。

初めてお母さんが泣く姿をみた。

お母さんには泣いて欲しくないと思った。

だから、私は叫ぶことも、助けを呼ぶこともできない。

 

先生は静かになった私に、教科書の問題を解くように促す。

私は言われた通りに鉛筆を手に取り、問題とりかかる。

 

耐えるんだ、大丈夫、私は大丈夫。

先生は私の耳元で鼻から大きく息を吸い込む。

それは呼吸ではなく、匂いを嗅いでるんだと思った。

 

気持ち悪いと思った。

早く終われ、早く終われ、早く終われと願いながら問題を解いていく。

 

肩に置かれた先生の手は首もとから、服の中に入り

ゆっくりと胸へと下がって、先に近づく。

 

「嫌ぁ・・・」

体が強ばり目をつぶる。

もう鉛筆を持つ手は一切動かなかった。

 

「春ちゃんもブラジャーを着ける、年頃なんだねぇ?」

お母さんと一緒に選んだ初めてのブラジャーだった。

お母さんのやつみたいに、ヒラヒラはついて無いけど可愛いと褒めてくれた下着だ。

汚されてるように感じた、私の好きなものや大事なものが

体の奥から何かが湧き出てくる、

ドクドクとコポコポと際限なく増え続け、

溢れそうになる。

私という器を越えて漏れだすのを感じる。

 

すると、雷が落ちた時のようなすごい音が響いた。

いつの間にか、胸元にあった手は退けられていて、

微かに呻き声が聞こえた。

恐る恐る目をあける。

 

教室は台風でも過ぎたかのように荒らされていた。

教室の窓ガラスは割れていて、私を中心に全ての物が隅へと吹き飛ばされていた。

先生は飛ばされた机や椅子に重なるよう倒れていて、

なんとなく、私がやったんだと思った。

 

すごく恐くなって、黒板近くに飛ばされた鞄をもって逃げだした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

日が落ちる。

私は大きな公園の遊具に隠れていた。

警察に捕まるのだろうか。

お母さんが泣いちゃわないだろうか。

明日から学校にいけないな。

悲しいことをたくさん考えてしまって、膝を抱える。

ポロポロと涙が零れた。

 

空からもたくさんの雨が降り、

わんわん泣いても、強い雨音が全てを掻き消し。

 

そんな時だった。

これからを変える切欠と出会ったのは、

「やあ!僕はシラユキ!君にお願いがあって・・・き?えぇ!?何で泣いてるの!?どうしたの!?」

 

かけられた声の方に目を向ける。

そこにはフヨフヨと空を漂う白いウサギのようなぬいぐるみがいた。

 

そこからシラユキちゃんに話を聞いて貰った。

辛かったこと、悲しかったこと、怖かったことを。

何故か、皆に言えなかったことがシラユキちゃんには言えた。

 

その理由は簡単で夢を見てるだけだと思ったからだ。

だって、魔法でもあるまいし、ぬいぐるみは話したり宙に浮いたりしないからだ。

もしかしたら、学校の事も全部夢で、

目が覚めたら朝御飯を食べて英語の授業を受けるのかもしれない・・・。

 

その後もシラユキちゃんの話もたくさん聞いた。

別世界の妖精で【アク・イー】という悪者に襲われて逃げてきたこと、

次の狙いはこの世界だということ。

 

この世界で力の素養をもつ協力者を得て、

【アク・イー】を倒し、この世界と別世界を救いたいって。

 

まるで私が大好きな【魔法少女ブルーム】みたいで、

できた夢だと思う。

 

「それでね、君には魔法少女になって欲しいんだ。」

本当にできた夢だ。

覚めて欲しいけど、覚めたくない気持ちもあった。

 

そんな時にまた似たようなあの感じがした。

背中にゾワゾワとした何がが走る。

 

「来た!」

そう言って、シラユキちゃんは遊具を出て

雨の降るところ行ってしまった。

 

私もシラユキちゃんを追って外に向かう。

風や人もいないのにクルクル回る遊具、揺れるブランコ。

 

空気が震えていた。

雨粒が地面に落ちず、空に登る。

そして、何かが破裂するような音と共に視界が歪んだ。

 

するとそこには私ぐらいの背丈をした、

緑色の肌をした怪物がいた。

 

「いいかい、やつはゴブリンと言って下級の魔物だ。だけど、生身で勝てるようなものじゃない。」

その緑色の怪物は近場にあった鉄棒を千切りとって、振り回す。

 

「君には魔法少女の素質がある!君の大好きなものを守るために僕の力を手にとって欲しい。」

どうか、お願いとシラユキちゃんは私になにかを差し出した。

 

5センチぐらいの赤色の石で、透き通った石のなかで炎のようなものが揺らめいている。

私は何かに惹き付けられるよう、その石を手に取った。

「...綺麗。」

こんなに綺麗なものは見たことがなかった。

 

 

「さあ、敵は待ってくれないよ!変身の呪文を唱えるんだ!」

シラユキちゃんに声をかけられて、視線は緑の怪物に向かう。

 

振り回された鉄棒がブランコの支柱にぶつかり、大きく歪む。

標的を見つけジリジリと迫ってくるゴブリン。

 

 

石を手にした時に、どうするかは決めていた。

「私、魔法少女になる!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

私は慣れた所作でポージングをとる。

胸元で祈るように組まれた手の中には、

赤の魔石が握られていた。

「ブルーム!」

 

私は変身のキーワードを呟き、

組まれた手を花開くよう優雅に広げる。

その場でターンをして再度、ポージングをする。

完璧っ!

 

「暖かな春の伊吹っ、チェリーブロッサム!」

 

「貴方の苦しみ、溶かしてあげる!」

決めポーズまでしっかり終えてから、

私は自身の異変に気付いた。

 

「シラユキちゃん...、変身できないよぉ?」

顔が真っ赤になっているだろう、

私は苦し紛れにぬいぐるみに話しかけた。

 

「あ、えっと、あのね?メタモルチェンジの一言でいいんだ...。」

すごく気まずそうに呟いた妖精は、すごく可愛かったよと慰めの言葉を残した。

 

「メタモルチェンジ...!」

手で顔を隠しながら魔法の呪文を呟く。

すると、髪の色は赤色へと変わり、アイドルのようなフリフリの赤いドレスへと服装はかわった。

 

「すっごく、可愛い...」

ラメみたいなキラキラしたものが私の周りに浮かぶ。

変わったことに気をとられていて、

すぐそこに怪物が迫っていることを忘れていた。

 

ドッジボールでボールが目の前を過ぎる様な音がした。

途端に右肩に痛みが走り、私は後ろに吹き飛ばされ尻餅をつく。

 

「痛ててて...」

当てられた右肩を確かめたけど、服は破れてもないし、

ジンジンした痛みも直に治まった。

 

「春ちゃん、大丈夫!?」

シラユキちゃんは慌てた様子で近くによってきた。

 

ゆっくりと立ち上がり、服についた土を払う。

「大丈夫、変身のお陰であんまり痛みはないの。」

私とシラユキちゃんの視線は緑の怪物に向けられた。

 

鉄棒を高々と掲げながら、小躍りしている。

 

シラユキちゃんは私の耳元で囁いた。

「春ちゃん、何か武器は持ってない?」

 

 

私はびっくりして、シラユキちゃんの方を見た。

「ぇ...、こういうのって魔法の力で作れたりしないの!?」

ブルーム達は自分の魔力を糧に、それぞれ個性的な武器を作り戦っていたからだ。

 

 

フヨフヨと浮いているぬいぐるみは口を開いた。

「0から産み出すのは、すっごい練習しなくちゃできなくて、だから、最近の主流は1のものに魔法の力をつけて戦うんだよ。」

そんなことを言われても、リコーダー?教科書?

武器になりそうなものが無かった。

 

「何より、春ちゃんとの繋がりがあるもの、

思い入れがあるものだとさらに良いんだ!」

あっ!と思い付いてシラユキちゃんに確認する。

 

「それって何時でも入れ替えられる?」

もし、そうならとりあえずのリコーダーで、、、

だけど、直ぐにシラユキちゃんは首を横に振った。

 

「さあ、早く武器になるものを!」

どうしても、此処には無いものを使いたかった。

だから今はこれしかないと思った。

 

「...武器が無くても、戦う方法ってある?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

結果的には簡単に敵を倒すことができた。

その方法は強い感情を魔力と共に放出することだった。

 

やり方は簡単だった。

もう、一度経験してたから。

 

花火のような轟音と共に、

私を中心に周りのものや、草木は燃えた。

緑の怪物は体を燃やしながら絶えた。

 

変身が解けたあと、

夢でないことがわかった。

雨がやんでいた。

 

後でわかったことだけど、

先生は長期間の休職となり、

教室の爆発は公園と同様の事件とされたらしい。

当分の間、集団下校になったけど、

いつもの大好きな日常に戻った。

 

少しだけ変わったのは、

魔法のステッキがボールペンに、

そしてヘッドには赤い石がついていること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに先生の名前は【肝緒 太】です。
次の出番はあるのか!あれ!

あとこんなご時世なのに、
東京に転勤とかいうクソイベ

別作品も更新しようかな(現実逃避)。
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