24 決戦アルファディオス
現オスティア大陸最大の平原、カンピエス平原。
そこに陣を張るのは大国同士が手を結び、さらにアルファディオスに不満を持っていた小国も加わった姫将軍イリス率いる連合、神聖同盟。
またその奥に陣を張るのは、絶対的な武力を持ち蹂躙国家と恐れられた国、アルファディオス。
広大な平原に両軍が睨み合う。
まさにこれから戦が始まろうとしていた。
その中でタイガは敵の陣容を遠眼鏡を使って見ていたが、その敵陣営を見て驚いていた。
「うわぁ、凄いなぁ。ざっと見積もっても敵は総勢5万は越えてるなぁ。
それに城の方もおっかないなぁ。」
「城と言うよりまるで要塞だな。あれを崩すのは容易ではない。」
遠眼鏡で敵陣を見ていたタイガにアリシアが近付き、そう言うとタイガは遠眼鏡をしまう。
「例え全軍で攻めても、城門を抉じ開けるの難しいだろうな。」
「真正面から攻めた場合、どのくらいの損害になると思う?」
「……私の勝手な意見だが、この軍の半分以上は犠牲になるだろうな。
良くて3割、悪くて全滅だな。」
「そうか、だがアリシア。出来るだけ犠牲を出さずに勝ちたい。それに、コハクさんの弟も助けないといけないしな。」
「全く無茶を言うな、お前は。」
「それが俺だっての。知ってるだろ?」
「そうだな。」と、アリシアとタイガが笑い合う中、コハクが陣から出てきた。
「タイガ、アリシア。イリスが呼んでいる。来てくれ。」
「あいよ。」
「あぁ。」
2人が陣に向かうと、そこにはイリス達がおり戦前に布陣の確認が行われたのであった。
◆◆◆◆◆
アルファディオスの陣、そこでは五神将の内4人が一同に介しており、話し合いをしていたが、その兵士達の前には五神将の1人であるグレンが激励を送っていた。
「よしっ!お前ら、戦だぜ!!!」
「「「「「オオォォォォォォォォッ!!」」」」」
「連中は、このアルファディオスを悪だと決めつけて戦を仕掛けてきた。
そいつらを完膚なきまでに潰して、2度と立てなくしてやれ!!!」
「「「「「オオォォォォォォォォッ!!」」」」」
グレンの指揮と言葉に兵士達の意気が上がる。
その様子を見ていたハリベル達の指揮も高まっていた。
「おしっ!!連中を叩き潰してくれるわ!!!」
戦斧を振りながら叫ぶバラン。
「そうだな。我々に逆らった事、骨の髄まで教えてやろう。」
盤刀の柄を握って力を込めるハリベル。
「陛下の敵、斬る。」
愛刀を抜き、刀身を睨むコク。
「愚かな奴らめ。」
杖を振り、肩に掛けるシュタイン。
それぞれが指揮を高め、これから戦が始まろうとしていた。
◆◆◆◆◆
広大な平原に立つ、何千、何万の兵士達とそれを率いる将達。
神聖同盟とアルファディオス軍、両軍ともに中央、左翼、右翼に大量の兵士達を配置しており、今まさに始まろうとしていた。
「っしゃあ!!やるぜ!!!」
「「「「「オオォォォォォォォォッ!!」」」」」
中央に配置されたタイガとその兵士達が叫ぶ。
「食い尽くせ。」
「「「「「オオォォォォォォォォッ!!」」」」」
グレンが槍を高く掲げて、兵士達が叫ぶ。
そして、互いに睨み合う中、タイガが秋水を、グレンが得物の槍を相手に向ける。
「行くぜぇぇぇぇぇ!!!!」
「喰らってやれ!!!」
「「「「「オオォォォォォォォォッ!!」」」」」
互いに叫ぶ。それが合図となりタイガとグレン、そして兵士達が各々の武器を構え、一斉に正面の敵に向けて突撃していき、両軍が真正面から激しく激突した……。
◆◆◆◆◆■■
戦場中央、そこではタイガが二刀流を振るい敵をバラバラに斬り伏せていく。迫り来る敵兵を1人、また1人と斬り倒していきながら前に進んでいく。
「おらあぁぁぁぁぁっ!」
「っはぁ!?」
「まだまだ行くぜ!!らあぁぁぁぁぁぁっ!!」
敵を斬りながら進んでいくタイガの後方、そこには巨大なゴーレムに乗ったアストリットとその教え子達がおり、敵を鎧ごと粉砕していった。
「タイガ!あまり進んだら敵に囲まれるわ!!無茶はしないように!!」
「まだまだ無茶はしてねぇよ!それに、後ろにはこの時代最高の魔術師がいるんだ。
安心して進めるってもんさ!!」
「っ!もう、そんな事言われたら嬉しくなるよ!」
タイガの言葉に微笑んだアストリットがゴーレムを操り、敵を粉砕していく。
「良いわ!どんどん進みなさい!あなたの後ろにはキミアのアストリットが、そして、ゴーレム隊が着いてるわ!!」
アストリットの叫びにタイガは嬉しそうに微笑みながら敵を倒していく。
◆◆■■◆◆
「ウガアァァァァァッ!!」
左翼側に配置されたルー・ルーとその部隊が敵に対して武器を振るい、蹴散らしていく。
ルー・ルーの身の丈以上はある大斧、メル・メル特性のバトルアックスが敵を打ち砕いていき、鎧や盾を潰し、骨や臓物を粉砕し、体の半身が血飛沫を上げて宙を舞う。
「どうだ!!ボクに勝てると思う奴、どんどん掛かってこーーーい!!」
ルー・ルーの活躍と雄叫びが兵士達を震え上がらせ、それを見たルー・ルーは更に深く進撃していく。
「曾祖母ちゃん、凄いっ!!こっちも負けてられないよ!どんどん撃てーー!!」
ルー・ルーの活躍に目を輝かせたメル・メルがご自慢の大砲に股がりながらそう叫ぶと、大砲が発射され、敵兵達を吹き飛ばしていく。
「やれやれ、やれやれ盛んだねぇ。あたしも行くか。」
「死ね!」
「誰が死ぬか!」
剣を振り上げて襲い掛かってきた敵兵をマイアがメル・メルが新調した双剣を振るって切り裂く。
「後ろからなら声出さない方がいいよ?さて、次は誰がやる?
あたしの首、取れるもんなら取ってみな!!」
そう言ってマイアは敵に叫び、突貫していった。
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変わって右翼、そこにはアリシアの部隊が配置されていた。
アリシアは同じくメル・メルが新調したサーベルを手に敵を斬り伏せていく。
「敵線を押し上げつつ進行する!遅れるな!」
「「「オオォォォォォォォォッ!!」」」
アリシアの叫びに兵士達が反応し、兵士達も敵兵を切り裂き倒していく。
その中でアリシアは進行していたタイガの方を見ていた。
「無茶してくれるなよ、タイガ。はぁ!!」
タイガの身を案じながらもアリシアは敵を倒していき、兵士達と前に進んでいく。
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その頃の神聖同盟本陣のある小高い丘、そこではイリス、カグヤ、プリム、コハクが戦場を見下ろしていた。
「悪くない流れだ。このまま機を見てくノ一で戦場を撹乱、敵を崩しましょう。」
「あぁ、取り決め通り。儂らが崩れた箇所を赤煙幕にて伝える。
だが、あまり報告を交わしている余裕はないと思うが。」
「それならば札を、これで連絡が出来ます。」
「うむ。巫女神殿、礼を言う。では儂も前線に出るとしよう。」
カグヤがコハクとくノ一達に札を渡していき、それを受け取ったコハク達が丘を下っていく。
「気を付けて下さい!」
「ご無事で。」
「武運をお祈りしております!」
コハク達に声を掛けるイリス達、しかし、その様子を一匹の蛇が見ており、それがコハクの後を追うのであった……。
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その頃、中央のタイガとアストリットの部隊は敵兵を倒していきながらも、若干苦戦し始めていた。
「おらぁ!!ちっ、数が多いな。」
「そうね、それにコハクからの合図である赤い煙はまだなの?!」
「落ち着け!タイミングがあるんだろ、だからしばらくは……!?」
タイガは前方か殺気を感じて二刀で迫ってきていた攻撃を防ぐ。
そこには十文字の槍を構えて突きを放ってきた赤髪の青年、グレンがいた。
「よぉ、色男と饅頭姉さん、相手してくれや。」
「おもしれぇ!!来い!!」