《やる気が出てきた?俺がやる?……お前は馬鹿みたいだな?
体格さが分からねぇのか?なら……いっぺん死んで来いよ!!》
「へっ!!ふん!!」
ズガアァァァァァァンッ!!と鋼鉄の獅子の足を二刀で受け止めたタイガ、その事に周囲は驚いたが、本来すぐにペシャンコになるほどの力で叩きつけた足を止められたグレンが一番驚いていた。
さらにタイガは全身に力を入れると、その足を弾いて見せてグレンが体勢を崩しかけた所へ技を放つ。
「二刀流、龍巻!!」
グオォォォォォォォッ!!!という巨大な竜巻が起こり、それをグレンは身体全体で受け止めたたが、頭を振るい咆哮を挙げただけで消し去ると、鋭い眼光をタイガに向けた。
《調子に乗るなよ!!
ドゴオォォォォォォッ!!!
銀色の獅子の頭をしたエネルギーがタイガに向かって放たれたが、タイガは慌てずに針に糸を通すかのように相手の技に向かって技を放つ。
「二刀+風だ!!
どがあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
『うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?』
二刀に風を纏わせて放ったのは牙突、その牙突が敵を技とぶつかると周囲にいた兵士達は吹き飛び、アストリットや仲間達や敵の幹部達も堪えるので精一杯であったが、グレンとしては驚きを隠せず、タイガを見ていた。
《(なんだこいつ!?第三解放とまともにやり合うだと!?ありえないっての!?)》
「二刀+炎と土!
《グオォォォォォォォッ!!?》
「まだまだ!!二刀+水と風!
《ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?》
炎と土、水と風……4つの属性を合わせた剣劇に圧され始めるグレンは片足を付きそうになるが堪えて立ち上がると、タイガに牙を向けるがタイガはそれを弾き、空中で体勢を整える。
しかし、グレンも止まらなかった。
《この野郎!ナメるなよ!?
グオォォォォォォォッ!!!
銀色に光る雷を纏ったグレンが、まるで閃光のようにタイガに襲い掛かり、彼を切り裂こうと鋭い爪を立てる。タイガはそれを武装色を纏って防ぐ事で軽傷で済ませていたが、徐々に武装色が消えはじめ、タイガも出血し始めていた。
それを見ていたアリシア達も心配そうに見つめるが、タイガは何故か笑っていた。
「(ヤバい、命懸けだってのに……楽しくて仕方ない!!)」
《ちぃっ!!?(そろそろ限界だ!?さっさと仕留めるか!!?)》
グレンはタイガを叩き付けると距離を置いた。
《食らえ!!銀河大砲火!!》
「二刀流、
ドドドドドドドドドドドッ!!
高エネルギーの砲撃がタイガに迫る中、タイガは二刀で絶ち切っていき、グレンに最も接近すると二刀を降り下ろし、巨獅子を倒したのであった。
◆◆◆
その頃、ルー・ルーは楽しげに笑っていた。
「にゃはは!兄ちゃん強い!やっぱり兄ちゃんに勝てるやつなんていないよ!!
ボクも、負けないぞーーー!!!」
「くっ!このガキ、力が!!?」
ルー・ルーがそう笑いバトルアックスを奮う中、メル・メルも驚いていた。
「曾祖母ちゃん達って凄い……!負けてらんないぞーーー!!」
その様子を見ていたマイアはシュタインと切りあっていた。
「セイヤッ!!ったく、タイガの奴……強くなりすぎでしょ。」
「ちぃっ!!?化け物どもめ!」
「生憎、それはタイガだけだよ。あたしらは人間だ!」
その頃、アリシアもコクとハリベル相手に立ち合い、善戦していた。
刀とだんびらと立ち合った事の無い敵であったが、アリシアは敵の武器や癖を読みながら戦い、ハリベル達も押され始めていた。
「はっ!」
「くっ!」
「強い……!」
徐々に押され始めるアルファディオス軍、それを見ていた“皇帝”は天上を見ながらため息を吐く。
「なぁんだ……折角、集めたってのにこの程度か。
なら、もういいかなぁ……この世界も“外”と同様に壊しちゃえば。」
そう言うと、皇帝は座していた玉座から立ち上がると空に向かって右手を伸ばすと、空に暗雲が立ち込めるのであった……。
一方で、空の暗雲を見て駆けている一台の馬車があった。
「あれは……!急げますか?」
「はい、皆さま掴まっていてください!」
馬の手綱を握っていた女騎士が馬車の速度をさらに上げて戦場へと向かうのであった……。
◆◆◆
そして、グレンを倒したタイガは肩で息をしながら人間の姿に戻ったグレンへと歩み寄る。
「俺の敗けだ……。処刑するならしろ……だが、兵達は見逃してほしい……。」
グレンの言葉にタイガは笑って答えた。
「そんなことしないっての!俺は皇帝について聞きたいだけなんだ。
それに、お前と戦えて楽しかったぜ!」
「……変な奴。まぁいいか、それなら俺が」
グレンがそう言って立ち上がった瞬間、彼の影から蛇が現れてグレンの首に噛みついたのである。
「ぐっ!!?ぁぁああぁぁぁぁぁっ!!?」
『グレン様!!?』
「グレン!?このっ!?」
ズバッと秋水で斬ると、蛇は霧散して消えていった。しかしグレンの方はかなり苦しそうで悶え苦しんでおり、毒の影響なのか肌が黄土色に鳴り始めていた。
「あがっ……!?ぁぁ……!!?ああぁぁぁぁぁぁ…………っ!?」
「なに!?何がどうなってるの!?さっきの蛇は……まさか呪物!?」
『マスター、さっきの蛇“かなりヤバい”みたい!
猛毒、呪い、精神汚染、身体能力の低下……色々な毒や呪いが!!』
「分かってる!!“オールヒール”!“エグゼクティブキュア”!“エナジーポーション”!!」
苦しむグレンを押さえながら、タイガは彼にありとあらゆる回復魔法などを掛けていくと、すると効果が現れたのかグレンの身体は、元の赤みのある肌色へと戻り、そして、それを見ていた兵士達は驚きながらも歓喜し、アストリットはタイガの回復魔法に驚いていた。
すると、空が突然暗く淀み始め、アルファディオスの城門の方に人影が歩いてきているのが見えたが、その人影を見たグレンは驚き、フラフラになりながらも立ち上がる。
「あ、あれは!?……陛下!!?」
「陛下?……あいつが?」
「あぁ、あのお方が現アルファディオス皇帝である………ラルク陛下だ。」
「ラルク……皇帝。(何だこの違和感、まるで“何かが”変だ……これは、悪意か?)」
ラルクと呼ばれた青年を見たタイガ、しかし、そのラルクと呼ばれた青年から発せられている禍々しい気配と悪意を感じ、目の前にいる皇帝に二刀を抜いて警戒心を露にする。
すると、グレンはタイガを手で制すると、ラルクに向かって叫んだ。
「陛下、話を聞いてくれ!この男は陛下の言うような奴じゃありません!
こいつは話の分かる奴です!」
「……それがどうした、グレン?そんなことは関係ないんだ。
黄泉閊を、破戒者を倒したその男は危険なんだ。だから倒すべきなんだ。」
「破戒者!?お前、何で黄泉閊の事を知ってる?
それに、お前は……何なんだ?」
タイガの言葉にラルクは顔に手を置くと、クックッと笑いだしており顔を挙げる。
「なぁ~~んだ。バレたのか……案外早かったなぁ?」
「タイガ、何がどうなってるの?あのラルクって男はいったい?」
「そうだよ!!我は、ラルクなんてガキじゃない!この身体を使わせてもらっているのさ。
我は……」
バキバキッ!ゴキッゴキッ!メキメキッ!
ラルク身体のあちこちから嫌な音が響き渡り、身体が巨大な異形の人型となり、下半身には巨大な大蛇が5体現れている怪物となった。
「我こそは“皇”にして“神”にして“帝”……蛇皇神帝アスクレピオーズなり!!!!」
最悪の蛇神が目を覚ます……。