ま、気が向いた描きます。
アリシアside
私達の頭上に現れた巨大な怪物、その姿……いや、その存在を見た瞬間に抱いた感情があって、それを言い表すのなら“恐怖”と言うのだろう。それほどまでに私達の頭上に現れた怪物を見て、思ったことが無かった。
そして、今いる怪物を一言で表すなら……“魔”だと強く思う。
女神ラーレンティアの生まれ変わりであるセレスティン様を“光”と言うなら、頭上にいるこの存在は正しく“闇”そのものだろう。周囲の者達やハリベル達すら顔を青ざめさせて天を仰いでいる。
すると、蛇達の本体と思われる人間らしきの部分が空に向かって杖を持った手を掲げると、魔法陣が現れた。何かは分からないが、それがとてつもなく嫌な予感がしたが、私が動いたのと同時にタイガやマイア殿、ルー・ルーも同時に動いた瞬間。
空から無数の“黒い閃光”が降り注いだ……。
ドドドドドドドドドドドドドッ!!!
アスクレピオーズが放った“黒い閃光”、それは雨のように天から降り注ぎ、敵味方問わず兵士達の命を奪う絶望……その雨の如く降り注ぐエネルギーを見た者達は言葉を発する間も無く、閃光によって絶命していった。
暫くすると、地上は死屍累々の屍の山で一杯になり、生きている者が1人として居なくなっていた。
「ふんっ。これで終いか……せっかくの“星持ち”まで殺めてしまうとは。
まぁいい、次見つければ……ん?」
アスクレピオーズが微かに揺れる大地に視線を送ると、そこにはゴーレムが数体おり、その下にはタイガやアストリット、アリシアや五神将達がゴーレムの下で幸いにも生き延びており、連合軍本陣もカグヤが張った結界の札によってイリスら3人と数名の兵士達が難を逃れていた。
「はぁ、はぁ……!この野郎、無茶苦茶やりやがる!ほとんど殺しやがって!?」
「はぁ、はぁ!し、死ぬかと思ったわよ……!!幸いみんなも無事みたいね。」
「ぐっ……!?へ、陛下……何で……!!仲間を殺すんだよ!!!あんなに、あんなに慈愛に満ちてたあんたが!!?何で、味方まで殺すようなことを!!!?」
グレンの心からの叫びに対し、アスクレピオーズは感情を入れることなく、ただ冷たく返した。
「それは……答える意味があるのか?これから、死に行くお前達に。目の前から失せろ、ゴミ共。」
アスクレピオーズの言葉……それを自身が信頼した皇帝の言葉と思ってしまったグレンは、その場に崩れ落ちて涙を流す。自分達の信頼が壊されたと思ったグレンや他の仲間達は絶望するが、そんな彼らを見てもアスクレピオーズは一瞥するだけでなにもしようとはしなかった。
しかし、そんなアスクレピオーズにタイガが“
「っぐ!?痛っぇ!!この野郎、高いところから見下ろして嘗めてんじゃねぇ!今すぐその頭叩き落としてやる!!「タイガ。」ん?あぁ、コハクさん。無事だったんだな?悪いんだけど、奴を倒す」ドスッ!
「……あぁ。すまないが、それをさせるわけにはいかないんだ。」
コハクの行った事、その行動に一同は言葉を亡くした。
彼女はタイガの腹を短刀で突き刺したのだ。血が滴り落ち、タイガはゆっくりと崩れ落ちるように倒れた。
「っ!?こ、コハク!?」
「…………。」
それを見ていたアリシアがタイガに駆け寄り、アストリットも混乱していたがゴーレムで仲間や生きている兵、五神将を一纏めにイリス達のいる場所にに集めた。
「た、タイガ!!!!?」
「ウソ……なんで。なんで兄ちゃん刺されたの!?」
「コハク……!貴女、なにしてるのよ!!!何で彼を!?」
「……すまぬ。」
コハクはそう言うと、アスクレピオーズの上に飛び乗り、それを確認するとピオーズは再び杖を天に掲げるとあの黒い閃光を放とうとした。
その時だった。
「
キュイィィィィィィンッ!!
「
ゴロゴロッ!ビシャアァァァァアッ!!
イリス達を囲うように現れた“ドーム型の魔方陣”と空から降り注いだ“黒い雷撃”がアスクレピオーズを襲う。
そして、一同が声のした方向を向くとそこには……。
「せ、せ……!セレスティン様!!クラウディア様!!それにオリガとクロエ!」
そこには“女神”セレスティン・ルクルスとタイガの母で“聖騎士”クラウディア・レーヴァンタイン、そして、“黒の女王”と呼ばれたオリガ・ディスコルディアとその“騎士”クロエ、そして、砂漠の国で囚われていた“寵姫”ミスティオラまでいたのだ。
「みなさん、大丈夫ですか?」
「遅くなってごめんなさい!それと、タイガは!?」
「ま、まさか!?あれはセレスティン・ルクルス!?それに闇の女帝オリガやその騎士達まで!!いったいどうなっているのだ!?」
「そんなことより!?また何かする気よあいつ!?早く逃げ「みなさん下がって」え!?」
アストリットが逃げるように叫ぼうとした時、セレスティンが前に立つと右手を天に掲げる。すると、その手には五神将と同じ星の力の痣が有ったのだ。
「
アスクレピオーズの放った紫炎のエネルギー波を純白の盾が押さえ込み、仲間達を護っていく。
「くっ!!クラウディア!!」
「はっ!」
クラウディアが懐から巻物を出すと、そこから魔方陣が現れる。
「転移魔法よ!ここから全員入って!」
「分かった!みんな慌てずに入って!!」
咄嗟にマイアの判断で全員が魔方陣に入っていき、セレスティンもクラウディアと共に魔方陣へと入り、その場から消えるとそれと同時に爆発が起こり、連合軍は姿を消しており、アスクレピオーズはそれを見ると、アルファディオス城へと戻っていき、コハクも着いていったのであった……。
その頃、転移魔法陣で逃げ切る事が出来た連合軍一同は、神聖王国近くの泉がある森へと来ていた。
アルファディオスからはかなりの距離があるため、すぐに追っては来ないと考えた一同はタイガの手当てを済ませてから神聖王国へと向かうことにしたのであった。神聖王国に着くと、兵士達は死んだように眠りはてイリス達も城内で軍義を行う事にし、そこにはセラフィーナも参加することとなった。
「まさか、セラフィーナ様と同じ聖なるエルフであるセレスティン様をこの目で見るとは思いもしませんでした。」
「私も驚いております。まさか、かの女神と出会うこととなろうとは……。」
「そんなことよりも!!!なんなのさ!!あの化け物!!それに、なんでコハクは裏切ったのさ!!?」
「……あの邪神、アスクレピオーズについては私が話します。
私が、知ったこと……この時代で起きたことの全てを。」