セレスティンside
私、セレスティンは未来に来る前まで、消息不明になった皆さんを探していましたが、その夜に一羽の白い鷹を連れた男性が私の前に現れ、その人物の放つ違和感にクラウディアが剣を向けましたが、彼は静かに笑っていました。
『ははっ、さすがはタイガの母君と愛した方だ。』
『あなたは、何者……いえ、なんなのですか?』
『白き女神よ、夜分遅くの拝謁の御無礼 何卒お許しください。
警戒されるのも分かりますが、私はタイガを助けたいのです。』
礼儀正しく礼をしてきたその者はグリフィスと名乗り、タイガくんや皆さんが未来にいるとだけ伝えると私にボロボロの汚れた双剣と何かの印のような物を渡してきたのです。
『それが、あいつを……タイガを助けるでしょう。』
グリフィスさんが消えた後に、私の頭には未来での戦いが流れ込んできて、慌てた私はクラウディア、オリガさんとクロエさんの4人は、私とオリガさんで造った転移の力でこの未来に来て、砂漠で囲まれた国でオリガさんの妹を名乗るミスティオラさんと共に国を出てたのです。
そして、私はミスティオラさんのお陰で、このセレヌスの地に封印されていた“大いなる邪神”の存在と“戦いの乙女の力”を手にしたという事を話したのでした……。
セレスティンの話を聞いていた一同はぽかんとした顔をする以外に無く、ただ黙って話を聞いていた。
「えっと、つまり……そのグリフィスという者がタイガを救うためにセレスティン様に会い、そこでこの時代に来るための用意をし、そのミスティオラと出会い、そこで力と邪神について知って来た……という事ですか。」
「なんというか、目茶苦茶ではあるね。けど、それならあの邪神とやらについて分かったのかい?」
マイアの言葉にセレスティンがゆっくりと頷く。
「はい、あの邪神……アスクレピオーズは相手の心に取り憑く存在であり、取り憑かれた相手は残虐になり、邪神に生気を吸われ続けてしまいます。しかし、その正体は不明でありながら何処かで生き続け、人々を恐怖に陥れていた。
……力としては“不死”だと記されていましたが、詳細については分かりませんでした。」
セラフィーナの言葉にセレスティンは頷く。
「セレスティン様、かの邪神を倒すことは出来るのでしょうか?」
「はい、私の力とセラフィーナ殿の聖なる力、そして、12の星の力が合わされば邪神を倒すことは可能だと思われます。」
セレスティンの言葉にアリシアが腕を顎に置き、考える。
「……ということは、皇帝は取り憑かれてるが助ける事が出来る。
それに、星の力ならこちらに5人いる!五神将に話してみよう!イリス殿、彼らは今は?」
「今は別室にて軟禁中だ、話すことも可能ではあるが。」
「ならば、私とセレスティン様、イリス殿、セラフィーナ殿で説得してみよう。もしかすれば、力を貸してくれるかもしれない。」
「ならボクとメル・メルは武器作るよ!!あんなデカ物を倒せる武器をね!!」
「やってやるよ!!こうなったらあの皇帝に取り憑いてる邪神に、被害額割り増し請求してやるんだ!!」
「んじゃ、アタシも何かするかね……カグヤとクラウディアは?」
マイアが訪ねるとオリガが答えた。
「タイガの近くにいる。何やら薬を使われたようでまだ眠っているわ。」
オリガの質問にマイアも、あれま。と返して自身で出来そうな事を探しに出ると、挫けそうになっている兵士達にプリムと共に激励をしに向かい、オリガとクロエ、ミスティオラはアストリットと共に魔術の研鑽に向かったのであった。
その頃、カグヤとクラウディアは眠ってしまっているタイガの元に向かい、彼の包帯を変えたり、手当てなどをしていたがタイガは目を覚まさずに眠っていた。すると、クラウディアはグリフィスが持たせた双剣とかつての鷹の団の印を置くと、カグヤと共に部屋を後にした。
その時、双剣と鷹の団の印が光り出したのであった……。
タイガside
「ここは、どこだ?」
コハクに刺され、倒れた俺は真っ暗な道を歩いていたが気付けば、いつの間にか夕焼けが美しい丘の様な場所に立っていた。
「コハク、何だってあんなことを。それに何で俺はここに?」
「相変わらず、抜けてるんだかふざけてるんだか分からないな、お前は。」
背後から聞き慣れた声が聞こえてきた……。
あり得ない……。嘘だと信じたい……。
だけど、それでもこの声を聞いてしまったら……信じずにはいられない。
俺が背後に振り向くと、そこには懐かしい男がいた。
「久しぶりだな、タイガ。」
「ぐ、グリフィス……!!?お前、なんで!!?」
「俺も時間がないから、手短に話す……タイガ、俺はお前を助けに来たんだ。」
助けに……?何をいってんだグリフィス、お前は自分の自分のした事を忘れて言ってるのか!?
仲間裏切って、あいつら死なせたのに……何が助けたいだ!!?どの口で言ってんだ!?
「(言ってやりたい……!!殴ってやりたい!!けど、こいつの受けた傷を見たら、そんな事を言えるわけない!!?)」
「タイガ、お前が生きているとは思わなかったよ。あの日、お前は死んだとばかり思っていた。」
「グリフィ、ス……俺は、俺は……!」
「俺は夢を叶えたぞ。己の城……いや、国を手に入れた。いつか、お前が来るのを楽しみにしている。」
グリフィスはそれだけ言うと、何処かに歩いていく。
その姿は明るい未来に向かって迷わず進んでいく様に見えて、俺は思わず叫んだ。
「俺は……お前のした事を許せない!!!いつか、いつかお前よりも強く、凄いことをしてやる!!!高いところで待ってろ!!!」
グリフィスはその言葉を聞いて、こちらを微笑みながら振り返った。
「あぁ、待っているぞ。タイガ。」
グリフィスはそれだけ言うと光りに包まれて消え、俺も目が覚めるとそこはベッドの上で隣には昔使っていた双剣と鷹の団の印が置かれていた。
「ここは……そうだ!みんなに会わねぇと!」
『マスター遅いわよ!この寝坊助!』
「(悪かったっての!?)」