※この作品はR-18です。

黒獣~転生戦記~   作:ボルボロックス

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次回が戦闘です!


31 駆けよ!!撃てよ!!

 黒い蛇のような人と蛇が融合したような怪物、アポピス……。その体は黒い蛇と人間の合わさった様な姿をしており、両手には剣と蛇の顔をした盾を持って現れ、牙を剥いて威嚇してくる様に兵士達は戦々恐々となる。

 

 

 そんな中でアポピスが牙を剥いて剣を振り上げ、兵士に斬りかかろうとした時、タイガが炎を二代鬼徹から斬撃を放ち、襲い掛かってきたアポピス達を斬り倒し、そして二代鬼徹を高く掲げて叫ぶ

 

 

「みんなビビるな!!怖いのは分かるが、ここで圧されたら敗けだ!!退くな!!押し返して合流するぞ!!」

 

 

 そう言うとタイガはアポピスの群れへと向かっていき、秋水と二代鬼徹で斬り倒していき、その様を見ていたグレンはやれやれといった感じでため息を吐いて、得物である三又槍を構える。

 

 

「お前ら、あいつに手柄持ってかれるぞ!ここで死ぬなんて馬鹿馬鹿しい!!生き残る為に戦うぞ!!」

 

 

 グレンもそう言うと、アポピスに向かっていき目の前の敵を倒していく。そんな2人の姿を見た兵士達は徐々に2人に続いてアポピスに立ち向かっていき、そんな兵士達を見てアリシアとイリスが檄を飛ばす。

 

 

「全軍進め!!敵を討つのだ!!」

 

 

「1人で戦うな!!2人で相手に当たれ!!油断せずに立ち向かえ!!」

 

 

 姫騎士アリシア、姫将軍イリスも抜剣しアポピス達に立ち向かっていく。その中で兵士達は4人に負けじと攻め込んでいく。女ながら2人も戦場に身を投じて、兵を指揮し、敵と戦う2人はアポピス達と互角に戦っていた。

 

 

「くっ!!はあ!!くっ、数が多いな。このままでは乱戦になってしまう。イリス、どうする?」

 

 

「やあ!!……分からん、だが何か後方に合図を送れれば。」

 

 

「はああああっ!!!うだうだ考えてても仕方ねぇ!つうか、こいつら……まじで鬱陶しいから、少し荒業使うぞ!!龍巻!!!」

 

 

 ゴオオオオッ!!と巨大な斬撃を纏った竜巻を起こしてアポピスの群れを吹き飛ばして、切り刻んでいく。更にタイガは技を続けていく。

 

 

「“豹・琴・玉”!!」

 

 

 ドオオオオオンッ!!とアポピス達が再び吹き飛ばされ、さらに斬撃を受けたアポピスはズタズタに切り裂かれて倒されていくが、その様子を見ていたイリスは呆れた様子でタイガを見ていた。

 

 

「何て無茶苦茶な……。」

 

 

「あれがタイガだ。無茶を平気でやるような奴なのだ……。全軍進め!!」

 

 

『おおおおおおっ!!』

 

 

 アリシアの宣言と共に兵士達は雄叫びを挙げて、アポピス達に立ち向かっていき、傷付いていった兵士達は下げられながら、戦闘を行っていく。その中でタイガはアポピスが斬られて倒れた仲間や倒れて動けなくなった神聖同盟軍の兵士を食って自身の力にしていく動きを見つけた。

 

 

 それによって力を増した個体によって神聖同盟が圧され始めており、タイガ達はアポピス達を倒しながらも少しずつ下がっていた。

 

 

「くっ!あの化け物、死体を食って力にしているのか!しかも、食ったら食った分だけ強くなるみたいだ!」

 

 

「しかも敵味方関係なくだなんて……!あんなのを放っておいたら被害が拡がるばかりだ!後方に援軍も出せそうにないし、どうする!?」

 

 

 アリシアがそう言った瞬間、タイガとグレンが強化されたアポピスに向かって駆け出した。

 

 

「二刀流、閃!!」

 

 

「炎斬!!」

 

 

 タイガの二刀とグレンの三又槍を振るい、アポピスを切り裂くとその個体は動かなくなり、そんな中で2人は武器を構え、周囲を見ると多数のアポピスが切り裂かれ、焼き斬られており、その様を見てアリシアとイリスは驚いていた。

 

 

「ふぅ……!グレン、何体斬った?」

 

 

「さぁな、50体からは数えてねぇよ。タイガは?」

 

 

「俺も50体から上は数えてない。だけど、このまま続けてても埒が開かない……グレン、暴れられるか?」

 

 

 タイガの言葉にグレンは一瞥すると、軽く笑みを浮かべる。

 

 

「あぁ良いぜ!ただし、俺も本気で暴れるから巻き添えとかしても文句言うなよ?」

 

 

「上等だ。イリス、アリシア!セレスティン様とセラフィーナさん達に念話してすぐに向かってくれ!ここは、俺らでやる。さぁて!んじゃやりますか!!!」

 

 

 そう言って駆け出すタイガを呆然としながら見ていたイリス、その中でタイガにアリシアはやれやれといった感じでため息を吐くとセレスティン達の下へと急ぐことにした。

 

 

 その態度にイリスはアリシアに、驚いた様子で声を掛ける。 

 

 

「良いのか!?タイガ達を置いて!」

 

 

「タイガ達なら大丈夫だ。今は他の面々が心配だ、急ぐぞ!半分はタイガ達と残れ!!半分は我々に着いてこい!!駆け足だ!!」

 

 

 アリシアが仲間達の下へと急ぐことにし、それを見たタイガはにぃっと笑うと二刀を交差させて、高らかに叫ぶ。 

 

 

「よぉし!!お前ら、ここからは死地だ!!死ぬ気で食らい付くぞ!!!」

 

 

『おおおおおおっ!!』

 

 

「行くぜ!!」

 

 

 タイガとグレン、そして兵士達は高らかに叫ぶとアポピスの群れへと向かっていき、全身全霊を懸けてアポピス達を倒していく。アポピス達も仲間や兵士の死体を食って強くなろうとするが、タイガ達はその首を飛ばしていく。

 

 

 その戦は時間を忘れるほどに苛烈であり、負傷兵も多く出ていたがそれでもタイガ達は負けじと前へと進みながら、アポピス達を倒していき……。

 

 

「がはっ!?」

 

 

「くそっ!大丈夫か!?」

 

 

「怪我したら出来るだけ離れてろ!!!炎+風!!炎天の舞!!」

 

 

「百紋突き!!!」

 

 

 タイガとグレンが倒れた仲間を庇いながら、アポピス達を倒していった。そして最後に残ったのは仲間の兵士達や同族のアポピス達を食って力を着けて巨大に育った、最後のアポピスであり、その巨体はかなりの大きさであり、巨体と言われるサイクロプスよりも巨大な体をしていた。

 

 

「よくもまぁここまでデカくなったな。怖い?グレン。」

 

 

「いや、ドン引きしてる。タイガは?」

 

 

「引いてるし、少々怖いぜ。けどまぁ……敵じゃない。来るぜ!!」 

 

 

 タイガがそう叫ぶと巨大アポピスは右手の剣を振り下ろし、彼らの命を絶とうとする。しかし、その大振りな一撃は幸いにも避けることが出来た。更にタイガとグレンはその剣を伝ってアポピスへと向かって駆けていく。

 

 

 アポピスは2人を振り払おうとしたが、その瞬間に2人は跳躍してタイガは二刀を、グレンは三又槍を振りかぶり、そして……。

 

 

「二刀流!!七百二十煩悩鳳!!」

 

 

「炎虎!!!」

 

 

 タイガの飛ぶ斬撃とグレンの放った虎の形をした巨大な炎が、アポピスの群れを斬り伏せ消し炭へと変えていく。2人と兵士達の活躍も有ってかアポピスはすべて倒せたが、その数は1000を超えていた。

 

 

「はぁ、はぁ……。無茶させてくれるぜ、あの蛇集団。」

 

 

「確かにな……おい、それよりお仲間が来たみたいだぜ。」

 

 

 グレンがそう言って、後ろを振り返るとそこにはアリシア、イリスの部隊の他にハリベルやバラン達が全員向かってきており、その姿は若干汚れていて、どうやら戦闘があったらしい。

 

 

「アリシア、みんな無事か?」

 

 

「負傷兵はかなり出ているし、死者も……。だが、セレスティン様達が治療していて、クラウディア様が指揮をしている。このまま前進して、アスクレピオーズを討てとの事だ。」

 

 

「兄ちゃん、ボクたち全然やれるよ!!」

 

 

「まぁこの際、もう一働きしますか。」

 

 

「ゴーレム部隊の強さ、見せてあげるわ!」

 

 

「わしらも甘くはないぞ。」

 

 

「……五神将の方は?」

 

 

 タイガがグレン達に尋ねると、5人とも笑みをもって返す。

 

 

「生憎とまだ死ぬ気はないんでな。」

 

 

「陛下を助けるまでは死なんさ。」

 

 

「俺たちは頑丈なんだよ!!ガハハハッ!!」

 

 

「ん。負けない。」

 

 

「こうなれば最後まで付き合うよ。」

 

 

「っし!んじゃあ、お城に向かっていきますか!!!」

 

 

『おおおおおおっ!!』

 

 

 タイガ達は全員でアスクレピオーズのいるアルファディオスの城へと駆けていく。その途中で大勢の魔物の兵士やアポピスらが出てきたが、全員で倒していきながらタイガ達は遂にアルファディオスのアスクレピオーズのいる玉座の前まで辿り着いたのである。

 

 

「この先にアスクレピオーズが……。」

 

 

『……。』

 

 

「おい、開いてるから入ってこい。入った瞬間に襲いやしないから。」

 

 

「タイガ、どうする?」

 

 

「……俺が先に入る。みんなは後から来てくれ。」

 

 

 タイガが扉を開けて中に入ると、そこには優雅にソファーに座りながらワインを呑みながら扉の方を見ているラルク……否アスクレピオーズがいた。

 

 

 そんなアスクレピオーズにタイガは皮肉を込めて軽口を叩いた。

 

 

「攻め込まれてるのにワインと酒呑んでるのかよ……ずいぶん余裕だな?蛇皇神帝さん。」

 

 

「……これは、アウレリア王国の近隣の街で造られたワインでな。特産のブドウから造られていて中々喉越しが良いんだ。」

 

 

「暢気に酒呑んでるよ……あの蛇。」

 

 

「態度の大きいことで……。」

 

 

 あまりに余裕ぶっている態度に全員が怒りを覚える中で、アスクレピオーズは悠々とワインを開けてらっぱ飲みしていく。そんな中でグレンが得物である三又槍の切っ先をアスクレピオーズに向ける。

 

 

「陛下を返せ。いつまでも陛下の体で余裕ぶってんじゃねぇよ。」

 

 

「短気だなぁ……知ってるかグレンよ?世界はあまりにも広く雄大だ。それこそ人間の物差しでなんて測れないほどにな。この空にも別の物が拡がっている。何より、世界は大きなビー玉なんだ。」

 

 

「……何言ってやがる?」

 

 

「小さな物差しで物事を測るなと言ってるんだ。この男の事なんてあまりにも小さく、あまりにも無意味な「ざけんな……!」んっ!」

 

 

「グレン!!」

 

 

「世界が広く雄大?大きなビー玉?訳のわかんねぇ事ほざいてんじゃねぇぞ蛇野郎。大人しく陛下を返すか、どうなんだ?」

 

 

「アスクレピオーズ、お前の無駄話に付き合ってる余裕はない。大人しくラルクを返せ!」

 

 

 武器を構えて自身を睨む神聖同盟を前に、アスクレピオーズはくっくっくっと静かに笑いだし、それを聞いた一同は不思議な悪寒を感じていた。

 

 

「お前らのような小さな存在が、この蛇皇神帝と戦う気か……思い上がるな!!!!!」

 

 

「っ!!?みんな、ここを離れるぞ!!!」

 

 

 タイガは即座に神聖同盟と五神将の面々と共に転移すると、ラルクの体はグツグツと変化していき、巨大なその本性……蛇皇神帝アスクレピオーズへと姿を変えて、天に雄叫びを挙げた……。

 




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