※この作品はR-18です。

黒獣~転生戦記~   作:ボルボロックス

27 / 141
微妙な長さですが、とりあえず完成しました。


15 裏切り

黒の城の城門、その眼前にはオーガがミノタウロスなどの魔物の兵士が約100、そして月光の能力で操られ傀儡兵となった村人150、そして月光に協力している者達から貸し与えられた兵士約250。

 

 

合計500もの兵士達が黒の城の前に集まっており、それを見て月光は楽しげに笑いながら次の策を考え始めていた。

 

 

〜〜〜

 

 

一方、カグヤとの行為を終えたタイガは彼女達東方の者達と同盟を組む事にし、何かあった際は必ず助け合うという約定を結んだ。

 

 

その後、1の砦に戻ったタイガは帰りが遅かった事を心配した母からお叱りを受ける事となったが説教だけで許され、執務室に戻るとすぐに政務をしつつ警備をしながら街の子どもたち共一緒に遊んだり、街の人達と1日を過ごしていた。

 

 

「ふぅ……やっと終わったぁぁ。」

 

 

「よく頑張ったなタイガ。ほら。」

 

 

「父様、ありがとうございます。」

 

 

仕事を終えたタイガは父クラウスから飲み物を受け取り、ゆっくりと飲んでいく。そんな中、父から質問された。

 

 

「そう言えばタイガ、父上を見てないか?」

 

 

「じい様を?最近見てないです。何か何処かによく行くらしいんですが、何処へ行っているかは分かんないんです。それが何か?」

 

 

「いや、何だか嫌な予感がしてな。見てないなら仕方ない、仕事に戻るんだぞ?」

 

 

「はい。」

 

 

「あ。そう言えば、アリシア姫がお前に会いに来てくれと言っていたぞ。このあと顔を出してあげなさい。」

 

 

「アリシアが?分かった、ありがとう。」

 

 

タイガに微笑んで返すと、クラウスは部屋を出ていき、タイガは残っている仕事を片付けようと腕を動かし始める。

 

 

そして、仕事を片付けたタイガは身体をぐぅ〜っと伸ばし、アリシアに会いに行く際に、砦の警護のために分身を1体残し、彼女のいる2の砦へと向かった……。

 

 

 

〜〜〜。

 

 

 

その頃、黒の城では月光がある人物達と会っていた。

 

 

「よし。んじゃ、早速動いてくれる?キミたちの活躍に期待してるよ。」

 

 

月光の言葉にそれぞれが反応を示すと、全員が玉座の間から出ていき、それを見て月光は楽しげに笑った。

 

 

「さぁ始まるよ……祭りがね。」

 

 

月光の浮かべた笑みは、とても無邪気なモノだったが何処かドス黒い悪意を孕んでいた。

 

 

 

〜〜〜。

 

 

 

アリシアから呼ばれたタイガ、彼は今2の砦にてアリシア、従妹のプリムの3人でお茶会をしていたのだが、その場にはもう1人客人がいた。

 

 

「兄ちゃ〜ん。」

 

 

「ルー・ルー、行儀悪いぞ。あまりしがみつくな。」

 

 

「全くだ。女が真っ昼間からそんな……は、はしたないぞ!?」

 

 

タイガの膝に座り、抱き着いているルー・ルーにアリシアが顔を顰めながら言うと、ルー・ルーはニヤニヤと笑いながら言う。

 

 

「えぇ?兄ちゃんの匂いが好きだからこうしてるの。いけない?」

 

 

「べ、別にいけないとは言ってない!(わ、私だってタイガに甘えたいのに…。)」

 

 

少し戸惑ったような顔付きで反論するアリシア、そんな様子にプリムは首を傾げる。

 

 

すると、1人の兵士が駆け込んできた。

 

 

「し、失礼致します!」

 

 

「何事だ、今は茶会の最中だぞ!?」

 

 

「も、申し訳ありません!しかし、火急の御用の為ご無礼をお許しください!?」

 

 

「分かった。何かあったのか?」

 

 

タイガが尋ねると、兵士は顔を挙げながら報告を仕出した。

 

 

「げ、現在黒の城の方角より、敵兵が迫ってきております!数は100を超えております!」

 

 

「100……先遣隊だろうか。分かった、俺が向かう。」

 

 

「兄ちゃん、ボクも協力するよ!」

 

 

「私も行く!」

 

 

「いや、大勢で動くと背後が空きになる。1の砦の人達と死守しながら動くからみんなは背後を頼む。じゃあな!」

 

 

タイガはそう言うと、馬を置いてある場所に向かい砦にへと戻っていった。

 

 

その様子を見ていたアリシアはため息を吐いた。

 

 

「全く、無茶するんだから。プリム、お前は砦の中にいるんだぞ。」

 

 

「ボクも頑張るぞ〜!兄ちゃんに負けないもんね!」

 

 

そう言いながらルー・ルーは席を飛び出していったが、そんな中プリムはスカートの裾をグッと握っていた……。

 

 

 

 

 

一方その頃、先に出向いていたタイガは秋水を奮い、迫ってきていた敵兵を相手に力を奮っており、その数約100人を1人で牽制していた。

 

 

「猛虎獣烈覇!!」

 

 

猛虎状の衝撃波によって迫っていた敵兵達は吹き飛びながら血飛沫が舞い、ボロボロになって倒れていく。

 

 

すると、タイガの部下達が待ち構えている場所に誘い込むと、兵士達が弓を撃ち、その後タイガが合図を出すと砦から兵士達が突撃を始め、敵を撃っていく。

 

 

そんな中、タイガは違和感を感じていた。

 

 

「(なんだこいつら?明らかにやる気が感じられないし、悲鳴も挙げない。まるで人形みたいだ……まさか!?)」

 

 

タイガは倒した兵の死体に近付くと、その兵士の顔に生気は無く額には小さな傷があり、何かが刺さっていたようだがそれを見てタイガはある事を察した。

 

 

「こいつら、操られてる!それにこいつら、近隣の村に住んでる民だ!?」

 

 

「た、タイガ!?これはどうなっているんだ!まるで人形ではないか!」

 

 

「分からねぇ。だが、どこのどいつだ!?こんなことするのは!?」

 

 

救援に来たアリシアの言葉に、タイガはそう言いながら怒りつつ歯軋りをする。

 

 

影に隠れてコソコソするタイプの敵に、タイガは苛立ちを募らせていた。

 

 

「た、タイガ様!?」

 

 

「あ?どうした?!」

 

 

兵が怯えながら指差す方を見ると、そこには倒した筈の相手がゆらりと起き上がって剣を取る。まるで人形のような気味の悪い動きをする民達の姿があった。

 

 

「(これは……ハンター・ハンターの操作系に似てる。くそっ、こんなのどうやって倒せば……そうだ!)全員、これ以上殺すな!拘束しろ!」

 

 

「ど、どういう意味だタイガ?!」

 

 

「動きを止めるだけだ。それに、こうしないと止まりそうにない。」

 

 

兵達はタイガの指示を聞いて、襲い掛かってきた民を押さえると縄で縛り動きを止めた。

 

 

それから暫くして、ルー・ルー達ハーフリング、カグヤの部下達が援軍に来て全員で拘束し、戦場には縛られながらも、動こうとする敵兵がいた。

 

 

「いったい、何がどうなってるのだ?まるで意思のない人形じゃないか?!」

 

 

「うん、何か気味悪いよね。どうなってんのこれ?」

 

 

「恐らく何かの力で、操られてんだ。技を受けても、切られても、突かれても、矢でいられようが攻撃をやめないのは……」

 

 

『おめでとうwwwww!!』

 

 

空から聞こえてきた声に全員が見上げると、そこには笑顔の月光が写っていた。

 

 

しかし、月光は笑顔のまま拍手をした。

 

 

『いやぁ、まさか全員を止めるなんて思わなかったよ。』

 

 

「お前、コイツらに何したんだ?」

 

 

『簡単なことさ♪彼らの脳を壊して、僕の私兵として動くようにしたんだ。けど、もうそんな使えないのいらないか。』

 

 

月光が指をパチンっと鳴らすと、民達の動きが完全に止まり動かなくなった。

 

 

『はい、これで元の死体に戻ったよ。私兵にする際に心臓も破壊したから、そいつらはただの死体になるだけ。』

 

 

「てめぇ、人間を……生き物を何だと思ってやがるんだ!?」

 

 

『は?んなの知らないよ、てかそんな使えなくなったゴミ共に、何か意味ある?』

 

 

「テメェ……!?」

 

 

タイガが覇気を発動しそうになった瞬間、遠くから爆音が響いてきた。見ると、6の砦の方で爆発が起きていた。

 

 

「何だ!?6の砦の方で何かあったのか!?」

 

 

『ふふっ、始めたか。いいタイミングだ。』

 

 

「何だと、てめぇなにか知ってるのか!?」

 

 

『さぁね、自分でなんとかしなよバイバイ。タイガくん。』

 

 

月光は笑顔で手を振りながら、消えていった。

 

 

「あの野郎!?」

 

 

「タイガ様!?何者かが馬に乗って近づいてきます!」

 

 

兵の言葉にその方向を見ると、そこには傷付きながらも馬に乗って駆けてきた人物がいた。その人物はタイガの母クラウディアの騎士団である"黎明騎士団"の副団長である女騎士だった。

 

 

「た、タイガ、様……。」

 

 

「おい、大丈夫か!?何があった!?」

 

 

「と、当主、様が……グラーヴ、将軍が……」

 

 

「爺様?爺様がどうかしたのか!?」

 

 

「グラーヴ、将軍が……敵に、寝返り、ました……。」

 

 

女騎士の言葉に全員が言葉を亡くした……。

 

 

 

〜〜〜。

 

 

 

爺が裏切った。

 

 

そう言われ、俺達は言葉を失った。

 

 

俺も何を言っていいのか分からなくなり、彼女に回復の魔法を掛けながら質問した。

 

 

「……悪い、何があったのか教えてくれないか?」

 

 

「皆様が敵と戦っていた時、に、グラーヴ将軍は突然反旗を翻し、団長を……お母上を捕らえたのです。」

 

 

「な!?クラウディア様を!?」

 

 

母様が囚われた事にアリシアが驚く。

 

 

母様は近隣ではその強さから鬼神と呼ばれていたが、今ではその噂すら聞かないほどに穏やかになっていた。だが、いくら穏やかになったからって、母様が負けるなんて……

 

 

「父様は、クラウスはどうなったんだ?」

 

 

「お父上様は、女神様を人質に取ったグラーヴ将軍に掴み掛かりましたが、何度も殴られ、終いには人質になりそれで団長も手が出せず。」

 

 

そうか、それなら母様でも手が出せないわけだ。

 

 

「タイガ様、お願いします!団長を……クラウディア様を……女神様を……!」

 

 

「分かった。必ず全員助けるから、ゆっくりと休んでくれ。ありがとう。」

 

 

そう言うと、副団長さんは安心したのかゆっくりと眠りに付いた。

 

 

それよりも……

 

 

「タイガ、どうし「クソがァァァァァァァァ!!!」っ!?」

 

 

「あのボケ老人!?こんな時に何してくれてんだ!?セレスティン様や父様を人質にしたり、母様捕えたり、ふざけんじゃねぇぞ!?!?」

 

 

覇王色を発動しながら叫ぶと、兵士達の大半が気絶しアリシアやルー・ルーも驚いている。

 

 

だが、ふざけんじゃねぇぞ糞ジジイ!!!

 

 

「た、タイガ様!?」

 

 

「なんだ!?」

 

 

「そ、それが先程1の砦と4の砦より馬車が1台ずつ出ていったと報告が監視していたオリガ、クロエの両名とマイア殿が居なくなったと各砦より報告が!」

 

 

「ちっ!?」

 

 

これもジジイの作戦か!

 

 

オリガやクロエ、マイア姉に……仲間に手を出しやがって!

 

 

「アリシア!ルー・ルー!俺はこれから黒の城に向かう!多分ジジイ達がいるのはそこだ。みんなは、各砦の救援と保護を頼む!」

 

 

「それは構わないが、1人でなんて無茶だ!」

 

 

「全員で動くほうがまずい、俺ならある程度自由に動けるし、みんなにも迷惑は掛けない!それと、カグヤ達と協力して、なるべく混乱が起きないようにしてくれ。必ずみんなを助けて戻ってくる!」

 

 

俺はそれだけ言うと、転移の魔眼で黒の城へと向かった。

 

 

首洗って待ってろよ……。




良ければ、読んで感想など下さい。


お願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。