巨蟲を書きなおしたり、スランプになったりとで遅れて申し訳ありません。
セレスティンSide
私は今、タイガ君のいる1の砦に在る彼の自室の前に立っています。マイアさんとアリシアさんから聞いていましたが、彼は酷く落ち込んでいると言われました。
何が原因でそんな事になったのかは分かりませんが、マイアさんからの報告にあった"ジュドー"という人物……彼が関わっているのかもしれません。
しかしそれよりも、今すべきなのはタイガ君と話さないと。このままだと彼は、どこかに落ちてしまう気がして仕方ありませんでした。
「……タイガ君、いらっしゃいますか?」
「セレスティン様、申し訳ありません。今は誰とも会いたくないので、お引き取り頂いても宜しいでしょうか?」
「そう言う訳にはいきません。ここを開けて「放っておいてくれって言ってるでしょうが!!」っ!」
タイガくんからの怒鳴り声に固まってしまいました。
深呼吸をして、ゆっくりと扉を開けるとそこには暗い部屋の中で、膝を抱えて蹲っているタイガくんがおり、目元が赤く腫れ、意気消沈している様子でした。
「タイガくん……。」
「セレスティン様、申し訳ありませんが帰って下さい。誰とも会いたくないんです。」
「タイガくん。辛い気持ちは分かりますが、皆が不安がっているのです。今は戦の最中、ちゃんと事情を説明してもらわなければ……。それにクラウディアも、皆も心配しています。だから……きゃ!?」
私の言葉にタイガくんは、ギリッと歯を強く噛み合わせると私の腕を掴んで、ベッドに押し倒されました。
「気持ちが分かる……?何がわかるんだよ!?アイツは昔のダチで大切な仲間で、死んだと思ってた奴だ!?それが目の前に敵として出てきたアイツを見て、俺がどう思ったか、分かりもしない癖に、気持ちが分かるなんて口にするな!?」
「た、タイガ、くん……。」
肩で荒く息をしながら泣きだしそうな弱々しい顔つきで、私を見下ろす彼のそんな目を見ていて、胸の奥が締め付けられる感覚になっていました。
私を見下ろす彼のその目には大粒の涙が浮かんでおり、歯を食いしばっていて、とても辛そうで、苦しんでいるという事が見て取れました。
そんなタイガくんに対して、私はゆっくりと抱きしめました。
「っ!?せ、セレスティン、様?!これは?!」
「男の子なのだから、気丈に振る舞おうとするのは良いですが、無理はしてはいけません。」
「無理なんて、俺は……!!」
「あなたがそのジュドーという人物とどのような関係だったのかは、私は問いません。でも今は思う存分、泣いたほうが良いですよ。」
そう言うと、タイガくんは私の胸に顔を埋め、肌に温かい雫が滴り落ちるのを感じ、彼の頭を優しく撫でました。
「友達、だと!思っでだ!死んだど思っでだげど!?嬉じがったけど!敵になっでで、俺、俺!!どうじだら良いんだ!!?俺は!アイツと……ジュドーと、戦えない!!!」
「タイガくん……。」
涙をボロボロを流しながら、俯くタイガくん。
彼は声を上げて涙を零していましたが、そんな彼を私はただただ優しく抱き締めながら頭を撫でました。その後、タイガくんは泣き疲れたのか眠りに付いてしまいました。
自身の身なりを整え、穏やかに眠るそんな彼の頭を撫でていると、クラウディアが部屋に訪ねてきました。その目には、騎士としての彼女ではなく、1人の母としての目をした彼女がいました。
「セレスティン様、タイガは?」
「眠ってしまいました。相当疲れてしまったのでしょう。」
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」
「構いません。それよりも、彼には明日話を聞きます。まだ戦の最中ですが、警戒態勢を取って待機するように伝令を流して下さい。」
「承知いたしました。」
クラウディアは一礼すると部屋を出ていき、私はその間もタイガくんの頭を撫でていました。
すると、タイガくんはゆっくりと目を覚ましました。
「あれ、ここは……セレスティン様?」
「お目覚めですか?タイガくん。」
「俺は、そうだ……!セレスティン様、申し訳ありません!情けない姿を見せて、本当にご迷惑を!?」
素早く私から離れ、土下座をする彼を見て私は不意に笑ってしまいました。
「ぷっ!」
「せ、セレスティン様!?」
「い、いいえ、ごめんなさい。あなたのそんな姿を見て笑ってしまって。つい、おかしかったもので。」
私の言葉に顔を赤くして、俯いて目をキョロキョロさせるタイガくんに、私は微笑みながら抱きしめました。
「え!?せ、セレスティン様?!」
「タイガくん、この戦で最後にしましょう。その為にも一緒に戦いましょう。」
「は、はい!では失礼いたします!」
そう言うと何処へと出ていってしまったタイガくん。
しかし、その姿は戦の最中に聞いた姿とは違い、どこか甘やかしてしまうような姿でした。以前に身体を重ねた時とは違って……!?
以前にオリガさん達と身体を重ねた事を思い返し、私が顔を赤くしてしまい、その時の事を思い返していました。
そういえば、あの時の彼はギュッと抱きしめてくれたり、男の子というより男の人という感じがして、とても良かった……って、私は何を!?彼はあくまで私の騎士、その筈なのに……あの時、抱かれてた時の私は……胸が高鳴っていました。
この気持ちはいったい……。