内容めちゃくちゃです。
翌日、タイガはセレスティンやクラウディアなど主だった面子を白の城の広間に呼び、そこで話をする事にした。自分とジュドーの関係について。
但し、転生者、使徒、ゴッドハンドなどの異世界の事は伏せてである。たとえ話しても信じられないか、異端として両親に迷惑を掛けると思ったからである。
「俺とジュドー、アイツは昔ある傭兵団で一緒だった。その傭兵団にはマイア姉やクロエと別れた後で一緒になって、そこで、ナイフやら作戦とかを教えてもらったんだ。」
タイガの言葉に全員が静かに聞いていた。
すると、アリシアが質問をしてきた。
「タイガ、お前は奴を討てるのか?友だった相手を。」
「……討つ。確かに奴は仲間だったが、今の俺は七盾の人間だ。仲間に手を出すなら、俺は奴は倒す。」
タイガが手を強く握ると、目の前のテーブルの上の地図を見ながらそう言った。
「そうか……しかし、お前の友だった男となると厄介ではあるな。私達はタイガの軍の左右に付ける。」
アリシアが強く頷きながらそう言って、目の前いる地図の上のコマを動かす。
「アタシもそう思う。見た感じは優男だけど、戦をやると容赦しないだろうね。しかも精神的に攻めてくるだろうね。その場合はアタシが間に入るよ。」
マイアが腕を組みながら、そう言いながらも同じ様にコマを動かす。
「だったらボク達で一緒に戦おうよ!ボク達ならどんな奴だって倒せるよ!!ボクの方でも沢山武器を直せるようにするよ!」
「でしたら私達三の砦も必要なら援軍を出しましょう。」
互いに意見を出しながら話し合う七盾の面々、そんな様子を見てセレスティン頷き、ゆっくりと立ち上がる。そして、彼女達に告げる。
「皆さん、この戦いを終わらせましょう。これ以上犠牲を出してはなりません。」
「「「はっ!」」」
そう言うとセレスティンは白の城のテラスに立つ。その城下には大勢の家臣たちがいた。
セレスティンは声を高らかに挙げた。
「皆さん、これが最後の戦です!黒犬の方々の反逆から始まったこの戦、私達の……いいえ、皆の手で勝ち取りましょう!!」
「「「おおおぉぉぉぉぉ!!!」」」
セレスティンの宣言に兵士達が雄叫びを挙げ、大地が震えんばかりの歓声が上がった。黒獣という世界のセレヌスという地での、最後の戦が始まろうとしていた。
七盾同盟の城門前、そこにはタイガ、アリシア、マイア、ルー・ルーの軍がおり、タイガの部隊の中にはオリガとクロエもいた。
タイガは自身の部隊の人間達に、ジュドーとの関係を伝え、その中で敢えて戦うということを伝えた。戸惑う者もいたが、タイガは説得もせず去る者は追わなかった。
そんな彼らは視線の先にある黒の城を見つめていたが、敵の前線には黒髪の魔道士ジュダルと魔物の兵士のみがおり、ジュドーの姿は無かった。
更に言えば黒の城の城門が"開いている"のだ。
それを見たマイアはため息を吐く。
「誘ってるねぇ。あれ。」
「あからさまに挑発してくるとは。我々をナメているのか?」
「ムカつくよね。あ~ら敵さん、いらっしゃい♪って感じ。」
「関係ねぇよ。」
タイガは秋水を抜いて、敵に向かって向けると口を開いた。
「これは戦だ。どんなだけ策を練ろうが、軍を強くしようが最後まで諦めなかった奴が勝ちだ。だからこそ、俺らは最後まで諦めるつもりはねぇ。」
「そう。じゃあ何か手立ては?」
「俺とアリシアの軍で先攻して、中堅はマイア姉の部隊、後方はルー・ルーとオリガ、クロエに任せる。」
そう言うとタイガは秋水を抜くと、高々と掲げた。
「行くぞぉぉぉぉ!!」
「「「おおおぉぉぉぉぉ!!!」」」
全員が雄叫びを挙げ、前線に進んでいく。
一方、そんな様子を見ていたジュダルはやれやれと言った様子で首を振る。
彼からすれば、この世界での戦に興味などない。ただただ勝てば自由にするという約束を取り付けられ、仕方無く戦っているのだ。
「さぁて。んじゃあ野郎ども!殺りまくれ!殺して殺して、殺しまくれ!!」
「「「ガアアァァァォォォ!!」」」
ジュダルの掛け声に雄叫びを挙げて、駆け出す軍勢。そんな様子を黒の城の中で見ていたジュドーは、やれやれとため息を吐く。
「やれやれ、元気なことで。」
そう呟くと、ジュドーは城の中に消えていった……。
タイガ、アリシアの両軍によって敵前線は押し込まれ始めていた。特に策はないが壁は一点から崩せば、そこが脆くなりやすい。
例えるなら、水を貯めた分厚い医師の壁であっても、一点を崩す事でそこから水が漏れ、壊れやすくなるということである。
「攻勢を崩すな!敵は崩れかかっている!負傷した者は下げつつ、鶴翼の陣で攻めろ!」
「良いぜ!もっとだ、もっと行くぞ!!」
アリシアとタイガの両軍で敵を攻め、取りこぼした敵をマイア達が討ち、離れた敵はタイガがルー・ルーに提案した投石車で攻めていく。
そして、魔物達の数が少なくなってきた瞬間、タイガが前に出ようとすると上空から雷が落ちてきた。
「っ!?止まれ!!」
「あ~らら、気付かれたか。今ので終わったと思ったのによぉ。」
「ジュダルか。」
目の前を見ると、そこには杖をクルクルと回してこちらを見ているジュダルがいた。
「敵将がわざわざ首差し出しに来たか?」
「いんや、ただウチの大将がアンタを殺したいって言ってきてなぁ?アンタだけは城に入って良いってよ。」
「誰がんな事聞くかっつうの!」
タイガはそう言うと、秋水を抜いてジュダルに向かって駆けると、彼の白い首を狙って一閃する。
しかし、ジュダルは軽く避けるとニヤリと笑い、タイガの足下に魔法陣を作り出した。
「これは!?」
「はい1名様ご案内♪」
「「「タイガ!?」」」
タイガはその魔法陣に飲まれると、次にはなんと黒の城に転送されたのであった。
城内の階段付近に転送されたタイガは辺りを見渡していると、上から人の気配を感じそこに向かうと、そこは玉座の間であり、その席にはこの世界の破壊を目論んでいる破戒者"黄泉閊 月光"が立っていた。
「月光……!」
「やぁやぁ、タイガくん。無事に来てくれたみたいだね?」
「一体どういうつもりだ?わざわざこんな所に呼び出して。」
タイガが秋水に手を掛けると、柱の影からかつての仲間だった青年"ジュドー"と水色の長い髪をした美少年が現れた。
その2人を警戒していると、月光は話を始めた。
「いやぁ、キミを殺すのに手間をかけるなんてしたくなかったモノでね。ジュダルに手早く頼んでここに来てもらうようにしたんだ。」
「へぇ、そうかい?んで、ジュダルとそいつは?」
「そいつはリムル・テンペスト。まぁ、人間ではなくスライムというやつだがな。」
月光がそう言う中、タイガはリムル怪訝そうに月光を見る。その目には生気がなく、まるで廃人のようだったのである。
「お前、こいつに何をした……。」
「ん?そんなの簡単だよ。こいつには絶望してもらったのさ。目の前で仲間を殺しまくって、こいつの魂にちょこっと傷をつけたのさ。そこに色々な奴の力を押し込んだのさ。」
「お前……なんでそこまで出来るんだよ!?お前だって傷付いたんだ。人の痛みは」
「理解したくないね!!そんな物、なんの価値もない!殺れ!ジュドー!リムル・テンペスト!」
月光の言葉にジュドーはカットラスを、リムルは刀を抜き黒炎を纏わせてタイガに迫っていく……。