とある晴れた日のオスティア大陸。アリシア、プリムの2人が護る2の砦にある多くの種類の花が植えられた花壇がある庭園。
その庭園の一角にはテーブルと5つイスがあり、そのテーブルの上にはティーカップとお茶の入ったポット、さらには羊羹にクッキー、ケーキなど様々なお菓子が並べられており、イスにはアリシア、プリムの他にマイア、カグヤが来ていた。
その周囲には各砦の護衛担当の兵達が、辺りを警戒している。
「はむっ!ん〜、このヨウカンって菓子、結構甘いんだね?」
「ヨウカンはその食感も癖になるお菓子です。他にも串に指した3色団子もあるんですよ。」
「へぇ?案外菓子って種類があるんだね?」
マイアとカグヤが楽しげに雑談を交わす中、プリムはそんな様子を見ながらカップに注がれたお茶を飲みながら、アリシアの方を見ていた。
しかし、当のアリシアは心ここにあらずと言った様子でため息を吐きながら空を見ていた。
「アリシア姉さま?どうかなさいましたか?」
「……え?どうかしたのか、プリム?」
「いえ、なんだかさっきからため息ばかりついていたので。」
「え?あ、あぁ。すまない、別になんでも」
「タイガさんの事ですか?」
「ぶふっ!けほけほ!」
「あ、アリシア姉様!?」
咽たアリシアにプリムが駆け寄り、心配するがアリシアは大丈夫だと手で制する。
「だ、大丈夫だ。そ、それよりカグヤ殿?何故タイガの名前が出てくるのだ?」
「顔に書いています。それに、あの席はタイガさんのですよね?ご丁寧に準備までしてあるんですから。」
「そうだったの?姫騎士様も隅に置けないね〜?」
「べ、別にいいだろ!?そ、それに私が誰を誘おうが問題はないはずだが?!」
「あ、開き直った。」
「だ、大体!タイガの奴はなぜ来ないんだ!?今日はせっかく茶を用意したというのに。」
「あぁ、タイガなら女神さんから盗賊退治に行くように言われてたみたいだよ?なんでも、かなりの規模の盗賊団みたいで、天鷹の大半が出陣したみたい。」
「全く!タイガの奴、いつもセレスティン様の言葉ばかり!少しはこっちを気にかけてほしいものだ!」
ぷりぷり膨れながらそう言うアリシア。
彼女とタイガは確かに恋人同士になり、時たまの休みの日には一緒に甘味処に寄ったり、鍛錬をしているが基本的には仕事が多く中々時間が取れずにいる。
「まぁ、そりゃあ天鷹騎士団の団長でしょ?女神様からしたら、鬱陶しい教会のスケベジジイ達の牽制のほかに、賊や魔物の討伐、治水工事や各砦との連携とかやってくれるから助かってんじゃないの?」
「それは分かる。だが!あいつはお人好しすぎる!その上誰彼構わずに助けるし!」
「いや良いことじゃん。まぁ確かに甘いって点は分かるかなぁ。あいつ、昔戦場にいた時なんて放っとけばいいのに困ってる奴助けたからねぇ。」
呆れるように苦笑いしながらそう言うマイア、しかしその目は優しげであった。
すると、カグヤがお茶を飲み終えると、微笑みながら口を開いた。
「それがタイガさんの良い所です。力に溺れ、己が欲に塗れるような方達とは違い、他者のために己が力を振るえる方です。」
「そうですね。それに一見ぶっきらぼうに見えて優しいですし、意外に甘い物好きなんですよね。」
「それは分かっているが……まぁ確かに奴は平時と戦時の切り替えがしっかりしているし、老若男女問わずに人気だ。だが、出来れば……」
「へぇ?」
「な、なんだ、マイア殿?」
「いや、姫騎士さんって意外に独占欲が強いんだなぁって思ってさ。好きな相手には自分だけを見ていてほしいって奴?」
「なぁ!?!?」
マイアの言葉にアリシアは顔を赤く染めると、恥ずかしくなって顔を俯かせながらカップのお茶を啜る。
そんな中でもマイアは話を続けた。
「タイガって、顔は結構いい方だし、ガタイもしっかりしてる。戦とか積極的だし、何よりアレはデカいしね♡」
『(アレがデカいって何!?)』
「「っ!」」
「ま、マイア殿!」
「あははっ!ごめんごめん。けどまぁ、無茶ばっかりするから目が離せない時があるんだよねぇ。」
「マイアさんはタイガさんとは付き合いが長いんですか?」
プリムがマイアに訪ねると、彼女は頷いて答えた。
「まぁね。あいつが子供の頃に一緒の傭兵団にいたんだよ。最初の頃はあいつが貴族だったなんて知りもしなかったんだけどね。」
「タイガさん、傭兵をしていたんですか?」
「まぁね。最初はすぐに死にそうかもなんて思ってたんだけど、あいつなんでか手慣れててさ。あたしも何回も助けられたんだよ。」
「そう、なんですか。」
「初耳ですね。」
「最初はあたしも驚いたよ。初めはこんな子供が?ってね。けど、あいつは凄いキラキラしてたんだ。まるで戦が生き甲斐って顔しながらね。まぁ普段はあんな感じだけど」
マイアの話を聞いていたアリシアは、彼女の方を真剣な目で見ながら彼女にお願いした。
「マイア殿、幼い頃のタイガについてもっと教えてくれないか?その、もっと聞きたいんだ。」
「わたしもお願いします。」
「わ、わたしも!」
「それなら私達も混ぜて頂いて宜しいですか?」
「「「「セレスティン様!クラウディア様!」」」」
いつの間にかその場に来ていたセレスティンとクラウディアに驚くが、すぐに席を用意して茶会に参加した。
彼女が加わった事で、兵士達が緊張した面持ちになるがセレスティンが柔らかく微笑んだ。
「セレスティン様、今日の公務は終わったのですか?」
「はい。すべて終わったので今はクラウディアと一緒に散歩に。あ、みなさんもお茶をしてください。」
『は、はい!』
「マイアさん、タイガくんが傭兵をしていた頃のお話。是非とも聞かせて下さい。」
「私も聞きたいわ。あの子がどんな事をしたのか、どんな風に暮らしていたのか、是非聞かせて下さい。」
「あ~、別に良いけど。んじゃ何から話すかな〜?そうだ、あたしとタイガの初陣の話なんだけどね?」
マイアが昔の戦場であった出来事を話し始め、その内容を楽しげに語るマイアの話を、アリシア達は聞き入っていた。
タイガとの出合いから、共にどんな戦場を戦い抜いたのかを話していき、その後はカグヤが自身の故郷である東方でタイガと会った時の話になり、その後はタイガの幼い頃の話をクラウディアが始めた。
その後、任務から戻ったタイガは茶会に向かうと、そこでは楽しげに笑う皆の姿があり、さらにはルー・ルーやオリガにクロエもいた。
「(これは、入る気になれないな。)」
踵を返して帰ろうとした時、アリシアが自分に気付いた。
「あ!タイガ、遅かったじゃないか!」
「タイガさん、お茶まだありますから座ってください。」
「ほ〜ら!早くこっちに来て座んなよ!」
「タイガさ〜ん、皆さん待ってますよ!」
「兄ちゃん早く早く!」
「茶が冷めるから早くせぬか。」
「早く席に着け。」
「お疲れ様、タイガ。」
「おかえりなさい、タイガくん。」
アリシア、カグヤ、マイア、プリム、ルー・ルー、オリガ、クロエ、クラウディア、そしてセレスティンに呼ばれ、タイガ達も茶会に参加したのだった……。
変な感じで、申し訳ねぇです。
何かご意見などあればください。