※この作品はR-18です。

黒獣~転生戦記~   作:ボルボロックス

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淫夢編 残された者達

アリシアSide

 

 

 クラウディア様が連れ去られた。

 

 

それをタイガから聞いた時は何があったのか分からず、戸惑ったが大まかな事は彼から何があったのか聞かされたので、大体は分かった。

 

 

タイガから聞いた内容は、異様な男"ロード"によって民や兵士、騎士にまでもが毒牙に掛かり、タイガが治癒の魔法を使ったので大半は一命を取り留めたらしい。

 

 

しかしタイガの父君であるクラウス殿は重傷で、今もタイガが分身を使って治療しているが、そのタイガも酷く落ち込んでいて、声を掛けられる状態ではない。

 

 

 私達はセレスティン様の呼び出しによって、白の城の広間に来て話し合いをしている。

 

 

「しかし、聖騎士様が攫われるなんてねぇ……相当ヤバい奴だね、そのロードとかいう奴。」

 

 

「目的も分からず、かと言って月光の様に世界を破戒するという訳でもなし。不気味の一言です。」

 

 

マイア殿、カグヤ殿がそう言う。

 

 

クラウディア様はタイガの母君であり、その強さは鬼神の如しと言われた方だ。そんなあの方を攫うという事は、ロードという男は化け物という事になる。

 

 

そんな中、セレスティン様が立ち上がった。

 

 

「皆さん、今回のロードという者の襲撃によって民が傷付き、さらにはクラウディアまでも攫われてしまいました。皆さんには申し訳ありませんが、クラウディアの救出に力を貸して下さい。」

 

 

「「「ハッ!」」」

 

 

私達はセレスティン様の言葉に強く承諾の返事を返す。

 

 

そんな中でセレスティン様はこの場にいないタイガの事を話し始めた。

 

 

「アリシアさん、タイガくんの様子は?」

 

 

「……酷く荒れていました。声も掛けづらくて今は部屋に引き篭もっています。」

 

 

「そう、ですか。そういえばタイガくんが捕らえたと思われるサキュバスの方は?」

 

 

「今は3の砦の一室に軟禁しております。家臣の者達に見張らせておりますので、今の所は大丈夫かと。」

 

 

「まぁそのタイガもショックだったんじゃない?父親は重傷、母親は目の前で攫われて……ショック受けるなって方が無理だわな。」

 

 

そうだ。

 

 

今回の事で傷付いているのはタイガも同じ……なんとかしてやりたいが、どうすれば……。

 

 

そんな時だった。

 

 

広間の扉が開かれ、中に入ってきたのはタイガだった……。

 

 

ー

 

ーー

 

ーーー

 

 

タイガSide

 

 

 父が重傷を負い、母が攫われたのをただ見ていることしかできなかった俺は、シャムシェルをカグヤに預けた後、部屋の中で暴れまわっていた。

 

 

ガシャン!!ズガァン!!ドゴォォンッ!!

 

 

「くそっ!くそっ!くそっ!」

 

 

『マスター、ちょっと荒れすぎよ。落ち着いたら?』

 

 

『すまない、けどよぉ……怒りが収まんねぇんだよ。何もできないで、ただ見てた自分が許せねぇんだよ!』

 

 

「騒が、しいな。」

 

 

「っ!?父様!」

 

 

扉が開くと、そこに立っていたのは分身に支えられながら歩いている父クラウスだった。

 

 

「何で起きてきたんだ!?寝てなきゃだめだっての!」

 

 

「はははっ、寝ているばかりでは、領主として情けないからな。しかし、荒れてるな。」

 

 

父は部屋の惨状を見て、静かにそう言うと部屋の中に入ってきてベッドに座り込む。

 

 

「それで父様、何か用でしょうか?」

 

 

「あぁ、そうなんだが……タイガ、お前はもしかして責任を感じすぎてはいないか?」

 

 

「え……?」

 

 

「お前はクラウディアを、母の事を助けられず、ましてや何も出来ずにいた自分が情けないと思っているのだろ。」

 

 

父の言葉に図星を突かれ、何も言えなくなってしまい目を逸らしながらもゆっくりと頷く。すると、父は優しく微笑んだ。

 

 

「お前は気にする事はない。こうなってしまったのは、わたしが何も出来なかった。さらに言えばこうして息子にこうして責任を感じさせている……情けないのはわたしの方だ。」

 

 

「父様……。」

 

 

俯きながらそう言う父を見て、俺は何も言えなくなった。

 

 

すると、父はすぐに顔を上げた。

 

 

「しかし、こんな所で落ち込んでても何も解決しない。わたしは必ずクラウディアを妻を助ける。だからタイガ、お前も母を助ける事を考えるんだ。良いな?」

 

 

「っ!分かりました。」

 

 

 そうだ。

 

 

俺のやるべき事は落ち込むことじゃないんだ。というか、落ち込み過ぎてた。

 

 

まだ母は無事だと思う。ロードの奴は"欲しい物も手に入りましたしね"と言った、つまり奴には何か目的があって母を攫ったんだ。

 

 

だったら、母はまだ生きてる。

 

 

だから今は少しでも母を助けられる方法を見つけないと。

 

 

そんな時、頭の中にある考えが浮かび俺は兵に行って馬を用意してもらい、白の城へと馬を走らせ、到着すると俺は扉を開いた……。

 

 

ーーー。

 

ーー。

 

ー。

 

 

 一方その頃、ロードによって囚われたクラウディア・レーヴァンタインは人1人が入れるバスタブに張られた緑色の水につけられており、それを見ていたロードは舌舐めずりをする。

 

 

「さぁ、これで"贄"は揃いました。あとは、"時"を待つだけ。クククッ!」

 

 

怪しく笑いながらそう言うロード、そんな彼の部屋には虚ろな目をしながら立っているクラウディアと同い年くらいの見目麗しい女性達が立っていた……。

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