覚えてない方は、思い返してみてください。
ボルボロックスです!
大分遅くなりましたが、セレスティンの話……最終章です。
迫る影。
「「「「うわあああぁあああっ!!」」」」
セレヌス大陸にある森の中で多くの悲鳴が聞こえ、その森の中では数人の男女のエルフが何者かに追われており必死に逃げている。その中で1人の男のエルフが後ろを確認すると、そこには彼らを追う黒い蛇のようにうねる影があった。
「き、来たぞ!!?逃げ、わあああぁあああっ!!」
「い、いやああああっ!!?」
「た、助けうわあああぁあああっ!!」
「……。」
黒い蛇らしきものに飲まれたエルフ達、その中で黒い靄のような物が人の形を成すとその存在は森の中へと消えるのであった……。
◆◆◆
その翌日、タイガは仲間達と訓練をしていると主であるセレスティンに呼ばれて、彼女の書斎に呼ばれ、とある命を受けた。
「フルスタージャ……?あのハイエルフの国へ行くのですか?」
「はい。そこでエヴリンさん、オリガさん、ソフィアさん、セラフィーナさん達との交流です。タイガくん、エミリアさん、護衛として付き添いをお願いします。ラドミラさんも着いてきてくださいね。」
「は、はい!」
「承知しました、セレスティン様。」
「畏まりました!」
ラドミラ、タイガ、エミリアは返事を返すと支度をしてからエヴリン達のいるフルスタージャへと馬車で向かうのであった。
ちなみにこの時代に何故セラフィーナの名があるかというと、ある日ラルクが時代を行き来する魔道具を完成させ、それでこの世界へとイリス達が来たのだ。まさか過去に来るとは知らずに驚いたが、それでも歓迎していた。
さらに過去に来たイリスはソフィアの話を聞いて義憤に駈られ、イリス、アリシア、エミリア、クラウディア、タイガの5人の軍で大臣が奪ったソフィアの夫の国を取り返し、大臣はセレスティンの温情により辺境の村で農作業に従事している。
「……黒の城の周囲も変わったなぁ。」
「以前は障気のせいで生き物が住めませんでしたが、今では穏やかに領地となっているそうですよ。」
オリガ達、黒の城に住んでる面々は周囲の環境を変え、障気を消し、逆に危険な魔物達が立ち入れないように結界を張っている。それによって、黒の城の周囲にもダークエルフ達が住み始めるようになり、賑わいを見せている。
そんな様子を馬車から眺めていると目的地であるフルスタージャに着くと、城内へと入っていくセレスティン達。
「ん?」
「タイガさん、どうしましたか?」
「今なんか気配がしたんだが……気のせいか。」
タイガは外から感じた違和感に首を傾げながらも、セレスティン達の後を追って城の中へと入っていき、会合は始まった……。
しかし、この時既に……“影”は迫っているのであった。
◆◆◆
フルスタージャ内での会合、議題としては新たな果実の生産や黒の城周囲の新たな建物の建設、各領の現在の状態などを話し合っていた。
タイガ達はそれぞれ辺りを警戒しながら、会合の内容を聞いていた……そんな中、外から背中がぞわっとする気配を感じたタイガはエミリア達にその場を任せて、気配のした方向へと駆けていく。
「(何だ、今の気配は?明らかに人間じゃないのが、このフルスタージャに紛れ込んでる。)」
タイガは城を出ると秋水と鬼徹を抜き、辺りを警戒する。
すると、後ろからタイガにゆっくりと迫る黒い影のような物が現れ、大きな口を開けてタイガへと迫っていた。
そして、その影がタイガを飲み込もうとした瞬間、タイガはその影の攻撃を避けながら切り裂いた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!!?」
「……テメェ、何だ?新手の魔物か?」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛……!」
地の底から聞こえてきそうな声にタイガは二刀を構えて、刀身に力を纏わせる。
すると、影は徐々に形を変えていく。その姿は人間の男のようだが、その顔を見たタイガは僅かに驚いたように口を開く。
「お前……!ヴォルト、なのか……!」
「お、おレ、は、ぎひ!ぎひひっ!おレ、は、影……!怨みの、影……!おマえ、や、メスどもに殺された、怨み、晴ら……ス!!ぎひひっ!ギヒヒヒヒヒヒッ!」
「なるほどねぇ?思念みたいなものか。面白い、その未練……叩ききってやるよ!!ヴォルト!!」
タイガはそういうと影に向かって駆けていくのであった……。