マイア、プリム、カグヤの3人と合流したタイガ、アリシア、ルー・ルー達は、狐人族の女性コハクの歓迎を受けていた。
その中でこのフクスヴァルト公国についての説明を受け、その後にタイガ達は襲われかけた理由を聞き、それを納得した。
フクスヴァルト公国には、男がおらずその大半が成人すると、国を出るという決まりがあり、今のフクスヴァルトには"攫われた公主の弟"以外の男はいないらしい。
その為、アルファディオスから属国に降れと何度か書状が送られてきたが、その条件を見てコハクは拒否の返答をしたのである。
「先ほどは勘違いとはいえ、襲ってすまなかった。
好きに食べて欲しい。」
プリムとマイアも既に酔いから醒めており、全員で食事をすることにしたのだが……
「あぐっ!あぐっ!んんっ、兄ちゃん、東方ってご飯が美味しいんだね!いくらでも入るよ!」
「ルー・ルー、ゆっくり食えっての。誰も取らねぇから。」
「ルー・ルーさん、ほっぺにご飯ついてますよ。」
「(ハーフリング、すごい食欲!!?てか、あんなに食うのか!?)」
ルー・ルーの食欲に狐人族のくの一達は驚いていた。
「……すまない、ルー・ルーは食欲が凄くてな。」
「いや構わぬ。わしとしても、そなたらの様な客は中々おらぬので見ていて楽しい。最近は
「もしかして……アルファディオスの事か?」
タイガの言葉にコハクは目を伏せ、視線を横に流すが目を瞑ると縦に頷く。
すると、マイアが口を開く。
「あたしらもこの時代に来た時に、アルファディオスの人間って言ったら、凄い睨まれていたんだわ。
けど、カグヤのおかげで無事に済んだんだ。」
「そうなのか、カグヤありがとうな!」
「礼などいりませんよ。それより、気になる事があるのです……コハク殿、今のアルファディオスを支配しているのは"皇帝"と呼ばれている者と"女帝"、この2人なのですね?」
「……あぁ、アルファディオスの表を暴力と力で支配しているのが、皇帝。そしてその裏で淫蕩に耽り、皇帝に寄り添っているのが、わしの弟を攫ったのが女帝、ラドミラじゃ…!」
現在のアルファディオス、いや、この大陸で最も恐れられている者、それが力による統治を行おうとしている"皇帝"と相手を強制的に従わせる"
「奴らに挑もうと、何人もの英雄や支配に反旗を翻した国があった、じゃが皇帝は、そんな国や人々をそれこそまるで蟻でも潰すかのように殺した!
じゃが、真に恐ろしいのはラドミラの方じゃ!!」
「何が恐ろしいんだ?だって皇帝のそばにいるだけだろ?」
「……わしは見たのじゃ。幼い頃に。そこで見たのは皇帝に敗北した国の男達が、ラドミラの命令で自身の妻や娘、そう言った愛する者を凌辱する光景であった!!」
『!!?』
「泣きながら許しこうも、ラドミラはそれを許さず、皇帝は凌辱の末に妻と娘を男に殺させた。その姿を見たあの女は、奴は……
泣きながら最愛の者を犯す男達を
さらに皇帝も我関せずとばかりであった!!
あやつらは、本物の化け物じゃ……!」
「魅了、相手を意のままに操る力ってわけか。
そんなのが使えるってことは、その女帝は人間じゃないのか?」
「あぁ、女帝ラドミラの正体……それはティーフリングという淫魔。更にその力故、わしら くの一でも近付く事は出来なかった……そのために、わしの弟は…くっ!?」
過去にあったことを思い返したコハク、彼女は拳を強く握り、手から血が滴るほどに爪を食い込ませ、唇を強く噛む。
その様子からどれだけの事があったのか、タイガ達は内心察する事が出来た。
「……すまぬ、見苦しいモノを見せた。わしは席を離れるが、何かあれば伝えてくれ。」
コハクはその場から立つと、部屋を出ていきタイガは俯いていた。
「コハクさん、弟さんがいたんだな。」
「あぁ、あたしらも聞いたけど……かなりヤバいらしいよ?今のアルファディオス。何があったのかねぇ?」
「……この事をセレスティン様が聞いたら、何と言うだろうか。」
全員の気持ちが重くなるのであった……。
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その頃、アルファディオスの皇帝の座る玉座。
そこでは兵からの報告書をつまらなさそうに見る皇帝と、ソファーの上で狐人族の少年を弄びながら果物を食べている女帝ラドミラがいた。
「うふふっ、メノウ。あなたやっぱり面白いわ。
少し弄るだけでビクビクしちゃって……♡」
「あっぁぁ、ラ、ラドミラさまぁ……。」
「ねぇ、あなたも混ざらない?たまには激しく交わりましょう?あなたの肉棒、食べたいわぁ。
あのハリベルって子も混ぜて♡」
「馬鹿抜かすな。お前なんぞと姦ったら頭が馬鹿になる。それに、ハリベルにそんなことしたらマジで殺すぞ。」
「あら怖い♡あぁ、そういえば"虫"の方はいいの?
この国の中にいる"虫"については。」
虫、それは侵入者のことである。
「それなら、検討はついてる。
……ま、しばらくは泳がすがな?」
「そうなの?まぁ何でもいいけど……遊ぶなら私に頂戴ね?滅茶苦茶にしてやるから。」
口元を妖しく歪ませながら嗤うラドミラに、皇帝は鼻で笑った。
「……あぁそうそう。そういえば、最近近くをコソコソ嗅ぎ回る犬ころがいるんだよなぁ。
……薄汚い犬ころが。」
「?それってまさか、ディレクの部下の事?
あなたって本当にディレクが嫌いなのね?」
「別に嫌ってはいない。ただ興味は無いはないが……調子に乗られると腹が立ってくるんだよなぁ。
だから……近いうちに去勢しなきゃな。」
「あらあら、怖〜い♡そういえば、これからどうするの?あむっ。やっぱりどこか落とすの?」
「あぁ、まずは……小汚い狐の寝蔵を落とす。」
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場所が変わり、夜となったフクスヴァルト公国。
その国を褐色の美女……ハリベルが空から見下ろしていた。
「ここが、フクスヴァルトか。
陛下の為、ここは私が必ず……!」