※この作品はR-18です。

黒獣~転生戦記~   作:ボルボロックス

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前回の続きですっ♪


はい、すみません。フザケました。


17 二代鬼徹

 無数の水の鮫に食い付かれ、倒れ込んだタイガだったが……鮫達が霧散すると、そこには頭が半分だけ残ったタイガが倒れていた。

 

 

「……え。」

 

 

「う、うそ、兄ちゃん……?」

 

 

「タイ、ガ……?」

 

 

 アリシア、ルー・ルー、マイアは目の前で無惨に食い殺されたタイガを見て、言葉を失い、その場で立ち尽くしていた。

 

 

コハク、そして、くの一達も何があったのか分からず、呆然としていると、アリシアがゆっくりとタイガの頭に近付き、その頭を抱えあげて抱き締める。

 

 

「そんな、タイガ……嘘だ。こんな、簡単に……簡単に倒されるわけは……。」

 

 

頭だけとなったタイガをゆっくりと抱きながら、体を震わせながら名前を呼ぶアリシア。

 

 

そんな中、ハリベルが彼女に近付く。

 

 

「陛下が殺せ、といった男……タイガだったか?

神衣を解放させられるとは思わなかったが……まさかこの程度とはな。」

 

 

「っ!!!?キサマァ!!!!」

 

 

ガキィィィン!!

 

 

 即座に振り向き、それと同時にサーベルを振り抜いたアリシア、しかし、その刃はハリベルの首を狙うが、その一撃は剣で防がれていた。

 

 

「くっ!!?」

 

 

「怒りに任せ、私の首を狙うか。

……貴様の意中の相手か?」

 

 

「黙れ!!貴様を、この場で倒す!!」

 

 

「見縊るな……。この程度の刃で何が出来る?

貴様、いや貴様たちでは私に傷一つ付けられはしない。」

 

 

「このっ!!!はぁ!!」

 

 

ハリベルに斬りかかるアリシア、その目には涙が溜まっており、今にも泣き出しそうだったが、彼女は涙を零さないために剣を振るう。

 

 

そして……。

 

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!死んじゃえぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

ドゴォォォォォッ!!!

 

 

大斧を振るい、ハリベルを叩き割ろうとしたルー・ルー、その目にはアリシアと同じく涙が溢れており、彼女は泣きながら戦う。

 

 

「死ね!!死んじゃえ!デカ乳女ァァァ!!

返せ!兄ちゃん返せ!!!」

 

 

「愚かな。ん?」

 

 

横から飛んできたナイフとルー・ルーを弾いて、ハリベルは後ろに跳躍する。そこにはマイアが拳を握って立っており、彼女はアリシアとルー・ルーの前に立つ。

 

 

「マイア殿!!そこをどけ!!」

 

 

「そいつを殺るんだから!!!そこどいてよ!!!

兄ちゃんの仇、取るんだ!!!」

 

 

「馬鹿、冷静になりな!ここでキレたって仕方ないだろ?普通に考えて、勝てない時は下がれっての。」

 

 

「何をっ……!!ここで退いたら、フクスヴァルトは破壊されるんだぞ!?それを見過ごせというのか!?」

 

 

「マイアは悔しくないの!?兄ちゃん殺されて、何とも「黙りな!!!!」っ!?」

 

 

叫ぼうとするルー・ルーと怒りに任せて戦おうとするアリシア、この2人に向かってマイアは怒鳴り、その場から下がらせる。

 

 

「なんにも思わないわけ無いでしょ……!

見過ごせるわけ無いでしょ……!?

けど、こいつにあたしらが勝てると思ってんの!?

現実を見な!!」

 

 

「くっ……!」

 

 

「うぅ〜〜!!」

 

 

「……話は済んだか?」

 

 

ハリベルが声を掛けると、3人は彼女の方を見た。

 

 

そこには悠然と立って、こちらを見ているハリベルがおり、マイアは彼女に話し掛ける。

 

 

「何?待っててくれたんだ。意外に良いところあるじゃん。」

 

 

「別に待っていた訳ではない。貴様らを殺せとは命じられてはおらず、私の仕事はその男の"抹殺"とこの国の"殲滅"だ。今すぐ消えるなら見逃してやる。」

 

 

「悪いね、それは無理……ここで下がるのは流石に無理。」

 

 

「そうか……ならば仕方ない。

……纏めてあの世に送ってやる。」 

 

 

そう言ってハリベルが双剣を構え、3人に斬りかかろうとした時、背後から凄まじい殺気と覇気が現れ、後ろを振り向くとそこには、黒い刃が迫っていた。

 

 

「なっ!?何っ!?」

 

 

「あ!!!」

 

 

「嘘っ……!?」

 

 

「マジ!?」

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

皆が驚いて視線を向けた先にいた人物、それは……全身から出血して血まみれになり、肩で息をしながら近くにある木に体を預けて立っているタイガであった。

 

 

「タイガ!!!!」

 

 

「兄ちゃん!!!?」

 

 

「うそ!!?タイガ!?あんた、生きてたの!?」

 

 

「はぁ、はぁ……まぁ、な。ほんっとギリギリのラインだったけど。なんとか生きてる、よ。」

 

 

「……貴様、どうやって助かった?

確かに貴様は、私の技で食い尽くされた筈だが。」

 

 

生きてる事に疑問を持ちながらも、タイガに警戒の目を向けるハリベル、そんな彼女にタイガは笑みを浮かべながら答える。

 

 

「首を噛まれた瞬間に、咄嗟に分身と入れ変わって、それで助かったんだよ。けどまぁ、正直……結構しんどいけどな?」

 

 

「ほう?だが、それがどうした?

生きているなら、何度もでも始末するまでだ。」

 

 

そう言うとハリベルはタイガに迫り斬りかかるが、タイガは秋水でそれを受けると、その場で鍔迫り合いになり、互いににらみ合う。

 

 

しかし、タイガは周囲を見てハリベルの手を掴むと、その場から駆け出した。

 

 

「っ!?タイガ!!?」

 

 

「アリシア!みんな、俺がこいつ相手にするから、みんなは離れてろ!!」

 

 

タイガはそう言うと、ハリベルと共に夜の森へと消えていった。

 

 

「行っちゃった……ねぇ、兄ちゃん、大丈夫、だよね?」

 

 

「大丈夫な訳ないだろ……!あの出血と傷、長くは戦えない!!

マイア殿!ルー・ルー、ここを頼む!!

私は、タイガを助けに行く!!」

 

 

「あっ!ちょ、お姫さん!?」

 

 

「え!あ!待ってよ!!僕も行く〜〜!!」

 

 

「(あの方角は……!)みな、マイア殿と周囲の警戒を!わしは2人を追う!!」

 

 

「「「御館様!!」」」

 

 

 

ーーーーーー。

 

 

 タイガとハリベル、その2人がアリシア達から離れた場所に着いた頃、タイガはハリベルを警戒していた。

 

 

「どうした?かかってこないのか?

それとも……先程の女達が心配か?」

 

 

「あいつらは強い。だから大丈夫だよ。」

 

 

「信頼しているのだな……それを聞いて安心した。」

 

 

「?どういう意味だよ。」

 

 

「貴様が弱いやつでなくて良かったと言っているんだ。

陛下が始末しろ、と言ったからな。

どの程度かと思ったが、これなら……全力で戦える。」

 

 

「っ!」

 

 

 タイガはハリベルの双剣からの剣戟に秋水で対応する。

 

 

火花が散り、金属のぶつかり合う音が夜の森に木霊する。

 

 

しかし、ハリベルの実力はタイガの予想よりも強く、タイガは彼女の斬撃を流しながら躱す事しか出来ず、防戦一方となっていた。

 

 

その中でハリベルは片手の剣でタイガの首を狙うが、タイガはそれを防ぎ、弾き飛ばすと突きを放つがそれを躱され、ハリベルは涼し気な顔でいる。

 

 

そんな中で、タイガはある疑問を口にした。

 

 

「はぁ、はぁ……。なぁ、あんた何で皇帝に仕えてるんだ?そんだけ強いんなら、皇帝だって倒せるんじゃないのか?」

 

 

「……何だと?」

 

 

「俺達はここの公主や他の民からから聞いたんだが、今のアルファディオスの皇帝は女帝と同じように恐れられている。攻めてきた敵国とかを平然と殺すって聞いたんだが、本当なのか?」

 

 

「女帝と同じ、だと?……他国の者達はそう言っているのか。ならば大きな誤解だ、陛下は誰よりもお優しい方だ。あんな享楽と淫楽に耽り、自身が良ければいいと考える女と一緒にするな……!」

 

 

「(どういうことだ?コハクさんの話と噛み合わない。

え、皇帝ってやつは何者なんだ?)

そうかい、だがなぁ……アルファディオスを蹂躙国家なんぞと呼ばせる奴なら、俺は倒すだけだ……!」

 

 

タイガは秋水を構えると、斬撃を放つ。 

 

 

「三百六十煩悩鳳(さんびゃくろくじゅぽんどほう)!!」ザァンッ!!

 

 

「水刃砲(アクルレイド)。」シュバンッ!

 

 

ーーードバアァァァンッ!!

 

 

タイガの斬撃とハリベルの水の刃がぶつかり、その衝撃で辺りの木々に小さな亀裂が入る。

 

 

その瞬間に起きた土埃に紛れて、タイガは飛び掛かり、刃を振り下ろす、がーーー。

 

 

「はぁ!!」

 

 

ガキィィンッ!!

 

 

ーーータイガの刃は軽く防がれてしまった。

 

 

「甘いな……隙きがある背後から襲わないとは。それは剣士としての矜持か?それとも、女の背後は取らないつもりか?」

 

 

「生憎と、そんなものはねぇよ!ただ真正面からの方がマシと思っただけだよ。」

 

 

「不思議なやつだな。だが何故魔法を使わない?

シュタインの話では、貴様は魔法も使えるそうだが。

それに、貴様の実力はまだこんなものではないだろ……見せてみろ、水刃纏い(アクルエッジ)。」

 

 

ハリベルはそう言うと、双剣に水を纏わせてさらに切れ味と間合いを伸ばしていき、その双剣を振るいタイガに迫っていく。

 

 

襲い来る水の刃を纏った双剣の斬撃、そして、未知なる力、そしてグツグツと湧き上がる気持ち、タイガは苦戦し追い詰められながらも、彼はなぜか楽しげに――笑っていた。

 

 

「貴様、何を笑っている?頭でも打ったか?」

  

 

「いや……楽しいんだよ。

こんなにワクワクして、心の底から勝ちたいと思える奴がいるんだからな!

こんな気持ちは、俺のダチだった"アイツ"以来だ!」

 

 

「それは良かった。だが、これで終わりだ。」

 

 

ハリベルはタイガから離れて、距離を取ると双剣に纏わせていた水を回転させて、その2つの鋒をタイガに向けると、その必殺に近い一撃を放つ。

 

 

 

「輝水神ノ矛(エリシオン・スパーダ)」ドォンッ!!

 

 

 

「天鳳華焔斬(てんほうかえんざん)!!」

 

 

 

 強大な水の刃がタイガへと迫っていき、水は巨大な刃の形から"白く輝く双剣を持つ水の巨兵"へと姿を変え、タイガへと迫っていき、タイガも炎を秋水に纏わせ、その炎を全力で放つ。

 

 

技と技が近づいていき、そしてぶつかり合った瞬間、周囲に熱と水の刃が広がっていく。

 

 

しかしタイガの技が徐々に押されていき、踏ん張っていたタイガであったが、ついに吹き飛ばされてしまったのであった。

 

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」

 

 

吹き飛ばされたタイガ、彼が飛ばされた先にあったのは……小さな祠があり、タイガはその祠に激突し、祠がバラバラに砕けてしまった。

 

 

「痛てて……くそっ、押し負けたか。

あ"ぁ、マジで勝てない……けど、このままじゃあ……ん?」

 

 

タイガは自身の隣に、一振りの刀が落ちているのが見えてそれを拾い、鞘から抜いてみるとそこには妖しく光る美しい刀身があった。

 

 

タイガはそれを見て、ただの刀では無いと察した。

 

 

「こいつは……(メルト、生きてるか?)」

 

 

『まぁね、生きてるわ。けどあのハリベルって女、物凄く強いわ。』

 

 

「(それは分かってる、それよりこの刀を調べてくれ。)」  

 

 

『刀ってこれ?チョット待っててね?

…………解析が終わったわ、その刀の名は"二代鬼徹(にだいきてつ)"。しかも、マスター……これは妖刀よ。』

 

 

「(マジでか……こんなところで妖刀にお目にかかるとはな。けど、こいつは使えそうだ。)

秋水、そして二代鬼徹……面白い。使ってみるか。」

 

 

タイガは妖刀、二代鬼徹を抜いて秋水と共に構えるとハリベルと出会う。

 

 

「中々しぶといな?いくらなんでも倒したかと思ったが……ん?その刀は。」

 

 

「あぁ、こいつか?使えそうだから、使うことにした……二代鬼徹っていうらしいぜ。」

 

 

妖しく光る刀身の刀、二代鬼徹と秋水、二振りになったタイガはハリベルとどう戦うのか……。




ここで終いです!


次回に続きます!
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