主に黒犬関連で!!
タイガ達がこの時代に来てから数ヶ月後、とあるワインの生産が盛んな村を攻めていたアルファディオスのとある一軍がいた。
相手を蹂躙し、相手の力を我が物にするための戦、それを行おうとしていたが、それは目の前にいた赤い軍団に止められた。
「これは、どういう事か説明を貰いたい。」
目の前で起きている事に対して、明らかに不機嫌な様子を隠さずにいる黒犬騎士団隊長ディレク・ロンドは目の前にて葉巻を噴かしながら、自分を見ている男、グレンを見ている。
「お前の頭は無能か?
何度も言わすな、黒犬は国の警備をしてろ。
今回の侵攻は俺ら、赤獅子騎士団がやる。
書簡に書いてあるだろ?」
「それが納得いかんと言っている。
何故貴様らが赤獅子に、我らの作戦「陛下のお言葉だ。」……何?」
「黒犬は警備に回れ、大人しくしてろ。だそうだ。
分かったら帰りな。」
今回、ワインが特産の街を攻めるのは、黒犬ではなくグレン率いる赤獅子という軍が行うという者達であり、それを聞いた黒犬の兵士達は怒りを露わにしていた。
「ふざけんなよ!!」
「せっかくいい思いできるってのによぉ!!」
「いい子ちゃんの赤獅子は引っ込めよ!!」
「あ?」
「「「「っ!?!」」」」
グレンから漏れた凄まじい殺気と威圧感のような物に兵士達とディレク達幹部は身を震わせた。
しかしグレンは構わずに続けた。
「さっきからキャンキャンっうるせぇんだよ、この野郎。てめぇらは、誰に、楯突いてんだよ?あぁ?
階級が5つも上の
「くっ!?」
「ひっひいぃっ!?」
「それともあれか?何か陛下のお言葉を遮って、何か、どうしても、やらなきゃいけない"重要"な任務があるのか?
それがまさか、女じゃあないよなぁ?」
黒犬を心から嫌悪しているグレンの容赦ない殺気に黒犬の兵士達は股から小便を漏らし、足をガクガクと揺らしていく。
グレンの殺気と重圧が膨らむ中、その圧に耐えきれず、気絶、失神する者まで現れ、ディレクも片膝を着き、目を見開きハッとするが、目の前の化け物をどうすべきか考え、答えはすぐに出た。
「……分かった。黒犬は首都の警護に就く。
それが陛下からのお言葉なら致し方ない。
……全員帰るぞ、気絶してるやつは起こせ。
無理なら荷車に乗せとけ。」
「「「「「は、はい!!」」」」」
「分かってくれて、嬉しいぜ。ディ・レ・ク・君。
さぁ赤獅子、食らうぜぇぇぇぇ!!!」
「オオォォォォォォォォォォォッ!!」
赤獅子の隊長こと獅子のグレンが雄叫びを挙げると、兵士達は武器を挙げて大地を揺らしていく。
「……。」
その様子を忌々しげに見つめるディレクは、アルファディオスへと向かって動きを進める。そんな中、部下のリュカオンが彼に駆け寄る。
「隊長、あんな野郎ぶっ殺して俺らが任を受けましょうぜ。ウチの連中も我慢が。」
「分かってる。だが奴らに逆らえば、それこそ殺される……
「くそっ!忌々しい奴らだぜ!ルカも浮かばれねぇよ!!」
リュカオンは吐き捨てるようにそう言うと、ディレクは馬の上でグレン達を睨みながら、進行を進める。
ここ最近で黒犬は活動を減らされ、兵士達の鬱憤が溜まり続けていた。
特に自分やルカ、リュカオンが罰せられた時は逆にそれを伝えたハリベルを襲おうとして、数人が殺されたのを知り、ディレクは皇帝に直談判しようとしたが、それを"馬鹿も休み休み言え"と言われ、突き返された。
給金や身分は保証されているが、それだけでは兵士達は鬱憤が溜まる一方であり、最近では娼婦館で問題を起こして締め付けが厳しくなった。
しかしディレクがそれを甘んじて受けているのも、この国から出ようとしないのも、全ては"奉仕国家"を再建する為であった。
「(今は黙って従ってやる。だが、全てを手に入れ、玉座を手にするのは……俺だ!!!)」
ディレクはそう強く誓うと、アルファディオスへと進んでいった。
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その後、赤獅子に襲われた国は死傷者を無惨な姿となって、崩壊させられていた。
赤獅子は全てを踏みつぶし、蹂躙し、捻じ伏せ、許しを請いても誰にも慈悲を与えず、丁寧に丁寧に壊していく。
しかし、女子供には手を出されない限り処刑は決して加えず、敗北しても潔く自決することから黒犬とは違う意味で恐れられている。
「陛下、こちらグレン。全て終わりました。」
『そうか。色々お疲れ様。あとは……』
「陛下?どうかなさいましたか?」
『あぁ、いや。なんでもない。
それより、あのルカってこの子とはありがとうね。』
ルカとは黒犬騎士団に所属するハーフダークエルフの少女であり、皇帝の周囲を嗅ぎ回っていた者である。
ルカは現在暗い部屋の隅に蹲り、ガタガタと震えて暮らしているが、それは皇帝の行ったこの世の何よりも恐ろしく、産まれてきた事が悔やまれるような拷問の数々によって心を壊したからである。
隊長のディレクが彼女に歩み寄っても……
『いや、いや!!来ないで!?
私は!!私はあんな思いも、あんな場所もいや!!
助けて!!誰か助けてぇぇぇぇぇ!!!?
お父さん!!お母さん!!誰かぁぁぁぁ!!?』
泣き叫び、鼻や目から体液を垂れ流して、頭を抱えて蹲って泣きながら許しや助けを願う姿は、悲惨だった。
変わり果てたルカは黒犬から除籍され、今では誰とも会わずに、静かに暮らしているがそれによってディレク達は、さらに立場が悪くなり、活動も縮小されていった。
「黒犬は潰れる……奴らに陛下と同じ道は進めない。
あんな奴ら、陛下には相応しくない。」
『ありがとう、グレン。』
「いいさ。それよりもこっち片付けたら国に戻るわ。
……デカい戦争が始まるんだからなぁ。」
グレンはそう言うと、心底楽しそうに笑みを浮かべるのであった。
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その頃、神聖アウレリア王国の政務室ではイリスが、とある内容の書状の書簡をキミア、フクスヴァルト、テュルル、そして、エルドニアへと送るように兵士に伝えていた。
仕事を終えて一息吐くと、部屋の窓から庭を見る。
そこにはこの国の将として兵士たちを鍛えるタイガ、マイア、アリシアの姿があり、休んでいる兵士たちにプリムがお茶を出していた。
「(タイガ、アリシア、マイア……この3人が将として就いてくれた事は大きい。
タイガ殿の力、マイア殿の人柄、アリシア殿の人望。
そして、テュルルにはルー・ルー殿、カグヤ殿にはフクスヴァルトに向かって貰った。
この連合を締結させれば、必ず皇帝に勝てる!!)」
イリスはそう誓うと、拳を強く握るのであった。
その翌日……キミアからアストリット・フラメル。
フクスヴァルト公国から公主コハク。
商業都市国家テュルルから代表のメル・メル。
この3人が仲間たちを引き連れて、神聖アウレリア王国へと来たのであった……。
次回!
連合軍!!