ゴオオオォォン!ドドーン!!
キュラキュラキュラ・・・。
轟音が響き渡る。
学園艦の上に誂えた広大な練習場を、戦車が縦横無尽に走り回っては砲撃を繰り返す。
過日行われた戦車道選手権を優勝し、廃校を免れた零細高校とはいえ、学園艦ともなるととても巨大だ。
十数台の戦車が悠々と走り牽制し、また砲撃を浴びせあう。
戦車道選手権優勝し、また他校と連合した上での辛勝だったとはいえ国際大会のための強化チームとの対戦に勝った大洗女子学園の戦車道チームは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
『一同、礼!』
『『『『『『『『『お疲れ様でしたぁ!!!!』』』』』』』』』
大洗女子戦車道チームの隊長を務める西住みほの号令で、メンバーが一礼をして一日の練習は終了する。
それまでの緊張感この瞬間に一気にほぐれ、凜々しかった少女達から女子高生らしい笑顔と弛緩した空気が漂い始める。
戦車を仕舞い、帰り支度をしたメンバーは、各チームごとに分散し放課後を満喫するべく四散した。
あんこうチームもそれに倣い、いつものように皆で下校を開始する。
『そういえば、もうすぐ大洗の港に到着ですね』
おっとりとした声で話を切り出すのは、砲手の五十鈴華。
『前回はバタバタしてしまったので、今回はゆっくりしたいであります』
装填手の秋山優花里が答える。前回はエキシビションマッチの直後に大洗女子学園の廃校が強行された上に学園艦が押収され、それを撤回させるために戦車道チームが奮闘した。
おかげで大洗女子学園の廃校は免れ学園艦は戻ってくることとなった。
『せっかくだから、皆でどこか遊びに行きたいなぁ』
車長の西住みほが言う。戦車の上では臨機応変かつ型外れな戦術を生み出し、チームを勝利に導き続けてきたが、戦車を降りると引っ込み思案な大人しい少女に戻る。
『・・・めんどくさい。行きたくない。』
操縦手の冷泉麻子は怠そうな声で返事をした。
『いいじゃないですか、行きましょうよぅ。武部殿も、行きたいでしょ?』
秋山が通信手の武部沙織に声をかける。沙織は、皆よりも数歩遅れたところでスマホを弄りながら付いてきていた。さっきから静かなのは、スマホに夢中だったからだろう。
『へ?ご、ごめん何?聴いてなかった!』
慌てて取り繕う沙織。
『さっきから何をそんなに見ているんですか?』
『もしかして!戦車道大作戦でありますか?!』
『違うし!MINE!戦車道大作戦はゆかりんの話じゃない!』
『それで沙織さん、大洗に戻ったらだけど、皆でどこかに行かないかって話してて』
『・・・私は行くとは言ってないぞ』
『ご、ごめんねみぽりん、みんな!実はあたし……大洗に着いたら用事があってね』
アハハ、と愛想笑いとともに謝罪する沙織。
『それは構わないのですが……珍しいですね?』
『いつもなら、彼氏いたらデートに行くのに~!と喚くくせにな』
『かっ、彼氏なら出来たもん!』
冷泉の言葉に、猛烈に抗議する沙織。しかしあんこうチームの面々は『またか』と哀れみの目を向けるだけであった。
『沙織さん、よほど殿方を求めていらしたんですね』
『エア彼氏まで生み出すとはな』
『沙織さん、そこまで思い詰めていたなんて』
『武部殿、悩み事なら私たちが聞きますよ!』
それぞれ、本気で沙織のことを心配しているようだが、なかなか辛辣ではある。
『違うし!ちゃんとした彼氏だもん!』
ムキー!と声を荒げる沙織。
聞けば、マッチングアプリに登録したところ、沙織のことを気に入った、会いたいという人がいたとの事だ。
『沙織さん、こないだから暇があればスマホばかり見ていると思ったら、そういうことだったんだ』
『私、てっきり戦車道大作戦かとばかり思っていたであります』
『それは、優花里さんだけだと思いますが……』
『と、とにかく、そんなわけで、あたし、大洗に着いたらデートすることに、決まりました!』
あははー!と笑う沙織。
だが、あんこうチームは心配そうに彼女を見るのだった。
学園艦が大洗に寄港した日。
既に沙織の姿は、鹿島臨海鉄道大洗駅のロータリーにあった。
あんこうチームの皆も、心配してこっそり尾行していた。
沙織の格好は、清楚な少女を意識したのか白いワンピースに麦わら帽子にミュールという装いだ。
狙い過ぎて、ちょっと引くレベル。
しかし、1時間過ぎてもまだ待ち合わせに来る様子がなかった。
『来ませんねぇ』
秋山が呟く。
必要もないのに双眼鏡で覗いていた。
『やっぱり、沙織さんの妄想のお話だったのかもしれませんね』
『悲しすぎて、涙も出ないな』
『華さんも麻子さんも、沙織さんのこと信じてあげようよ』
西住が苦笑いしながら窘める。
『……!来たようであります!』
秋山の声に、皆の間に緊張感が走り、沙織がいるほうを凝視する。
ロータリーに停車した車から、一人の青年が降りて沙織に手を振る。
『ごめんね、早めに着いたつもりだったけど、待たせちゃったみたいだね』
『そそそ、そんなことないよっ!あああああたしも今着いたばかりだからっ!』
噛みまくりながら、沙織はぶんぶんと首と両手を振って否定する。
『あらあら。沙織さん、1時間も待っていらしたのに』
『必死すぎて涙が出そうだな』
『でも良かった。沙織さんの妄想じゃなくて』
『それにしても、車で来られたのでは尾行もこれ以上続けられませんね』
『私、刑事ドラマでよくある、タクシーに追跡させるのをやってみたかったのですが』
『駅にタクシーが停まっていない以上、それは無理というものだ』
『それじゃ、尾行作戦はこれで終了、ということで』
『残りの時間、シーサイドステーションに行きませんか?』
『賛成であります!』
『麻子さんも、行こう!』
『……仕方ないな』
沙織を乗せた車が消えていったのを見届けてから、あんこうチームもまた、そこを離れていった。
沙織を乗せた車を走らせながら、男は沙織に話しかける。
『マッチングアプリやMINEではやり取りしてたけど、改めて自己紹介するね。俺は岡田。岡田慶二』
『た、武部沙織、です!』
『ごめんね、レンタカーで。デートにレンタカーなんて、締まらないよね』
男はバツが悪そうに謝る。
『そ、そんなことない、かな!あ、あたし彼の車が軽自動車でも大丈夫!』
フォローする沙織。必死か。
『海外に出張することが多くてね。車の維持費とかを考えると、レンタカーのほうがコスパよくてね。でも、彼女が出来たんなら、ちゃんと車を買うことを考えたほうがいいかも知れないよね』
『かっ、彼女!』
“彼女”と言われただけで、沙織の顔は真っ赤になり、今にも溶けそうなくらいふにゃふにゃになる。
普段は男性経験が豊富なふりをしているが、男慣れなどしていないことはバレバレだった。
『……いいな、その顔…とっても魅力的だ……』
信号で停まったタイミングで顔を近づけ……。
そっと、口付けをした。
『!!!!!!!???!?!?!?!』
それだけで、沙織の顔はプシュー!と音を立てるように真っ赤になった。
これが戦車だったら、頭から白旗が出ていたかもしれない。
(ああ……あたしの……ファーストキス……)
恋愛願望が強い沙織の、念願のファーストキス。
刺激がないわけがない。
その後も、信号で停まるタイミングを見計らっては沙織の唇を求めてくる。
今まで恋に恋してきた沙織にとって、それは抗いようのない甘美な行為。
そんな甘いキスを幾度となく求められ応じているうたに、沙織の体もだんだん火照りはじめ、もどかしそうに内股をもぞもぞと擦り合わせる。
もしかしたらもしかする、と思って着けてきた、レースをあしらった白いシルクの勝負下着も、いつしかじんわりと湿り気を帯びていた。
岡田は、そんな沙織の様子を見計らったかのようにスーパーの一角……店からは一番遠く、また利用客も少ない死角へと車を駐車する。
今までは慎ましやかに唇を重ねるだけだったキスだったのが、沙織の唇を貪るように求めはじめる。
『んっ、んんっ!』
沙織の口の中に舌を割り込ませた。沙織の舌を探り当て、舌を絡める。沙織もその求め応じるように、岡田の舌に自らの舌を絡ませる。
『ん、んふっ、ちゅぷ……ちゅ……あふ……』
岡田は沙織が求めてくるのに気をよくして、更に唇を、舌を重ねる。
沙織にとっては未経験の行為だが、岡田の行為を模倣し学習し、また即応していった。
歯を丁寧に舐め、互いの唾液を交換し、そしてまた絡める。
『んっ、んんっ!!』
唇だけではなく、服の上から沙織の胸を揉みしだく。
生徒会の柚子やバレー部の近藤、佐々木……あんこうチームの五十鈴ほどではないが、豊かに育った形の良い果実を異性が夢中になってくれている。
それだけで沙織の胸は熱くなり、反応し、感度が増してしまう。
岡田の右手は胸だけでは終わらない。
そのまま少し肉付きの良い腹部を撫で、腰から臀部へと移り、太ももの外側を撫で回す。
そして、ワンピースをたくしあげるように、太ももを上へ、内側へと撫でていく。
『あ…そ、そんな……』
沙織は抗議するが、そこには拒絶の意思は感じられない。
むしろ、未体験の行為への戸惑いと期待、そして求められることへの歓喜が含まれていた。
『ん、んっ、ん、んんっ!』
唇を重ね舌を絡ませたまま、岡田の手は遂に沙織の太ももの付け根へと到達する。
ファーストキスを捧げてから何度もキスの連続砲火を浴び、沙織の陰部は既に蕩けている。
せっかくの勝負下着も沙織自身の歓喜の蜜が染みて、本来の用途を為さなくなっていた。
『んんーっ!!』
岡田は濡れたショーツの上から沙織のスリットをなぞる。クチクチと粘度の高い水音が沙織の下半身から発せられる。
『もぉ……ダメ、なんだから……あうっ!』
抗議も弱々しく、沙織は岡田の愛撫に翻弄される。岡田は空いた左手で沙織の右手を掴み、自身の股関へと導く。
『あ……これって……』
(そういう、ことだよね)
岡田もまた興奮していたのか、その股関は大きく膨らみ、ジーンズの中で窮屈そうに怒張している。
『あっ、あふっ、んっ、ふっ…ちゅ、ちゅぷ、くちゅ……』
沙織と岡田は尚も唇を貪りあいながら、服の上から互いの股関を撫でる。
ふいに岡田が唇同士の結合を解く。
『あ……』
つ、と互いの舌が作るアーチは、沙織の名残惜しい気持ちの表れだっただろうか。
寂しそうな顔をする沙織に、岡田は提案する。
『沙織ちゃん……ホテル……いいかな?』
そんな岡田の言葉に、軽く俯きはにかみながら沙織は応える。
『ん……いい…よ……』
次はホテルでの処女喪失。