ギシギシと、一定のリズムで木の軋む音が部屋に響き渡る。
それに伴い、粘りのある液体が絡む音と、少女の嬌声が木霊する。
「ぁ……ぉく……ぃぃ…っ…!」
アークに跨がり腰をグラインドさせて、逸物から得られる快感を貪るリリィ。
堕ちた彼女は、唯ひたすらに快楽を得ようと腰を上下させていた。
自分の匙加減で、ペニスのカリを自身の膣にあるツボにこすりつけ、唯々淫らに乱れている。金糸のような髪を振り乱して、その快感に身を委ねていた。
「ふっ……吹っ切れて…随分淫らになったものだ。」
「ぁん……い、言わないで…ください……はぁっ!」
赤面しながらより一層深くペニスを膣にくわえ込む。
だがその顔に拒絶はなく、ただ羞恥と快感に染まっているだけ。
貧相な身体付きながら、アークにとって彼女の裸体はそれはそれは妖艶だった。
膨らみが少ないながらも、興奮の証にピンと起った桃色の乳首。
年相応にくびれた腰回り。
ぷっくりと張りのある唇。
吸い込まれそうな紫色の瞳。
細く、そして流れるかのように腰まで伸びた金髪。
それら全てが、性交によって浮き出て光る汗と相まって、一種の芸術にも見えた。
そんな彼女が一心不乱に自身の逸物を股に咥え込んでいる。その事実が堪らなく絶頂への後押しへとなっていく。
「出す…ぞ…リリィ…!」
「は…ぃ…!いっぱい…いっぱい……ください…アークさん…っ!!」
上下するリリィの腰を掴むと、優しく絡み付く肉ヒダに包まれながら一気に奥へ突き入れ、子種を勢いよく子宮内へと撃ち放つ。
子宮を刺激され、アークの射精に反応するかのようにリリィも絶頂を迎え、声を抑えながら身体をビクビク震わせてその快感を噛み締める。
「っ…!んんん~…!!」
絶頂と共に、自身の中を満たされる充足感は何物にも代え難く、リリィはアークに跨がったままその余韻に浸る。
「ふぅ……今日も…よかったぞ、リリィ。」
そっと胸元に抱き寄せられ、優しく頭を撫でられる。彼を満足させることが出来た幸福感が胸に満ち溢れ、リリィは身を委ねて撫でられるがままだ。
こんな私でも、人を…一人の男の人を悦ばせられる。それがリリィにとって喜ばしいことだった。
「んゅ……。」
頭への愛撫が心地よいのか目を細めて、彼に撫でられるがままに身を委ねる。
セックスの気持ちよさを認めて以来、幾度となく身体を重ねたリリィは、少しずつアークに甘えるようになっていた。
周囲に彼くらいの男性がいなかったことや、まぐわいの際に優しくしてくれるのもあるのだろう。まるで氷が溶けるように、少しずつ、少しずつ寄り添うようになっていた。
(私も…王子としての生を全うできていたら…このような許嫁もいたであろうか…。)
胸元に擦り寄るリリィの髪を愛おしげに梳きながら、物憂げに想像する。
たった1つの予言…アークが、光の王国を滅ぼすという神託が下ってから、彼は幽閉され続けた。物心ついたときまで、太陽の光は愚か、門番以外の人間すら知り得なかった。母親ですら会うこともなく、愛されず、ただただ孤独な軟禁生活。どれだけ渇望したとしても、どれだけ恨んでも、何も得られず、唯々レンガ造りで光のない部屋が彼の全て。
心は荒み、涙はとうに枯れた彼に、魔族が手を差し伸べる。
それが、彼に初めて差し伸べられた救い。
魔族から得た闇の力で、彼は復讐と言わんばかりに光の王国を滅ぼし、光の城をダークキャッスルへと変貌させた。皮肉にも、予言を恐れて彼を幽閉したことで、自らの国を滅ぼしてしまうと言う結果になった。
だが…自身の国を滅ぼした事で、彼の心に大きな空虚が生まれる。
積年の恨みは、彼の中で大きな原動力となっていたのだ。復讐を果たしたことで原動力を失い、唯々無為に日々を過ごす。
だからこそ願った。
1つの…たった1つの願い。それは、過去への回帰。虚しい復讐など思わない、そんな生を得たいと願う。
だから彼は求める。マナの剣を。
森羅万象悉くを意のままに出来るという彼の剣なら或いは…。
そう考えて、配下の美獣と、邪眼の伯爵に暗躍させている。
その矢先に、美獣はナバールを操ってローラントを滅ぼした。
国を滅ぼす。
それはアークにとってのトラウマとも言える。
だからこそ、せめてもの弔いにと訪れた矢先にリリィを見つけた。
燃えさかる城の中で、今にも朽ち果てそうな彼女を、何の気まぐれか連れて帰り、そして治療した。
そして…抱いた。
始めは唯の憂さ晴らしに近かった。嫌がる彼女を屈服させ、悦に浸っていた。
だが彼女と身体を重ねる度、何処か温かな物を感じていた。それが何なのかはわからない。ただリリィと言う少女を悦ばせたい、もっと抱きたいと言う思いが日に日に募っていた。
図らずも彼は、彼女を愛おしく思い始めていたのだ。それを自覚しないままに…。
「アークさん…?」
自身を呼ぶ声にトリップから意識を戻せば、自身の胸の上で見上げてくるリリィの顔。その表情はすこし不安が交じっており、声にも影を落としていた。
「どうか…したんですか…?」
「いや…何でも無い…。心配は無用だよ。」
「んっ……!」
どうして…純潔を奪った自身を心配などするのか。リリィという少女の考えが解らない。だが、自身を案じてくれる彼女に鼓動が早まり、思わず唇を重ねた。突然のことにリリィも驚いてはいたが、すぐに彼の唇を受け入れ、目を閉じて優しく、優しくついばむようにキスを重ねる。
唇から伝わる柔らかな感触は、アークの剛直を再び再起させる。
「ぁ…また……!」
膣を押し広げられる感覚に身悶えし、ビクリと身体を震わせるリリィ。未だ乾きを知らない膣内は、アークの逸物を再び優しく包み込んでいく。
再び臨戦態勢となったペニスにリリィは、まるでそうするのが当然の如く再び腰を上下する。
もはやつい最近まで処女であったことを忘れさせるほどに、その動きはごく自然のものだった。
「ん……!ふぅ…っ!アークさん…わたしの……
「当然だ…もはや私は病みつきだよ。」
「ふふ……っ…アークさんも…私のこと、言えないですね……?」
「これは一本取られたか…。」
互いに笑い合いながら、互いの身体を求め合い、そして快楽に身を委ねていく。水音はより大きく鮮明に、ベッドの軋む音もそれに伴い、2人のまぐわいは、延々と続いていた。
「…邪眼の伯爵か。」
「はっ…!」
幾度となく身体を重ね、体力の限界で眠りについたリリィ。その寝顔を眺めながら余韻に浸るアークの元に、明らかに人ではない男が尋ねてくる。その容姿は、一言で言うなら
「例の…黒の貴公子様の新たな身体の依り代…その条件に相応しい童を見つけました故、その報告を。」
「…ほう?」
「先日滅ぼしたローラント…その王子をナバールの忍者共が奴隷商に売り渡していたのを発見いたしました。念の為として購入し、牢に閉じ込めておりますが、如何致しましょう?」
「ローラントの王子…?」
奇妙な縁もあるものだ。
連れ帰った王女の弟である王子が、自身の新たな肉体の依り代になろうとは。
だが…リリィとその王子を引き合わせれば、さぞ喜ぶに違いないだろう。依り代に使うか否かは、追々考えていけば良い。
そう決めたアークは、伯爵に指示を飛ばす。
「後ほど私がその王子に会いに行く。その時に案内を頼む。」
「御意。」
そう言うと伯爵は、まるで霧のように霧散してその場からかき消えた。
少しずつ、少しずつ物語は原典の筋書に沿って進んでいく。
だが、一人の、たった一人の少女が、その行く末を変えようなどと、この世界の誰もが…マナの女神ですら知り得なかった。