錬金術士ライザが幼馴染の父親と背徳交尾しまくって調教された挙句、親友であるクラウディアを中年親父に売り渡し、自分と同じハメ穴に変えていく話 作:黒胡椒サラミ
――見られた。
――見られてしまった。
――ザムエルさんに、この恥ずかしい姿を見られてしまった。
――いったいどの時点から見られていたのだろう。
――全部だ。きっと最初から全部に違いない。
早く姿勢を立て直して、このベッドから降りなければならない。早く声のしたほうを振り向いて、何か言い訳をしなければならない。そう思っても、クラウディアの身体は持ち主の言う事を聞かなかった。彼女はザムエルの部屋で、ザムエルのベッドにうつ伏せて、ザムエルの枕を両腕で掻き抱き、そこに顔を埋めたままだ。
「……何をしているんだ? クラウディア」
(んっ…………!)
「……クラウディア、聞いてるのか?」
(あっ…………!)
彼に名前を呼ばれ声を掛けられるたびに、クラウディアの腰がピクリと震える。そうすると、過ぎ去ったはずの疼きが、また彼女の胎内に戻ってきた。
「こっちを向け、クラウディア」
持ち主の言う事を聞かないクラウディアの身体は、何故かザムエルの命令に従った。クラウディアは彼の枕から離れると、シーツに手をついて酷くゆっくりと上体を起こし、ベッドの上で脚を崩して座る姿勢になった。そして恐る恐る、彼女は部屋の入口の階段のほうを振り向いた。
階段の下り口に、まるで部屋の唯一の出口をふさぐようにして、ザムエルが立っている。カーテンの閉め切られた薄暗い部屋ゆえにか、男の表情は、とても暗く沈んでいるように見えた。……いや、違う。ザムエルは怒っている。部屋で勝手な事をしているクラウディアを、怒りの目で見つめているのだ。クラウディアにはそう感じられた。
「そこで、何をしてたんだ」
ザムエルはクラウディアを問い詰める。
「俺のベッドの上で、お前は何をしてたんだ?」
クラウディアの唇がわななく。何をしていたのか答えなければならないのに、答えられない。クラウディアがしていたのはまさしく自慰行為であるが、性知識の乏しい彼女は、それがそうであるとは知らなかったのだ。ただ、自分がとんでもなく「いけない事」をしてしまった事だけは、彼女も自覚していた。
「ご……、ごめんなさい」
「……謝られてもなぁ。俺は、お前が何をしてたのか聞いてるんだ」
「………………」
「答えたくねぇってのか? 人様に答えられねぇような事をしてたのか?」
ザムエルの言葉が、クラウディアを追い詰めていく。きゅっと唇を噛み、閉じて伏せられた彼女の眼から、ぽろりと涙がこぼれた。
「泣けばいいってもんじゃねぇ」
ザムエルの言う通りだった。誤った事をしてただ泣くのは無責任だ。謝罪して、弁解して、償いをするなりしなければならない。
ザムエルが、少し傍に近寄ってきた。そもそも彼は水浴びを終えて、自室に着替えを取りに来ようと思ったのだろう。彼は上半身裸のままだった。きちんと拭かれていない身体は井戸水でてらてらと光り、胸毛や腹毛に水滴が付いていた。そして彼のズボンの股間部分は、不自然なほどに膨らみ、破れそうなほどに布が張っている。
「……濡れてるな」
ベッドの近くに来た彼は、枕と、シーツのある一点をしげしげと眺めている。枕には、クラウディアが顔を埋め、口を押し付けていた。シーツのその一点は、ちょうど彼女の股間部が位置していたところだ。自分のベッドをそんな風にされてしまえば、男が怒るのは当然だった。
「ごめんなさい」
「言ったろう。謝られても、何にもならねぇ」
「ごめんなさい」
「………………」
「本当に、申し訳ありません」
弁解のしようがないクラウディアは、うわごとのように謝罪を繰り返すだけになった。これで何とか許してもらえないかと、細い身体を小刻みに震わせながら、彼女は心の底から謝った。
だが、ザムエルは大きなため息を吐くと、クラウディアの心をえぐるような台詞を、彼女に投げつけた。
「ふぅー。…………正直、裏切られた気分だよ」
「え…………」
ザムエルの声には、一杯の失望がこもっている。クラウディアはうつむいていた顔を上げ、彼と目を合わせた。男の目もとても哀しそうで、まるでクラウディアを蔑んでいるようだった。
「クラウディアが、そういう娘だとは思わなかった」
「あ…………」
「……信用してたんだ、俺は。……なのに、裏切られた気分だよ」
――お前をそんな娘に育てたつもりは無い。
クラウディアの脳裏に、父が彼女にそう言い放った時の声音と表情が蘇った。
「ぃ、やぁ…………」
父に見放されたのに、さらにザムエルにも見放されてしまうのか。クラウディアの頭は混乱し、パニック状態になっていた。ここのところ毎夜の様に見ていた悪夢の状況とも重なり、彼女には、既に夢と現実との境目があいまいになっていた。
クラウディアは両手で顔を覆うと、さめざめと泣き始めた。
「ごめんなさい……、ごめんなさい……。ザムエルさん……お父様……、こんなつもりじゃ無かったんです……。ごめんなさい……」
涙声で謝罪を続けるクラウディアを、ザムエルはしばし無言で眺めていた。
しかし、その謝罪の声は急に止まった。ザムエルが、クラウディアの頭にその手をポンと乗せたからだ。
「ザ……、ザムエルさん……?」
男に優しく撫でられて、クラウディアの心は絶望から引き戻された。じんわりとした暖かさが、ザムエルの大きな手から彼女に伝わってくる。乙女にとって大切な髪を触られても、彼女は嫌がらなかった。
「悪い、お前を追い詰めるつもりは無かったんだ。許してくれ」
ザムエルは、逆にクラウディアに謝った。
「クラウディアの事だ……、何か事情があったんだよな? やむにやまれねぇ事情がよ。それなのに……お前の気持ちも考えずに、俺はひでぇ事を言った。すまねぇ」
ザムエルは心底からクラウディアに申し訳ないと思っている……ようにクラウディアには感じられた。男が自分に失望していないという事実に、クラウディアの涙は止まり、暗くなっていた瞳の色に輝きが戻ってきた。
(あ……、ザムエルさんの手……、おおきい……。お父様よりもずっと……。なんだかとても、ふわっとする……)
ふわふわと心が舞い上がって、ぽっかりと空いていた胸の奥が、暖かい幸せで満たされていくようだ。自分は父に、この感覚を求めていたのかもしれない。悪夢の中で魔物に襲われている時に、これを与えてくれる人を呼んでいたのかもしれない。自分の身を苛むどうしようもない寂しさや衝動も、ザムエルなら埋めてくれるのかもしれない。クラウディアの表情は、段々と蕩けていた。
(ライザが、ザムエルさんに頭を撫でられていた時……とっても嬉しそうだった。そっか……こういう感じなんだ。男の人に頭を撫でられるって、ザムエルさんに撫でられるって、こういう……)
クラウディアは、しばらくのあいだ夢見心地を堪能していた。いつかのライザと同じく、ごろごろと喉を鳴らす子猫のように、自ら彼の手に頭を押し付けて。段々、彼女の身体はぽかぽかと上気し、絶望で冷えていた身体に体温が戻ってきた。
すると、ザムエルは何かに気付いたように言った。
「……クラウディア、身体が熱いな。……もしかして、熱があるのか?」
「ふぁ…………?」
「そうか、それで分かったぜ……。体調が悪かったんだな? お前は、それをずっと隠してたのか」
ザムエルは独りで納得し、クラウディアの頭から手を離すと、それを彼女の可憐なおでこに持ってきた。そこからも、男の体温が伝わってくる。クラウディアは、ザムエルのなすがままになっていた。
「やっぱりだ……。熱がある。こりゃあ、安静にしてなきゃならねぇ」
「え…………?」
言うと、ザムエルはクラウディアの両肩を掴み、彼女をベッドに押し倒した。ほとんど何の抵抗もできず、いや、抵抗などする想いすら抱かせず、乙女の身体はザムエルのベッドで仰向けになった。倒れた時の勢いで、彼女の滑らかな美しい金髪が、ふわりと放射状に広がった。
「しばらく、寝てるんだ」
ザムエルはクラウディアの肩を掴んだままで、彼女に優しく言い付ける。クラウディアの鼓動は早くなり、心臓の音が、彼の声を聴くのに邪魔なほどに大きくなった。
それから、二人はしばし無言になった。室内にはこちこちと、壁の柱に掛かった時計の音だけが響いている。クラウディアは目を見開いたまま、見慣れないザムエルの部屋の天井を見ていた。
(ん…………ぁ……。――! ダメ、こんな時に…………!)
クラウディアは、自分の身体の芯が再び疼き始めたのを感じた。状況が安定すると、部屋に充満するオス臭が、再びクラウディアの脳に浸透し始めたのだ。しかも今度は、そのオス臭の発生源がクラウディアのすぐ隣にいる。ザムエルはまるでクラウディアを見守るように、寝かせた彼女の傍で、ベッド際に腰かけていた。
井戸水を浴びて一時冷えていたザムエルの身体は、この部屋の蒸し暑さによって再び汗を噴き出し始めた。汗は蒸気となり、その蒸気は次々と、クラウディアの鼻や口から体内に吸い込まれていく。クラウディアの細い身体も彼と同様に熱くなり、彼女の汗もまた、蒸気となってザムエルの鼻腔を満たした。
犯したい、犯したい、犯したい、犯したい。
一刻も早くクラウディアを犯したい。
邪魔な服を滅茶苦茶にひん剥いて、無理やり肉棒を挿入したい。
この娘のまだ男を知らない秘裂を押し広げ、自分のカタチを覚えさせたい。
亀頭から迸るオス汁を若々しい子宮に注ぎ込み、このメスが自分のモノだと刻み付けたい。
一見紳士的に振舞いながら、ザムエルはその衝動を堪えるので精一杯だった。現に彼のマラはいきり立ち、ズボンの布がミチミチとはち切れそうになっている。メスの薫りを無自覚に振りまいて、繁殖の準備が整った事をザムエルに知らせるクラウディアを、このまま一気にブチ犯してやりたい。しかしまだだ。まだ今はその時ではない。ここまで我慢したのだ。まだ耐えなければ。
…………しかし、このくらいは良いだろう。
「クラウディア、さっきお前がしていた事なんだが……」
「――!!」
ザムエルに、もう二度と指摘されたくないと思っていた事を蒸し返されて、クラウディアの顔色が変わった。
「……もしかしたらお前は、ここが苦しかったのか?」
「ひっ――――んっ♥」
またとんでもなく甘ったるい声が漏れて、クラウディアは慌てて、両手で自分の口をふさいだ。ザムエルが、さっきクラウディアの頭に触れていた手を、仰向けの彼女のへその下あたりに置いたのだ。それだけで、ビリビリと甘い痺れが内部に広がり、クラウディアの腰は少し浮き上がった。
「ひょっとしたら、具合が悪いのはここなんじゃないかと思ったんだがな……」
「~~~~~~~っ♥」
気遣う様に、労わるように、ザムエルはその手のひらで円を描いて、クラウディアの下腹部を撫でた。腰の痙攣が止まらず、抑えようとしても反射的に持ち上がってしまう。クラウディアの長く美しい脚線が、つま先までピンとなる。彼女はビクビクと肢体を震わせながら、ただひたすら、恥ずかしい声だけは漏れないように必死に耐えた。
「どうだ、クラウディア。こうしてると、少しは楽にならねぇか?」
ザムエルはクラウディアの下腹を、衣服越しに、あくまでも優しく撫でさする。しかしそれだけで、長い時間をかけて蕩かされ、焦らされ続けた彼女の身体は、面白いように反応した。
一方のクラウディアにしてみれば、楽になるはずがないという感覚だった。ザムエルが彼女の下腹部で描く円運動は、途切れる事の無い疼きをクラウディアにもたらす。腰が跳ねる程の快感のはずなのに、もどかしさだけが溜まっていく。
いつしかクラウディアの思考は、ある一つの考えに支配されていた。
(んっ――、く。あ――――っ。ダメっ、でも…………んっ! もっと、もっと下がいい……! もっと下を触って欲しい! はァっ――――ンっ!)
このもどかしさとやりきれなさを解消するために、彼女が知っている方法は一つだった。ショーツの中で震えている小さな肉芽を、指でそっと撫でる事だ。本当なら、口を押さえている手を放して、今すぐにでもそうしたい。しかしザムエルが見ている前でそんなことはできない。でも、いじりたい。いつもの様にそっとではなく、指の腹で押しつぶしたり、ぎゅっと握り潰したりしてみたい。そうすれば――――そうすれば、自分は一体どうなってしまうのだろう?
ザムエルが描く円は少しずつ大きくなっていくが、あと一歩のところで、クラウディアが期待している部分に届かない。彼の手が通り過ぎていくたび、どうしようもない切なさがクラウディアの身の内を襲う。クラウディアが耐えていると、ザムエルは急にぴたりと手の動きを止め、彼女の子宮のあたりを、手のひらで少し強く押した。
「はっ、きゅうぅぅぅぅ――っ♥」
何かが股の間から漏れたと、クラウディアははっきりと感じた。ザムエルが上から押す力に逆らって、彼女の腰は上に跳ね上がろうとする。そうするとより強い力が加わり、押し寄せるもどかしさによって、ついに彼女は限界を迎えた。
死にそうなほどの羞恥に耐え、蚊の鳴くようなか細い声で、クラウディアはザムエルに懇願した。
「さわって、ください」
「…………」
「おねがいします、ザムエルさん……。さわって」
「…………どこを、触って欲しいんだ?」
「おなかの、した」
「それなら触ってるだろう。ここじゃねぇのか?」
「ひゅっ、――――ンっ♥ はぁっ、はぁっ、はぁっ……、ちがい、ます。もっと、した」
「このあたりかなぁ? だが、そうするとスカートが邪魔だなぁ……。…………脱がしてもいいか?」
この言葉を拒否する余裕を、既にクラウディアは失っていた。ザムエルには下着姿を見せてしまった経験もある。スカートを脱がされるくらいなら耐えられる。熱い呼気を吐きながら、クラウディアは願った。
「おねがい、しますっ」
「……本当に脱がせるぞ?」
「はやくっ、おねがいしますっ」
「脱がされたいんだな? お前は。クラウディアが、俺に脱がされたいんだな?」
「はいっ、はいっ、そうですっ! だからはやく!」
「……良いだろう。……お前は本当に良い子だ、クラウディア」
「ふぁ」
ザムエルに良い子だと褒められて、クラウディアの中に幸福感が広がった。ザムエルは、彼女の紺のスカートを留めている、左右のリボンをしゅるりと解いた。スカートを下ろそうとすると、クラウディアの腰が、今度は彼女の意志で持ち上がり、ザムエルがそれを脱がすのを手伝った。
部屋のオス臭に混じり、処女が放つとは思えない濃厚すぎるメスの匂いが、彼女の黒いタイツの股間部分から広がった。タイツの奥にある薄青のショーツは既に濡れそぼり、その用をなしていない。ザムエルは、わざと大げさに眉をひそめて、呆れたように言った。
「こりゃぁひでぇ……。何がどうしたらこうなるんだ……? お前の様子がおかしかったのは、このせいか……。女の子ってのは、皆こうなるのかなぁ?」
クラウディアが恥ずかしくなるような言葉をわざと選んで、ザムエルは彼女を責めていく。彼女の母は幼い頃に他界し、女友達とて、この島に来てライザに会う前は居なかった。そんなクラウディアが、性に過剰に疎く育ったとしても不思議はない。
胎内の疼きも、股の間が湿ってしまう理由も、彼女は父親はもちろんのこと、使用人にも誰にも相談できずにいた。
「…………触るぞ?」
そして、クラウディアとザムエルの両者が待ちに待った時が来た。ザムエルは予告すると、右手を彼女の股の間に寄せ、その中心の割れ目に沿って指を動かした。
「ん、きゅぅううううううっ♥」
クラウディアは、とても甲高いメス声を上げてのけぞった。己でそこに触れるのとは全く異なる感覚。腰を浮かせるどころか背骨全体を弓なりにして、両手でシーツをぎゅっとつかみ、後頭部とつま先だけで、彼女は己の体重を支えた。タイツの染みはますます大きくなり、太ももにまで広がっている。
ザムエルは無言で、二度、三度と彼女の秘裂をなぞり上げた。
「ん、ふぁ、んんんん――っ♥」
「くぅ、あ、はぁっ、ン――――っ♥」
想像以上の凄まじい狂い方だった。処女の癖にこのヨガりよう。この娘には確実に、ライザと同じくらいか、もしかしたらそれ以上のメスの素質がある。ザムエルは一周回って冷静になり、クラウディアが悶え散らかす様子をじっくりと視姦していた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、んっ、はぁっ」
しばらくそれを続けると、クラウディアは息も絶え絶えになった。もはや口を手で覆う事すら忘れ、必死に酸素を肺に取り込もうとしている。しかしそうすると、室内に充満したオスのフェロモンは、無制限に彼女の中に吸い込まれていくのだ。この部屋に長くいたらダメになる――。先ほどクラウディアが感じた危機感は正しかった。
「………………どうしようもねぇな」
見下げ果てたように発せられたザムエルの声にすら、彼女はなぜか反応してしまう。でも、確かにどうしようもない。触ってもらえば満足できると思ったのに、一かけらも満足できないのだ。胸の苦しさは増すばかりで、満たされない思いが更なる下腹部の切なさを呼ぶ。
「……やっぱりこりゃぁ、直接触らなきゃダメなんじゃねぇか?」
「――――――!!」
ザムエルがそう言った時、クラウディアが目を見開いたのは恐怖や驚きのためではない。実は、彼女もそれを内心で期待していたのだ。――タイツとショーツの二枚の布越しでは、とてもこの疼きは鎮められない。なら、ザムエルに直接触ってもらえれば――と。
「……でもなぁ、そんな事は流石になぁ。……ん? どうした、クラウディア。俺をそんな目で見て。……もし何かして欲しいことがあるなら、ちゃんと言ってくれないと分からねぇぜ?」
触って欲しい。触って欲しい。触って欲しい。触って欲しい。
布越しではなく、直接肌に触れて欲しい。そのごつごつした太い指で、直に触れて欲しい。
触って、触って、触って、触って欲しい。
欲しくて欲しくて、自分が抑えられない。
でもそうだ、こんなことは駄目だ。既に十分非常識な事をしてもらっているのに、汚らわしい局部を他人であるザムエルの前に晒し、直接触れてもらいたいと思うなんて。そんなことが父やライザに知られたら、自分は生きていけない。だから、我慢しなければ。
(…………でも、でも)
しばらくぱくぱくと口を開閉させてから、クラウディアはたどたどしい声で言った。
「ぬがせて、ください」
思考はまだ混乱したままで、結論など出ていなかった。しかしクラウディアの口は、本能に従って、本人の理性とは裏腹な言葉を紡ぐ。熱に浮かされた翡翠色の瞳がザムエルを見つめ、それからきゅっと閉じられる。ザムエルはそんな乙女をじっと見つめてから、ニチャリと下卑た笑みを浮かべた。
「……気は進まねぇが、クラウディアの頼みなら仕方ねぇか」
「~~~~~~っ」
「じゃあ、脱がせるぞ。お前を看病するためだ、仕方ねぇよな」
クラウディアは目をつぶったまま、暗闇の中で聞こえるザムエルの声に、こくこくと頷いた。ザムエルは渋々ながら、体調の悪いクラウディアの「治療行為」に付き合ってくれている。そこに他意は無いし、クラウディアもただ、原因不明の身体の疼きを鎮めたいだけだ。
だからこれは仕方ない。仕方ない事なのだ。
「……う~ん。こりゃどうやって脱がせんのか分かんねぇなぁ。……クラウディア、悪いが破いちまうぞ?」
そう言うと、クラウディアの了承を得る前に、ザムエルは彼女の脚を包む黒いタイツの布を引っ張った。伸縮性のある生地が長くのび、のばされた部分の色が薄くなる。やがてタイツはプチプチと悲鳴を上げて、無惨に破かれてしまった。クラウディアは、まるで今しがた破られたのが己の秘裂の奥にある膜だったかのように、唇を噛み締め、目尻に涙を浮かべて堪えている。
少女が目をつぶっているのを良いことに、ザムエルは手に掴んだ黒い生地を鼻に持ってくると、くんくんと鼻を鳴らして乙女の香りを堪能した。これは間違いなく処女の香りだ。処女でありながら、いつかザムエルに犯されることを望んでいるメスの薫りだ。
残る砦は薄青のショーツだけだ。清楚なデザインだが、決してシンプルなだけではない。少し花のような模様のレースがあしらわれているのは、彼女の精一杯の背伸びだろう。中央にはちょこんと、小さなリボンが飾られていた。
ザムエルにそんな幸福な経験は無いが、幼い子供が誕生日に親からもらったプレゼントの包みを破る時よりも、今の彼は興奮していたに違いない。彼は満足そうに、クラウディアの身体に半分のしかかるようにすると、ショーツの上部の隙間から、内部に向かって指を滑らせていった。
「――あっ♥」
クラウディアのショーツは完全に濡れそぼっている。それと彼女の鼠径部に挟まれた空間に侵入すると、ザムエルの右手は湿った熱気に包まれた。ライザを調教するようになってから、彼も指の爪だけはマメに切っている。その指先が、やがて彼女のほんのりと生えそろった茂みに触れた。
(ライザはパイパンだったが、このメスは生えてやがったのか……。だが、それもいい)
ザムエルの下衆な笑顔が大きくなる。生えていると言っても、恐ろしく毛深く一本一本が互いに絡み合うようになったザムエルの陰毛とは違う。産毛の延長線上のような、生まれたばかりの赤ん坊の髪の毛のような密やかな茂みだ。これはこれで趣深い。
だが、今はいつまでもその茂みに関わっている暇はない。ザムエルの手が目指す場所はその先にある。
「く、んぅぅぅぅぅっ――♥」
そこに彼の指先が触れた時、待ち望んでいた感覚に、クラウディアの身体は再び弓なりになった。
彼女自身以外が誰も触れた事の無い場所に、今、ザムエルという野卑な中年男の手が到達したのだ。この先何があろうとも、ザムエルこそが彼女にとって、そこに触れるのを初めて許した男なのだ。
しかし、まだザムエルはたどり着いただけだ。彼の目的は到達ではなく、制圧・征服であり、完全なる支配であった。だから彼はこの機会に、クラウディアが今まで行ってきたおままごとのような自慰とは違う、本物の愛撫というものを、この娘の身体に教え込んでやろうと思った。
「や、は、あっ、んんんんっ――! んぁ、くっ、あああああぁっ――♥」
ザムエルのごつい指が、少女の肉芽を捕捉した。これまでクラウディアは、そこを僅かに撫でる程度で満足していた。だがザムエルは、ピンと立った肉芽を親指と人差し指でつまみ上げると、ぎゅっと握り潰した。
「んっ、んっ、んっ、んっ、んっ、あっ、んっ、んっ、んっ、――あっ♥」
かと思えば指の腹でトントンと細かく叩くようにし、さわさわと周辺をなぞるようにもする。緩急を付けて、クラウディアの中にある性感の芽に水をやるように、大胆かつ慎重に責め上げていく。
「あっ、あっ、あっ、あっ、ふっンっ♥ やっ♥ んんっ、んっ、――あっ♥」
普段は爽やかな鈴のような声で喋るクラウディアの口から、羞恥と理性によって抑制された、しかし淫らな音楽が奏でられる。
メスから一方的に奪い取り、己が心地よく種付けする事しか考えていないザムエルにとって、そもそも愛撫は本領ではない。だが、商売女や元女房との経験もあって、世間知らずのお嬢様を翻弄する程度は楽に行える。
それに、少し触れれば面白いように鳴く、このメスの身体を弄り回すのはザムエルにも楽しかった。まるで何かの楽器を演奏しているようだ。クラウディアの細い指が、フルートから繊細な音楽を紡ぎ出すのと同じように、ザムエルは今や、このメスの身体にとっての演奏者だった。
「やっ、はっ、んっ、んっ、んっ、んっ、あっ♥ ――はぁ、んんんんん!」
凄まじい喜悦の感覚にじたばたと全身を暴れさせるクラウディアを、ザムエルは空いた左手で、しっかりとベッドに縫い付けている。時たまクラウディアの手がその腕を掴み、どけてと言う風に力を込めるが、ザムエルの毛深い腕はびくともしなかった。
いつの間にやら、クラウディアの薄青色のショーツは太ももまで引き下ろされ、両脚の間に橋をかけている。今やザムエルの目にも、彼女の股間に薄っすらと生えた金色の草原と、その下にあるぴっちりと閉じた割れ目がはっきりと映っていた。
「い、う、くぅううううんっ――♥」
「おおうっ」
ザムエルがクリトリスへの執拗な責めを続けていると、クラウディアの身体がひと際大きく暴れ、背を反り返らせようとした。ザムエルが面白そうな感嘆の声を漏らしたのは、その瞬間、クラウディアの尿道から液体が迸ったからだ。
クラウディアは絶頂した。いや、絶頂ならここまでにも何度も味わっていただろう。今のクラウディアは、それに加えて潮を噴いたのだ。クリトリスだけで、中には一度も触れられていないのにも関わらず、である。やはりこの女は、清楚なお嬢様と呼ぶには相応しくない、余りにも恵まれた淫乱の素質を持つメスだった。
ザムエルが責めを中断すると、はぁはぁと激しく息をついて、クラウディアはベッドにへばりついている。凄まじい快感に晒され続けた彼女の脳は、最早自分が傍に居る男と何をしているかの認識も怪しかっただろう。
ザムエルは虚脱した少女に、優しい声で尋ねた。
「イッたのか? クラウディア」
「イッ…………た?」
ふぅふぅと胸全体を上下させながら、曖昧な表情でクラウディアが聞き返す。
ライザにそうしたように、お嬢様に下品な淫語を教えまくって、俗悪極まりない下品セックスに励むのもいい。だが、せっかくの新しい奴隷候補なのだ。なるべくならばライザとの差別化を図りたい。妙なところにこだわりを発揮するザムエルは、クラウディアにあまり淫語を教えるつもりは無かった。
ただ、イクという概念だけはここで承知して置いてもらいたい。イクときにはイクと、本人の口から申告させる。これはザムエルのどうしても譲れない信念であった。
「今、どんな感じだった、クラウディア」
「……びりびりってなって、それから、ふわぁってなって……、まっしろになった」
幼児のような片言で、クラウディアはザムエルに、己が感じた感覚について説明する。
「そうか。それが“イッた”って奴だ。イクときは、イク前に必ず報告するんだ。次からは絶対にそうしろ」
「はい……」
どうしてザムエルにそんな命令をされなければならないのか。そもそも、こんな行為に次があるのか。それすら聞き返す事も無く、クラウディアは諾々と彼に従った。
「わかり、ました……、ザムエルさん」
「よし、良い子だ」
「ふぁ……」
クラウディアが頷くと、ザムエルはまたその言葉を使って、彼女を褒めた。そうするとやはり、彼女の中にはふわふわとした多幸感が広がる。そしてザムエルは、左手をクラウディアの頭に乗せると、彼女の乱れた髪をとかすように、優しく撫で始めた。
「ん…………ふふ。――ん、くぅん」
甘い痺れの余韻に浸ったまま、彼に髪を撫でられていると、口元から自然と笑みがこぼれてしまう。その理由は分からなかったが、少なくとも、さっきまでクラウディアの全身を苛んでいた謎の疼きは、どこかに行ってしまっていた。
「お前は良い子だ、クラウディア。…………良い子だから、もう少し頑張れるな?」
「ん、く、きゅうんっ♥」
ザムエルの言葉と共に、雲の上を漂っていたクラウディアの感覚が、地上に引き下ろされる。ザムエルが、彼女の充血しきった大陰唇を、二つの指でなぞり上げたのだ。肉芽がもたらすものとはまた別の感覚に、クラウディアは再び震えはじめた。
「安心しろ。今日はこの中まで行かねぇ。だが、お前がもう自分でこんな事をしなくてもいいように、たっぷりと相手をしてやる」
そう言いながら、ザムエルはクラウディアの割れ目に沿って、その周辺を刺激する。だが言葉通り、その指を彼女の膣内に入れる事は、今日の彼は考えていないようだ。
これから待つ快感への恐れという、未知なる感情に身体を震わせるクラウディアは、頭に乗せられたザムエルの手が与えてくれる暖かさだけにすがり、それから数時間続く、彼の責めへと飲み込まれていった。
この日クラウディアは、ザムエルと二人きりのアトリエで、彼と誰にも言ってはいけない関係になってしまった。彼女がそう気付いたのは、熱に浮かされたままフラフラと屋敷に帰り、自分のベッドに入って見慣れた天井を見た時に、ようやくだった。