※この作品はR-18です。

黒蛇男   作:zubro909

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1. 洋介を殺す
1. 洋介を殺す (1)


ついに。

 

この時が来た。

 

剛はこの2年間、洋介を殺すことだけを考えて来た。

 

薄暗い墓地に、溶接して異常な形になった金属バット、錆びついた日本刀、ケトルベル(30kg)、リヤカーを持ち込んでいる。

 

「まだ来ねえのか・・・」

 

肌に汗がまとわりつく蒸し暑い夏。

時間は21:00。

 

剛はまだ小6の男子だ。

だが、殺意は真剣そのものだった。

 

身体中がベタベタになり、集中力が徐々に落ちる可能性を感じて、焦った。

 

ドゥックンッ…ドゥックンッ…

 

(確実に殺す。最低でも、意識不明にする)

 

(意識を残したら、俺は確実に虐殺されるんだ…)

 

自分の脳天まで心臓の鼓動が響いている。

 

(この鼓動の響きは、あの時と同じだ…)

 

剛は恐怖や焦りだけではなく、自分の心の奥で、確かに。この瞬間に強い悦楽と興奮を感じていた。いつも洋介達に拷問される時に感じていた、自分の脳の皺を黒蛇が嘗め回す様に蠢く感覚を感じ取れた。

 

(隠し持っていたこいつを解き放ってもいい…)

(それだけ、洋介は残酷で下劣で、有害な種なんだ…)

 

洋介は剛の3つ上の中3だった。父親、二人の兄は暴力団赤川会に所属し、藤川市ではuntouchableな存在だった。屈強な巨体と鍛え上げられた筋肉を持ち、強い顎と、日本人とは思えない程に細く釣り上がった眼をしている。

 

父親も、二人の兄も殺人罪で受刑したことがある、暴力を生業にする家族だった。洋介は、中学3年生の子供という面影などは微塵もない人物だった。すれ違う誰もに「触れてはいけない世界の住人だ」と感じさせる殺伐さを有していた。

 

この2年間、剛はずっと洋介に凄惨な集団暴行を受けていた。

 

合計で76針縫わされ、骨折は9箇所。一生懸命リハビリして治療した膝を、退院後に待ち伏せされて取り巻き50人に囲まれて折られた事もあった。

 

「いじめ」というような、生易しいものではなかった。

 

洋介は剛を、自分がこれから暴力で成り上がっていく際の生贄だと考えていた。ヤクザの純血種である洋介は、家族の中でも一際残虐な才能に優れていた。

 

洋介は、常に取り巻きを50人位引き連れていた。剛への集団暴行はショーであり、洋介が取り巻き達に恐怖を植え付ける広報手段だった。

 

剛は洋介の先輩数人にアナルを輪姦され、ビデオに録画されたこともある。爪も両手両足、全て剥がされたこともある。剛が仲良しだった幼馴染の裕子をまだ小学6年生にも関わらず目の前でリンチされ、輪姦されたこともある。

 

この凄惨な暴行は、小4の際に、剛が洋介に喧嘩を売ったことが原因だった。

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