剛は14、中学2年の時に、玲香から告白された。
玲香はスイス・アングロサクソン・韓国・日本の血の影響もあり、14とは思えない程に色気があった。
剛は美しい玲香とセックスする時に、童貞でないと見栄を張りたかった。
美しいからこそ動揺して気圧されるし、慌ててしまうように感じた。この時点では、玲香と自分のバランスを考えた時、玲香の方が性的な魅力が上である様に感じられた。
(実際に、玲香は既にこの時点で数十人の男性とセックスをしていた)
そこで、剛は自分に小学校の頃から憧れている女を呼び出して、品定めした。そうした女達の中でも綺麗で、荒れ始めている葵に的を絞った。
「剛君。ほんとに私とデートしてくれるの?」
葵は綺麗だった。
顔と身体が真っ白で、瞳が茶色く、身長は155cm位だった。眼はパッチリしているが、横にも流れている美人だった。ただ少しだけ鼻が低く、親しみやすさがあった。
早熟で、14だが、華奢な身体に似合わず、Dカップだった。また生まれつき身体が柔らかく、深い角度のくびれと、美しく反った背中を持っていた。甘い顔つきで八重歯が可愛らしく、ロリっぽい雰囲気があった。目元にほくろがあり、妖艶な雰囲気もあった。
だが、親は貧しく、母子家庭だった。同じ母子家庭でも裕福な玲香の自宅とは異なり、学問や芸術的な芽が育つような環境には居なかった。美貌のみでも充分存在を認められていたから、そうした能力を磨くインセンティブもなかった。結果として、エネルギーはあるが、無知だった。
この様に馬鹿なロリ美人で、貧乏な所が、いかにも土方や廃棄物業者のヤンキーが好みそうな女だった。実際に、同じように美しい姉の彩香は高校を中退し、西麻布のラウンジで働いていた。
小学生の頃から、葵と彩香は剛にわかりやすく好意を送ってくれた。だが、彼氏になるという感覚ではなく、幼馴染だけど憧れている存在のような関係だった。葵と彩香は自分達の育ちをわきまえていて、剛は自分達とは「釣り合わない」と判断している様だった。
実際に、葵も彩香も少し年上の地元の不良と付き合っていた。
「剛君。最近すごくかっこよくなったねー」
彩香は年々大人っぽく派手になっていき、地元の女の憧れだった。4つ上の彩香に言われるのは、童貞の剛も嬉しかった。
「お前、早く葵とヤッてやれよ。あいつ、お前とやりたがってるの、バレバレだよ」
毅は剛によく言っていた。学校の多くの女子は剛よりも、Jリーグのユースで全国的に活躍する毅に憧れていた。
だが、葵と彩香は、剛が喧嘩が好きで荒っぽいところもある所に惹かれていた。葵と彩香は昔から、剛が目上の男に向かって喧嘩を仕掛け、勝ったり負けたりしているところを見ていた。不良のような粗暴さはないし、育ちもいいし、勉強やスポーツもコツコツと取り組む剛が、平然と街の不良と喧嘩するのは、二人にとって新鮮だった。自分の周囲には、粗暴な不良達ばかりだからだ。
「もしかしたら、洋介さんを晒して植物人間にしたのは、剛君なんじゃないかな?」
勘のいい葵と彩香はその可能性を察し、また贔屓の剛がそれだけ強いことを期待し、二人でよく話し合っていたのだった。剛は二人のアイドルだった。
「いや、彩香さんがいい。葵はヤンキーだろ。馬鹿だし、色気を感じないんだよな。鼻が低い女、嫌いだしな。まあ一発はヤリたいけど」
「やっぱ、一発はヤリたいんじゃねーかよ」
剛は毅と笑い合って話していた。
「だけど、あいつ、東日連合の幹部と最近付き合ってるらしいぞ。この前、”暴力を振るわれている”って、泣いてた」
剛にとっては初耳だった。
葵が柄の悪い男が好きなのは知っていた。だが、そこまで馬鹿だとは知らなかった。
東日連合は地元の不良ではなかった。
喧嘩の結果殺人をしてしまったのではなく、実際に殺人を請け負う仕事も行なっている組織だった。勢力の拡大を既存ヤクザに見えにくくするため、不良のような体裁を意図的にとっている、実態は新興のヤクザ団体だった。