(今まで私を適当にあしらって来た剛君をヒイヒイ可愛がちゃおう)
そう頭に浮かんだ時、ジュワッとヴァギナの奥から汁が溢れるのを感じた。
葵は今付き合っている龍太のことは全く忘れていた。子供の頃からずっと憧れていた剛を貪るのは、他の男と弄ぶのとは全く違うときめきや幸せ、湧き上がる興奮があった。
葵は剛の首筋をチロチロと舐めた。葵は剛のむわっとした汗の匂いに興奮した。暗い中で葵の涎で湿って光る部分に、鼻息をあてた。
「うぁぁあぁぁ…」
剛の唇から涎が垂れた。足はモジモジと内股になる感覚があった。
「葵。もう我慢できない。葵の部屋に行こう」
葵は、剛が虚ろな眼になっており、甘えん坊の小僧のようになっていることを見逃さなかった。短パンのシミは更に広がっていた。
神社から葵の家に向かった。
剛は童貞らしい態度で、必要以上に大きな態度で、周りに威圧的に歩いた。葵はこれからのセックスをリラックスしてイメージし、口の中で舌をジュルジュル回していた。
剛は無言だった。
喉が渇いた。何を話したらいいのかも、全くわからない。高なるエネルギーのやり場がなく、すれ違う人間に無闇に威圧的な視線を向けた。正に田舎のヤンキーになっていた。
だが、ここで二人の甘いセックスは大きく展開が変わった。
商店街に入った所で、剛の視線の先に葵の彼氏である龍太が写った。
手下の吾郎と一緒だった。アロハシャツを着て、その下から和彫の刺青がのぞいている。葵も同時に気づき、バッと剛の腕を離し、走って逃げて行った。
だが、龍太は二人に完全に気づいた。
「おいこら。てめえ、何やってんだよ!」
龍太は葵に向かって走りかかり、いきなり葵のこめかみに食い込む右フックを放った。
小さい葵は叫ぶ間も無く、5mは吹っ飛び、顔から地面に叩きつけられた。新品のVUITTONのバッグは8m先のゴミ捨て場に吹き飛んだ。
龍太は何やら鉄の入ったTimberlandを履いていた。剛には一切眼をくれずに葵に走りかかり、高々と膝を上げて、鉄の踵で葵の脳天に向けて叩き降ろした。葵は叫び声も上げらず、震えながら頭を蹴られ、悶絶していた。頭皮からは血が流れて来ていた。剛は一瞬龍太の攻撃に不意をつかれたが、すぐに攻撃に移った。
剛の脳の奥で液体が噴き出し、湧き出し続け、その液体が黒蛇の様に脳内を蠢いた。その刹那、剛は龍太の膝を掴んだ。
「殺す」
龍太が剛に右フックを繰り出した刹那、剛は龍太の膝の裏と首の裏の襟を掴み、身体全体を持ち上げて、後頭部からアスファルトに叩きつけた。
「ガゴン!」
龍太は不意をつかれた。
龍太は今まで殴り合いから始める喧嘩しかしたことはなかった。
一方で、剛は喧嘩などするつもりはなく、アスファルトを含め、全ての武器を使って相手を殺す事しか考えていなかった。剛はこのシチュエーションでは、上背やリーチがある龍太を立たせず、アスファルトに頭蓋骨を叩きつけて破壊することを選んだ。