彩香は自分の快楽や恋愛を実現するために、葵・剛・龍太・吾郎を暴力の渦に落とした。
だが、狡猾な彩香の予想は大きく外れた。
龍太と吾郎が血眼になって葵を探し、商店街で殴り倒したところまでは、全てが予想通りだった。
龍太が剛を張り倒した時、葵は数本の歯が壊され、抜けた。
「やった!もっとやれ!もっとやれ!」
彩香は自分の恐ろしさを知った。
だが、ワクワクは止められなかった。ボロボロの歯で泣き崩れている妹の葵をみるのは、心の奥がザワザワし、冷酷に興奮した。
だが、剛は、彩香が思うようなスポーツマンではなかった。龍太を執拗に後頭部からアスファルトに叩きつけて頭蓋骨割り、馬乗りになって頭突きを落とし、失神した龍太の靴を無理矢理脱がしている姿は異様だった。
彩香は今までヤクザや不良の男と関係していた。その男達は不思議と、他人に暴力を振るう所を見せたがった。その後のセックスでは、いつもより彼等は興奮していた。
だが、剛の暴力は、ヤクザや不良とは全く違っていた。
表面的に恫喝したり、残虐性を誇示することはなかった。もっと冷酷に殺害を意図していた。同じ人間を攻撃するのではなく、異生物が害獣を駆除する様に冷淡に殺害していた。葵が止めなければ、龍太は確実に殺されていただろう。
(洋平を植物人間にしたのは、やっぱり剛君だったんだ)
剛が龍太の頭蓋骨をアスファルトに叩きつけた4回目に、彩香は恐怖で失禁した。
(私が声をかけたせいで、龍太は今日殺されるんだ)
彩香は龍太が殺されることを確信した。
だが、彩香は失禁しながら、ヴァギナの奥から熱い液体が溢れて来た。
獰猛で残酷な剛を龍太の返り血を浴びながら、淡々と殺していく姿を凝視し、彩香は狂った。
(この獣の子がほしい。どうなってもいいから、この獣の子がほしい)
触れてはいけないものに触れてしまった気がした。
だが、ヤクザや不良とセックスしても、不感症になっていた自分に光が見えた。
(剛君。龍太の頭蓋骨を破壊し切って、完全に虐殺しろ!)
彩香は剛の虐殺を観ながら、涎を垂らしながら、脳で叫んでいた。龍太がグタリと地に沈み、剛と葵が現場から走り出した時、彩香は思案した。
(まずは葵から奪うしかない)
(だが無理矢理やっても、剛君に引かれるだけだ。今日は諦め、徐々にやるしかない)
剛への強い渇望は、彩香を冷静にした。
今日葵に剛の童貞を奪われるのは死ぬ程辛い。だが、剛は必ずものにしたい。
彩香は賢明な女だった。
…はずだった。