沙耶は深々と剛に頭を下げた。
14歳の剛に、34歳の妖艶な沙耶が一般人が手に入らない様な着物を着て頭を下げる姿は異様な光景だった。沙耶は丁寧な言葉を使えば使う程、謙れば謙る程に恍惚となった。二人はスイートに入って、飲み物を頼んだ。
剛は一言も話さず、スイートの内装を確認したり、確認出来る夜景を楽しんでいた。着飾った沙耶の存在を無視していた。沙耶はその感覚にヒリヒリした。
(激しく問い詰めるわけでも、恫喝するわけでもないんだな)
(この男は一体どんな男なのだろう・・・)
沙耶は意を決して、剛に繰り出した。
「私が今集められる限界の1億円を差し上げますので、この事は決して娘達に言わないください」
沙耶は14歳の男に「1億円」と伝えれば、流石に驚き、受け入れてくれるだろうと思っていた。
いや絶対に「1億円」という金額に驚き、恐縮するだろうと想定していた。落とし所として1000万円を無理矢理にでも渡して、(気を惹いて、剛と関係を持ってやろう)という淡い期待を持っていた。淡い期待と言っても、沙耶は1億円を差し出した際に、ヴァギナが脈を打つほどにヒクヒクさせていた。
剛は予想とは全く違い、全く反応を変えなかった。ただじっと、沙耶を射抜くように見つめていた。
(一体何を考えているのか、全くわからない・・・)
いつも多様な紳士に触れている沙耶も、剛の真意は全くわからなかった。耐えられない程に長い沈黙だった。
「沙耶さん。そんな事よりも・・・」
剛がようやく口を開いた。相変わらず、とても丁寧で優しいが、ドスが効いた口調だった。
「あなたが撮影した動画を今ここで、この大画面で流してください」
「・・・えっ!?」
沙耶は驚いた。
(自分が盗撮・盗聴した剛・彩香・葵のセックスデータを剛に引き渡さなくてはいけない)と思っていたが、まさか公開することになるとは思っていなかった。だが、剛からの要求を断る事は出来ない。頭から火が出る程に恥ずかしかったが、データを剛に渡した。剛は手早くセットし、スイートにある巨大なスクリーンに投影した。どんなに富裕な家庭でも置かない様な、映画館にあるような大きさのスクリーンだった。沙耶は恥ずかしくて立っていられなかったが、頭を深く下げてしまっていた。
動画が流し始められた。
そこには、剛・彩香・葵がセックスしている動画・音が恐ろしい程に鮮明に映っていた。その中には、剛のペニスだけ・眼・顔の表情・開けている口の中等、明らかに剛の舐めるような接写だけを執拗に撮っているものもあった。剛と彩香、剛と葵のペニスやヴァギナが結合している所だけを異常に接写しているシーンもあった。
沙耶は、自分が興奮するところを全て公開されている事が恐ろしく恥ずかしく、脚をガクガクさせていた。だが、産まれてから感じた事がない被支配感に脳は完全に蕩け、涎を垂らしていた。
動画は明らかに携帯や家庭用ビデオカメラとは画質・音質が違うものだった。プロが使う盗撮機・盗聴機である事はすぐにわかった。
「あれっ?沙耶さん、この動画は何角で撮影しているんですか?」
「・・・5角です・・・」
驚く事に、沙耶は彩香と葵の部屋の四方・天井にカメラをセットし、動画を合成していた。プロのAV動画よりも遥かに立体的で、精緻な動画だった。
「沙耶さん。あなた、素人じゃないですね?」
「・・・・・・。はい。私のクラブは全て撮影していますし・・・。お店で雇っている女の子の部屋には全て設置しています。それは防犯だったり、色々な目的があり・・・」
「・・・沙耶さん。本当にそれだけですか?」
「えっ・・・」
沙耶は、剛に鋭く冷たく聞かれた。