※この作品はR-18です。

黒蛇男   作:zubro909

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13. 寧々との交渉 (1)

剛は次の日の朝4時に、剛や玲香が時折行くローソンのトイレに行った。

 

玲香のヒント「4ロートイレ」は限られていたが、数字と言葉から捻り出した。便座に座ると見える目前のカーペットの端にトイレットペーパーの端切れが微かに見えた。そのトイレットペーパーを出すと、ペーパーの白字に読み切れない程に似たグレー字で次の様に記載されていた。

 

「あなた母盗撮・盗聴。本紙5秒で目で覚え流せ。世界軍人諜報からデータ授受」

 

剛は一瞬で状況を理解し、ペーパーを自然に流した。玲香は、寧々が通信の傍受にも強い事を把握していたから、携帯のメール等での連絡は避け、原始的だが、アナログ・デジタルでも証拠が残らない方法を選んだのだ。

 

剛はどういう事情かはわからないが、寧々が自分の盗撮・盗聴している事、寧々は世界の軍人や諜報者とデータを授受する業務を行っている事、を理解した。また、玲香の警戒から、このトイレすら盗撮・盗聴している事を理解した。

 

(寧々さんはなぜか自分に異常な関心があるのだな)

(という事は。俺の生活の全て、洋介だけでなく龍太を植物人間にした事、ヤクザとの喧嘩、彩香・葵・沙耶や玲香、他の女達とのセックス、オナニー、親父の自殺、大蔵の脅迫、覚醒剤・・・全て、知っているという事か・・・)

(何なんだ。あの女性は。完全に気が狂っているな・・・)

 

剛は、寧々は殺人者であり、闇の仕事をしているだろう事は理解していた。

 

だが、ここまで一人の人間を猟奇的に盗撮・盗聴するような狂気があるとは、想像もしていなかった。しかも、その標的が自分だとは。確かに、自分が小6の時に洋介を植物人間にした時に、目前に表れて自分を睨み、首筋を嘗め回された。その時も、なぜその現場に寧々が居るのか、不気味に思っていた。

 

(洋介の時も偶然俺を見かけたようには思えなかった。あの前から、俺のことを監視していたんだな)

 

剛は寧々の狂気を感じながらも、ずっと憧れていた寧々が自分に並々ならぬ関心を持っている事が恐ろしく嬉しかった。

 

(今までの俺の喧嘩やセックスを全て見ていて、もし見限るなら盗撮・盗聴は止めているはずだ。寧々さん、いや寧々は俺の事に興奮しているはずだ)

(待てよ。おそらく世界の殺人者とセックスしている寧々さんが俺に関心を持っているという事は、俺も世界の殺人者と闘い得るという事じゃないか)

(・・・そうだ。自信を持て。)

 

剛は徐々に自信と冷静さを取り戻した。

 

(寧々さんは、大蔵の組織に繋がっている軍人の情報を持っているかもしれない)

 

剛は寧々と話をすることに決めた。残り少ない時間で大蔵の組織を破壊する策略を立てるには、寧々から何かの情報を引き出す必要があった。玲香には、玲香がバラしたことは言わないことを約束し、寧々と会う機会を作ってもらった。

 

(今回俺と家族が生き延びる方法のヒントに関しては、寧々さんを殺してでも、情報を得てやる)

 

剛は寧々の部屋に通された。玲香には無理を言って、玲香に身の危険が迫っていることを伝え、寧々と剛の二人きりで話させるようにした。玲香は、自分が話しても、剛が絶対に引かない性格を知っており、渋々認めた。

 

寧々の部屋は西洋と東洋が入り混じった、エレガントな空間だった。剛が今までみたことがない、芸術的だが、華美ではない、落ち着いた空間だった。世界的なデザイナーが演出しており、美しい照明や香りが印象的だった。

 

(明らかに金持ち中の金持ちだ)

(一体どうやって金を得ているんだ?軍人や諜報者のデータを転売しているのだろうか)

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