この作品は、時折出されるアンケートの結果によって展開が変わり、その展開、主人公の状況などによって物語の結末が変わります。
……少なくとも今は、その予定です。
『運命』というのは不思議なものである。
神の余興によって召喚されたことで、平凡に生きた筈の南雲ハジメの運命は変わった。そして、彼を中心に波紋を広げるかのように多くの者達の運命が変わった。
300年にも渡る封印から解放された者。
弱者から勇ある者に変わった者。
高潔から変態になった者。
片思いから相愛になった者。
自分を想い素直さを取り戻した者。
離れ離れになった母と再会した者。
現実に打ちのめされながらも矜恃を貫いた者。
責務と憧れの両立を得た者。
恩に報いる為に挫折から立ち上がった者。
世界を滅ぼそうとする神は逆に滅ぼされ、滅びの運命にあった世界は救われた。
たった一人の『
それは、神の気まぐれから生まれた偶然か。はたまた一人の男の足掻きがもたらした必然か。その両方か。
いずれにせよ、南雲ハジメの活躍によって物語は大団円を迎えた。
それが一つの世界線の結末。
では、ここにもう一人『
『彼』はすでにこの世にはいない。過去の彼は、なんの為に生き、なんの為に戦い、なんの為に成したのか。それを知る者はもういない。それでも軌跡は遺る。その軌跡から波紋は広がり、『運命』が変わる。『過去』が書き換わる。
過去の彼がハジメにもたらす『運命』は、『喜劇』か『悲劇』か。
ただ一つ言えるは、彼はハジメにとってとんでもない『疫病神』になるだろうということだけだ。
*
かくして物語は始まる。
ある日、南雲ハジメは同じ教室にいたクラスメイト達と共に異世界召喚された。聖教教会の司祭であるイシュタルに世界の情勢を聞かされ、世界を救って欲しいと言われた。天之河光輝を始めに次々と承諾してしまう生徒たち。剣と魔法の世界での生活が始まった。
数日後、初の実践訓練が行われた。檜山大介の『不慮の事故』により下層に転移された生徒達。現れるはベヒモスとトラウムソルジャー。生徒全員が混乱する中、“錬成”を駆使し、時間稼ぎするハジメ。魔法詠唱は完成し、放たれる。しかし撤退するハジメに一発の『凶弾』。床は崩れ、ベヒモスと共にハジメは奈落に落ちていった。
共に異世界に召喚されたクラスメイトの裏切りによって奈落に落ちてしまったハジメ。『無能』な自分に対し、化け物で溢れかえった奈落。ボロボロにされながらも
己の唯一の魔法、“錬成”を極め、強力な武器を創り、魔物を殺してはその肉を喰らった。
魔物を喰らう代償と幸運にも手に入れた神水によって、幾度となる破壊と再生を繰り返し、強靭な肉体を手に入れた。
そうして、全ての準備が整い、ハジメは歩き始める。
だが、ハジメはまだ知らない。
これから始まる旅の過酷はハジメの予想の斜め上を行くものだということを。敵意や殺意だけが、ハジメの障害になるわけではないということを…。