DOAXVV世界でハーレムライフ -転生?オーナーは解任が怖い- 作:HI-METAL
ホテル最上階とその一つ下の階層のおおよそ1/4ほどを占有するスイートルーム、そこがオーナーである俺の為に用意された、仕事部屋兼居住空間だった。
ゲームの中でよく見ていた、女の子達がいる客室とは比較にならないくらい広い。そして高級品等とはまったく縁のない生活を送ってきた俺でもわかるくらい、備え付けられた調度品の数々は豪奢で洗練されていた。この部屋にふさわしい仕事ぶりや責任を求められるのでなければ手放しではしゃいでいたことだろう。
俺はそのスイートルームの中でも一番見晴らしの良い、恐らく執務室だと思われる部屋の柔らかなソファに腰を沈めた。顔を上げ、ガラスの向こうに拡がる海をぼんやりと眺める。
既に日は傾き始め、夕日がこのヴィーナス諸島の空と海を美しい茜色に染め上げていた。
あの後も医務室でさゆりさんと激しく求め合い、3回
よくわからず呆然とした俺を上に乗せたまま、ベッドは勝手に動き始め…ホテル最上階のこの立派なスイートルームへ入室、ベッドルームで俺を降ろすと、これまた勝手に戻っていき、…途方に暮れた俺だけがここに残されてしまったという訳だ。
いつまでも呆けてはいられないと、気持ちを切り替え、まずレストルームの無駄にでかい鏡で自分の姿を確認してみる。俺の感覚ではつい数時間前までは中年太りした冴えないおっさんだった筈なのだが、今や細マッチョの好青年へと変貌していた。
容貌は若返っただけで変わっていないように見える。いや、変わっていないと言うには少々語弊があるか…端的に言うと、そこそこモテそうな顔になっていた。
ちょっとイモっぽかったアイドルが垢抜けたような…とでも言おうか、素材が並み以下でも印象を変える方法はあるんだなと、鏡に映った自分の顔を観察しながら少し感心する。
そして少し気をよくした俺は、この執務室に目星を付けてを色々漁り始めたのだが…
物色し始めてすぐに俺は気が付いた。会社でよくある紙ベースの書類や資料といったものを納めるキャビネットや本棚がそもそも無い。ちょっとしたメモ用紙や筆記具はあるが、常用されているような形跡は無かった。
おそらくすべて電子データ化されているのだろうと踏んで、操作端末を探すのだが、それが全く分からない。机の上を撫でまわしたり、リモコン的な物や操作パネル的な物を探してみたりしたが、そちらも全然見当たらなかった。もちろん他の部屋も見てみたが、俺の服が少し置いてあるだけで、パソコン本体のような物品も一切ない…どうにも出来なかった。
みさきちゃんやさゆりさん、他にもいるであろう女の子達に怪しまれずに、前の俺がやっていた業務を引き継ぐにはどうすればいいのか…詰みだ。そう思って俺は再び途方に暮れた。
こうして俺は落ち込んだ気分を回復させる事ができないまま、窓から見える景色のように黄昏ていた。
目の前に現れたみさきちゃんはめちゃくちゃ可愛いかったし、さゆりさんとのSEXもこれまでの少ない経験の中のどれよりも興奮した。この世界があの知っているゲーム世界と変わらないというのなら、俺はこのオーナーという立場をどうにかして続けたい。何かないのか?思考が頭の中でループする。
「でも、仕事もできないし中身は別人だとバレちゃうと、やっぱクビかな…」
思わず弱音を吐いてしまう。
視線が自然と遠くに移り、島の沖に大きな船が停泊しているのが目に入った。
あの船は見覚えがある。格闘ゲームのDOAで名前は忘れたけど、確かエレナ様が乗っていたDOATECの船だ。という事はエレナ様もどこかに居るのだろう。ひょっとしたらザックも来ているかもしれない。
俺の目の前に[オーナー解任]の文字が浮かんだ。…ような気がした。
「…はあぁ~」
俺は盛大にため息をつく。体の中のチート能力が目覚めたりしないかと、瞑想もしてみたが当然無駄だった。
ダメ元で左手に封じられた龍を起こそうと悪戦苦闘していると、ガチャリと執務室の扉が音を立て開いた。影から女の子がヒョッコリと首を出す。ノックもせずに入ってきたのはみさきちゃんだった。
「オーナー、体の調子はどう?」
「…あ、いや、悪くないよ」
たっぷり一呼吸おいて、俺は返事をした。沈んだ心に光が差した感じがする。やっぱみさきちゃんは天使だな。そんな事を俺は思った。
「ホントに?電気もつけずに座ってるから、まだ本調子じゃないのかなって…心配したよ」
「そういえば、…そうか」
全然気付かなかった。確かに日もだいぶ落ち、部屋は少し薄暗くなっている。
「もう、しっかりしてよね。…アイちゃん、電気点けて」
みさきちゃんがそう言うと、ぱっと部屋が明るくなった。
俺は驚愕に目を瞠る。そうか、そういう事だったのか。
AIだ。ここを管理するAIを呼び出せば良かったのだ。この事態を何とかできるかもしれない
「なに?驚いたような顔して…点けちゃダメだった?」
「い、いや、そんなことないよ」
俺は慌てて言った。
「その、オーナーは夕食もう取った?まだだったら…一緒に食べない?」
みさきちゃんが少しはにかみながらそう切り出す。願ってもない事だった。
「いいよ。一緒に食べようか」
「そうだ!今日はその…私大変だったんだから、当然オーナーの奢り、だよね?」
初めからそのつもりだったのだろう、俺がOKすると、念押しするようにみさきちゃんが言った。こうゆうところ、ホント可愛いよなぁ…自然と笑みがこぼれる。
「はいはい。奢るよ」
「やったぁ♪さすがオーナー!今月厳しかったから、しばらく節約生活だったんだよね~」
「節約は続けた方が良いんじゃないの?」
俺は仕返しとばかりに、オーバーアクションでみさきちゃんの身体を一瞥してから、ちょっとした軽口を叩いた。彼女はプイっとむくれる。
「あ~ひどい、オーナー、…体型にはちゃんと気を付けてるんだから!そんなこと言ってると一番高いお肉頼んじゃうんだからね。アイちゃん分かった?」
『みさきの注文を受け付けました』
AIがみさきちゃんの言葉に反応する。
「ごめん。降参だ」
俺は両手を上げておどけて見せる。何気ないやり取りが楽しかった。
「許してあげる…アイちゃん、3番目に高いお肉でいいよ♪」
『変更を受け付けました』
「有難くて涙が出るね」
俺は笑う。彼女も楽しそうだ。
「さ、行こ♪ オーナー」
みさきちゃんがこちらに向かって手を差し出す。俺は軽く頷いて立ち上がり、彼女の方へと足を踏み出した。
顔は実は目鼻口の配置が微妙に整えられていたりと、割と変わっているのですが本人は気付いていません。