※この作品はR-18です。

鋼の錬金術師 三十路女の事情 改   作:木桜 春雨

11 / 27
一応ギャグです。
しかし、次回はもっと、脳天気な感じのも書きたいと思っています、アイザックさんとかまだ、書き足りてないという感じだし。

スカーサンはまだ休暇中ということで、三人で二週間、宿で過ごす予定です。


先生と風呂ネタとか書きたいわ。



ラストはマルコーにお願いをしました、チュッ、その結果、予定は未定ということに

いきなりの軍からの呼び出しにマルコーは戸惑った、この数日、のんびりと過ごして明日には診療所に帰ろうと汽車の予約もすませたばかりだったのだ。

 

 「ドクター、実は、こちらの医療センターが人手不足で」

 先月、入ってきた勤務医がブリックスに派遣された、ところが予定の日は過ぎているというのに戻ってこないのだとロイ・マスタングは苦虫をかみつぶしたような顔で説明した。

 少しの間でいいからマルコーに代わりの医師として滞在してくれないかというのだ。

 「私は民間の医者だよ」

 「わかっている、こちらの勝手な言い分、都合だとも無理を言っているのは十分承知だ」

 マルコーは記憶をたぐり寄せた、ブリックスといえばアームストロング家の長女が指揮をとっていた筈だ、根っからの軍人気質で目の前の大佐とは犬猿のとまではいかないが、友好的ともいえない感じではなかったか、あちらへ派遣された医者は腕がいいのかかもしれない、だから向こうは手放したくないと引き止めているのかもしれない。

 

 「そちらの都合もあるだろう、だが、留守にしている療養所の方も気になる」

 「では、あなたの診療所へ医者を派遣する」

 では、その人材をこちらに派遣すればいいのではと思ったが、マスタングは、あなたの腕を見込んで頼んでいるのだと頭を下げてくる、断るなら今しかない、だが、頭を下げてくる様子から本当に困っているのかと思ってしまうところだ。

 「こちらにも都合がある、私、一人ならすぐにでも」

 「助手の彼女の事なら一緒でも寮には空き部屋もある、安心して」

 「彼女は一般人なんだ、遠慮するよ」

 スケベ野郎認定は自分だけでなく、軍の内部でも有名だ。

 

 滞在が二週間延びたと、その日の夕方に話をすると予想通り、彼女は驚いた。

 「あたしは先に診療所に戻ります、掃除とか、ありますし」

 「診療所には代わりの医者が派遣される」

 「そ、そうなんですか、すると診療所に住み込みですか」

 初対面の人間と二週間も過ごすのか、まあ、大丈夫だろうと思いながら、自分は診療所に戻りますと美夜は言った。

 

 「おまえさん、休暇はいつまでだ」

 話を聞いてスカーの脳裏に真っ先に浮かんだのは自分の上司、氷の女と呼ばれるオリヴィエの顔だ。

 (マスタング、おまえの悔しがる顔が目に浮かぶようだ、はははっ)

 脳のに浮かんだのは氷の女の高笑いだ、医療関係、人事の事では自分が彼女の下で働いたときも一悶着いあったはずだと思い出す。

 「彼女を診療所まで送ってくれるだけでいい、無理なら、他の人間に」

 子供ではないのだからといえば、それまでだ、だが、心配する気持ちが分からない訳ではない、わかった、任せろとスカーは豪語した。

 安心したマルコーだが、この後、予定は未定という言葉の意味を改めて知る事になるのだ。

 

 ドクター、お元気、ほんの数日前に合ったばかりなのにと思いながら自分に近づいてくる美女をマルコーは呆れながら見た。

 「何の用だね」

 軍の施設かから出てきたばかりなのだ、偶然というのはあり得ない、人の多い通りでにっこりと自分に向かって笑いかけるラストは行きましょうと歩き出した、この間ご馳走になったでしょう、だから、今度は自分が奢るわと。

 

 「軍医として働くんですってね」

 何故、知っているのかと顔に出たのだろう、ラストは笑いながら彼女と会ったのよと笑った。

 「買い物してたわ、たまには街に出るんでしょ、着替えとか、必要なものが色々とあるでしょ、数日ならともかく二週間ともなると大変よ」

 まさか、ホムンクルスの彼女から、そんな事を言われるとは思ってみなかったと唖然とした顔で相手を見た。

 「独り身が長いから大丈夫という訳ではなさそうね、羨ましいわ、面倒を見てくれる人がいるなんて」

 嫌みのつもりかと言いかけた自分にラストは真顔になった。

 「彼女は診療所に戻ると聞いたけど、あなたが言った訳ではないんでしょう」

 何を言い出すのかと言いかけてマルコーは相手の話をじっと聞いていた。

 「傷の男が診療所まで送るらしいけど、仲がいいとは思えないわ、女の扱いには慣れてないみたいだし、無口で三日も汽車の旅なんて、あたしなら御免被りたいわ」

 突然、ラストはマルコーに手を出してと声をかけた、不思議に思いながらも言われるまま右手を差し出した、以前の自分なら、こんな事はしなかっただろうと思いながら、するとラストは両手でマルコーの手を握りしめると引き寄せ、口づけた。

 唖然とするマルコーだか、このとき、周りの客席も気づいたようだ。

 

 「うわっ、あの美女」

 「えーっ、凄い」

 「羨ましいぜ」

 「俺、人生に希望がもてたよ」

 

 周りから見ればマルコーの顔全体の傷跡は見た目がいいとはいいと言えない、右目まぶたの肉は覆い被さったようになっていて片目の用に見える、普通の年相応の男とはいいがたい、だがラストはホムンクルスとはいえ美女といってもいい、この組み合わせは目立ちすぎる。

 周りからの視線を感じて慌てて手を引っ込めようとしたマルコーだが、彼女の力は強い、にっこりと妖艶に笑みを浮かべながら、ラストは言った。

 「お願い、きいてくれるでしょう」

 突然、何を言い出すのか、自分はどんな顔をすればいいんだと思っているとラストは、ゆっくりと手を離した、だが、視線をはずそうとはしない。

 平静を装うとする自分の反応を楽しんでいる様子さえ窺える。

「ドクター、我が儘を言えないの、大人の女なら尚更よ」

 軽く首をかしげて笑いかける笑顔は知らない人間なら見惚れてしまうだろう、しばらく女の顔をじっと見ていたが、ゆっくりと席を立った。

 「用事を思い出した、失礼するよ、これは奢りなんだろう」

 ラストは、にっこりと笑った。

 

 予定変更するが、おまえさんどうすると言われてスカーは、えっという顔になった。

 「宿の予約をしてきた、明日には、そちらへ移るつもりだ、まだ休暇中だというなら一緒に泊まれるようにするが」

 やはり軍の寮だと落ち着いて休めない、二週間、そこから通うつもりだというマルコーの言葉にスカーは釈然としないものを感じた、らしくないと思ったのだ。

 「宿代、諸々の必要経費は軍が出す事になっている、大佐からの承諾も取り付けた、気にする事はない、これなら期限が延びる事もないだろう」

 マルコーの言葉を聞きながらスカーは、こちらの言い分と都合のいい条件を取り付けたのかと聞くとマルコーは、そうだと頷いた。

 「ブリックスから医者が帰ってくるのが難しくても、それは私には関係ないということだよ」

  

 

 

 軍の寮では無くてホテルから通う事になった、予約もすませたので明日から、そちらの宿に三人で泊まる事になると聞いて驚いた美夜はどうしてと思った。

 「スカーの立場が悪くなる」

 美夜には何故という顔になった。

 「大佐と彼の上司は友好的ではないんだよ」

 嘘ではない、多少、話は盛っているが、とにかくここは誤魔化そうとマルコーは思った、ラストから言われたせいもある。

 「もしかして、力関係、派閥とかですか」

 「土地柄のせいもあるが、ブリックスの人間は厳しいんだ、私は元軍医として関わっていたから、大佐の頼みを素直にきくと、スカーの上司は何かあると勘ぐるかもしれない」

 その言葉をどう捉えたのか、マルコーの顔を見る彼女は真剣な顔になった。

 「もしかして、クビになるとか」

 「それは、な、ないとはいえないかも、しれん」

 すまん、スカーと心の中でマルコーは頭を下げた。

 「やっぱり、軍って厳しいんですね、(大佐は昼行灯みたいだけど)」

 「とにかく、二週間はこちらだ、必要な物を買っておきなさい、身の回りの物を」

 

 

 いきなり予定が変わってしまったが、ほっとした、診療所で知らない人間と顔を合わせるよりも、ここで先生やスカーと一緒の方が気が楽だ。

 それに先生なら多少の我が儘もきいてくれるし、何かあっても話しやすい。。

 大人の自分だが、親戚や親しい友人でもない他人の先生に甘えまくりだ、いかん、人間としてどうよと思う。

 でも、先生は優しいし、美味しいものを作ってくれるし。

 そうだ、マッサージ、肩揉み、背中を流して、髪も洗って、そんな事を考えていると思い出した、家族の、たった一人の母親の事を。

 風邪をひいて風呂に入るのが嫌なとき、祐子さんには特別サービスした、頭皮マッサージ、シャンプーもエッセンシャルオイルの入ったいい香りのするやつを、ドライヤーで乾かしてあけて色々とやってあげたのだ。

 だが、今はできない、その代わりに先生を甘やかしてあげようと思ったのだが、反対に自分が甘やかされているなど、美夜という脳天気な女は少しも気づいてもいなかった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。