※この作品はR-18です。

黒ティルと僕と   作:やす、

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夜中に喉が渇き目を覚ました、起き上がり部屋を見渡してもティルが晩酌に使っていたコップしか無かったので仕方なくキッチンに水を飲みに行く事に。眠気でフラフラしながらドアを開けてゆっくりとキッチンに向かうとリビングに誰かが居た。

兄さんこんな時間にどうしたんだい?

喉乾いちゃってさ、ギルこそ何してるの?

俺は腹減ったから夜食食べてるんだよ

夕飯足りなかった?

エルキュールさんにおかず取られてさ

そう言うことね


美味しそうに夜食を食べるギルを横目にキッチンへ、コップにお茶をくみ飲み干す、もう一寝入りするかと歩いてゆくとギルに話しかけられた


兄さん

どうしたの?

萌えって何か知ってる?

萌え?草木が芽生えるだっけ?

そうだけどそうじゃないんだよ、好きなキャラクターの愛らしさに思わず心がきゅんとしてしまうことなんだぜ!

ふむ


何やら萌えについて熱く語るギル、僕は萌えとか気にしてないから早く寝たいんだけど


明日は何か用事があるの?

特に無いけど

なら俺と萌えを探すのを手伝ってくれよ

分かったよ、じゃおやすみ

おう!おやすみ!


何やら変な事に巻き込まれた様な気がするけどまぁ良いだろう、少し冴えた頭で来た道を戻り部屋のドアを開けティルが寝ている布団に潜り込み目を瞑ろうとした


萌え、か…


ギルの言っていた言葉が頭の中に出てきた、萌えを意識して隣で寝ているティルの寝顔を見てみる事に。ピンクのパジャマを着て安らかな寝顔のティル。少しだけ開いている淡い色の唇から聞こえる安らかな寝息、寝相の悪さで顔にかかる桃色の髪の毛、うん、分からん。


考えるのをやめてティルの頭を撫でて目を閉じる、気づいたら眠りの世界に落ちていた。



萌えってなんだ?

朝日を受けて目を覚ました、体を起こして大きく伸びをして辺りを見渡すとティルが居ない、今日はティルがご飯の当番だった事を思い出して煙草を吸いに行く事に。上着を着てベランダへ出て煙草に火をつける。

 

 

今日はギルと萌えを探しに行くんだった、萌えとは何かミネルヴァに聞く事にしよう、そんな事を考えながら煙を見つめていたら庭に誰かが居る事に気がついた。目を凝らして見てみると青髪だということに気がついた、きっとアルマスだろう。何をしているか見ていると剣の素振りをしていた。こないだ会ったユリと引き分けだったのが悔しかったのだろう。

 

 

煙草を揉み消して普段着に着替えてリビングに行く事に、ドアを開けて廊下を歩くと朝ごはんのいい匂いが漂っていた、それにつられるようにリビングへ行くとまだご飯は並べられていなかった、ティルの手伝いをしてあげようとキッチンへ。

 

 

おはよ、手伝おっか?

 

おはようございます♪ならお言葉に甘えさせてもらいますね♪

 

 

長い髪をハーフアップに纏めてエプロンを着ているティル、普段は見れない姿、それを横目に味噌汁をお椀に注いでゆく。

 

 

味噌汁並べてくるね

 

はい♪もうすぐご飯が炊けるのでそれもお願いしていいですか?

 

任せてよ

 

 

テーブルを拭いてから味噌汁を並べてゆく、キッチンに戻るとティルがご飯をよそっていた、それをおぼんに乗せて机に並べているとギルがやってきた。

 

 

おはよ兄さん

 

おはよギル、もう少しでできると思うから待っててね

 

ありがと、今日は兄さんが当番だっけ?

 

ティルだけど手伝ってるんだよ

 

俺も手伝うよ

 

助かるよ

 

 

ギルと二人でキッチンへ、焼き魚ができているからそれをお皿に盛り付けて欲しいとの事。

 

 

グリードさん、その姿似合ってるぜ

 

ありがとうございます♪褒めても何もでませんよ?

 

じゃあ俺の皿だけ多めにしてくれよな!

 

分かりました、みんなには内緒ですよ?

 

 

そう言って唇に人差し指を当てるティル、ふむ。

 

 

兄さん、これが萌えだよ

 

そうなの?

 

グリードさんの姿にあの仕草で萌えない奴は居ない、断言するぜ

 

 

よく分からなかったけどまぁ良いだろう、盛り付けられたお皿をリビングへと運んでゆく。人数分を並べ終えたぐらいでみんながやってきた。挨拶もそこそこに席に座り朝ごはんを食べる事に。

 

 

いただきまーす

 

 

のんびりと朝食を食べてゆく、いつもと変わらない平凡な日常が今日も始まるのだろう。

 

 

兄さん、どこから行く?

 

んートレイセーマからで良いんじゃ無い?ってか他の国に探しに行くんだね

 

城に居る人達はいつでも探せるからな、じゃあご飯食べたら城門の前に集合で!

 

あーい

 

 

すでにご飯を食べ終えたギルにそう言われた。「何処かへ行くのですか?」そうティルに聞かれてギルと遊びに行ってくると返す、すると「夕ご飯までには帰ってきて下さいね?」と言われた。

 

 

のんびりと朝ごはんを食べてティルと食器を片付けてから城門へ、すでにギルが待っていた。

 

 

ごめん、遅くなった

 

俺も今来たとこだぜ、行こうぜ兄さん

 

あいよ

 

 

男二人で草原を歩いてゆく、目指すはトレイセーマだ。

 

 

最近外交官の仕事はないの?

 

そうだね、平和だから全く仕事が無いぜ

 

平和なのは良い事だね

 

 

たわいもない会話をしているとトレイセーマにたどり着いた、いつものように勝手に城門から入ってゆく

 

 

兄さん、手続きしないと怒られるぜ

 

そうなの?いつもそのまま入って行ってたよ

 

一応問題になるといけないから頼むよ

 

りょうかい

 

 

門番の人に手続きをしてからトレイセーマに入ってゆく、さて、どこから行こうか?

 

 

どこから行く?

 

とりあえず十二議会へ向かおうぜ

 

そうだね

 

 

十二議会を目指す事に、のんびりと歩いていくと見覚えのある女の子が走ってきた。

 

 

ユウ君、ギル君ひさしぶりっ♪

 

ミョルニル久しぶり、元気だった?

 

うん!ミョルニルちゃんはいっつも元気いっぱいだよ♪

 

 

楽しそうに踊るミョルニル、頭の上の羊が落ちそうで落ちない絶妙なバランスを保っている。

 

 

良かったよ、今日は何してるの?

 

えっとね、お暇してるんだよ!ユウ君達暇なら遊ぼうよっ♪

 

良いぜ、遊ぼうぜ!

 

 

意外とノリノリなギル、3人で遊ぶ事に。

 

 

それで何して遊ぼうか?

 

えっとね、たくさんぺったんこにできた人の勝ちだよ♪

 

 

そう言って無邪気な笑顔で槌を振り上げるミョルニル、嫌な予感しかしない。

 

 

そーれっ!ぺったんこ♪

 

おわっ!!

 

下がって!!

 

 

ギルに向かって振り下ろされた槌をなんとか剣で防ぐ、幼い見た目と違いかなりの力だ、じわじわと押されてゆく。

 

 

「ユウ君はライオンさんにメラメラ燃やして欲しいのかなっ?」そう言うミョルニルの尻尾がブンブンと揺れている、攻撃体制なのだろうか?

 

 

それは嫌かな?

 

じゃあこのままぺったんこだよ♪

 

 

さらに力が加わりミシミシと腕が悲鳴をあげる、なぜ遊びに来てこんな目にあっているのか

 

 

ってや!!

 

 

剣を斜めに構え槌の力を逃す、体制を崩したミョルニルをそのまま抱きしめる。

 

 

危ないからぺったんこにしたらダメだよ?

 

う、うんっ、えへへ、ユウ君って暖かいね♪

 

そうかな?自覚は無いけど

 

もっとギューってしてよ♪

 

うーん、後が怖いからやめておくね?

 

 

そう言ってミョルニルの頭を撫でてあげると気持ち良さそうに目を細めた。

 

 

助かったよ兄さん、ミョルニル、危ないから人に向かって槌を振り下ろしたらダメだぜ?

 

うん!気をつけるね♪あっ、ミョルニルちゃん、お使い頼まれてたのを思い出した♪二人共まったねー♪

 

 

そう言って何処かに行ってしまったミョルニル、あー疲れた

 

 

兄さんってモテる?

 

さぁ?そんな事は無いと思うよ?

 

ミョルニルすっげぇ嬉しそうだったぜ?

 

確かに嬉しそうだったね、それより萌えは分かった?

 

うーん、ニーハイは神って事は分かったぜ!

 

 

良く分からない事を言われたけどまぁ良いだろう、気を取り直して十二議会を目指して歩いていると声をかけられた。

 

 

あれ?ユウさんにギルじゃないですか

 

久しぶりアロンダイト、何してるの?

 

稽古をしようと思いまして

 

そうなんだ、良かったら手合わせしようよ

 

構いませんけどお二人は予定は無いのですか?

 

俺は構わないぜ?

 

って訳だよ、森の広場で良い?

 

はい、ついて来て下さい

 

 

アロンダイトに着いて行き以前稽古をつけてもらった森の広場へ、ここなら誰も来ないであろう。

 

 

よろしく、アロンダイト

 

よろしくお願いします

 

 

剣を構えアロンダイトと対峙する、普段の柔らかな表情ではなくキリッとした表情に変わっているアロンダイト、手を抜いて勝てる相手じゃない。

 

 

いざ

 

うん

 

 

その言葉の後にアロンダイトが動いた、素早く、繊細で的確な剣技が打ち込まれる、それを防ぎながら隙を狙う。

 

 

前に稽古をつけてもらった時より強くなってるね

 

あの時はただの人だと思って手を抜いていました、今回は好敵手として戦わせていただきます

 

お褒めの言葉として受け取っておくよ

 

 

鍔迫り合い睨み合う、その眼差しは強い決意を秘めていた。早めにケリをつけないと体力が持たない、一気に決めさせてもらおう。

 

 

せやぁっ!

 

はぁぁっ!!

 

 

剣を気合で押し返してゆく、それに負けじとアロンダイトも剣に力を込める、お互いが一歩も譲らない戦いに胸が熱くなってゆく。鍔迫り合う力を抜いてアロンダイトの体制を崩そうとしたが読まれていた、半歩下がった所を斬り込まれた。それをギリギリで躱し反撃の一閃を放つ。

 

 

良い反応です

 

お互い様だよ

 

 

お互いが同時に動いた、剣を振るい躱す、剣を振るい躱す、動きを読み合い一瞬の隙を探る。アロンダイトも同じ事を考えているのだろう。その時強い風が吹いた。

 

 

っつ!

 

隙ありっ!!

 

 

風に乗ったゴミが目に入ったその隙を突かれてしまった、瞬きをした瞬間にアロンダイトの剣が僕の首に突きつけられていた。

 

 

はぁ、良い勝負だったよ

 

風が吹かなければ勝つ事はできませんでした

 

運も実力のうちだよ、あー疲れた

 

兄さんもアロンダイトもすげえな!全然目で追えなかったよ!

 

 

ギルの歓声を聞きながら握手をして手頃な切り株に座り煙草に火をつける、疲れた体に煙が染み渡ってゆく。

 

 

本当に人間とは思えませんね、私とあれ程に打ち合えるなんて

 

努力したからね

 

 

そう言って切り株に腰掛け額に浮かぶ汗をハンカチで拭いているアロンダイト、なんとなくその姿に見惚れてしまった

 

私の顔に何か付いていますか?

 

いや、少し見惚れてただけだよ

 

はぁ、ティルフィングという奥さんが居ながら私に見惚れるなんて不義ですよ

 

そうだね、怒られる前にやめておくよ

 

 

煙草を携帯灰皿に押し込み立ち上がる、そろそろ十二議会に行かないと

 

 

ギル、行こっか、ありがとねアロンダイト

 

そうだな、じゃあねアロンダイト

 

はい、また手合わせをお願いします

 

 

ギルと二人で森を抜けて十二議会を目指す、このまま真っ直ぐ歩けばたどり着くだろう。

 

 

萌えは見つかった?

 

アロンダイトの汗で光るうなじが最高だったぜ!

 

 

それはもう萌えじゃなくて個人の意見なのでは無いだろうか?そんな事を考えていたらたどり着いた、門番に話して中に入れてもらおうとしたら今日は会議中なので入れないみたいだ。

 

 

どうする?

 

ケイオスリオンに行こうぜ

 

そうだね

 

 

時間は有限である、悩んだらすぐ行動、トレイセーマを抜けてケイオスリオンにやって来た、いつも通り門番をしているパラシュに許可をもらい国内へ入ってゆく。

 

 

なぁ、パラシュはスルーなのかよ?

 

パラシュとアスカロンは結構出番が多いからね、今回はスルーさせてもらうよ

 

出番?

 

出番だよ

 

 

不思議そうな顔をするギルと共に不気味な街中を歩いてゆく、するとただならぬ気配を感じた。

 

 

ギル、何か来るよ

 

えっ?どうしたんだよ兄さん

 

 

辺りをキョロキョロと見渡すギル、僕も気配を察するけどその主の姿が見当たらない、その時僕の肩に何か生暖かい物が乗った、その感触に背筋がゾワゾワする。隣に居るギルにも同じ物が触れた様だ、泣きそうな顔をしている。

 

 

君達は生者だね、なら興味は無いよ

 

き、君は?

 

 

声が聞こえ振り返ると茶髪をハーフアップに纏めた女の人が立っていた、良く見ると鼻の頭に絆創膏が貼ってある

 

 

私はグリダヴォル、えっと、ギル君と隣の人は誰かな?

 

僕はユウだよ、よろしくね

 

ふーーん?

 

 

そう言って僕をジロジロ見てくるグリダヴォル、何か顔に付いているのだろうか?

 

 

どうしたの?

 

ん?ユウ君はいい魂をしてるから死んだら私の力を使って支配しようと思ってさ

 

あの、安らかに眠らせて下さい

 

なんてね、冗談だよ♪

 

 

そう言って生気の無い目で僕の瞳を見つめる、見つめ返すと何かが吸い込まれる様な気がした。

 

 

グリダヴォルさん、兄さんに手を出すとマジで戦争になるからやめてくれよ

 

アッハハ♪その方が死者が増えて私は嬉しいんだけどね♪じゃーねー♪

 

 

ニヤリと笑い姿を消したグリダヴォル、あの目は本気なのだろう。

 

 

兄さんに何かあったらグリードさんが何するか分からないぜ

 

そうだね、ケイオスリオンが跡形も無くなりそうだよ

 

気分転換にお昼にしようぜ!俺、この辺にある美味いラーメン屋知ってんだ!

 

そうだね、そろそろお腹も空いたし

 

 

ギルに案内されて屋台のラーメン屋にやって来た、こういうちょっと古い感じのラーメン屋は好きだ。適当なラーメンを頼みグリダヴォルに萌えは感じた?と聞く事に。

 

 

鼻の絆創膏にあのキリッとした目つき、たまらないぜ!

 

それは萌えなのかな?

 

きっとこれが萌えだぜ!

 

 

疑問が残るけどまぁ良いだろう、渡されたラーメンを二人で啜ってゆく。

 

 

んっ、美味しいね

 

だろ?ケイオスリオンに来たら毎回ここで食べるんだぜ

 

今度ティルと来るよ

 

俺も連れてくる奥さんが欲しいよ

 

そのうちできるよ

 

 

ラーメンを食べ終わり次の萌えを探しに行く事に、適当に街をふらふらと二人で彷徨っていた。

 

 

何処かにいい出会いが転がってないかなー

 

 

そう言って頭の後ろで腕を組み歩くギル、こんな漫画みたいな歩き方をする人を初めて見る事ができて僕は満足していた。そんなギルが家の影から出てきた人とぶつかっていた

 

 

あら、大丈夫ですか?

 

 

そうギルに声をかけるのは膝まで伸びた銀髪に海賊の様な帽子とマント、それに水着みたいな服を着ている人だった。

 

 

はい!ありがとうございました!!セファーさん!

 

 

その人に向かって綺麗なお辞儀をするギル、何故なのだろうか?

 

 

どうしてそんなに嬉しそうなの?

 

そりゃそうだよ兄さん!

 

 

そう言ってチラチラとセファーの胸元に目線を送るギル、どうやらぶつかった時に胸に当たった様だ。

 

 

邪な事をお考えの様ですね、私には見抜けますよ?

 

えっ?そ、そんな事考えてないぜ!

 

本当でしょうか?目が泳いでいますよ?

 

 

ジト目でギルを見るセファー、プイっとギルが目を逸らした

 

 

ふふっ、意地悪はここまでにしておきますわ、ご機嫌よう

 

 

そう言ってセファーは去っていった、満足そうなギルを残して。

 

 

次はハルモニアに行こうぜ!

 

もうケイオスリオンは良いの?

 

もう少し居たいけどここまでにしておくよ

 

おけ

 

 

ギルに言われて次はハルモニアを目指す事に、歩きながらセファーに萌えは見つかったの?と聞くと大きいは正義と言われた。それは見た目の問題だと思うのだけど。

 

 

そんなこんなで天使の国、ハルモニアにたどり着いた、城門で受付をして門番と話しているとまだティファレト達は旅行から帰ってきていない様だ。

 

 

どうする?

 

適当にフラフラしようぜ

 

りょうかい

 

 

ギルと二人でハルモニアを散歩していると前からハルパーがやってきた。

 

 

あら、お二人仲良くどうしたのかしら?

 

 

こんにちわハルパーさん、俺たち萌えを探しているんだよ

 

萌え、ですか?

 

うん、萌えだよ

 

 

そうねぇ、、、私の手から逃げ切れる事ができたのなら手伝って差し上げますよ?

 

 

そう言って舌舐めずりをしたハルパー、嫌な予感がする。

 

 

マジで!?なら頼むよハルパーさん!

 

 

「なら今から10分間、私から逃げて下さい、もちろん捕まれば優しくその首を落として差し上げます」そう言って斧を構え顔を赤らめたハルパー、この人ヤバい人だ。

 

 

その言葉にギルが顔を強張らせた、次の瞬間にはギルの背後にハルパーが居た。そして腰を捻り勢いをつけてギルの首に向かって斧を振り下ろした。

 

 

させないよ!

 

 

ギルを蹴飛ばしその斧をなんとか受け止める、ただ付き添いで来ただけなのに何故こんな目に僕は合っているのか。

 

 

あらぁ、そうね、簡単に落とせたら退屈しますからね

 

 

どこか淫らな目で僕を見るハルパー、思わずゾクっとしたけど気を抜いたらやられる。気合を入れてハルパーと対峙する。

 

 

早く無様な姿を見せてください

 

 

巨大な斧を軽々と振り回すハルパー、斧を躱しながら反撃の隙を伺う。

 

 

アハハハハハッ♪

 

 

狂気を含んだ笑い声を響かせるハルパーにジワジワと押されてゆく、ミョルニルとアロンダイトと遊んだ疲れもあって身体が動かしづらい。

 

 

隙を見せましたね

 

っつ!!

 

 

剣を弾き飛ばされてその斧が僕の首に迫った、冷たい斧が首に突きつけられその後に風が吹いた。

 

 

残念ね、時間よ

 

あー疲れた…

 

後2秒有ればその首を落とせたのに

 

それはやめてもらいたい

 

ふふっ、約束通り萌えを探すのを手伝って差し上げますよ

 

マジで!?頼むよハルパーさん!

 

でも、ギルの頼みなら手伝いませんわ、私、弱者には興味はありませんの

 

えっ、、そこをなんとか!

 

私に戦って勝つ事ができたのなら夜のお相手もして差し上げますよ

 

 

その言葉を聞いて頭を悩ませるギル、悪い事は言わないからやめときなよと言うと残念そうな顔をして諦めていた。

 

 

なら私はこの辺で失礼しますわ、また会える事を楽しみにしていますね

 

 

そう言ってどこかに行ってしまったハルパー、あー疲れた、、、

 

 

助かったよ兄さん

 

僕はもう疲れたよ

 

そうだね、そろそろ帰ろうぜ

 

 

来た道を戻りハルモニアを出ようとした時に金髪の女の子に声をかけられた。

 

 

あれ?こんな所で何をしているのですか?

 

 

ショートカットの金髪に小さな帽子をちょこんと乗せた女の子、シタだ、ハルモニアらしい天使の様な服装が似合っている。

 

 

こんにちわ、俺達萌えを探しているんだぜ

 

萌えですか?そんな言葉初めて聞きました

 

 

少し困った顔のシタ、すぐに優しそうな表情に戻った。

 

 

宜しければお手伝いしますよ?

 

マジ?助かるよ!

 

はい、困ってる人は見過ごせませんからね♪

 

 

別に困ってはいないのだけど、そう言いかけた言葉をなんとか飲み込む。

 

 

それでその萌えってなんなのですか?

 

えっとね、ちょっとそこに立ってて

 

こうですか?

 

そうそう

 

探すから少しそのままでいてね

 

 

シタにポーズをとってもらいその姿をジロジロと見ているギル、それを僕は少し離れた所から見ていた。

 

 

あんまり見ないで下さいよ、恥ずかしくなってきちゃうじゃないですか、、、

 

もー少し!もー少しだけこのままで!

 

 

ポーズはそのままだけど少し顔を赤めるシタ。ふと頭に仏の顔は三度までと言う言葉が浮かんだ。

 

 

そろそろよろしいですか?

 

もーちょい!

 

 

僕が煙草に火をつけてそれを揉み消すまで同じポーズをとってくれたシタ、これが姉の優しさか。

 

 

もう良いですよね?

 

あと少しだけ!

 

新しい煙草に火をつけようとしたら糸が切れる様な音が聞こえて辺りを見渡す、多分シタからだろう。

 

 

契約違反、ですね

 

えっ?

 

叩き潰します!

 

 

シタが斧を振り下ろした、それを防ぎ押し返す。その隙にギルの手を引いて走る。

 

 

ギル!逃げるよ!

 

シタさんごめんなさーーーーい!!!

 

アハハハハハッ!!断罪します!

 

ひぃぃぃぃぃ!!

 

 

斧を振り回すシタからなんとか逃げ切る事ができた、もう少し反応が遅かったら大変な事になっていただろう。

 

 

助かったよ兄さん

 

今日の付き添いってお金出るよね?

 

ラーメン奢ったからチャラで

 

それならチャーシュー麺にしておけば良かったよ

 

また今度なんか奢るよ、そろそろ城に帰ろうぜ

 

そうだね

 

城に帰ってみんなの萌えも探すぜ!

 

 

何やら意気込んでいるギル、あんまり良い予感はしないけどまぁ良いだろう、そんな訳で後編パートに続きまーす

 

 

兄さん何言ってんだ?

 

えっ?気にすんな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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