誕生日会も終わりする事も無かったので僕達は千年王国でゴロゴロとしていた。最近本当にやる事が無い、たまには教会の任務でも受けようかな?
ベッドに寝転がりながらティルの方を見るとティルも退屈そうにベッドのシーツから解れた糸を引っ張っていた、一応人のだからそんな事するのやめよ?
そろそろ朝ごはんの時間だね
そうですね、今日は誰でしたっけ?
昨日がミネルヴァだったからクレスじゃない?
ならフランス料理ですね
そうなの?
はい、リルティルが中華でミネルヴァが地中海料理、私とユウは日本食です
へぇ、知らなかったよ
はい、今思いつきましたので
じゃあこの設定が活かされることは無いね
そうですね
そんな訳で煙草を吸ってからリビングに行く事に、一応元ネタは探して書いているつもりだけどどうしても探しきれない所があるからそこは目を瞑って欲しい。そんな事を考えながら空中を漂う煙を見つめていた。
そろそろ行きましょうか
そうだね
ティルに急かされて灰皿に煙草を押し込みリビングに行く事に、因みに外出する予定が無かったり来客が無ければ僕達は基本的にパジャマで過ごしている。
おはよー
おはようございます
おはよ、朝食できてるよ
うん、ありがとね
キッチンから忙しそうに話すクレス、それを横目に机に座るのだがまだ何も準備はできていなかった。
クレスー?まだなら手伝うよ?
どうやら騙されたようだね、今日はなんの日か知ってるかな?
今日って何日?
4月1日ですよ
なんかあったっけ?
二人で顔を見合わせて悩んでいたけど特に何も浮かばなかった。
二人共鈍いね、今日はエイプリルフールだよ
あぁーあの嘘をついていい日だっけ?
そうそう、だからクレス様からのささやかな嘘だよ♪
これぐらいの可愛い嘘なら良いですね♪なら朝食はまだできていないのですか?
うん、今日は寝坊しちゃってね、もうパンを焼く時間が無いんだよ
なら手伝おっか?
そうですね
助かるよ、後で愛してあげるからね
まだ死にたく無いです
そんな訳で朝食作りを手伝う事に、クレスはパンを焼きたかったようだけど時間も無いので市販品をトーストしてその上にマーガリンを乗せる事に。
並べてくるね
手伝います
ならみんなの分のコーヒーを淹れておくね
そんな訳でティルと荷台を引き机にパンを並べて行く、ちなみに今日の朝ご飯はトーストとコーヒーのようだ。
エイプリルフールなら他のみんなも嘘をつくかもしれませんね
そうだね、騙されたふりでもしておく?
そうですね、みんながどんな嘘を吐くのか楽しみです♪
クレスが淹れてくれたコーヒーを机に運び三人で談笑する事に。
クレスはエイプリルフールって知ってたの?
クレス様も知らなかったよ、昨日ミネルヴァが教えてくれたんだ
さすがミネルヴァ、物知りですね
聞けば大抵の事は教えてくれるからね、こないだも料理の事を教えてくれたし
そんな話をしていると扉が開き黒いローブを被った誰かが剣を構えてこっちに走ってきた。それを見て立ち上がり剣を構えようとしてもパジャマだった為剣を装備していなかった。
マスターとダモクレスは下がって下さい!
お願いね!
包丁取ってくるよ!
迫る何かに魔弾を放ち牽制をするがそれを巧みに躱しながらこちらに迫って来ていた、流石のティルも素手で対応する事は無理だったようであっという間に間合いに入られていた。
この蒼き剣に沈むと良い
ラグナロク、何をしているのですか?
ティルがそう言うと動きがピタリと止まった。
私と気づくとは流石ね
声で分かりました、何をしているのですか?
今日はエイプリルフールよ、たまには私も嘘を吐こうと思ってね
黒いローブを脱ぎながらそう言っていた、こういう嘘は心臓に良くない。
クレス様の愛を喰らえ!
クレスがキッチンから包丁を投げた、その包丁は真っ直ぐにラグナロク目掛けて飛んでゆく。
あっ
ローブを脱ぐ途中だった為それに気が付かなかったようだ、サクリと音を立てて包丁がラグナロクに突き刺さった。
ラグナロクしっかりして!
大変!ネスを早く!!
えっ!?ラグナロクだったの!?
ネス呼んでくるよ!
お願いします!クレス!タオルを下さい!
任せてよ!
ノックもせずにネスの部屋に飛び込みまだ寝ているネスを抱き抱えリビングへと走る。
連れて来たよ!
ほえ?一体なんなのですか?
早くラグナロクに回復魔法を!
んんー?えっ!?
眠たそうに目を擦りラグナロクを見ると血だらけでぐったりしている姿に気が付き目が覚めたようだ。
はい!ラグナロクしっかりしてください!
ネスが回復魔法を放つと出血が止まりラグナロクが起き上がった。
危うく死ぬ所だったわ
嘘の限度を考えよ?
そうね、検討しておくわ
みんなで部屋の片付けをしているとさっきの騒ぎでみんながリビングへと集まって来た。
おはようございます、さっきの騒ぎは一体なんだったのですか?
色々あってね、朝食できてるよ
いただきまーす
みんな何事も無かったようにトーストにかじりついていた、細かい事は気にしないようだ。
そういえば今日はエイプリルフールですね、もう嘘は吐きましたか?
コーヒーを飲みながらリルティルがそんな事を言っていた、エイプリルフールってそんなにメジャーなのだろうか?
私は嘘とか苦手なのよね、それで相手を傷付けるのは絶・嫌よ
アルマスもちゃんとした事が言えるようになったのですね
それどういう意味よ、それより
どうしたのですか?
そう言いかけてアルマスがコーヒーを一口飲んだ、何を言うか少し楽しみにしている事に
彼氏ができたわ
!?
その言葉でみんなが驚き立ち上がった、ミネルヴァにいたってはコップに注いでいるコーヒーを止める事を忘れてコーヒーの水溜りを作っていた。
ミネルヴァコーヒー!
えっ?あぁっ!タオルをください!
アルマスに先を越されるなんて…
リルティルが不貞腐れていた、その横を通り抜けフライシュッツがアルマスを問いただしていた。
アルマスちゃん、相手は誰なの?変な男の人だったらおねーさん心配だよ
心配いらないわ、この話は絶・嘘なんだから
アルマスがドヤ顔でそう言うとリルティルとラグナロクが立ち上がりアルマスに近づいてゆき腕を掴んだ。
アルマス、今からコロシアムに来て下さい
奇遇ね、私も同じ事を考えていたわ
ちょっと、まだ私パジャマなんだけど
問答無用です
二人共目が怖い、ってエイプリルフールだから許されるはずよ!
ダメです
ズルズルとコロシアムに引きずられて行った、しばらくするとアルマスの悲鳴が聞こえてきた。
アルマス大丈夫でしょうか?
大丈夫じゃ無さそうだよね?
そうですね、、、
心配そうな表情でトーストをかじるティニ、本当に心配してるのだろうか?
やっぱり嘘は吐くものではありませんね
だが今日は嘘がゆるされる日なのだろ?ならば良い嘘をつけばいいのだ
良い嘘ですか?
うむ!後でよかったと思えるような嘘ならいいだろう
グラーシーザがそう言った後に扉が開きギルが入って来た、何やら慌てている様子だ。
そんなに慌ててどうしたのだ?
寝坊して遅刻しそうなんだよ!今日は三カ国との会議なのに!
そうか、それよりギルよ
どうしたんだよグラーシーザさん?
はなげが見えているぞ
マジかよ、抜いてる時間も無いしマスクしてくよ、サンキュー
何事も無かったようにパンを咥えてリビングを出て行ったギル、それを見てグラーシーザが満足そうな顔をしていた。
ささやかですね
うむ、これぐらいの嘘なら誰もきずつかないからな
コーヒーを飲みながら楽しそうな顔をしていた。確かに丁度いい嘘って難しいな
私も嘘を思いつきました、誰か聞いてはもらえませんか?
ティル
はい?
嘘って宣言してから言うものじゃ無いよね?
そうですけど、とにかく聞いて下さいよ
グリードさんの嘘を聞かせて下さい
はい、マスターとの子供を授かりました
優しい顔でお腹を撫でながらそう言った、嬉しいのだけど嘘だと分かっているからなんとも言えない気持ちになる。
そう言う嘘はやめよ?
そうですね
でもする事はしてるんでしょー?
フライシュッツにそう言われて顔を赤めたティル、可愛い。
その後も何か良い嘘を考えていたのだが特に何も思い浮かばずにいた。
でも嘘が思い浮かばないのは良い事ですよね?
確かにそうだね、人を騙すのは気がひけるし
そろそろクレス様はパンを焼いてくるよ、もう発酵も終わったはずだし
お願いしまーす
キッチンへ入って行ったクレス、しばらくしてパンの焼ける良い匂いが漂ってきた。
その匂いを嗅ぎながら談笑していると三人が帰ってきた、満足そうな二人とボロボロになったアルマス。
ネス、、、回復魔法をかけて…
仕方ありませんね
助かったわ…
ネスが回復魔法をかけるとアルマスが元気を取り戻したようだ。ため息を吐きながら椅子に座った。
酷い目にあったわ
変な嘘を吐くからですよ
ジト目でアルマスを見るティニ、それを気にもせず何かを考えているような顔をしていた。
誰が一番凄い嘘をつけるか勝負しましょうよ
そう思い付いたのかそんな事を言っていた、だが誰もそれを気にも止めずクレスが運んできてくれた焼きたてのパンを楽しんでいた。
ちょっと、私の話聞いてるの?
アルマスも食べて下さい、美味しいですよ
今は御飯時、作りたてを食べないのはダモクレスに対する侮辱よ
そうね、頂くわ、ん、おいし
おかわりもあるから沢山食べてね♪
そんな訳でみんなで片付けをしてテーブルに集まり嘘を吐くことに。因みに午前中に嘘をついた人は無しという事となった。
ならティルとラグナロクとアルマスとクレスとグラーシーザは大人しくしててね
はーい
コーヒーを飲みながら嘘を考えているのだが特に何も思い浮かばなかった。
私、思いつきました
じゃあミネルヴァお願い
はい、ファンキルのホーム画面で姫を突くと喋るじゃないですか?
うんうん
それを100回連続で突くとスペシャルボイスが聞けますよ♪※嘘です
へぇ、、、
なら私も思いつきました
はい、ネスどうぞ
ファンキルのガチャを引いた瞬間にタブを閉じると石を使わずにガチャを引く事ができます※嘘です
それは知らなかったわ
もちろん嘘ですよ?
なんかピンとこないね
そうですね、もっと衝撃的な嘘が聞きたいですね
なら私が
スイハお願いね
はい、私処女です
おっと?
えっと?処女って事が嘘だから?
経験者ですね
まぁ良いんじゃない?
そうね、その辺りは自由だし
(そんなに気にされてないだと?)
エルキュールは何か思いついた?
(えっもう私の話題終わり?)
嘘を吐くのは難しいですね、、、
エルキュールの性格的に無理があるわね
フライシュッツは?
うーん、実はおねーさんはオベロン公の命を狙う暗殺者なんだー
フライシュッツ
なーに?
そういう事は嘘でも言ってはいけないわ
ごめんなさーい
こういう所ラグナロクは真面目よね
朝私達の命を狙いにきていましたよね?
ふっ
長い銀髪をかき上げたラグナロク、それで誤魔化せると思うなよ?
それなら私良いですか?
うん、聞くよティニ
私結婚してるんですよね、ほら
そう言って見せた左手の薬指に指輪が輝いていた。
えっ?マジ?
絶・初耳よ!
もちろん嘘ですよ?
ならその指輪はなんなのよ?
さっきこっそり作ったんです♪
情熱が凄いわね、、、
そろそろクレス様は夕飯を作ってくるよ、何か面白い嘘ができたら教えてね♪
うん、頼んだよ
そう言ってキッチンへ入って行ったクレス、その時扉が開きオベロン様とギルが帰ってきた、二人共何やら様子がおかしい、それを見ているとオベロン様が力無く椅子に座り顔を手で覆った。ギルも泣きそうな顔をしている。
どうしたんですか?ギル
あぁ、ちょっとな、、、
体調でも悪いの?
そんな話じゃねぇよ、、、
オベロン様、一体何があったのですか?
実はな…
オベロン様が語り始めた、その内容に皆に衝撃がはしった。
フェイルノートとの賭けに負けて城を奪われたですって!?
因みに何で負けたのですか?
ポーカーじゃ
あらま
後城の備蓄品と財産もじゃ
…………じゃあティル帰ろっか
そうですね、また来ますね♪
私達も元のアジトに帰りましょうか
そうですね
逃がさないわよ!フェイルノートの奴に言って返して貰うわ!
アルマスが行っても丸められるだけですよ
う、それは…
私が行ってきて全てを破壊してきましょうか?
それは戦争になりかねないわ、何か良い方法を探しましょう
みんなが頭を抱えていた、ロストラグナロク以来の城の危機がまさか賭け事とは誰も思ってはいなかっただろう。
分かったわ、私達が仮面を被りケイオスリオンに殴り込みに行きましょう
もっと平和的な解決の仕方を考えよ?
どちらが敵を倒せるか勝負しませんか?私は壊滅させるつもりで行きますけど
なら取った首の数を競いましょう
競わないで下さい
とりあえずどうしようか?
こうなったら飲んで現実から目を逸らすしかありません!飲みましょう!
そうですね、明日考えましょう
みんなでお酒を取りに行きクレスの作ってくれた夕飯を食べながらひたすら飲む事となった。みんなお酒も進み程よく酔いが回った時だった。
ノリで攻め込みませんか?
良いですね♪行きましょう!
おぉーー!!!
打倒フェイルノートよ!
みんないつもの服に着替えて武器を携えた、普段なら誰かが止めるのだがほろ酔いなみんなにストッパーなど無かった。
オベロン様!必ずこの城を取り返してきます!
待て!この話は…!
行きましょう!
おぉーー!!
オベロン様が何かを言いかけたけど僕たちは止まらなかった、そのままケイオスリオンに殴り込みに行ってしまった。
……………………………………………………………
後日。
はぁ、お前達がそんな低俗だとは思わなかったわ
はい、ごめんなさい
面目ない…
僕達はケイオスリオンを半分程壊滅させたぐらいの時にオベロン様に止められていた、あれはオベロン様がエイプリルフールに吐いた嘘だったようで僕達は今フェイルノートの城の一室で正座をして怒られていた。
国の復興と治療費は出して貰うわ、それと必要な時に駒として人員を貸して貰うわ、これでチャラにしてあげる
………はい、すいませんでした
それと次そんな事で私を巻き込んだら本当にティルヘルムの領土を頂くわ
はい、気をつけます
こってりと怒られて僕達は解放された、例えエイプリルフールでも嘘は吐かないでおこう、良い教訓となった。