※この作品はR-18です。

黒ティルと僕と   作:やす、

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入れ替わったらしい

朝、いつものように目を覚まし頭の下にある腕から抜け出してベランダへ。今日は何をしようか?いつもの事だけど特にやる事は無いのだけど。そんな事を考えながら煙草に火をつけた時だった。

 

 

ゲホッゲホッ、何これ!?まっず!

 

 

いつもの煙草なのに咳き込んでしまった、まるで初めて煙草を吸った時のように。風邪引いたのかな?そんな事を考えながら一口吸っただけの煙草を灰皿へと押し込んだ。

 

 

あれ?僕ってこんな綺麗な指してたっけ?

 

 

灰皿へと煙草を運んだ指をしげしげと眺めていた。例えるなら白魚のような指、白く長く細く、まるで乙女の指のような、、、?

 

 

うん、と考えるのをやめて二度寝をする為にベッドに戻る事に。窓を開けてカーテンを払いながら部屋に戻りそのままベッドへ、布団に潜り込む為に少しだけ布団を捲るとそこには僕が寝ていた。

 

 

僕が寝ている?と、言う事は?

 

 

布団に入るのをやめて扉の近くにある姿見鏡へ、そこに写るのは鮮やかな桃色の長髪に紅瞳、ピンク色のスエット。間違いない、ティルだ。

 

 

どう言う訳だか僕とティルが入れ替わっているようだ、いや、まだティルは寝ているからティルと入れ替わったかどうかも分からないけど、、、

 

 

まぁ良いか、そんな事より二度寝だ。腕を伸ばしながらベッドまで歩いて行き布団をめくりまだ夢の中の僕にそっと寄り付き瞳を閉じる事に。

 

 

自分が自分に抱きつくのは少し嫌だったけど文字通り目を瞑る事に。そのまま至福の朝の二度寝へ。

 

 

 

 

……………………………………………………………

 

 

隣の僕がモゾモゾと動きその刺激で目を覚ました。おはよっと声をかけると大きく身体を伸ばし僕が起き上がった。

 

 

グリード?あれ?私部屋で寝ていたはずなのに

 

 

その言葉で僕の中に居るのがティルじゃない事が判明した、ティルの事をグリードと呼ぶのはリルティルかアルマスだ、ギルならグリードさんだし。なら僕の中に居るのは…?

 

 

寝起きの所悪いんだけど僕には誰が入っているのかな?

 

入っているって何言ってんのよ、私は私よ

 

それはごもっともな意見なんだけどとりあえず鏡見てきなよ

 

 

「今日のグリードは変ね」そう言いながら起き上がり目を擦りながら姿見鏡まで歩いて行った。

 

 

…………?

 

 

ベッドの淵に座る僕、いや、ティルを見ながら僕が僕の顔を指差して間抜けな顔で僕を見ていた、あぁもうややこしいな。

 

 

絶・訳が分からないわ

 

 

その口癖で僕の中に居るのがアルマスだと言う事が判明した、ただそれだけでなんの解決にもなっていないのだけど。

 

 

うん、とりあえずアルマスだよね?

 

そうよ、なんで私がユウになっているのよ

 

それは僕が聞きたいよ、僕だってティルになっているんだから

 

分かったわ!

 

 

ポンっと手を叩き何かを思い付いたようなアルマス、その意見を聞く事に。

 

 

これは夢なのよ、そうに違いないわ

 

 

そう言うと笑顔で親指を立てて僕の方を見た、そうか、これは夢なのか。

 

 

夢ならほっぺをつねっても痛くないはずよ、ちょっと私のほっぺをつねってみなさいよ

 

分かったよ

 

 

ベッドから起き上がりアルマスの前へ、そしてほっぺをつねった。

 

 

いたたたたっ、ちょっと痛いじゃない!

 

つねってって言ったからだよ

 

そうなんだけど、ならこれは夢じゃ無いわね

 

そうだね、とりあえず朝ごはんを食べに行こうよ

 

そうね

 

 

そんな訳で二人でリビングへ。まだ時間が早い為か誰も居らず適当な席に座り時間を潰す事に。

 

 

今日の当番は誰よ?

 

あーティルじゃ無いかな?

 

ならご飯作ってよ

 

姿はティルだけど中に居るのは僕だよ?

 

みんなからしたら分かんないわよ

 

それはごもっともです

 

 

そんな訳でキッチンへ、袖を捲り何を作ろうか考えているのだがその前にこの長い髪をなんとかしなければ。

 

 

アルマスってゴム持ってない?

 

ゴム?あぁ、ヘアゴムなら私は持っていないわよ

 

あら、なら代わりに髪を縛れそうな物は無いかな?

 

輪ゴムならここにあるわよ

 

 

テーブルの上にある輪ゴムを指でクルクルと回しながらそう告げたアルマス、縛れればなんでも良いかと思いアルマスに縛ってもらう事に。

 

 

お願いね

 

分かったわ、んっ、良い髪質してるじゃない

 

そうなの?

 

サラサラで気持ちいいわ

 

 

アルマスが慣れた手つきで髪を束ねポニーテイルにしてくれた。聞くとたまにティニの髪を縛っているから慣れているそうで。

 

 

ありがと、朝ごはんは何が食べたい?

 

パウンドケーキが食べたいわ

 

ならお茶漬けで良いね

 

 

「そんな事言ってないわよ!」とアルマスの抗議の声を聞きながらキッチンへ、お米を洗い炊飯器に入れてボタンを押し再びリビングへ戻るとアルマスが鏡を見ながらため息を吐いていた。

 

 

どうしたの?

 

こんな姿になっちゃったのよ、ため息ぐらい出るわよ

 

傷つくからそんなに言わないでよ

 

ユウは良いわよね、グリードの姿なんだから

 

羨ましがるところを間違えていると思うよ?

 

 

そんな話をしていると廊下を走る音が聞こえ扉が開き誰かが入ってきた。見るとリルティルとアルマスとティニだ。

 

 

おはよ

 

大変です!私達入れ替わってます!

 

うん、知ってる

 

私の中に居るのは誰ですか!?

 

 

バタバタと手足を動かしながら伝えるのはティニ、と、言うことは?

 

 

ティニの中にティルが居るの?

 

はい、マスターが私の中に居るのですね?

 

そうだよ、ならアルマスの中には?

 

私が居ます

 

 

手を挙げるアルマス、その中にはリルティルが居るようだ、ならリルティルの中にティニが居るのか。

 

 

 

どうしてこんな事になってしまったのでしょう?

 

一応心当たりがあるんだけどね

 

どういう事よ?

 

こんな悪戯をするのはパラケルススかヘレナぐらいじゃないかな?

 

ありえるわね、それなら近くで見ているはずよ!

 

でも生活に不便は無いのでこのままでも良いんじゃないですか?

 

それもそうだね、今日の朝ごはんはお茶漬けだよ

 

私サケ茶漬けが良いです♪

 

海苔ってありましたっけ?

 

探してくるね

 

 

たまには入れ替わるのも良いだろうと考え直しキッチンへご飯とお茶を取りに行く事に。

 

 

って良いわけ無いじゃない!みんな慣れるのが早すぎるのよ!

 

そう?

 

そうよ!これは一大事よ!

 

とにかく朝ご飯を食べませんか?

 

お腹が空いたらなんとやらですよ♪

 

 

まだコマンド達は起きてきていなかったので人数分ご飯を持ってゆく事に。

 

 

いただきまーす

 

 

入れ替わったみんなを見ながら朝ご飯を食べる事に。不満げな顔でお茶漬けを食べる僕、いや、アルマスを見ながらお茶漬けをかき込んで行く。

 

 

ご飯を食べたらその二人を探しに行くわよ、この姿のままなんて私は嫌よ

 

その気持ちは分かるけど僕の身体にそんなに不満を言わないで欲しいかな

 

私は気に入っていますよ?久しぶりに地面を歩けて嬉しいです

 

私もです、普段とそんなに変わらないので

 

 

そう言うのはリルティルとティニ。確かにリルティルは常に浮いていたしティニも浮いていたからそんなに違和感は無いのだろう。

 

 

私もこんな可愛い姿になれて満足していますよ?

 

 

ティルも満更では無いようだ。そんな感じでご飯を食べ終わり食後のお茶を飲みながらのんびりとしていた。

 

 

まぁ良いわ、トイレ行ってくるね

 

 

そう言ってアルマスが部屋を出て行った。その間に作戦会議をする事に。

 

 

とりあえずどうしよう?

 

ヘレナとパラケルススに話を聞きに行きましょう、このままだとアルマスの機嫌が治りそうもありませんし

 

僕の身体ってそんなに嫌なのかな?

 

アルマスも女の子なんですよ、分かってあげて下さい

 

 

うんうんとうずきながらティニがそう言っていた、その言葉で少し疑問が浮かんだ。

 

 

そういえばアルマスは女子トイレに行ったのかな?

 

あっ

 

 

3人が間抜けな声をあげた時だった、誰かの悲鳴の後にパンっと頬を打ったような音が聞こえた。

 

 

手遅れだったみたいですね

 

そうみたいですね

 

 

しばらくするとスエット姿のフライシュッツがリビングへとやって来た。

 

 

おはよ〜聞いてよ、トイレから出たらユウ君が居ておね〜さんびっくりしてビンタしちゃったよ〜

 

うん、聞いてよフライシュッツ

 

どうしたのかな〜?

 

僕の中にアルマスが入っているんだよ

 

???

 

 

不思議そうな顔をするフライシュッツに説明すると納得してくれたようだ。

 

 

ならユウ君の中にアルマスが居るんだね〜?なら早く言ってよね〜

 

説明する間もありませんでしたからね

 

なら後で謝らないとね〜

 

 

そうしなよ、と言った時に誰かがリビングへと入って来た、どうやらスイハの様だ。そのままティルの所へと歩いて来た。

 

 

ティルフィング、ユウにトイレで寝ない様にと伝えて欲しい、気の知れた仲ではあるがデリカシーという物が

 

 

そう言われてしまった、反省しなければ。

 

 

ってアルマストイレで寝てるの!?

 

おね〜さん、強くビンタしすぎちゃったかな〜?

 

アルマス?私はユウの話をしているのだが

 

僕の中にアルマスが居るんだよ!

 

 

そう言い残しトイレに向かって駆け出して行きそのまま女子トイレへと入ってゆくとトイレの通路に倒れている僕を見つけた。

 

 

ほら、しっかりして

 

う、うーんっ、、、絶・納得できないわ…

 

とにかくリビングに戻るよ

 

う、うん…

 

 

なんとか立ち上がったアルマスを支えながらリビングへ、これ以上被害が出る前にみんなに説明をしなくては。

 

 

ごめんね〜アルマスちゃん

 

私は気にして無いわよ、それに入れ替わってるなんて分からないもんね

 

 

どうやらティル達が説明をしてくれたようだ、フライシュッツが申し訳なさそうな顔をしていた。

 

 

それでアルマスはどうやってするつもりだったのですか?

 

どうやってって、普通にするつもりだったわよ

 

でもその身体はユウのですよね?

 

あっ

あっ

 

 

間抜けな顔をする僕、もといアルマス。トイレに行くという事は見られてしまうという事に僕も気が付いた。

 

 

私男の人の身体でトイレなんて行った事ないわ!

 

殆どの女の人はそうだと思いますよ?

 

私達は普段と変わりはありませんけどアルマスはユウになっていますからね

 

マスターは気にしないのですか?

 

うん、ティルの身体だからね、他の人のなら気にしたかも知れないけど

 

うぅぅぅ、、、嫌だけどトイレに行きたいわ、、、

 

じゃあ私が教えてあげますから一緒に行きましょうよ

 

 

そういうのはティル。確かに見慣れている物かも知れないのだけど。

 

あの、、、私の身体なのですが…

 

 

ティニがすごく嫌そうな顔をしていた。それを見てティルが考えを改めたようだ。

 

 

それもそうですね、ならマスターと行ってきてください

 

そうだね、アルマス行こうか

 

分かったわ

 

 

そんな訳で二人でトイレへ、だがこの場合はどっちのトイレに入るべきなのだろうか?また女子トイレに入れば僕が何か言われそうだし男子トイレに入ればティルが何かを言われてしまいそうだ。

 

 

もうどっちでも良いから早くしなさいよ!

 

じゃあ男子トイレに行こうか

 

 

 

そんな訳で男子トイレへ、小便器の前で僕のズボンとパンツを下ろした時だった。

 

 

触りたく無いから良かったら良いって言ってよね

 

はい

 

 

まぁそんな感じでアルマスの初めてのトイレは無事に終わる事ができた。全く嬉しくともなんともないのだけど。

 

 

さぁ、作戦を考えるわよ

 

はい

 

…なにをしていたのですか?

 

あっ

あっ

 

 

二人で男子トイレから出てきた所をミネルヴァに見られてしまった、髪で隠れ左目しか見えないけど不審者を見るような目で僕達を見ていた。そりゃあ男子トイレから僕とティルが出てきたらそんな目で見るだろう。

 

 

えっと、これには訳があるんですよ

 

そうよ、まずは話を聞いて欲しいわ

 

ユウさん、乳繰り合うのは構いませんが場所を考えて下さい

 

 

待って!そう言ったのだけどミネルヴァは何処かに走って行ってしまった。変な疑いを残したまま。

 

 

追いかけるわよ!

 

もちろん!

 

 

走るミネルヴァを二人で追いかける事に。長い廊下を全力で追いかけるのだがミネルヴァの逃げ足が早く見失ってしまった。

 

 

なんで私がこんな目にあっているのよ!

 

入れ替わってるって知らないから変な目で見られているのは僕達だよ…

 

それもそうね、ならもっと変な事でもしようかしら?

 

でも入れ替わってるって分かったらアルマスがそういう目で見られるよ?

 

…それもそうね

 

 

二人で項垂れながらリビングへ。なぜ僕がこんな目にあっているのか。

 

 

どうでしたか?

 

最悪よ、ミネルヴァには変な目で見られるし

 

日頃の行いが悪いのですね

 

そんな変な事してないわ!

 

もうこの部屋で大人しくしていようよ、そうすれば何も起きないよ

 

でもそれじゃ何も解決しないわ、こうなった原因を探さないと

 

そうだけどもう僕が変な目で見られるのは嫌だよ

 

 

不満げなアルマスを見ながらため息を吐いた。そんな時だった。

 

 

そう言えば私友達と遊びに行くのですよね…

 

 

そう言うのはリルティル、つまりティニだ。聞くと他の妖精とティルヘルムの街へ行く約束をしていたようで。

 

 

私が代わりに行って来ましょうか?

 

そうして貰いたいのですが…

 

 

なんとも煮え切らないティニ、話を聞いてゆくとボーイフレンドと遊ぶようだ。

 

 

たまにしか会えないので断りたくは無いのですが、、、

 

ティニの中には私が居ますからね、どうしましょう?

 

この姿のまま行くのは相手が不思議に思うと思いますし…

 

ティニにもそう言う人が居たのですね

 

最近居ない時があると思ってたのよ

 

そんなんじゃありませんよ、話していると楽しいだけです!

 

そうやって否定する所が怪しいわね、どこまでしたか教えなさいよ

 

 

ニヤニヤしている僕、そんな自分の姿をこうして他人目線で見るのはなかなか心にくるものがある。

 

 

もぅ!茶化さないで下さい!そう言うアルマスはそういう人はいるのですか?

 

私は、、、って私の事は良いじゃない!今はティニの話をしているのよ!

 

誤魔化したね

 

誤魔化しましたね

 

うぅぅ、ならグリードさんお願いできますか?

 

はい、任せて下さい、既成事実を作れば良いのですよね?

 

違います!そうしたいのは山々ですけどそれはやめて下さい!

 

ふふっ、冗談ですよ、なら行って来ますね

 

 

そう言ってティルが外へと出かけて行った。その後ろ姿をティニが不安そうな顔で見送っていた。

 

 

そういえば私もハルモニアの料理教室に出席する予定がありました

 

 

そう言うのはリルティル、それはアルマスの姿でも問題無いとの事でそのまま出かけて行った。その姿を見送り3人で会議を行う事に。

 

 

じゃあ大人しくしていようか

 

そうですね

 

ちょっと!ヘレナとパラケルススの所に行くわよ!

 

もうこれ以上変な事に巻き込まれたく無いんだけど

 

そうですよアルマス、大人しくしていましょう

 

それは絶・嫌よ、早く元の身体に戻りたいのよ

 

うーん、、、

 

 

そんな時扉が開きギルが入って来た、そのままリルティルの方まで歩いて来た。

 

 

ギル?どうしたんですか?

 

急遽三カ国の会議が行われる事になったんだ、オベロン様は体調が悪いみたいだから変わりにリルティルさんに出て貰おうと思ってさ

 

えっ、でも私、、、

 

本当にごめん、時間が無いから急いで貰うよ

 

 

そう言ってティニが連れて行かれてしまった。大丈夫なのだろうか?

 

 

そんな疑問よりリビングに残された僕達の方が問題だ。ヘレナとパラケルススを探しに行こうとウズウズしているアルマスをどうなだめようか。

 

 

ユウ、そうと決まれば行くわよ!

 

うーーーん、、、そうだね。とりあえず着替えようか

 

それもそうね、着替えたらすぐ行くわよ!

 

 

そんな訳で僕達が借りている部屋へ、ティルがいつも着ている服に着替えようとしているのだがある問題にぶつかってしまった。

 

 

これはどうやって着ければ良いのだろうか?

 

 

僕の手にぶら下がっているのはティルが着けているブラジャーである。外す事はできるのだが付けた事が無くその付け方に困っていた。

 

 

アルマス、これの付け方って分かる?

 

私のにはそんな金具がついてないから分からないわ

 

いつもどんなの付けてるの?

 

スポブラってやつよ、ってそんな事聞かないでよ!

 

はい。

 

 

そのあと二人で苦労しながらブラジャーをつける事ができた。ただそれだけの事なのにかなり時間を使ってしまった。外す時は一瞬なのに。

 

 

行くわよ

 

はい

 

 

そんな訳で二人でパラケルススがいるケイオスリオンへ。いつものようにパラシュとアスカロンに挨拶をして国内へと入ってゆく。

 

 

こうやってアルマスと二人で歩くなんて初めてじゃない?

 

そう言われてみればそうね、楽しみにしてるわ

 

それなりに頑張らせてもらうよ

 

 

そうは言っても見た目は僕なのでテンションは上がらない、まぁ良いんだけど。

 

 

二人で観光をしながらケイオスリオンを歩いているのだがパラケルススの姿は見当たらなかった。その代わり売店を覗いたり名所を見たりとケイオスリオンを楽しんでいた。

 

 

なかなか見つからないわね

 

のんびり探せば良いよ、それよりお団子のタレが口に付いているよ

 

ん、ありがと

 

 

因みに今は公園のベンチに座り先程購入したみたらし団子を二人で楽しんでいた。のんびりとした昼下がり、煙草が吸いたくなってくる。

 

 

そろそろ行くわよ、まだヘレナ達のアジトにも行かないといけないし

 

そうだね

 

 

ベンチから立ち上がった時だった、見た事あるキル姫が一人、公園の入り口に立っているような気がした。

 

 

誰かいるわね

 

どこ?

 

 

アルマスが指差す方を見るのだが人の気配は無かった。アルマスの方を見ようと視線を移した瞬間に何がが煌めくのが視界に入った。

 

 

っつ!!

 

 

それを二人同時に後方へと下がり回避するとさっきまで僕達がいた所に誰かが立っていた。

 

 

ご機嫌よう、貴方達がユウさんとティルフィングさんですね

 

 

いきなり何するのよ!危ないじゃない!

 

君は…デュランダルだね?

 

わたくし、強ーい相手と戦いたくって、お二人なら私を満足させてくれると思いまして

 

 

そう言いながら双剣を構え直し殺気を隠す事なく僕達を睨んだ。アルマスの方を見ると既に剣を構え攻撃体制を取っていた。

 

 

そう言われたら黙って引き下がる訳にはいかないわね

 

そうだね、デュランダルは2対1で良いのかな?

 

もちろんですわ、そうでなければ喧嘩など売らなくってよ

 

 

そう言った側から姿を消した。二人で背中合わせとなり警戒しているのだが公園にはデュランダルの足音が響くだけでその姿を捉える事は不可能だった。

 

 

せいっ!

 

くっ!

 

待ちなさいよ!

 

 

そのスピードを活かしながら剣撃を繰り出して来た。ギリギリで防ぐ事はできるのだがそれをいつまで続くか分からない。それに。

 

 

もぅ!身体が動かし辛いわね!

 

そうだね、やっぱり自分の身体じゃないからね

 

 

不慣れな身体という事が戦闘に支障をきたしていた。もしこれが本調子のティル、アルマスなら瞬殺できる相手なのだろうが今の僕達にはその攻撃を防ぐ事が精一杯だった。

 

 

バッサバサに斬り刻んであげますわ!

 

 

再び姿を消しながら斬り込んで来ている、このままだとジリ貧だ。何か良い手は…

 

 

アルマス!少し時間を稼いでくれないかな?

 

良いけど、長くは持たないわよ!

 

10秒有れば充分だよ、頼んだ!

 

 

そう言って懐からドミネーターを取り出し魔力を注ぎ込んでゆく。その時間をアルマスがなんとか稼いでくれていた。

 

 

まだなの!?もう無理よ!

 

もう行けるよ!くらえ!

 

 

青白く輝きながら魔弾が放たれてゆく、だがそれを軽々と躱しながら僕達へと迫って来ていた。

 

 

どこに向かって撃ってるのよ!?このヘタクソ!

 

大丈夫だよ、これも作戦だからさ、それより良く見てなよ

 

どう言う事よ?

 

 

魔弾により立ち込めた土煙にデュランダルの動きがシルエットとなり浮かび上がっていた。どれだけ早く動けたとしてもその動きが分かるのならば対処は難しくは無い。

 

 

銃を懐に仕舞い込み骸斬を構えた、その横でアルマスが意識を高め一瞬の隙をうかがっていた。

 

 

喰らいなさい!

 

残念だったわね、私達の勝ちよ

 

 

土煙が晴れてくるとアルマスの剣先が首元を捉え悔しそうに項垂れるデュランダルの姿があった。

 

 

わたくしの負けですわ…

 

なるほど、こう言う事だったのね

 

そう言う事、ティルの身体じゃ無かったら危なかったよ

 

やるじゃない、見直したわ

 

そりゃどうも

 

噂に聞く通りのお二人方でしたわ、私の完敗ですわ

 

楽しかったよ、また戦おうよ

 

そう言ってもらえて嬉しいですわ、それでケイオスリオンで何をなさっているのですか?

 

そうよ!デュランダルはパラケルススが何処に居るか知らない?

 

パラケルススですか?なら彼方のお屋敷に居ると思いますわ

 

 

そう言って指差す方には大きな建物が合った。

 

 

うん、ありがとね

 

次は本気の私と戦いなさいよ

 

それってどう言う事ですの?

 

 

実はねっと説明をする事に。その話を興味深そうに聞いていてくれた。

 

 

ならユウさんがアルマスでティルフィングさんがユウさんなのですね?

 

そう言う事だよ、こうなったのはパラケルススの研究のせいなんじゃないのかと思ってパラケルススに会いに来たんだよ

 

そうでしたのね、それでもお二人のコンビネーション、お見事ですわ

 

 

そう言われて顔を見合わせた。少し照れた様な顔をしているアルマス、だがその顔は僕の顔なのであんまり嬉しくは無かった。

 

 

べ、別にそう言われても嬉しく無いんだから

 

アルマスは素直じゃありませんこと、私はこの辺りで失礼しますわ、ご機嫌よう

 

 

そう言ってデュランダルは何処かに行ってしまった、残された僕達もパラケルススのいる研究所を目指す事に。

 

 

大きな建物ね

 

そうだね、ここでどんな研究をしているんだろ?

 

どうせろくなことして無いわよ、さっさと問い詰めるわよ

 

 

そう言ってノックもせずに中へと入って行った、その後に続いてゆく。

 

 

何よこの部屋、変な物ばっかりじゃない

 

下手に触ると危なそうだから触らないでね?

 

 

室内へ入ったのだが所狭しと実験道具が並びヤバそうな感じがしていた、それを触らないようにどんどん奥へと進んでゆくと物陰からパラケルススが顔を出した。

 

 

私に何か用なのか?

 

うわっ、急に出てこないでよね

 

そう驚かれても私の家に勝手に入って来たのは君達なのだが

 

そんな事は良いのよ、早く私達を元の身体に戻しなさいよ!

 

なんの事だ?よく聞けばいつもと口調が違う気がするな

 

 

パラケルススを捲し立てるアルマス、だがその違和感を見抜きパラケルススが口角を上げた。嫌な予感しかしない。

 

 

まぁ座りなよ、立ち話もアレだろ?

 

じゃあ座らせて貰おうかな

 

私はこのままで良いわ、それよりあんたの仕業なんでしょ

 

だからなんの事だと聞いている、この頭の悪い話し方はユウでは無いな?

 

なんですって!?

 

まぁまぁ、実はこう言う事なんだよ

 

 

パラケルススに説明しているのだが最初はふむふむと興味深そうに聞いていたのだがどんどんその目が輝いてゆく。

 

 

ふむ、ならば次の研究のテーマにしよう、肉体と魂を入れ替えるとは実に興味深い。

 

ならパラケルススは何も知らないんだね?

 

そうだと言っているだろ、それよりもっと詳しく調べさせてくれ

 

 

新しいおもちゃが手に入った子供のような顔で椅子に座る僕に近づいて来た。ここで捕まったらきっとろくな事にならないだろう。

 

 

じゃ、僕達は帰るね

 

待て、もっと調べさせてくれ

 

逃げるわよ!

 

 

アルマスの声で立ち上がり一目散に出口へと駆けてゆくのだが。

 

 

逃しはしない。大人しく調べさせてもらおうか

 

 

パラケルススが何かを操作したらしくドアの鍵が閉められてしまった、ガンガンと扉を叩くが開く気配は無かった。どうやら閉じ込められてしまったようだ。そんな僕達にパラケルススがとてつもない笑顔で迫って来ていた。

 

 

我が研究の贄となれ

 

そんなのお断りよ!

 

良いと言うまでここから出られんぞ

 

 

どうやらパラケルススはこの事件とは関係が無いようだ、その代わり新しい事件が起きそうな予感がプンプンする。

 

 

パラケルスス落ち着いて、借り物の身体だから実験材料にするのはやめよ?

 

だが私の好奇心が私を突き動かすのだよ

 

 

そう言いながら近づいてくるヤバい人、このまま捕まったらとんでも無い事になりそうだ。

 

 

もしこの身体に何かあったらティルが怒るよ?

 

ふむ、それもそうだな、彼女に暴れられるとここが無くなりそうだしな

 

なら早くここから出しなさいよ

 

待っていろ、今開ける

 

 

そう言うとカシャっとロックが解除された、どうやら出られそうだ。

 

 

せっかくの良い機会なのだが諦めるとしよう

 

当たり前よ、実験材料になるなんてごめんだわ

 

パラケルススは本当に心当たりが無いんだね?

 

くどい、なら今から調べても良いんだぞ?

 

それはやめてもらいたいかな、じゃあ行こっか

 

そうね、邪魔したわ

 

あぁ、少し待ってくれ

 

どうしたの?

 

次こういう事があったら真っ先に私に報告して欲しい

 

考えておくよ、じゃまたね

 

 

パラケルススは犯人では無かったようだ、なら残るはヘレナだ。

 

 

そういえばレーヴァ達は何処に居るのかな?

 

トレイセーマとティルヘルムの近くに隠れ家があるわ、そこに居るはずよ

 

隠れ家なのに場所知ってるんだね、じゃあそこに行こっか

 

早く行くわよ

 

 

アルマスに手を引かれケイオスリオンを抜けてその隠れ家を目指して行く。草原を歩きアルマスが指差すのは一軒のお家だった。

 

 

確かこの家だったはずだわ

 

これって隠れ家でもなんでも無いよね?

 

そう言われてみればそうね

 

 

隠れ家と聞いてなんかもっとひっそりとしてるのを想像していだのだがどう見ても普通のお家である。

 

 

とにかく行くわよ

 

ほい

 

 

そんな訳でアポ無しで突撃である。玄関を開けて入ってゆくとディスラプターズの四人とオートアバター達が仲良くテーブルを囲い夕ご飯を食べていた。

 

 

グリード?いきなりどうしたのよ

 

あっユウ君も居るよ♪

 

ヘレナ達は楽しくご飯を食べているんだぞ

 

居たわねヘレナ!早く私を元の姿に戻しなさいよ!

 

どうしたんだいきなり、なんかいつもと口調が違うな

 

ふざけないで、あんたの悪戯なんでしょ!?

 

悪戯?ヘレナを疑うなんてユウは酷いぞ、くふっ

 

アルマス落ち着いて、みんな話を聞いてくれないかな?

 

何を言っているの?ここに居るのはアルマスではなくユウよ

 

はぁ、良いから説明して

 

うん、実はね

 

 

そんな訳でみんなに説明する事に。その説明を聞いているとカリスは楽しそうに笑いソロモンは何かを考えるような表情、ヘレナはくふっと笑いレーヴァはため息を吐いていた。

 

 

それでパラケルススとヘレナに疑いの目を向けたのか、それは心外だぞ、くふっ

 

間違いでは無いと思うわよ?

 

ならヘレナの仕業じゃ無いんだね?

 

流石のヘレナも魂を入れ替えるような事はできないぞ

 

なら一体誰の仕業なのかしら?

 

それよりひとつだけ頼みがあるわ

 

どうしたのソロモン?

 

私達だけプロフィールが書かれていないわ、直ぐにでも書いておいて

 

そうだったね、後で書いておくよ

 

ヘレナの事はしっかり書いておくんだぞ

 

はーい、じゃあ帰ろっか

 

そうね、邪魔したわね

 

近々城に遊びに行くってみんなに伝えといてね!

 

りょーかい、ご飯中にごめんね

 

 

そんな訳で僕達は城に戻って来た。問題が解決した訳じゃ無いけど楽しい一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何終わろうとしてるのよ、まだ問題は解決してないわ

 

はい。

 

 

残念な事にまだ終われないようだ、そのままみんなが居るリビングへやってきた。

 

 

ただいまー

 

おかえりなさい、どうでしたか?

 

パラケルススもヘレナも違ったわ、他にこんな事をしようとする人なんて居るのかしら

 

一体誰の仕業なのでしょうか?

 

それよりティル達はどうだったの?

 

私は楽しい一日でした、妖精の男の子ってすっごく可愛いのですよ♪

 

 

そう言いながらティルが僕の肩に座り楽しそうに話していた。

 

 

あの、、一応聞くのですが変な事はしていませんよね…?

 

はい、安心して下さい

 

良かった…

 

そんなティニは会議はどうだったの?

 

凄く緊張してしまいました…それにフェイルノートさんがオベロン様が不在な事を疑ったりカシウスさんは難解な事を話すしティファレトさんはずっと笑顔で怖かったです…

 

ティニも大変だったんだね、リルティルはどうだった?

 

料理自体は楽しかったのですがアルマスの姿なので周りの人に凄く驚かれてしまいました、後、アルマスが料理ができるってみんなに思われてしまいましたね

 

良い事じゃん

 

そうなのですが今度天沼矛がアルマスに料理を教わりたいって言っているのですよね…

 

げっ、私料理なんてできないわよ

 

そうなのですよね、なので私が料理をアルマスに教えます、それをそのまま天沼矛に教えて下さい

 

分かったわ、それなら私にもできるかも知れないわね

 

それでマスター達はなにをしていたのですか?

 

ケイオスリオンにパラケルススを探しに行ってそれからレーヴァ達の所へ行って来たよ

 

レーヴァ達元気そうでしたか?

 

うん、今度城に遊びに来るって言っていたよ

 

なら歓迎しないといけませんね

 

そういえばオベロン様は大丈夫なの?

 

言われてみれば姿を見てないわね

 

体調が悪いってギルが言ってましたね、後でお粥でも持って行きましょう

 

そういえば私このままだとお風呂に入れないわ

 

諦めて入ったらどうです?

 

絶・嫌よ

 

ふむ

 

 

そんな時扉が開きオベロン様が入って来た。体調が悪いと聞いていたのだがその足取りはいつもと変わらなさそうだ。

 

 

そんなに歩いて大丈夫なのですか?

 

うむ、ただの二日酔いだったからな

 

(この人二日酔いで会議休んだんだ…)

 

そんな事より私達入れ替わってるんだけど何か心当たりは無い?

 

入れ替わっているとな?…もしや儂の魔法のせいなのかも知れん

 

オベロン様の魔法?

 

そうだ、今解除しよう

 

 

オベロン様が呪文を唱えるとぐにゃりと視界が歪み何かが抜けるような感じがした。

 

 

これでどうじゃ?

 

 

目を開けて鏡を見るといつもの身体へと戻っているようだ、これで一件落着である。

 

 

やっと戻れたわね

 

なんか疲れたよ

 

オベロン様、この件に関してお話があるのですが

 

 

リルティルがそう言った時にはもうオベロン様の姿は無かった。いつのまに移動したのだろう?

 

 

問題も解決したし今夜は飲むわよ

 

そうだね、じゃあお風呂入ってからリビング集合で

 

はーい

 

 

そんな訳でシャワーを浴びようとしたのだが。

 

 

私の髪を輪ゴムで結んだのは誰ですか?

 

ごめん、僕だよ

 

やめて下さいよ、取るとき痛いんです

 

うん、ごめんね

 

 

痛そうな顔をしながら輪ゴムを取っていた。申し訳ない。

 

 

先に入って来なよ、煙草吸いたいし

 

分かりました

 

 

ベランダに出て煙草に火をつけ一口、やっと煙草が吸えた。

 

 

まだ戻って来ないのですか?

 

あぁ、ごめん

 

 

どうやら楽しみすぎていたようだ、ティルに呼ばれてそのままシャワーを浴びみんなの待つリビングへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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