寝苦しくて目を覚ますと僕に抱きつきながら眠るラグナロクの姿が見えた。
(やばい、可愛いぞ…っ!)
足を僕の左足に絡ませ胸を胸に寄せ頭を僕の腕に乗せて普段のキリッとした表情から想像もできない程の安らかな寝顔。耳を澄ませば僅かに開いた唇から寝息が聞こえる。その姿に、感触に心臓の鼓動が早まってゆく。がんばれ僕の理性!僕にはティルが居るじゃないか!
頭の中にティルの笑顔を思い浮かべ肩を掴む手を、絡んでいる足をそーっと退けて最後にゆっくりと腕を抜きベッドから起き上がり剣と煙草を持って外に素振りをしに行く事に。
時計を見ると午前5時。まだ寝ているであろうみんなを起こさないようにゆっくりと家を抜け出し昨日みんなが練習してくれた広場へと来ていた。
貰った剣を構え煩悩を振り払いながらの素振り。そんな時にあのデカマスの姿が見えた。まだ相手は僕の事に気が付いていないようだ。ならば腕試しといこうか。
ふらふらと何かを探すように歩いているデカマスの背後から駆け寄りジャンプし両手で握りしめた剣で飛び斬りを食らわせた。
「…………えっ?」
突然攻撃されたデカマスもそうだけど以前あれだけ硬く攻撃が全く通用していなかったのにあの腕を一撃で斬れた事に驚き戸惑ってしまった。そして僕に気が付き残された手で攻撃を仕掛けられたのだがそれを見切り剣を振るうとまるで豆腐のようにデカマスの身体が斬り裂かれた。
そして何一つ苦労する事なく僕はデカマスを倒す事ができたのだ。
確かにみんなに稽古を付けてもらった。だけどここまで急に強くなれたのはこの剣のおかげなのだろう、、、。
デカマスに勝てたのは正直嬉しいのだが心のモヤモヤが取れないでいた。とりあえずデカマスの遺体に手を合わせ煙草を吸ってから家に戻る事に。
「おはよミネルヴァ」
「おはようございます。どこに行っていたのですか?」
「朝のトレーニングだよ。朝食作るの手伝うね」
それからミネルヴァとトーストを焼いてコーヒーを淹れて、朝食を作り終わるぐらいの時にみんながリビングへと集まってきた。一人一人が皿を手に取り机へと運んでゆく。
「片付けが終わったらティルヘルムまで送っていくわ」
「うん、ありがとね」
「買い物のついでよ。気にしないで」
その後大穴の出口目指してみんなで歩いて行ったのだがマスコット達が現れた瞬間に矢が飛び魔弾が飛び打ち払われていた。
「あのマスコットってなんなの?」
「さぁ?でも敵意があるのであれで問題ないと思いますよ?」
寸分の狂いも無く眉間に矢を打ち込むスイハに確実に頭部を消し飛ばすフライシュッツを前に難なく出口にたどり着くのであった。
「じゃあ気を付けて帰るのよ」
城の前でそうラグナロクに言われたのだが僕も街についてゆく事に。
「なにか欲しいものでもあるのか?」
「うん、ちょっと剣が欲しくてさ」
「あげた剣、不満だったの?」
ギロリとラグナロクに睨まれ慌てて手を振りながら弁解をしていた。
「違うよ。あの剣を持った時から自分自身が強くなれた気がするしすごくかっこいい剣だし凄く気に入ってるよ。だけど、その。くれた剣に劣らないぐらいに僕自身も強くなりたいんだよ」
そう言うと優しい眼差しで僕を見てくれた。
「それなら武器屋に行かないとね」
そんな訳でラグナロクとクレス、3人で武器屋へと入って行き新しい剣を探していた。
「ユウはどんな剣が良いのかなー?」
「うーん、あんまり詳しくないんだよね。とりあえず持ちやすくて扱いやすいのが良いかな?」
「これなんてどう?」
そう言ってラグナロクが渡してくれたのはソーダ味のアイスみたいな剣?だった。よく見ると刀身にラムネみたいなのが埋め込まれていて持っているだけで涼しげな気分になれる。
「これはやめておくね?」
「ならこれはどうかな?」
クレスが渡してくれたのは湾曲した刃の剣だった。タグを見ると邪刻刀キヨマサと書いてあった。持った感じは良いのだが時代遅れな気がするのでやめておく事に。
結局3人で話し合った結果ミスリルソードに落ち着き店を出る事に。
「みんなお待たせ。こんな事に付き合ってもらってありがとね」
「ユウさん、希望は絶対に捨てないで下さい!」
最後にエルキュールから言葉を貰い解散となった。そのまま街で買い物を続ける彼女達に手を振り城に戻る事に。
「ただいまリルティル。何も言わずに居なくなってごめんね」
「おかえりなさい。ラグナロクから連絡を貰っていたので心配はしてませんでしたよ♪」
「ふむ。今って時間あるかな?みんなに鍛えてもらったから腕試しがしたいんだ」
「今は…ごめんなさい。その代わり任務を頼んでもよろしいですか?」
「分かったよ。うん、良いよ?どんな任務なのかな?」
「ハルモニアで会議があるのですが、ギルの護衛としてついて行ってほしいのです」
「りょーかい。ギルはいつ来るの?」
「もうすぐ来ると思いますよ?」
「分かったよ、それとこの剣を預かっててもらえないかな?」
そう言って腰に付けていた剣を鞘ごと外しリルティルに渡していた。
「この剣は、、、ラグナロクに貰ったのですか?」
「うん、よく分かったね。この剣ってなんで名前なの?」
「この剣は零奏剣『神閃・七元』です。エンシェントキラーズしか扱う事ができないと言われている剣です」
「へぇぇ、なんでそんな剣くれたんだろ?」
「さぁ?お預かりしますね」
「ラグナロク達と交流あるの?」
「まだティルヘルムだけですけど他の三カ国も徐々にですが心を開いています。まだ溝を埋める事はできていませんが、、、」
そんな事を話しているとギルがやって来てくれた。そのままギルとハルモニアに行く事に。
「ありがとな兄さん。着いて来てくれてさ」
「護衛としては力不足かも知れないけど頑張るよ」
2人で草原を歩き天使の国ハルモニアを目指していた。
「こないだの会議ってギルも行ったの?」
「行ったぜ。それがどうしたんだ?」
「どんな事を話してたのかなって気になってさ」
「トレイセーマのキル姫が一人行方不明になってるって話と後は各国の特産品や観光地の紹介だったぜ?」
「ふむ。早く見つかると良いね」
そんなこんなでハルモニアにたどり着き関所で手続きをしてからハルモニアを治める女王が居る大聖堂目指して歩いてゆく。
「ハルモニアって綺麗な国だね」
ハルモニアの街並みを見ながらそう言っていた。レンガ模様の通路に立ち並ぶ建物は白く気品を感じられる。
「天使の国だからな。それよりもうすぐ大聖堂に着くぜ」
そう言われて見上げると大きな建物が目の前にあった。僕が見上げてもその天辺が見えず見ているだけで心に響くような神々しさを感じる。
「失礼。大聖堂にどのような御用で」
白い鎧を着た人に話しかけられるビビっているとギルがティルヘルムの使者である事を伝えその証を見せると大聖堂の中へと案内してくれた。
「へぇぇぇ」
建物内もまた凄く通路には真っ白な絨毯がひかれておりその通路の左右には何かの銅像が並び上を見上げればシャンデリアが輝いていた。こういう場所に慣れてない僕はひたすらに恐縮してしまっていた。
しばらく進むと大きな扉が現れそれをギルが難なく開き中へと入って行った。その後をついて行く。
「お待ちしておりましたギル君。あの、後ろの方は?」
「俺の兄さんだぜ。あっと、ユウさん!」
「久しぶりだね。ティファレト」
「お久しぶりですユウさん。お二人共我が国へようこそ」
天使の様に微笑むティファレトに導かれ会談の席へとついていた。ティファレトが座る席の左右には右側にフォルカス、ヴァナルガンドが。左側にはロンギヌスにフライクーゲルが座っていた。僕達はギルが椅子に座りその横に僕が座り兵士達がお茶とお菓子を持ってくると会談が開始された。
席を立ちホワイトボードに図を書きながら説明をするティファレトをギルが真剣な眼差しで見ておりそれに対しての意見を出し双方が納得の行くまで話し合っていた。因みに会談の内容は食料、環境問題だったり各国との貿易、交流を深めようみたいな話だった気がする。
何故疑問かというと僕は前に座るロンギヌスとフライクーゲルをずっと見ていたからだ。もしあの研究所にブラックキラーズが全員居るのであればエンヴィー、プライドも居るだろう。それならば練習も兼ねてロンギヌスとフライクーゲルと戦いたい。そんな事を考えていたからだ。
「兄さん、会談終わったぜ?」
「えっ?」
気が付けばティファレトが深々と頭を下げ席へと戻っていた。ギルの手元を見るとノートとペンが置かれておりそのページを見るとしっかりと内容がまとめられ記入されていた。
「本日はありがとうございました。宜しければハルモニアを観光して行って下さい」
そう言ってもらえたのだがまずギルに許可を得てからティファレトにロンギヌスとフライクーゲルと戦いたいという事を伝えていた。
「何故人間の身であるユウさんがその様な事を?」
「えっとね」っと事情を説明するとティファレトがその口を開いた。
「ユウさんのお気持ちは理解しました。ですが、勝ち目の無い戦いに挑む事はあまりにも無謀です。宜しければ私達が力をお貸ししますよ」
そう言われてしまった。だけどそんな言葉言われなれている。
「無謀な事、勝ち目がない事は分かっている。だけどさ、自分の力でティルを奪還したいんだよ」
「ですが、、、」と歯切れの悪い返答をもらうと席に座っていたフライクーゲルが立ち上がった。
「私は構わないよ。ただし、本気で戦わせてもらう」
しっかりと僕を見据えてそう言ってくれた。その瞳は僕に敵意を向けているのが感じられた。
「私も構いません。お相手します」
ロンギヌスも立ち上がりそう言ってくれた。それにティファレトが何かを言おうと口を開いた時フォルカスが前に出ていた。
「主、こういう者には力の差を見せつけ諦めさせるのが一番だと思います」
「そうですよ。言って聞かないのなら分からせてあげましょう」
フォルカスに続きヴァナルガンドもそう言ってくれた。少しティファレトが悩んだ後対戦の許可をもらう事ができ一同コロッセウムに移動をする事に。
「無理言ってごめんね。お願いします」
「君の名前もこのヨハンに乗せてあげるよ」
「手加減はしませんよ」
ロンギヌスを先頭にその後方にフライクーゲルの配置。対する僕は一人。圧倒的に不利だけど負ける訳にはいかない。
心配そうに僕を見てくれるギルとティファレト、僕を冷めた目で見るフォルカスとヴァナルガンド。そんな空気の中ティファレトが渋々試合開始の合図を出してくれた。
「ロンギヌスっ!」
「はい、分かっています」
お互いが合図を受けコロッセウムの広場に引かれた線から走り出した。ロンギヌスの後方からフライクーゲルが魔弾を放ちその魔弾に当たらぬようにロンギヌスが真っ直ぐにフィールドを僕に向かい駆けて行く。
フライクーゲルの方を見ると両手に銃が握られており僕が左右に逃げるのを封じる様に魔弾を放つ。その間をロンギヌスが駆けてくる。振り返りもしないで正確にその間を走れるって事はそれだけお互いが信用しきっているって事なのだろう。
それを見ながらネックレスを握りそれを手放すと両手で剣を持ち呼吸を整えてゆく。よし。
目の前に迫るロンギヌスの槍を剣先で押しやり睨み合う。その後矛先を踏んづけて襟を掴み頭突きをしようと頭を引いた。
「ちっ」
その時視界の端に魔弾が写り槍を踏み台に後方へ飛び退き体制を立て直す。
「ヒューーーゥ♪」
フライクーゲルの口笛と共に繰り出される魔弾を回避する為に右側へと走り始めた。当然僕に狙いを定め魔弾が放たれてゆく。
その魔弾の中をロンギヌスが駆けてくる。その姿に違和感を感じていた。
おかしい。直線上ならまだ分かるのだが走る僕を狙う魔弾は不規則なのにその間を何故ロンギヌスは当たらずに走って来れるのか。それも振り返りもせずに。
残念だけど考える時間はもらえず再びロンギヌスと対峙していた。さっきと同じ手は使えない。新しい策を考えなくては。
ギュッと剣を握りしめ槍を捌くべくロンギヌスを見据え剣を構えると槍の柄の中心を持ち大振りな一振りが迫る。力の差を考えてここは受けずに回避する事に。
「かかりましたね」
そう聞こえた時にはもう遅かった。矛先がロンギヌスの背に回った時に槍を持ち直し尻手での一突きが僕の腹部を突き上げた。
「あぐぅっ!」
その勢いでよろけながら下がると左から魔弾が迫っていた。避けられない。ならばとその弾道を読み魔弾と身体の間に剣を入れ小さくジャンプ。
バンっと魔弾が僕に当たりその勢いで僕は吹き飛ばされそのまま壁へと叩きつけられその痛みで身動きがとれないでいた。
「あのっ、、流石にやりすぎなのでは、、、?」
「ノンノン!ヘィユウ。スタンドアップ!」
そう聞こえたけど痛い。全身が凄く痛い。だけど頭をフル回転させ反撃の手段を考えていた。よし。
軋む身体を気合いと根性で奮い立たせ剣を支えに立ち上がり大きく深呼吸。まだ行ける。まだやれる。
剣をクルクルと回し無事だという事を伝えると二人が頷き再び僕に向かって来てくれた。先程と同じようにフライクーゲルが後方で切っ先はロンギヌスだ。ロンギヌスの左右を魔弾で囲いながらの前進。
チャンスは一度きり。ここで勝てないようなら僕はティルの元に辿り着く事すらできないだろう。
覚悟を決めて魔弾の間に割り込みその魔弾を剣で弾き返した。
「!?」
その魔弾は綺麗にロンギヌスへと直撃した。だけどまだ反撃の手を緩める訳にはいかない。次は右から放たれる魔弾の間に割り込みうずくまるロンギヌスに向けて弾き返した。
二度目の着弾を受けてロンギヌスがその場に倒れ込んだ。それを見届けてからフライクーゲル目指し一気に駆け抜けてゆく。
放たれる魔弾を剣で弾き、回避しながら徐々に距離を詰めてゆく。そしてやっとこさフライクーゲルの前へとたどり着いた。
「勝負だよフライクーゲル!」
「シッツ!」
片手の銃を僕に向けもう片方を地面に向けて魔弾を放つと地面をえぐり土煙を上げはね上げられた土は僕の目に入り込み視界を奪った。
視界ゼロの中確かに僕は感じた。フライクーゲルが動き僕に銃を向けるのを。その感じたままに体を動かし魔弾を躱しながらフライクーゲルに向けて剣を振り下ろした。
「ナイスファイッ♪もう私に攻撃の意思はないよ♪」
そう聞こえて何度も瞬きをして土を目から追い出し目を開けると確かに僕の剣はフライクーゲルの首に向けられていたはずだった。
「はぁ、、、僕の負けだよ」
「いいや、私達の負けだよ。ただ、運が君を見放しただけさ」
ロンギヌスの槍にフライクーゲルの魔弾に耐えきれずミスリルソードが根本からポッキリと折れてしまっていた。もし剣が折れていなければフライクーゲルの首に剣先を突き付ける事ができていただろう。
「そんな事よりロンギヌス!」
ロンギヌスが倒れていた事を思い出し振り返りその場に駆け出そうとすると既にフォルカスが抱き上げヴァナルガンドがロンギヌスに向かい杖を振るっていた。
それを見届けた瞬間に力が抜けてその場にへたり込んでしまった。
「兄さん大丈夫か!?」
「なんとか、、、」
そんな僕にギルが駆け寄ってきてくれた。その肩を借りてなんとか立ち上がっていた。
「ヴァナルガンド。ユウさんにも回復魔法をかけてあげて下さい」
「分かりました」
僕達に近寄りその杖を振るうと光の玉が僕に向かい飛んできた。それが当たると身体の疲れ、痛みが引いていった。その後僕の耳元でギルに聞こえないぐらいの声で「お見事です」そう言ってくれた。
「ありがとねギル、もう大丈夫だよ」
そう言ってギルの元を離れロンギヌスの元へ。
「大丈夫だった?ごめんね」
「心配しないで下さい。あの、ごめんなさい」
「どうして謝るの?」
「実は、、、」
「ロンギヌス」
「い、いえ。なんでもありません」
そう言った後ロンギヌスが何かを言おうとするとフォルカスがそれを止めていた。そんな事より疑問を聞く事に。
「ロンギヌスはどうして魔弾に当たらず動く事ができていたの?フライクーゲルの事を信用しての動きだと思うけどそれだけじゃないでしょ?」
「はい、この槍の反射で後ろを見ていました」
そう言ってロンギヌスが槍を見せてくれた。それを見てみると矛先は鏡のように光り輝き僕の顔を写していた。それと先程ファンキルで確認したのだがロンギヌスが握るジェイル槍式『聖魔』は尻手も尖っていたから吹き飛ばずに突き刺さるだろう。まぁ誰も気にしていないと思うけども。
「ユウさん、お見事でした。セイントキラーズであるロンギヌス、フライクーゲル相手にここまで善戦できるとは思いもしませんでした」
微笑みながらそう言い僕の手を取りそれを二つの手で包んでくれた。
「ユウさんなら必ずグリードさんを取り戻す事ができると思います。私達は何もできませんがせめて、せめて、祈らせて下さい」
そう言うと手を離し跪き両手を組み頭を下げてくれた。その姿は気高く美しく、言うのであれば地上に舞い降りた女神の様だった。
祈ってくれるのは凄く嬉しいのだがティファレトから目を上げるとその後ろで僕の事を鬼の様な形相で睨むフォルカスが居るのだ。とても気不味い。
お祈りが終わり僕達を見送ってくれる五人に何度も頭を下げながらティルヘルムに帰る事に。
「いたたたた、、、ごめんギル肩貸して」
「あいよ、ゆっくり帰ろうぜ」
ギルに肩を借りゆっくりと日が落ちかけた草原を歩いて行く。そして城に辿り着きリルティルが作ってくれた夕ご飯を頂くのであった。
「お疲れ様でした。上手くいきましたか?」
「おうよ!俺に任せとけば大丈夫だって」
「それは心強いですね」
ご飯を食べながらリビングを見渡してもまだアルマス達は帰って来ていない様だ。稽古をつけてもらいたかったのに残念である。
「そうだリルティル、朝渡した剣返してもらえるかな?」
「それは構いませんがどうしたのですか?」
「ミスリルソードだと戦闘中に壊れちゃうんだよね。今日買ったばっかりなのにもう折れちゃって」
「分かりました。後で持ってきますね」
それだけ話してから食事を続ける事に。今日の夕ご飯はリルティルが作ってくれた中華料理だ。
「…………………」
「……………」
「…………………」
「……………………………」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「-----------」
「申し訳ありませんがユウを寝室まで運ぶのを手伝ってもらえませんか?」
「了解だぜ。よっぽど疲れてたんだな」
「本来ならば人間がキル姫と戦う事は不可能ですからね。余程無理をしているのでしょう」
二人で疲れ果て眠りに落ちたユウを寝室へと運びベッドに優しく寝かせそっと布団をかぶせてあげた。