妙な寝苦しさで目を覚まし体を起こした。昨日夕ご飯を食べている時の記憶が曖昧で何となく記憶を掘り返す事に。
「えっと、リビングで夕ご飯を食べてて?」
その後ベランダに出て煙草を吸いながら思い返していたのだがお風呂に入った記憶すら無い。どおりで身体がベタベタするはずだ。
まぁいっかと開き直り部屋に戻り机の上に誰かが置いてくれた七元を手に取り朝の素振りをしに行く事に。その後にシャワーを浴びれば良いだろう。
そんな事を考えながら部屋を抜けて廊下を歩き門を開けて毎朝練習している広場へとやってきていた。そして素振りをしながら考え事。
できればトレイセーマかケイオスリオンに行きマサムネ、アルテミス、パラシュと戦いたい。でも僕一人でその国に行っても大丈夫なのだろうか?僕の事を認知してくれる人が居なければただの侵入者だろうしそんな事でオベロン様達に迷惑をかけたくもない。
最後にいつも剣を打ち込んでいた木の前に立ち一太刀浴びせ七元を鞘に納めるとその木がゆっくりと地に倒れた。
それを見届けた後に勝手に木を切って良かったのだろうか?と心配になってしまった。
(………まぁ何か言われたらアルマスがやったと伝えよう)
そう決めて部屋に戻りシャワーを浴びてリルティルが起こしに来てくれるのを待つ事に。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
「おはよーしっかり寝れたよ。ありがとね」
「お礼を言われる様な事はしてませんよ。今日はアルマス達とトレイセーマに行ってきてもらえませんか?」
「うん、分かったよ」
「それと朝食の準備ができています。アルマス達も起きて来てますよ」
「りょーかい」
その後荷物をまとめリビングに行くと美味しそうにトーストをかじるアルマスとティニの姿があった。その前に座るとリルティルが僕の分を持ってきてくれた。
「おはよう、今日は一日頼んだわよ」
「よろしくお願いしますねユウさん」
「僕の方こそよろしくね。トレイセーマで何をするの?」
「カシウスに頼まれた物を届けに行くのよ。これね」
そう言ってアルマスが見せてくれたのは片手で持てそうな程の箱だった。中身は何か分からないようだけど。
「じゃあ早速行くわよ!」
「その前に口を拭いて下さい。パン粉が付いてますよ」
「これは、その、、分かったわよ」
そんな二人のやりとりを見ながらトーストを食べ終え3人で城を出て草原を歩いていた。因みにティルヘルムからトレイセーマまでは歩いてすぐらしい。
「そんなに近いの?」
「元々は一つの国だったのですがオベロン様が人々を守る為に独立したのです。なのでティルヘルムはまだ建国されて日が浅いのですよ」
「へぇ、アルマスはその事を知ってた?」
「も、もちろんよ!ティルヘルムでその事を知らない人が居たら見てみたいわ」
「ふむ」
辺りを見渡しても鏡になりそうな物は無く探すのを諦めて歩いてゆくとトレイセーマ共和国が見えてきた。そのまま関所で手続きをして入国してゆく。
「はぇぇー」
ハルモニアの街並みも好きだけどトレイセーマの大自然溢れる街並みの方が僕は好きかもしれない。道路は土でできていて住宅を囲うように生える草木。うん、いい感じ。
「カシウスは何処に居るの?」
「トレイセーマの首都、グライヒハイトね」
「あぁーあの十三議会がある所?」
「はい、トレイセーマはカシウスが治めてますので」
「ふむ」
そんな感じでトレイセーマの街並みと会話を楽しみながらグライヒハイト目指して歩いてゆくのだがどれだけ歩いても目的地にたどり着く気配がなかった。
「まだつかないの?もう1時間は歩いてるよね?」
「トレイセーマは四カ国の中で一番領土が大きいのですよ」
「そんなんでへばってるようじゃまだまだね」
「まだまだ大丈夫だよ、なんならかけっこでもする?」
「その勝負絶・乗ったわ!お先!」
「あっ!アルマス!!」
トントンっとジャンプをした後にもの凄い勢いで走り出した。振り落とされたティニと僕を置いて。
「あはははは、、、」
「ティニは十三議会の場所は分かるかな?」
「はい、もちろんです」
「じゃあ僕の肩につかまっててね」
「はい!」
ティニが肩に乗り服を掴んだのを確認してからアルマスを追いかけて行く。
しばらく走ると木々の中に建っている建物を見つけた。いや、これは建物の中から木々が生えているのか?その様子を知りたい人はゲーム内で見直して下さい。ってそんな事はどうでもよくティニに聞くとここがトレイセーマの首都、グライヒハイトのようだ。
「アルマスはどこに居るのかな?」
「姿が見えませんね?」
辺りをキョロキョロと見渡しているのだがアルマスの姿が見えなかった。すぐに分かりそうな格好をしているのに。
「十三議会に行ったのかな?」
「かもしれませんね。行ってみましょうか」
ティニを肩に乗せたままのんびりと歩いてゆく。その途中で小さな売店を見つけたので一休みする事に。
「はい」
「わぁ♪ありがとうございます♪」
ティニにカッププリンを渡してその横でコーヒーを飲みながら煙草を火を付けていた。のんびりと秋風に吹かれながらトレイセーマの自然豊かな街並みを眺めていると青髪の女の子がこちらに向かってくるのが見えた。
「ここにいたのね、探したんだから」
「それはこっちのセリフです。どこに行ってたのですか?」
「ずっと十三議会の前で待ってたわ」
「アルマスはなんか食べる?」
「そうね、買ってくるわ」
その後少しのんびりしてから十三議会目指して歩いてゆく事に。その時にあの炭酸入りコーヒーをアルマスが美味しそうに飲んでいるのを見て何とも言えない気持ちになったのは内緒だ。
「ここが十三議会ね。ちょっと挨拶をしてくるわ」
そんな感じで僕達は十三議会があるグライヒハイトにたどり着いていた。トレイセーマの入り口より厳重な警備体制であり重要な場所なのだという事を感じながら警備員にティルヘルムの使者である証明を見せると中へと入る事ができた。
「カシウスは何処に居るのよ」
「カシウス様は自室に居られる。くれぐれも無礼の無いように」
警備の人にそう教えてもらい廊下を進んで行くとカシウスの部屋に辿り着くことができた。
「開けるわよ」
そうアルマスが言いながらドアを開けて部屋に入ると良い匂いが漂っていた。誰か料理をしているのかな?そんな事を思いながらそのまま奥に進むとテーブルがありそこに見慣れたキル姫が四人。その中に僕が密かに探していた人も。
「やっと来たわね、こっちは待ちくたびれてんのよ。早く席に座りなさい」
グリモワールにそう言われて戸惑いながらも席に座る事に。
「それで?こんな所で何してんのよ」
「カシウス殿が昼食を作ってくれたのです」
「いわば試食会というものだ」
「確かに良い匂いがしますね♪」
楽しそうな六人。そんな中僕はマサムネとアルテミスをぼんやりと見ていた。天使を聖鎖されているハルモニアと違い獣刻されている彼女達、その身に獣を宿した二人は一体どんな戦い方をするのかと。
そんな事を考えていると奥の部屋から台車を引いたカシウスが現れた。
「やっと来たのね。来る事は分かってた」
丁寧な手つきで蓋が被れられたお皿を人数分配ってくれていた。それも人数分。
「私達が何時に来るか分からないのにどうして準備できたのよ?」
「私には未来が見えるから。箱はあそこに置いておいて」
「分かったわ」
アルマスが箱を言われた場所に置きその後ご飯をいただく事に。蓋を開けると中には煮込まれたハンバーグの姿が。
挨拶の後ナイフで切り分けフォークを刺し一口。うん!うんまぃ!しっかりと煮込まれているのに形をきれいに残し肉汁が中に閉じ込められており噛むたびに口の中に溢れてくる。それにタレも薄すぎず濃すぎずお肉の味を引き立てつつタレ自体の味も存在感を出している。相当料理の事が詳しくなければこの味を出す事は不可能だろう。
「カシウスが一人で作ったの?」
「そう。料理は円環と同じ、知ろうとすればする程深くその先が見えないもの」
難解な事を言われ返す言葉に困ってしまったけど美味しくハンバーグをいただく事ができた、満足な昼食である。その後食べ終わったお皿を片付けのんびりしていると食後のコーヒーが運ばれてきた。それを飲みながら二人に話しかけていた。
「カシウス、マサムネとアルテミスにお願いがあるんだけど良いかな?」
僕がそう言うとマサムネとアルテミスが席を立った。
「話は聞いておる。拙者達が相手になろう」
「えっと、まだ何も言ってないよ?」
「カシウス様から聞いています。こちらへ」
アルテミス、マサムネに案内されて僕達は十三議会の側にあるコロシアムへと来ていた。
「どちらから戦いますか?私は同時でも構いませんが」
「拙者から参ろうか、覚悟は宜しいか?」
「ん、ちょっと待ってて」
そう言ってみんなから少し離れ煙草に火を付け考え事。もちろん二人この事だ。
煙越しに二人を眺めていたのだが何も思い浮かばず諦めて煙草を灰皿へ押し込みネックレスを握りしめ気合を入れ待ってくれているマサムネと対峙する事に。
「お待たせ、お願いします」
「世界蛇の力、とくとその身で味わうとよい!」
「!!」
マサムネがそう言った後に雰囲気が変わった。そして辺りを凍てつかせる程の冷気を纏い瞳は細く鋭く僕を睨み付けていた。その姿はまるで獲物を狙う大蛇。
「っ、、!」
足を動かそうにも蛇に睨まれたカエルのように身動きが取れなくなってしまっていた。本能を揺さぶる脅威、心の底から食われると感じてしまっていた。
「何突っ立ってんのよ!!しっかりしなさい!」
「!!」
アルマスの声で我を取り戻し気合いを入れ直す。僕はこんな所で蛇に食われる訳にはいかないんだ。
「ほぉ、人の手を借りたとはいえ我が瞳から逃れるとはな」
「カエルの気持ちを味わえたよ!」
攻撃体制をとりながらジリジリと近づいてゆく。それにしても寒い、マサムネの出す冷気のせいだろう。歩み出すとジャリっと地面が凍り付き始めているのが分かった。
さて、ここからどうするかだ。今僕はマサムネの目の前に居る。攻め込むか相手の動きを見るか。
お互いの吐く息が白く宙を舞いマサムネがリズムをとる足音だけがコロシアムに響く。いつ攻撃をされるか分からない為足をしっかりと踏ん張り瞬時に反撃が出せるようにしていた。
「ふっ」
マサムネが鼻で笑い姿を消した。それを追うために動き出そうと足に力を込めたのだが。
「うぉっ!?凍ってる!?」
「ようやく気が付いたようだな、だがもう遅い!」
地面に靴が凍り付き張り付いていた。マサムネがリズムを取っていたのは足が凍り付くのを防ぐ為だったのか。
後方からマサムネが迫るのを感じる。このままだと何もできないままやられる。考えろ!策を捻り出せ!
「覚悟!」
「おらぁっ!!」
靴から足を引っこ抜き反転し迫る剣撃を何とか抑える事ができた。そのまま鍔迫り合い目線で火花を散らし合う。
「もう少し遅かったら足ごと凍ってたよ」
「よくぞ防いだ、だがお主はこの氷上を上手く動けまい。じわじわと弱らせ一口で飲み込んでやろう」
鍔迫り合うのをやめ僕の間合いから離れたマサムネ。この寒さで乗っている靴が凍てつくのも時間の問題だろう。ならば攻めるしかないのだ。いや、待てよ?ここは一杯食わせるか。
策を思いつきマサムネに視線を送りつつ足元を見ていた。凍り付かないように足踏みをしながら。
その姿を見て攻め込めないと判断したのだろう。マサムネが僕に近づいてきた。その姿は獲物を狙う蛇の如く。ならば僕は食べやすいエサを演じるまで。
「うぅ、、寒っ、、、。」
剣を構えながら腕を縮め脇腹と擦り合わせていた。そして。
「ヘクチッ」
薄らと瞳を開けながらのくしゃみ、その僅かな視界がマサムネの動きを捉えた。
「かかったね!」
繰り出された剣技をしっかりと受け止めるとマサムネが驚き後方へ飛び退いた。
それを追いかけ剣を振るうとマサムネが驚きながらも剣を受け止めた。
「お主、何故氷上を歩けるのだ!」
「さぁ?なんでだろね!」
マサムネの手元を見ながら剣筋を予想し防ぎ攻め立て大振りな一閃でマサムネの剣を跳ね上げた。
「もらったっ!!うぉぉぉぉ!?」
トドメを刺そうと踏み込んだ瞬間に足を滑らせマサムネの前に倒れ込んでしまった。その僕の背中に剣が当てられた。
「拙者を謀るとは、、、見事であった」
「ん、ありがと。負けちゃったけどね」
マサムネに手を貸してもらい起き上がったのは良いのだがとにかく寒い。動いて汗をかいたのが冷えてきているのだろう。
「この冷気はいつ消えるの?寒いんだけど」
「時期に収まる。何故お主は氷上を動けたのだ?」
「えっと、靴下になったからだよ。破れるのは計算外だったけどね」
「成る程。次はアルテミスだ。奴は拙者程甘くはないぞ」
そう言われて気配を感じ振り返ると弓を持ったアルテミスの姿が。
「えっと、新しい靴下を下さい」
「ダメです。敵は待ってはくれませんよ」
アルテミスが放つ矢を避けながら穴が空いた靴下で靴を履き戦闘モードへ。右へ向かい走りながらアルテミスの動きを見極める事に。
「動いて矢を当てずらくしているようですね、、、制裁を下してやるっ!!息をする暇も無いと思え!!」
(えぇ、、、)
突如ブチ切れたアルテミスに困惑しながらも距離をとりながらフィールドを走ってゆく。
「そこっ!!」
だが相手も甘くはない、僕の進行方向を読み矢を放ってきていた。それに気が付き反対方向へと足を早めてゆく。
本来弓使いと戦う時は距離を詰めるのが鉄則だが相手の手の内が読めるまでは距離を取っておきたい。
「テメェは避けるしか能がねぇかぁぁ!!」
「ひぃぃ」
逃げてばかりの僕に向かいアルテミスの怒声が投げられた。怖い。アルテミスっていうとクールな美人なイメージだったのだが獣刻される事によりここまで性格が変わるのか。
そんな事よりもさっきマサムネが氷の力を使った事が気にかかっていた。それならばアルテミスも何かの力を使うはずだ。どんな力を使うはは分からないが警戒するに越したことはない。
僕が逃げる方向に向かい足止めの如く足元へと矢を放たれていた。その気になればいつでも撃ち抜けるという事か。ここまま逃げ回っていても策も浮かばないし攻めるか。
動きを見切る事をやめ攻撃態勢に切り替える事に。弓使いならば懐に飛び込めば勝機を掴む事ができるはずだ。
「そこっ!!」
放たれた矢を弾き駆け出そうとしたのだが手に違和感を感じた。なんだろう、ピリッと痺れたような気がするが構っていられない、そのまま接近してゆく。
「悪いけど勝たせてもらうよ!」
「私が策も無しに接近を許したと思っているのですか?これを見て下さい」
その言葉にフィールドを見渡しても至る所に矢が刺さっているだけだった。
「えっと?」
「気が付かないようですね。なら、その身に教えてやるまでだぁっ!!!」
アルテミスが弓を掲げるとそこから雷が走りは突き刺さっている矢へと感電してゆき僕を取り囲んだ。それは雷でできた檻。
「私が宿すマスターテリオンは『試みる者』あなたの力を、知恵を私に試して下さい」
雷で作られた檻の前に立ちそう言ってくれた。さっき矢を弾いた時に感じた違和感は電気だったのか。今更気が付いても遅いのだけど。
檻に阻まれ足止めを食らった僕をアルテミスが冷酷な目で見下していた。
「私が十数えるまでに檻を崩し私に攻撃して下さい。それができないのならティルフィング討伐は私達が行います」
「討伐、今討伐って言ったね」
「はい、主人を裏切り牙を向いた獣は私達が喰らいます」
その言葉に心がチクリと痛み怒りがじわじわと蝕んでゆく。
「そんな事は絶対にさせないよ!」
檻を崩すために剣を振ろうとしたのだがバチバチと音を立てる雷の檻にそれをためらってしまう。そんな僕を見ながらアルテミスがカウントダウンを開始した。
イーーーチ
考えろ、考えろ!
ヨーーーン
この檻は電気、、、
ローーーク
んっ!!これなら!!
ナーーーナ
剣を少しだけ地面に突き刺し檻へ向かい傾けると柄に触れた雷の檻が消え去った。
「!!」
「もらった!!」
驚くアルテミスに向かい剣を引き抜き突き付けるとにっこりと微笑んでくれた。
「早く剣を離して下さい。火傷が酷くなりますよ」
そう言われて手をみるとジュゥゥと手から焼けるような音と鋭い痛みが。
「えっ?あっつぅぅぅ!!??」
「まさか剣を避雷針代わりにして雷を逃すとは思いませんでした。見事です」
「マサムネ!!早く僕の手を冷やして!!」
アルテミスが僕の事を褒めてくれたけどその言葉よりも早くこの手のひらの火傷をどうにかして欲しかった。慌ててマサムネの元へと走ってゆく。
「早く早く!」
「拙者の氷では治癒はできぬ」
「えっ、誰か杖使い連れてきてよ!」
「しょうがないわね、それぐらいの火傷なら私の魔術で治してあげるわ」
そんな僕に向かいため息を吐きながらグリモワールが手に持っていた本を開き呪文を唱読すると手の火傷が癒えてゆく。
「ありがとねグリモワール」
「別に、私は私がしたいと思った事をしたまでよ」
プイッとそっぽを向いたグリモワールを微笑ましく見ているとどっと疲れが押し寄せてきた。その場に座り込み煙草に火をつけその後寝転がった。
「拙者を謀りアルテミスの策を破るその闘いっぷり、見事であった」
「ありがとね。それとティルは討伐させないよ」
「心配いりませんよ、あの言葉は冷静さを欠けさせる為に言っただけですから」
「よかった、、、」
「どうしてユウ殿は剣を握っただけで手のひらを火傷してしまったのですか?」
「確かに、どうしてなのアルテミス?」
「それは、、、「私が説明してあげるわぁ」
ムラマサの質問に困ったアルテミス。その質問にはグリモワールが答えてくれるようだ。
「その剣の熱の正体は雷が地面に逃げた時に生じた電気抵抗ね、あれだけの電気を通したのだからかなりの高温になっていたはずよ」
「うわっ、ほんとね。少し剣に煤がついてるわ。はい」
フィールドに落としたままの七元をアルマスが拾ってきてくれた。それを受け取ろうと体を起こしたのだが力が入らず再び寝転がってしまった。
「もう、しっかりしなさいよ」
「あはは、、ありがとね」
「背負って帰ってあげる。絶・感謝しなさいよ」
そう言いながら腰のベルトを外しそれを巻きつけると僕を背負ってくれた。情けない姿だけどここはアルマスの好意に甘える事に。
「みんなありがとね、すごく勉強になったよ」
「次は拙者とも手合わせをお願いします!」
「うん、僕の方こそお願いね」
「さぁ帰ってご飯にするわよ!」
「あっ!待って下さいアルマス!皆さんありがとうございました♪」
…………………………………………………………
「あんた少し見ない間に強くなったわね、次は私とも戦いなさいよ」
「…………………」
「なによ。無視するの?」
「寝ちゃってますね、余程疲れたのでしょう」
「まぁ良いわ、城に着くまで寝てなさいよ」