まだ日が登る前に目を覚ましてベッドから起き上がり大きく伸びをしてからベッドに目を向けていた。いつも隣で寝ているはずのティルの姿は無く昨日の朝から姿を見ていない。
それでもバイブスとキラーズの繋がりは感じているので深く考える事もなく昨日準備しておいた釣り道具を持ち城の近くの川を目指して歩いてゆく。
まぁ釣りのシーンなど需要は無さそうなので省略されてしまうのだが。
結論から言うと僕はお昼過ぎまで釣りを続けたのだが何も釣れず涙目になりながら城へと戻ってきたのだ。早朝から起きている事と適度な疲れで良い感じに眠たい身体で自室へと戻る為廊下を歩いてゆく。
「あっ、ユウくんだー」
「おはよフライシュッツ。何してるの?」
「暇だからお散歩に行こうとしてるんだー良かったらユウくんもどう?」
「うん、良いよ」
そんな時廊下でフライシュッツと会い散歩に行く約束を取り交わしていた。釣り道具を部屋へと置き待ち合わせ場所にした城門へと向かう事に。
「遅かったねー待ちくたびれちゃったよ」
「ごめんね、なるべく急いだんだけどさ」
「言ってみたかっただけだよ♪じゃあしゅっぱーつー」
フライシュッツの掛け声と共にふらふらと歩く事に。目的地は決まっていないのだけどついでに買い物をする事となりティルヘルムの街へと足を伸ばしてゆく。
「フライシュッツは何か欲しいものがあるの?」
「うーん、新しい服、かなー?ユウくんは?」
「釣り餌ぐらいかな?今日使ったら無くなっちゃってさ」
「じゃあ買いに行こっか♪」
どっちのお店に先に行くかお互いが譲り合いフライシュッツの服を先に見にゆく事に。手頃なアパレルショップに二人で入ってゆく。
「フライシュッツはどんな服が欲しいの?」
「んー特にはないんだけど、良いのがあったら買う感じかなー?」
数えきれぬほど陳列されている服を一つ一つ手に取り身体に当てながら見てるのだがどれも可愛く頬が緩んでしまう。そんな時に店員さんから試着を勧められて数枚の服と共に更衣室へと入っていった。
「可愛い彼女さんなのでどの服も似合いそうですよ♪ここは彼氏さんの甲斐性を見せてあげてください♪」
「いいえ、友達です」
「……でも!これから付き合う事も視野に入れて!」
「僕結婚してるんで」
「…………」
購入をさりげなく僕に勧めて来た店員さんを両断しておいた。買ってあげるのは構わないのだが。
「ユウくんーどうかなー?」
カーテンを開けながら言われてその方を見ると派手すぎない色のワンピースに麦わら帽子を被ったフライシュッツの姿が。幼可愛いくてどこか大人っぽくて、これを伝える語彙力が無いのが悔やまれる。
「すごく可愛いよフライシュッツ」
「でしょー?他にも選んだんだけどこれにしちゃおっかなー?」
「店員さん、これ買います」
「毎度ありがとうございまーーーす♪」
驚くフライシュッツをレジに連れてゆき試着している服をレジに通してもらっていた。その後タグを切り店外へと。
「本当に買ってもらってよかったのー?」
「その服がフライシュッツにすごく似合ってたからさ。あっ、ティルには内緒でお願いね?」
「もぅ。そんな事言うのはメッだよ♪」
はにかみながら僕の顔に向かって指を突き出すその仕草だけで買って良かったと思える。その後釣具屋に行き釣り餌を買って帰る事に。部屋の前でフライシュッツと分かれて買って来た物をしまいこんでいた。
さて、今の時間は午後2時。ティルも居ないし部屋に一人で居たらムラムラしそうだし誰かの所に行こう。そう思い部屋を出て誰かを探す事に。
「!?」
廊下を歩きながら誰かを探していると急にドアが開き誰かに服を掴まれ部屋へと引きずり込まれドアを閉められた。部屋はカーテンが閉められ電気も付いてなく薄暗く視界が効かず誰に拐われたのか把握が出来ずにいた。
「ふふーん、やっと捕まえたよ」
その声でクレスだという事は分かった。だけど何処に居るのかはまだ分からない。
「クレス?何処に居るの?」
「ここだよ、こーこ」
気配を感じて前を向くとクレスの姿が見え身体を押されてよろめき下がるとベッドへと倒れ込んだ。
「ティルフィングは居ないからね、クレス様の愛を受け取ってもらうよ」
両肩に手を置かれ長い銀髪が顔にかかりながら見上げると淫らな目線で僕を見下ろすクレスの姿が見える。
「えぇっと?」
「まぁ大人しくしててよ」
そう言うと僕に身体を預けてくれた。シルキーな服越しに伝わる柔らかさと体温が心地よくやけに心臓の鼓動が喧しく感じる。
僕の耳元で聞こえるクレスの呼吸がやけに可愛くて抱き締めたくなる気持ちを頑張って抑え込んでいた。
「……………………zzzz」
「……………………えっ?」
いつの間にか眠っていたクレスを退ける訳にもいかず諦めて僕も寝る事に。クレスの体温に包まれながら目を閉じる事に。
まぁそんな状態で寝れるはずもなくクレスが起きるまでムラムラと戦い気晴らしに頭の中で異族の数を数えていた。
「んんっ」
「おはよクレス」
もうすぐ四桁に突入しようとした時にやっと目を覚ましたクレスの頭を撫でてあげながら横へと退いてもらいベッドの縁に座っていた。服と髪を乱したクレスを見ると完全に事後である。
「気持ち良くてクレス様眠っちゃったよ」
「人が聞いたら勘違いする様な言い方はやめよ?」
その後少しおしゃべりをしてから夕ご飯を食べにリビングへと。まぁ夕食のシーンも飛ばすのだけど。
そんな訳で僕は部屋へと戻りシャワーを浴びてパジャマに着替えて後は寝るだけとなっていた。最後に煙草を吸ってから寝ようと思いベランダで煙草をふかし部屋に戻ると神妙な顔つきの二人が居た。
「えっと、ギルにウコンバサラ、何してるの?」
「兄さんにお願いがあるんだけど良いかな」
「私からもお願いがあるんだよ」
けっこう真剣な声のトーンに姿勢を正し貯金の金額を思い出しながら返事をしていた。
「それで、いくらかして欲しいの?」
「いや、お金じゃなくて。あのさ、バサラさんを寝取って欲しいんだ」
「ん?」
寝取る?今寝取るって聞こえたぞ?
「えっと、寝取るとは何かな?」
「寝取られ(ねとられ)は、辞書的な定義では、動詞「寝取る」の受動形を名詞化した単語である。性用語としては基本的に、自分の好きな人が他の者と性的関係になる状況に性的興奮を覚える嗜好の人に向けたフィクションなどの創造物のジャンル名を指す。NTRとも表記される[1]だよ」
「ごめん、もう一回言って」
「寝取られ(ねとられ)は、辞書的な定義では、動詞「寝取る」の受動形を名詞化した単語である。性用語としては基本的に、自分の好きな人が他の者と性的関係になる状況に性的興奮を覚える嗜好の人に向けたフィクションなどの創造物のジャンル名を指す。NTRとも表記される[1]だぜ」
ギルとウコンバサラから同じ発言が聞けたという事は間違いでは無いのだろう。そんな事よりもなぜ対象が僕なのか。
「その寝取るってのは分かったけど一体どう言う事なの?」
「俺達、新たなる扉を開きたいんだ。ずっと同じ事をしてるのも良いけどこうやって違う事をする事によって新しい風で濁った空気の入れ替えをしたいんだ」
「だからお願いだよ、ギルの前で私を犯して欲しい」
「いや、絶・意味わかなんだけど?」
土下座をしながら頼むギルと上目遣いで僕を見上げるウコンバサラを見ながら状況を把握しようとしていたのだが無理だった。
ここはどうにかして二人を説得しなければ。
「君達の言う事は分かったけど僕にそんな性癖は無いから他の人を当たってくれないかな?」
「もう兄さんで最後なんだよ!」
「そうだよ、ケイオスリオンもトレイセーマもハルモニアも当たっだけど誰も良い返事をしてくれないんだ!オベロン様にももちろんお願いしたよ」
「オベロン様は何て?」
「もう勃たぬ。って」
「あらま」
最後の頼み綱であったオベロン様もダメで僕の元へと来たようだ。このままだと二人の性癖に巻き込まれる事となる。
(…………)チラッ
でも可愛らしいウコンバサラにあんな事やこんな事ができるのなら悪く無いかも知れない。じゃなくて。
「じゃあこうしようよ。今から僕とお酒の飲み比べをして僕に勝てたら寝取ってあげるよ」
「よっしゃ!なら早速勝負しようぜ」
そんな訳で僕達3人でリビングへと来ていた。
「それで何を飲むのかな?」
「それはこれで」
以前ティルとクレスがハルモニアで買ったウイスキーの樽を指差していた。ルールは簡単。最後に立っていた人の勝ちだ。
「飲み方はストレートで良い?」
この言葉に二人がたじろいだ。タダでさえ強いお酒を氷すら入れずに飲むのが嫌なのだろう。もちろん僕も嫌だ。
「良いぜ、受けて立つよ」
「私も、頑張るよ、、、!」
そんな訳で3人がジョッキにウイスキーを注ぎ込み構え勝負開始となった。
開始の合図と共に3人が一気にウイスキーを流し込んでゆく。
(うわっ、キッツ)
上品な香りとほのかに残る木材の様な味。僕は結構好きなのだけど流石にストレートは応える。ちなみにチェイサーはありませんっと。
一口飲んだだけでカッと身体が熱くなり目が回り始めてゆく。それでもウイスキーを口へと運んでゆく。
「俺もーむりー」
「私も、、、ごめんギル・・・」
ジョッキの半分ほど飲み力尽きた二人を見て小さくガッツポーズをしていた。二人を部屋まで運んであげたいのは山々だけど僕も限界を超えておりふらふらと壁伝いに部屋へと戻ってゆく。
「何をしているの?」
そんな時にパジャマ姿のラグナロクと遭遇し呂律が回らないまま事情を説明していた。
「そう。なら部屋まで運んであげるね」
「うん、ありしゃとね」
ラグナロクに肩を借りて部屋まで連れて行ってもらいベッドへと寝かせてもらう事ができた。
「ねぇ。キル姫と人間が子を作るという事がどういう事か分かっている?」
ベッドに寝転がりながらその言葉に返事をしようとしてるのだがどーしょーもなく眠たく言葉が出てこないでいた。
「今までに数え切れない程の奏官とキル姫を見てきた。それでも子を宿す事ができたのは一組も見ていない。あなた達は前例の無い事をしようとしているんだよ」
「覚悟の上だよー」
ちゃんと返事をしたつもりなのだが酔いすぎて間抜けな返事となってしまっていた。
「もう少ししたら私も任務を行うわ。覚悟していてね」
意味深な言葉と共に部屋を出て行ったラグナロクを見届けた様な気がしながら眠りへと落ちてゆく。