バーボンとかスコッチ,洋酒です
へぇ,飲み方は?
ジョッキでストレートです
それ,美味しいの?
なんとか日が沈む前には宿にたどり着く事ができた。馬車を駐車場に停めて二人で宿の中へと。
「すいませーん」
「はーーい」
係の人を呼ぶと老夫婦が二人受付へと来てくれた。それに二部屋借りたいと話すと空き部屋を調べるとの事。その間旦那さんとおしゃべりをする事に。
「お兄さん達は旅の者かね?」
「いや,仕事でクレナイに」
「そりゃーご苦労なこった、ゆっくりして行きなさい」
「はい,ありがとうございます」
そんな話をしていると奥さんが一部屋なら空いていると教えてくれた。その言葉でティルフィングと顔を見合わせていた。
「一緒の部屋でも良い?」
「私は構いませんよ」
「じゃあ一部屋お願いします」
そんな感じで旦那さんに部屋へと案内してもらっていた。
「どうぞごゆっくり」
案内してくれた部屋へと入り荷物を下ろしやっと一息つく事ができた。
「とりあえず着替えて温泉行こっか」
「そうですね」
鞄からスエットを取り出し着替えようするティルフィング。
「あの」
「はい、どうしましたか?」
「気になりません?」
「いえ、特には」
そう言いながら上着を脱ぎタイツを脱ぎスエットに着替えていた。僕も着替えようとは思っていたのだがどうしてもそっちに視線が向いてしまい手が進まない。
「着替えないのですか?」
「はい、ただ今」
慌てて着替えて温泉へ向かう事に。
「じゃあまた後でね、ご飯まで時間があるからゆっくりしてきなよ」
「分かりました」
この宿は男湯女湯で分かれているので一緒には入れないのだ。残念。
のれんをくぐり脱衣場で服を脱ぎそのまま温泉へ。
扉を開け顔を上げると関所に近いせいかちらほらと人の姿が。旅の者か家族旅行か、、まぁいいけど。
身体を流し湯船に浸かる。やっぱり温泉はいいものだ。心が広くなれる。
「イェーーイ!ワーーーーイ!」
子供達がはしゃいでいるけど今は許そう。
肩まで浸かり身体を伸ばす,ずっと荷台に座り続けていた疲れが溶けていく。
「此処から隣のお風呂覗けるぞ!」
「マジ?見よ見よ!」
温泉の仕切りにできてしまっている穴を見つけた様だ。古い宿なので仕切りも劣化して穴が空いてしまっているのであろう。その方は見ずに耳だけをそちらへと向けていた。
「ババァばっかりじゃん」
そりゃそうだ,現実は甘くは無いのだ。
「見て!あそこ!あのピンクの髪の人!」
「すっげぇ美人!」
ピンクってティルフィングの事だよね?他にも居るかも知れないけど。
「おっぱいデカっ!」
「生きてて良かった!」
そんな感想を聞きながら僕もその穴を覗きたい衝動に駆られそうになっていた。だが、ここは大人としてそんな事をする訳にはいかないのだ。
「あっこっち見てるよ!」
「ヤベッ」
誰かに見つかったのか子供達は逃げていった。その場に残されたのは隣のオアシスを覗く事ができる魔法の穴が。
「…………」
覗きたい、あの穴を。だがもし誰かにそれが見つかれば僕はお縄につくだろう。そんな重いリスクがあるからこそあの穴は魅力的に見えてくる。
何度もその穴の辺りをうろうろし悩みに悩んだ結果諦める事に。もしもの事を考えれば当然の結果だろう。
それでも恨めしげにその穴を見てため息をついてからお風呂から出る事に。
……………………………………………………
待合室の扇風機で涼みながらティルフィングを待っているのだが今は誰も居ない,アレをするチャンスだ。
「あーーーーーーーー」
扇風機に向かってあーーってする、男はいくつになっても遊び心と子供心を忘れてはいけない。別にこの行為が楽しいって訳じゃないけど扇風機を見たらやりたくなってしまうのだ。
「あーーーーーーーー」
「マスター?」
「ややや、やぁ」
しまった,夢中になりすぎていた,ティルフィングにあーーーーってしているところを見られてしまった。
ティルフィングもあーーってやってみる?照れ隠しに誘ってみる事に。
「私は結構です…」
少し引き気味なティルフィング。まぁそうなるだろう。
「それは残念,ちょっとトイレ行ってくるから荷物見てて」
「はい」
トイレから戻ると扇風機に向かってあーーってするティルフィングがいた。
「楽しそうだね」
「この行為は楽しくありませんね」
フンッとそっぽを向くティルフィング,きっと恥ずかしかったのであろう。
「もう一回あーーーーってしてよ」
「嫌です」
それは残念、そろそろご飯の時間だ,部屋に戻ろう。
部屋に戻り荷物をしまうためにクローゼットを開けると浴衣を発見。ティルフィングにせっかくだからと言い着替えてもらう。
「似合ってますか?」
「最&高です」
浴衣に合わせて髪をポニーテールにしてもらい少しキツめに締められた帯のせいで強調される胸、そして裾からチラリと見える御御足。うむ。
因みに僕の浴衣はスキルルのイラストである,えっ?聞いてない?
「似合ってるよ」
「そう言ってもらえて嬉しいです」
ティルフィングとそんな会話をしていると料理が運ばれてきた。サフラン牛のコース料理である,少し高めの宿にして良かった。
「いただきまーす」
食前酒を頂き料理に舌鼓をうつ。
うんまぃ!さすがサフラン牛、しっかり脂がのっているのにくどすぎず噛む度に赤身から旨味が湧き出てくる,語れる,このまま千文字は語れる,語らないけど。
僕が料理を堪能してる中ティルフィングはメニュー表と睨めっこをしていた。
「ティルフィングは何を探しているの?」
「すこしお酒が飲みたくて」
さっきチラッと見た限りカクテルなどティルフィングが好きそうな物はなかった気がするけどボタンを押して店員さんを呼んでいた。
「すいません,ワスレナ焼酎ボトルで、後、氷とロックグラスを二つお願いします」
前言ってた嗜む程度って嘘だよね?そう思ったのだが嗜むの定義は人それぞれと思い言うのをやめる事に。
「ティルフィングってビール飲まないよね」
「ビールはお腹が張るのであまり…飲めない事はありませんよ?」
ドアが開きお酒が運ばれてくる。
「今夜もお付き合いよろしくお願いしますね♪」
「程々にだよ?」
グラスに氷を詰め込み焼酎を注ぎクルリとマドラーで回せばワスレナ焼酎のロックの出来上がりだ。
「乾杯」
飲みながらボトルのラベルを読むと麦焼酎なんだ。へぇー。
「ボトル下さい」
早々と飲み干しボトルに向かい手を伸ばしていた。
「注いであげるよ」
グラスに並々に注ぐとすぐさま飲み干していた。
「はぁーーー幸せ♪」
「これ麦茶じゃないよ麦焼酎だよ?」
「分かってますよ♪」
上機嫌なティルフィング,気づけばコース料理はデザートを迎え一升あったビンはほぼ空になっている。因みにほとんどティルフィングが飲みました。
「ますたーおしゃけー」
「はいはい,さっき飲んだでしょ」
呂律が怪しいティルフィング。
「あーつーいー」
外で飲むの時より油断しているのだろう,顔を紅くし暑そうに胸元を扇いでいる,乱れていく服装に見惚れてしまう。
誘っているのかな?そんな訳ないか。
「ほら,それ飲んだらお布団引いてもらうよ」
「あーーーい♪」
ボトルを抱えこみ離そうとしないティルフィングにいつものクールな姿は無く一瞬どこかの駄目神の姿が脳裏をよぎったが忘れよう、気のせいだ。
次からお酒は控えさせようかな,でも酔っ払っているティルフィングの姿を見てるのは楽しいからどうしようか