さぁ?
今,何時だ? ふと目を覚まし時計を確認する
3時か…どれぐらい眠っていたのだろう
横でまだティルは安からな寝息を立てている
煙草を吸おうと重たい身体を引きずり適当な服を羽織りベランダに出る,さんさんと照らす太陽に目を細めながら火をつける
昨日の出来事がフラッシュバックする,もう凄立を飲むのはやめよう
とりあえず今から何をするか,買い物か掃除か…掃除だな
部屋に戻りティルを起こす
ティル,起きて
んっ
ほら,起きて
おはよーございます…
大丈夫?
身体が痛いです
起きれる?
なんとか
ノソノソとベットの縁に座る
マスターお茶下さい
はいよ
ごくごくと飲んでいるティル
ぷっはぁー今日はなにをしますか?
もう3時なんだよね,とりあえずベットのシーツを洗おうか
そうですね…
汗と体液でぐちゃぐちゃになってるシーツ,している時は気にならなかったのだがこうしてみると悲惨である
あっまだ洗剤とか買ってなかったね
そうでした?
買ってないはずだよ?買い物に行っていろいろ買おうか
そうですね
しかしベットに座ったままどちらも立ち上がろうとしない
マスター先に立って下さいよ
ティルこそ先に立ってよ
二人とも昨日の疲れが残っていて動きたくないのだ
ティルに任務を与えます
拒否します
……………………
分かった,ここは公平にジャンケンと行こう,負けた方が買い出しに行くって事で
分かりました,負けませんからね?
ジャンケン…………………!!
…………………………………………………………………………
秋風がそよぐサフランの街をマスターに渡されたメモを持って一人歩く,こうして一人で歩くのはいつぶりだろうか?…お揃いのグラスを買った時以来か
きっと昔の私なら無感情にこの任務を済ませていただろう、やはりリルティルが言うように柔らかくなったのかもしれない
私が憧れていた何事もない毎日はとても充実したもので毎日が退屈しない,ずっとこの時間が続く事を教会にでも祈りに行こうかな?
いらっしゃいませー
以前マスターと来た雑貨屋にやってきた,早く買い物を済ませて彼の元へ帰ろう
洗剤,洗濯ハサミ,明日の朝ご飯,メモ通りの物をカゴに入れる,私が欲しい物は…見渡すが無さそうだ
レジに行こうとしたら昨日マスターが飲んでいた怪しげな飲み物が目に止まる,昨日の夜を思い出しじんわりと下腹部が熱くなるのを感じた
ケースで買っていこう
幸いお金を多めに貰っていたので困る事は無さそうだ,もう一度メモと商品を見返してレジに並ぶ
ありがとうございましたー
行きよりも早く歩みを進める,早く家に帰りたいんじゃない,早く彼に会いたいのだ,マスターの事を考えるだけで自然と笑みが溢れる,これは私の持つ.強欲.のせいだろうか?
足取り軽く階段を駆け上りマスターの待つ部屋の扉を開けた
…………………………………………………………………………
ジャンケンに勝った僕はシーツをベットから剥がし洗濯機の前に置いておく
やる事はそれぐらいなので再びベランダで煙草,風に流れる煙の行方を眺める
今日は洗濯を済ませて終わりかな?夜ご飯は居酒屋に行って明日はティルに作って貰おう
台所に立つティルの姿を想像する、…上手く料理ができるビジョンが浮かばない
二本目の煙草に火をつけようとしたら玄関が開いた音がした
マスターただいまです♪
おかえりティル
ちゃんと買ってきましたよ?
どれどれ?
火をつけ損ねた煙草を箱にしまい部屋に戻る
ティル,これは?
頼んだ物に紛れいるあの飲み物を摘み上げる
えへへ♡
妖しい笑みのティル,困るのだが?
とりあえずシーツを洗おうか
そうですね
シーツを洗濯機に入れて洗剤を入れる,後はスイッチを押すだけ,便利だね
夜ご飯は居酒屋に行こうか?
そうですね
明日夜ご飯作ってよ
いいですよ?
楽しみにしてる
料理は得意ですよ?
待ち姫に居る時にしてたんだっけ?
それもありますし昔淘汰したティルフィングの記憶もあります
淘汰すると記憶も引き継がれるんだっけ?
はい,いい事も悪い事も引き継がれますよ?
あまりいい物ではなさそうだね
たぶんこの世界にティルフィングは私かリルティルしか居ないのでもう淘汰は起きないと思います,それにバイブスと繋がっているキル姫は淘汰はおこりませんから
あの黒ティルもバイブスが繋がってたの?
繋がっていたのであの人数で戦うことができました,もし繋がっていなければ私と一対一になってました,淘汰はそういうものですから
…バイブスに感謝だね
それでも私は悪魔の血と強欲の大罪が混ざっているのでオリジナルのティルフィングとは淘汰は起きませんけどね
そうなの?
はい,昔リルティルがまだティルフィングだった時に一斉淘汰が起きましたけど私はされませんでしたから
でも淘汰されたって言ってたよね?
あれは私の意思でしたから,彼女にこの世界を託そうと思って,彼女なら神々を倒せるって,その時は淘汰されましたけど彼女がユグドラシルの樹を斬り倒した衝撃で弾き出されたんだと思います
なんかいろんな経験してるんだね
キル姫ですから
その神々との争いの時って他のブラックキラーズはなにしてたの?
私が切り殺しましたよ?役立たずはいりませんから
背筋がぞわっとする
それがブラックキラーズの掟でしたから,任務を遂行できないなら私達の存在意義はありませんから
ちなみに今は?
仲間は全力で護りますよ?この命に変えても
やっぱり優しくなったんだね
マスターやみんなに触れて変わりましたからね♪
それで弾き出されてから何してたの?
大陸を彷徨ってラグーナ島にたどり着いて他のブラックキラーズのみんなと出会ってバイトしてました
バイトは何してたの?
ホテルの受付してましたよ?
それでお酒を買いに行って迷子になって教会にたどり着いたと?
そうです,私のキラーズは特殊なので適合する奏官なんて居ないと思っていたのでしばらく教会で過ごしてまた旅に出る予定でした
そこに僕がきたと
はい,本当に珍しいんですよ?ブラックキラーズと適合するのって,その時のマスターはオリジナルの状態で適合している時に悪魔の血と大罪を与えたのでそのまま適合しましたけど,ブラックキラーズとして適合したのはマスターだけです
運命的な出会いだったんだね
はい♪
ピーーーーーと洗濯機が終わった音がした
じゃあこれ干してから居酒屋に行こうか
はい♪
ベランダの手すりに掛けておく,洗濯バサミで止めるのも忘れずに
じゃあ飲みに行きますか
今日はどこの居酒屋に行きます?
焼き鳥なんてどーよ?
そこに行きましょう
薄暗くなった道をのんびりと歩く
いらっしゃせー
適当な席に座りメニューを頼もうとする
やっぱり焼き鳥は塩ですよね
タレでしょ
…………………塩です
…………………タレだって
塩!
タレ!
むぅぅぅぅぅぅ!!
むぅぅぅぅぅぅ!!
どんな喧嘩してるの?
二人共ハッとし声の主を見る
ユウ奏官,ティルフィングさん久しぶり
ご無沙汰してました、二人共
ハナ奏官とバルムンクである
ハナ奏官はタレと塩どっち?
バルムンクは塩とタレどっち?
両方食べるよね,バルムンク
そうですよ,両方美味しいじゃないですか
むぅぅ
それより席一緒して良い?
いいよ?ティルは?
私も構いませんよ?
じゃあよろしく♪
席替えをしてテーブルを囲う
そういえば旅に出たんじゃないの?
あの村に戻っていたのよ,最近異族が出るって言われて,あの村に奏官もキル姫も居なかったから
そういう事だったのね
ショウさんには会った?
いや,全く,あの人何してんだろね?
さぁー?
とりあえずビールと酎ハイで乾杯
そういえば前千年王国に行ったんだって?
そーだよ,観光で行ったつもりが過去の千年王国に飛ばされて大変だったんだから
けっこう楽しんでたじゃないですか
そうだけどさ
いいな、私達もどこか行こうかな?
ラグーナ島に行きたいです
ラグーナ島かぁ…そうね,村も落ち着いたし行こっかバルムンク
はい♪楽しみにしてます♪
僕等はどこに行こうかな?
どこに行きましょうか?
ネタが無いんだよね…
観光地になった千年王国にでも行きます?
あっそれいいね,リルティルの頭も叩きたいし
リルティルってキル姫が居るの?
そうなんだよ,そのリルティルがティルに変な事教えたから大変だったんだよ
ティルフィングさんはどんな事教えてもらったの?
男の人が射精する時に魔力を流すとそれを止めれるって話ですよ?
なにそれウケる
それはあんまりですよ
大笑いするハナ奏官とバルムンク,恥ずかしいんだけど?
そうそう,教会の近くにいいお店ができてさ、そこの物が良いんだよ,ね,バルムンク
マスター恥ずかしいです…
顔を紅めて俯いてしまうバルムンク,いったいどんな物を売ってる店なんだろうか
あっもうこんな時間,ホテルのチェックインの時間だから、またね
ありがとうございました
そう言って去っていった二人,お会計忘れてるんだけどね
はぁ…僕らも帰ろうか
そうですね
お会計を四人分してお店を出る,ほろ酔いの身体にすこし肌寒い風が心地いい
楽しかったですね
たまにはこういうのもいいね
家に帰りシャワーを浴びる
ティル,お先でした
私も入りますね♪
ウトウトしながらティルが出てくるのを待つ
お待たせしました♪今日はこれ飲まないんですか?
差し出された凄立
冗談キツいよティル
流石に私も今日はやめときます
シーツがまだ乾いていなかったので何も引かずに寝転がる,寝心地がすこし悪いけどティルの温もりですぐに眠りに落ちていった