私はきのこの里です
ケッ、インランピンクガ
休憩を挟みながらなんとクレナイとワスレナの関所付近までたどりつく事ができた。
そこで地図を見てみるとこの町が最後の町のようだ。この辺りで宿を探すとしよう。そう決めて煙草を吸おうと箱を探すのだが見つからない。
「あれ?」
「マスターどうしました?」
「煙草の箱が無いんだよ、さっきここに置いたはずなんだけど」
「手に持ってるのはなんですか?」
そう言われて手を見てみると確かに僕の手には煙草の箱が握られていた。
「あれ?おかしいな、、、?」
「きっと疲れているのですよ、早く宿で休みましょう」
「うーん?そうだね」
なんとも言えない気持ちで荷台へと飛び乗りティルフィングに道案内をしていた。
しばらく馬車を走らせて辿り着いたのは今にも壊れそうな古ぼけた民宿であった。
「マスターここに泊まるのですか?」
「そうだね、、、でも野宿とかよりはマシじゃ無い?」
「甲乙つけ難いですね」
「まぁここしか無いから諦めて泊まろっか」
「はい」
かなり嫌そうな顔のティルフィングに馬車を停めてきてもらっている間に受付をしておこうと宿の中へと入ってゆく。
(うわぁ、、。)
室内も蜘蛛の巣が張っていたりゴミが落ちていたりと残念な様子。それらを見ながら受付で手続きを済ませる事に。
「二人宿泊でお願いします」
「時間が遅いから素泊まりね」
それだけ言われて部屋の鍵を投げるように渡してくれた。客商売とは思えない対応に唖然としながらも玄関で待っているティルフィングの元へ。
「素泊まりなら泊まれるってさ」
「それって野宿と変わりませんよね?」
「そう言われればそうだね。店員さんの態度も良くないしティルフィングが良ければ野宿するよ?」
「そうですね、申し訳ありませんがキャンセルしてもらってよろしいですか?」
その言葉に返事をしようとした時にポツポツと雨が降り始めやがてザーーーっと本降りとなってしまった。
この雨だと荷台のフォローでは凌ぎきれない雨が降り込んでくるだろう。
ザァザァと降る雨を見て二人同時にため息を吐き宿の中へと入ってゆく。
「明日には止みますかね?」
「どうだろうね」
部屋の窓を叩くように降る雨を見ながらそんな話をしていた。
「とりあえず携帯食料でも食べて早く寝よっか」
「そうですね」
持ってきたカバンの中から適当に取り出してティルフィングと食べていた。そんな時。
「あれ?私の箸知りませんか?」
「知らないよ?」
「さっきここに置いたはずなのですが、、」
首を傾げるティルフィングを見ながらなんとなく違和感を感じていた。
「あ、ありました」
ティルフィングが机の下に転がっている箸を拾い上げていた。それを見て再びご飯を食べようと机に視線を戻すとまだ半分以上残っていたご飯が無い。
「あれ、おかしいなぁ」
「どうしました?」
「ご飯が無くなってるんだよね」
二人で頭を悩ませ考えたのだが疲れているとの結論に至りさっさと寝る事に。
「先にシャワー浴びてくるね」
「分かりました」
違和感を感じながらも浴室で服を脱ぎシャワーを浴びる事に。ちゃんとお湯が出るかを確認してから頭から洗おうとシャンプーのボトルに手を伸ばした。
わしゃわしゃと頭を洗っていると違和感に気が付き急いで頭を洗い流し髪を触ると明らかにキシキシしている。この現象は間違いない、ボディーソープで髪を洗った時の感触だ。
「ふむ」
まぁ別に髪に気を使っている訳では無いので気にせずその泡で全身洗う事に。
「お先でした」
パジャマに着替えて部屋に戻ると机の横で倒れているティルフィングの姿が。
「ティルフィングっ!?しっかりして!」
急いで安否を確認すると寝息と共にお酒の匂いが。ため息を吐きなが良く見てみると一升瓶が空になっているのが見えた。
「…………」イラッ
イラッとしたのでおでこに「肉」っと書いておく事に。
煙草でも吸って寝ようと思い座り込み箱を開けると全ての煙草が上下逆さになっていた。
…………誰だ?こんな暇な事をする奴は。見つけたら説教してやる。そう思いながら火を付け天井に広がって行く煙を見ていた。
すると一部だけ煙の流れがおかしい場所が。それが気になりティルフィングが使っている剣を足場に天井を触ってみるとズルリと動いた。
そのまま天井裏を覗いてみると僕を見て笑う人が一人。よく見ると鮮やかなオレンジ色の髪の毛に弓を携えた。
「えぇーっと、オティヌスだっけ?」
「そう、せいかーい♪私を見つけられたご褒美に今夜はイタズラはやめてあげるね♪」
そう言って笑いながら何処かへと消えて行った。
やっと謎が解けたのだがなんとも言えない気分のままだった。とりあえずお酒をコップに注ぎ込みそれを煽り眠りにつく事に。