適当な時間に目を覚ます,もう鳩尾の痛みはない様だ。
はぁ…
ため息を吐きながら起き上がった。このベットは一人には広すぎる,早くティルの体温を感じたい。
二人で寝る事を考えて買ったダブルベッドを恨めしく眺めた。
とりあえず朝の煙草を吸う為にベランダへ。その時時計を見るともう10時だった。
考え事をしていたらいつのまにか火が消えてしまった煙草を灰皿に突っ込んで着替えて教会に向かう。
おはよー今日は一人前で
おはよう,分かってるよ
運ばれてきたサンドイッチとコーヒーを頂いていざ転送装置へ。
今回は失敗しないでね?笑えないから
受付の人に念を押す、今変な所に飛ばされたらたまったもんじゃない。
大丈夫ですよ,行きます
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目を開けるとそこにはラグナログ王国の城が広がっていた。今回は大丈夫なのか?恐る恐る城へと進んでゆく。
あっユウ,どうしたのですか?
懐かしい声が聞こえその方を見るとやっぱりリルティルだった。
おはよーリルティル
おはようございます,今日はグリードは居ないんですか?
それがさ、記憶を消されて誰かに操られてるんだよ
ユウ,もっと詳しくお願いします
ふんわりとした微笑みが消え真剣な顔に変わった。事態を重く捉えているのだろう。
3日ぐらい前から僕のティルの事,キル姫の事の記憶だけ消えていたんだよ,それで僕はティルとの思い出を辿ってなんとか思い出すことができたけど
それでグリードには会ったのですか?
研究所で一回だけね,僕だって気づかずに斬りかかられたよ、ほかにラースも居たからブラックキラーズもみんな操られいるかもしれない
そこにユウ一人で行ったんですか?
一人でだよ
なんて無茶をするんですか!ユウはブラックキラーズの強さを知ってますよね?
そうだけどティルを連れて帰りたいんだよ
無謀です!それなら私も行きます
その方が良いけど僕だけでなんとかしたいんだよ,ティルの頭を引っ叩いて連れて帰りたいんだよ
キル姫は人間が勝てる相手ではありません
うーん…とりあえず稽古をつけて欲しいんだ,あっ
どうしました?
パシッ
いたっ、ユウ、何するんですか!
思い出した!ティルに変な事教えてくれたせいで大変だったんだよ?
変な事?
ちょっと今言うのは恥ずかしいんだけど、こんど言うね
あっ,あの事ですか?
少しニヤニヤしているリルティル。言った事を思い出したようだ。
そう,それ
まさか本当にするとは思っていなかったです
とりあえず稽古をお願いします
それでもユウがグリードに勝てるとは思いませんよ?
それは僕が一番分かってるよ,それでもアイツの頭を引っ叩いて連れて帰りたいんだ
分かりました,とりあえずオベロン様に挨拶をお願いします
そうだね
リルティルの後をついて廊下を進み立派な扉を開けてオベロン様の居る部屋へ。
お久しぶりです
おぉユウ殿,よく参られた,今日はティル殿はおらぬのか?
いろいろありましてね,しばらくお世話になっても良いですか?
うむ,好きなだけ居ると良い
あざっす,また畑仕事手伝いますね,リルティル,お願いね
はい,ではこちらへ
連れてこられたのは城内にある小さなコロシアムだった。
基本的な剣技は分かりますか?
少しなら…ティルに教えてもらったからね
分かりました,なら私の剣技を防いで下さい
空を舞いながら切り掛かってくるリルティル、それに合わせて鍔迫り合う。
ユウ,力では負けてしまうのでなるべく避けて下さい,もう一度行きます
再び空から斬りかかるリルティル、それを後退しながら躱してゆく。
もっと小さな動きで避けて下さい,その避け方は隙が多すぎます
はい
向かってくるリルティルを身体を逸らして避ける。
そんな感じです,次はユウが撃ってきて下さい
はい
剣を構えリルティルと向かい合う。
殺す気で来てください
了解、せい!
一歩踏み出してリルティルの首に向かって斬り払う。
良い太刀筋です
後退して躱したリルティルとの間合いを詰めてまた斬りかかる。
ちょっと大振りです,隙が多すぎます
パキン弾かれて宙を舞う剣
うーん難しいなぁ
少し力任せに振りすぎてます,もっとしなやかにお願いします
分かったよ
朝から何してんのよ
どこかで聞いた事がある声が聞こえた
あっレーヴァ
おはよレーヴァ
今日はグリードは居ないわけ?
実は…
ふーん、そんな事できる奴が居るんだ
レーヴァ,今は時間ありますか?
少しならあるけど
ユウの動きをメモして欲しいのですが
はぁ,、、おけ
すごく嫌そうな顔をしたが引き受けてくれた
ありがとうございます
ありがとうレーヴァ
ユウ,次は試合をします,本当に斬るのでそのつもりで
はい
回復はカリスちゃんにお任せだよ!
ユウの勝率を計算,0%
せいぜい頑張るんだな,くふっ
いつのにかディスラプターズも来ていた
行くよリルティル
はい
リルティルに向かって駆け出す
フッとリルティルが姿を消した
剣撃を予想してバックステップ,そのまま斬り払う
良い読みでした,反応が少し遅いですけど
いつのにか首に当てられる剣
うーん
目で追うんじゃなくて気配を感じて下さい
了解
もう一度行きます
前を向いて集中する,ふと空気が動いたのを感じる
そこ!
斬り払った剣はリルティルを捉えた
いい感じです!
リルティルの剣撃を躱しながら反撃に出る
せやっ!
甘い!
弾かれてクルクルと宙を舞う剣
剣技はまずまずですが筋力と体力をつけましょう
そーだね…疲れた…
地面にへたり込んでしまう
カリスちゃんが癒してあげる♪
カリスの杖から出る光を浴びると疲れが癒えてゆく
ありがとカリス
えへへカリスちゃんまじ天使♪
レーヴァ,どうでした?
人間にしては動いているけどティルの言う通り体力不足かな
こういうのはどう?私の魔弾をどこまで避けれるか
ドヤ顔で提案をするソロモン
いいと思います,そうすれば体力と反射神経を鍛えられます
……………………
ここは固まらなくていいと思うよ?くふっ
じゃあソロモン、僕に向かって魔弾を撃ってきてよ
一応出力は下げておくけど当たると痛いわよ?
おっけー
少し離れた場所で構える
ソロモン,お願いします
攻撃モードに移行します
何かやばそうな銃を取り出すソロモン
これが私の最適解!
ひぃぃぃぃ
銃口から無数の魔弾が放たれる,ただ速度はまだ遅くなんとか避けることができた
ソロモンが構える銃を見て弾道を予想し最低限の動きで躱す
ソロモン,もっと出力をあげてみようよ
これ以上は危ないわ
大丈夫、ユウなら避けてくれるさ,くふっ
それもそうね,グラウ展開して
なんだ?さっきより魔弾のスピードが上がった?
ツッ!
僕を掠めた魔弾が土煙をあげる、こんなのに当たったら痛いでは済まないだろう
ソロモン、ストーップ!!
離れているので大きく両手を振る
ほら,ユウは物足りないみたいだぞ
グラウ行くわよ!私達の最適解を見せてあげる!
一瞬銃撃が止んだ
一息つこうと思ったら両手に銃を構えるソロモンが見えた
超攻撃モードに移行します
ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!
二丁の拳銃から凄まじまい勢いで魔弾が放たれる
身を隠そうと壁の方まで走る,が
あっち!!!
魔弾が僕に直撃する、すんごい痛い
ソロモン!やりすぎです!止めて下さい!
えっ?
ユウ!大丈夫ですか?
なんとか………
倒れた僕にリルティルが駆け寄ってきてくれた
くふっ♪
カリスちゃんの出番だよー♪
ありがとうカリス,そろそろお腹空いてきたよ
そうですね,ご飯にしましょう
私達はそろそろ行くわ,まだやることが残ってるし
ありがとうございました
みんなありがとう
これ,一応メモしといたから
ありがとレーヴァ
お城に戻りお昼ご飯,テーブルに座って待っているとリルティルが作ってくれた
お口に合うか分かりませんが
ありがとうリルティル
リルティルの作ってくれた炒飯を頂く
なんか意外だね
何がですか?
炒飯って
そうですか?
美味しいけどさ
ご飯を食べていると声をかけられた
あっ,ええっと誰だっけ?
ユウですよ
ユウ!久しぶり
アルマスとティニが帰ってきた
お帰りなさいアルマス,ティニ
おかえりー
ただいま、それでユウはこんなところで何してるのよ?
実は…
そういことなら絶・鍛えてあげるわ!
ありがとうアルマス
私達もご飯食べてくるからコロシアムで待ってて!
はーい
炒飯を食べ終わり食後の一服をしてからコロシアムへ向かう
コロシアムへ行くと翼を生やしたアルマスが居た
私がメモをするのでユウはアルマスとお願いします
了解
絶・気合いれるんだから!
お願いします
そう言った側から残像を残しながら迫ってくるアルマス
せい!
うぉおっ!
掛け声と共に繰り出された剣撃をなんとか防ぐもそのまま吹き飛ばされてしまった
アルマス!少しやりすぎです!
いや,良いよリルティル
なんとか立ち上がりついた土を払う
ティルはもっと強いんだろ?こんなんで狼狽えていたらティルには勝てないよ
再び剣を構える
やる気ね,絶・燃えてきたんだから!
一度深呼吸,剣撃を受けるんじゃない,躱してカウンターだ
アルマス,お願い!
手加減しないんだから!
再び残像を残しながら迫りくるアルマス
集中してアルマスの気配を感じる
そこだ!
迫るアルマスを躱しすれ違い様に斬りつける
ッツ!やるじゃない!
なんとなく分かってきたよ
次は当てられないんだから!
舞い上がり距離を取る
はぁぁぁぁぁぁ!!!!
そのまま一直線に向かってくる
右手に剣を持ってるなら…
身体を右に躱してそのまま剣を振り下ろす
甘い!
そのまま急停止して斬り払われる
ツッ!
なんとか防げたがまたもや宙を舞うミスリルソード
行けると思ったんだけどなぁ
詰めが甘いのよ
そりゃ参った
ユウ,来てください
はーい
反射神経と剣技は大丈夫ですがやはり筋力と体力が足りません
そうだよね
明日からトレーニングです
了解
今日は帰ってご飯を作りましょう,手伝ってもらえますか?
もちろんだよ付き合ってもらってるお礼もあるからね,アルマスもありがとう
明日は私達は用事があるから付き合えないわ
少しだけでも嬉しいよ,ティニもありがとね
えへへ
部屋に帰りご飯を作る,リルティルに何を作るか聞くと餃子とスープと言われた
ユウは皮と餡を包んで下さい
了解
大量の皮と餡を一つずつ包んでゆく
私も手伝うわ
途中アルマスも加わり二人で餃子作り、リルティルはスープを作るようだ
なかなか上手くいかないわね…
餡を少なめにすれば綺麗に巻けるよ
こう?
そう
ユウ,やるじゃない!
それはどーも
大量の餃子を焼いて食卓に並べる
いただきまーす
オベロン様と5人で食卓を囲む
ユウ殿も大変なのだな
たまにはそんな日もありますよ
オベロン様の髭に付いている餃子のタレが非常に気になったが楽しい夕飯であった
それでは明日お越しに来るのでそれまでゆっくりしていてください
リルティルに案内された部屋でゴロリとする
この部屋は昔ティルと泊まった部屋か?そうだ,この机に置いたお酒が溢れて……
昔の事を思い出しているといつのまにか眠りに落ちていた