※この作品はR-18です。

武闘刃姫レクシアハート   作:トト卜

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挿絵画像をPixivに投稿しました。

https://www.pixiv.net/artworks/83329527


守るべきもの

「はぁっ…、はぁっ…、んっ……、ぁっ…」

 

 ―――くちゅ、くちゅ、くちゅっぐぢゅっぢゅぢゅっ!。

 

 真っ暗な部屋の中に響く卑猥な水音と少女の甘い声。紫音は自室のベッドに横たわり、自らの手で火照った体を慰めていた。

 

 片手を勃起している乳首に、もう片方の手を股の間に伸ばし、その手を動かしている。

 

「あっ、んっ、気持ち…いいっ…!ダメッ…まだ、収まらな、いっ…!」

 

 口からは熱い吐息を漏らし、瞳は潤み快楽に蕩けている。その両手は執拗に、自身の大事なところを責め立てていた。

 

 右手は、その指先をぐちゃぐちゃに濡れている膣内に差し入れられ、ぷっくりと膨らんだ淫核と同時に愛撫を、左手は、形の良い美乳を揉みながら、ぴんと顔を出している勃起乳首を指先で挟んで弄っている。

 

(ダメなのに…こんな事をしていたら…でも……胸が…疼いて…)

 

 先日の戦闘で機械兵器に改造されてしまった胸に紫音は連日悩まされていた。

 

 乳房の内側から疼き、火照りだし、乳首は常に勃起するようになっていた。下着が擦れただけでも電流のような快感が走ってしまうその状態に、日中はなんとか声を抑え堪えてはいるものの周囲の人に感づかれないように必死だった。

 

 浩二や千花にも怪しまれてしまう時があったが、必死に隠そうとするその様子に心配をしつつも深く追求してくることはなかった。

 

 大人びてはいるものの年頃の少女である紫音には、他の人に乳首が常に勃起するようになってしまったなどとは恥ずかしくてとても言えるものではなく、ずっとそれを隠していた。

 

 学校から帰宅するころには下着のクロッチ部分がぐしょぐしょに濡れてしまっていることも珍しくなく、日中に発散できずにいる性欲に体が昂ってしまい、夜も眠れず毎夜こうして自慰に耽っていた。

 

「あぁんっ…!…乳首…敏感に、なり…すぎぃ…!…そこ、いいっ…!」

 

 張りのある形に戻ろうとする乳房を指でぎっちりと揉みしだきながら、勃起した乳首を親指と人差し指で挟んでいく。乳首を引っ張りながらきりもみ状に擦ると背骨が悲鳴をあげ、襲い掛かってくる乳悦に身体を仰け反らせる。

 

「んぅっ…ふゃぁ……はあぁっ! ひぁんっ、ふっ、ふっ……あぁぁあっ!」

 

甘い官能にすっかりできあがってしまった秘所からは絶えずたらたらと快楽の証である愛液が溢れだし、右手がそれをかき混ぜるようにぐっちゃぐっちゃと膣内を掻き回す。空気が入り込み時折間抜けな音を鳴らしながら、愛液が白く濁っていく。こぼれた愛液によってベッドには失禁でもしたかのように大きく淫らな染みが形作られていた。

 

(だめ、気持ちよすぎてやめれないぃ…っ!でも、こうしないと…眠れないから…仕方ない、のぉ……っ)

 

 心の中で自慰行為に夢中になっている自分を正当化するための言い訳を言いながら、高まっていく快楽にどんどん手の動きが激しくなっていく。左手は弾力のある乳房の形を歪に変えるほど揉みしだき、勃起乳首を縦横無尽に引っ張り虐める。右手は淫核を擦り引っ張りつつ、白濁した愛液を掻き出す勢いで膣内のGスポットを刺激していく。頂上はもうすぐそこに迫っていた。

 

「うっ、あぁ…!もう、イッ、ちゃう…だめぇ…!…イク、イクイクイクぅんんんんんっ!」

 

 絶頂の予感を感じ取りフィニッシュとばかりに淫核と勃起乳首を同時にぐりゅっと握りつぶす。その瞬間、髪の毛先の一本一本まで体の中をくまなく電流が迸るような激震が身体に走る。

 

「ひぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ――!?」

 

 腹の底から絞り出されたのは声と言うよりはもはや悲鳴だった。紫音の動きの全てが止まった刹那――ぶしゅっ、ぶしゅっ、と痙攣する陰唇から潮が噴き出した。

 

 自慰絶頂を迎え、甘美に浸る紫音の身体がベッドの上で壊れた玩具のようにビクビクと痙攣を続ける。白目をむきかけ快楽に涙を流し舌を突き出したその表情にはいつもの凛とした雰囲気などどこにもなく、そこには貪欲に性の快感を求める一匹の牝と化した少女がいた。

 

「ん、はぁあん……気持ち…いい、のぉ…」

 

 絶頂の余韻を楽しむかのように、弱々しく両手を再び動かしはじめる。一度絶頂してしまいさらに敏感になった身体はその刺激でも達してしまい、何度も軽い絶頂を重ねていく。そうして紫音は、しばらくの間快楽を貪り続けていた。

 

 ―――ある程度時間がたった後、溜まっていたモノを吐き出し、理性を少し取り戻した紫音は自己嫌悪に陥った。股間から引き抜いた右手を自分の顔の前まで持ってきて、その指先にどろりと付着している白濁した愛液を見る。

 

「はぁっ…はぁっ…私の身体、どうなって、しまったの……」

 

 淫らに変わりつつある自分の身体に涙腺がきりきりと痛み、涙が溢れ、弱々しく啜り泣いてしまう。快楽を求めて、自慰に夢中になってしまう自分がたまらなく情けなかった。

 

 泣き疲れ、絶頂による身体の疲労も重なり目蓋が重くなりはじめ、眠ろうとしたその時、通信の音が鳴る。

 

「浩二からの、通信…エニグマが出現したのかしら…?」

 

 自慰行為によって荒くなっていた呼吸を落ち着けるために深呼吸をしてから通信に応答する。すると聞こえてきたのは聞き覚えの無い男の声だった。

 

「レクシアハートですね?」

 

 こんな夜中に浩二の通信機から知らない男が通信をかけてきてレクシアハートであることを確認してくる。十中八九エニグマの者であることを確信すると、通信機の持ち主である浩二の身に何かがあったに違いないことを感じ取る。その事実に内心動揺しながらもそれを表に出さないように努めて冷静に対応する。

 

「…ええ、何処のどなたか知らないけれど何の用かしら?」

 

「今から指定の場所まで一人で来ていただきます。来ないようであれば…言わずともお分かりですね?では、後ほど―――」

 

 通信が一方的に切られると、ある地点の座標が送信されてくる。助けたければここに来いということだろう。

 

 確実に罠であることは明らかである。しかし、浩二が捕らえられているのであれば行かないわけにはいかない。自分の命にかけて守ると誓った幼馴染を見捨てることなどできるわけがなかった。

 

「浩二…必ず助けるから、待ってて…!」

 

 紫音は強く決意すると蒼い粒子に身を包み変身し、自宅を飛び出した。

 

-------------------

 

「来ましたか。それほどまでにこの男が大切ですか」

 

 指定された座標に到着すると、そこには研究者風の男とその近くで拘束されている浩二、そして多数のエニグマの戦闘員がいた。浩二は体に怪我こそしていないようだったがぐったりとしており気を失っているようだった。

 

「いったい要求は何?」

 

 油断せず周囲を観察しながら、殺意を滲ませた瞳で男を睨む。 

 

「あなたたち変身ヒロインが持つフォトンクォーツ、あれを私たちも研究したくて、サンプルがほしいのですよ。あなたが大人しくついてくるようであればこの男は解放すると約束しましょう」

 

 フォトンクォーツの研究のためサンプルがほしい、つまりは自分に研究の実験材料になれと言っているようである。そんなことは当然了承できるものではないが、浩二の命がかかっているこの状況では断ることはできなかった。

 

「…わかったわ。言う通りにするから浩二には手出しをしないで」

 

 刀をスッと消し去り、投降の意思を示す。しかし心の内では浩二を救出する算段をたて、虎視眈々とそのチャンスを狙っていた。

 

(敵の配置、この距離…隙を見て、装甲展開をすれば一気に接近して浩二を助けることはできる…!)

 

「良い返事をありがとうございます。では戦闘員の皆さん、拘束をお願いします」

 

 戦闘員がニヤニヤと笑みを浮かべながら近づいてきて、四肢に拘束具がはめられていく。その最中、いやらしい手つきで乳房を揉まれたり、太ももをなぞりあげられる。自慰行為をした後の身体は敏感で思わず甘い吐息が漏れてしまう。

 

「んっ……はぁ……!」

 

「お、エロい声出して感じてんのかぁ?」

 

「う、うるさい!この下衆どもめ。私を連れ帰るならさっさと終わらせたらどうなの?」

 

 器用に動く男の指が柔肉に食い込み、形の良い美乳がぐにゅぐにゅと形を自由に変える。太ももへはスーツ越しの愛撫が執拗に繰り返され、さわさわと股間へ近づいては触れずに遠ざかるのを繰り返される。さらに背後から別な男がヒップを鷲掴みにしてくる。スーツの上から尻肉に容赦なく太い指が食い込まされていく。男たちはそれぞれ痴漢のような淫猥さでねちっこい愛撫を繰り返してくる。

 

「っ…ふっ、く、んぅ…っ!」

 

(うぅ、あっ…こいつら、し、しつこい…あ、あぁ…身体がもどかしい…)

 

 むず痒い感覚に、紫音は小さく身じろぐ。薄生地越しにしつこく愛撫され続け、ゾクゾクと堪えがたい掻痒感が募っていく。

 

「たまらねえなぁこのスーツの感触。すべすべと指に吸い付いてきて、気持ちいいぜぇ」

 

「な!?何を馬鹿なことを…この変態どもめ!」

 

 戦闘用のボディスーツに下劣な欲情をぶつけられ、恥辱に顔を赤らめるレクシアハート。だがその言葉で余計に意識してしまい、スーツ越しの愛撫にいっそう感じてしまう。

 

(こ、こんな…スーツの上から擦られると…肌が、むず痒くって…)

 

 ゾクゾクと駆け巡る、もどかしい掻痒感。耐え難い焦燥感が募って、気持ちよくも辛すぎる。スーツの下には汗がにじみ、肌は艶めかしく紅潮してしまっていた。

 

「くぅ…ふっ、うぅん…んぅ…く、んっ!」

 

 だが紫音は、喘ぎ声をもらさないように必死に耐えていた。きつく唇をかみしめ、快楽を噛み殺す。こみあげる何かに耐える気丈な表情からは、鬼気迫るものさえ感じられた。

 

(ダ、ダメよ…耐えるの…こんな、やつらに…屈するわけには、いかない…)

 

 しかし敏感な身体は甘い悦びに正直に反応してしまう。心は屈服せずとも、身体はねちっこい愛撫に対して次第に屈服の意思を見せ始める。下腹部がきゅんと疼き熱くなると、膣内からじゅわりと愛液があふれ出すのを感じていた。

 

「はぁ、はぁ…あっ…ん!い、いや…ん、ふぅっ…や、やめなさいぃ…!」

 

「こんないい身体しといてやめるわけねえだろうがよぉ。デカくてやわらかくて男好きのするいいケツだなぁ…プリプリした弾力がたまらねえぜ」

 

「乳もマシュマロみたいな柔らかさだ。見ろよ指がこんなに食い込むぜ」

 

「太もものムチムチ感もたまらねえな。筋肉が丁度いい感じについてて張りのあるこの感触が最高だ!」

 

(言わないで…そ、そんな、恥ずかしい…!)

 

 下劣極まる寸評に、紫音は美貌を赤らめる。高潔な心が恥辱に震え、身体がさらに熱くなる。 

 

 同性も羨む完璧なスレンダーボディは、今やエニグマの戦闘員たちの格好の餌食となっていた。

 

「ふうぅうっ…あんっ、くぅっ…はぁ、はぁ…ん、ふぅ…あ、あっ…くっはあぁぁ…!」

 

 しつこく続く愛撫に気丈な表情は徐々に崩れていき、口は半開きになり涎を垂れ流す。先程までの強気な口調は快楽に甘く蕩けたような声に変化し、悩ましい喘ぎ声をあげている。痙攣する身体と真っ赤に紅潮した美貌は完全に発情してしまっていることを示していた。

 

「おうおう、エロい声で鳴きやがって。そろそろイクんじゃねえか?」

 

 湧き上がってきた絶頂感を気取られ、男たちは愛撫の動きを激しくしていく。紫音は必死に抵抗を続けるが、身体は加速度的に欲情してしまっていた。

 

(ダ、ダメ…ダメぇ!イキたくない…!でも、こんなの続けられたら…わたし、もう…もう…)

 

 ゾクゾクと駆け巡る、逃れえぬ敗北の予感。こんな奴らに負けたくないのに、悔しいのに、嫌なのに、湧き上がる快楽が抑えきれない。疼く子宮からは愛液があふれ続け、膣痙攣が止まらない。

 

「んはあぁ…!い、いやっ…こんなぁ…わたし…も、もう…イッ…!」

 

「いいぜぇ、イクときはしっかりイクって言えよ」

 

 男たちの手で乳房、太もも、尻肉を一際ぐにゅうと力強く揉まれると、ついにその身体が屈服する。

 

「イ、イクッ…!イッちゃう!いやぁ、負けたくないのに、イキたくないのに…愛撫だけで、イクッ、イカされちゃうううううう!」

 

 瞬間、思考が真っ白に染まった。視界には火花が飛び、ビクビクッと身体が痙攣した。震える膣内からは愛液が絶えず溢れ出す。

 

「ハハッ、イキやがったな。刃鬼さまは本当はとんだド淫乱ってか!」

 

「あはぁ…あぁ、あぁぁっ…いやぁ…言わない、でぇ…」

 

 下卑た言葉に敗北感を煽られ、いっそう倒錯した悦びに落ちていく。紫音は荒く息をついてアクメの余韻に感じ入っていた。

 

「身体を楽しむのはそこら辺にしてそろそろ帰還しますよ」

 

 研究者風の男の一声で男たちは名残惜しそうにしながらも紫音の身体から離れる。その時、全員が自分から注意をそらしたその瞬間を紫音は見逃さなかった。

 

(今…だ!)

 

「…装甲、展開ッ!」

 

 キィィィィンッ!

 

「なっ、なんだこいつ!うわぁっ!」

 

 一瞬の勝機、それをモノにするべく蒼い輝きが噴出する。装甲を展開し、拘束具を破壊するとエネルギーの奔流が衝撃波となり周囲にいた男たちは吹き飛ばされる。手に刀を形成すると、拘束されている浩二のすぐ横にいる研究者風の男に向かって一直線に滑空していく。

 

「死ねええええええええええええええ!」

 

 最大級の殺意を込めた咆哮を上げながら突進してくるレクシアハートに男は恐怖に顔を歪める。

 

「ひ、ひいぃ!殺さないでぇぇぇ!」

 

 そのままの勢いでレクシアハートは刀で一閃。男の胴体をたやすく一刀両断する。   

 

「なんて言うとでも思いましたか?」

 

 ―――はずだった。

 

「……え?」

 

 一閃を放つため腕を振りぬいた紫音は手ごたえが感じられないことに素っ頓狂な声を出してしまう。そして僅かに身体に走る甘い刺激と共にバイザーと装甲の僅かな圧迫感がなくなっていることに気づく。レクシアハートの武装がボディスーツを残して全てが消えてしまっていたのだ。

 

「っ!うぐっ!ぐあぁっ!」

 

 跳躍補正装置により凄まじい速度で滑空してきたレクシアハートは、姿勢制御の役割を担っていた背部の翼状の装甲と尾翼装甲が消えたことにより、バランスを崩して地面に打ち付けられるように転がる。

 

「ぐっ…いったい何が…」

 

 痛みで体に力が入らず起き上がることができない。何が起きたのかわからず困惑と疑問で頭の中を一杯にしていると、男が近づいてきてポニーテールを掴まれ無理矢理体を起こされる。

 

「気付いてないと思いますが、あなたに仕込ませているジャミングウイルスは自己学習型のAIを持ってましてね。仕込んだ時から徐々にデバイスの分析は進んでいき、すでに武装にこれだけの干渉ができるほど分析は済んでいるんですよ。」 

 

「な…!?」

 

 自分の武装が敵に掌握されてしまっている事実に紫音は驚愕してしまう。この場ではもはや敵を倒すことも、そして逃げることすらも不可能になってしまったという事実を突きつけられる。

 

「さて、殺されかけたことですし、お仕置としてあなたの目の前であの男を殺すとでもしますかね」

 

「や、やめて!浩二には手を出すな!」

 

 軽い口調で男は浩二を殺すことを口にする。武装をすべてなくし体も満足に動かせない紫音にはそれを止める術はもうなかったが、そこで男が一つの提案をする。

 

「やめてほしいならそれ相応の頼み方というものがあるんじゃないですかね?この世界にはそういうものがあると聞いていますが」

 

 男の提案に、唇を噛みしめる。しかし浩二の命を助けるためにはもはや選択肢は存在しなかった。意を決すると地面に正座し、両手を前につく。そして嘆願の言葉を口にした。

 

「も、申し訳ございませんでした。私が、なんでもいたしますので…どうか、どうか浩二だけは解放してください。お願い、します…!」

  

 一瞬躊躇しながらも目をつむり頭を下げ、額を地につける。憎むべき敵に土下座をしなければならないことに、悔しさと惨めさが沸き上がり目には涙が浮かぶ。しかし、どんなに惨めでも守ると誓った大切な人だけはたとえ自分のすべてを犠牲にするとしても絶対に助けたいという強い思いから必死に助命を乞う。

 

「これが土下座というものですか。あの刃鬼が我々にこうして頭を下げているのはなかなか気持ちの良いものですね。では戦闘員の皆さん、今度は抵抗できないように徹底的に痛めつけてください」

 

「お゛、ぶぇっ…!」

 

 男からの苛虐命令がでると近くに寄ってきた戦闘員の男が腹部におもいきり蹴りを入れてくる。人間のように見える戦闘員でもエニグマの改造によって常人に遥かに超える力を持っているため、その蹴りはすさまじい威力をもっていた。紫音は痛みに悶え苦しみながら地面の上に転がる。

 

「ひぐっ…!うぁっ…!ぐぅっ…!」

 

 他の男からも次から次へと蹴りを入れられ、レクシアハートの体はまるでサッカーのボールにされているようにあちらこちらへと地面を跳ねる。抵抗することを許されない紫音にはなすがままに暴力を受け続けることしかできなかった。

 

「んぶっ…!」

 

 うつ伏せに倒れたところに頭部を足で踏みつぶされ、ぐりぐりと踏みつけられる。万力に挟まれたかのような痛みが頭に走り、体の痛みも合わさってだんだんと意識が朦朧としてくる。

 

「んぐ、ぁ…ふぇ…?」

 

 頭から足が離されると、朧気な意識の中で体が持ち上げられ無理矢理立ち上がらされたのを感じる。どうやら羽交い絞めにされているようだった。

 

「反応が薄くなってきたなぁ、ここらで目覚ましの一発でもいっとくか、っと!」

 

「ぐぶっ、う”え”ぇぇぇぇぇッ……!?」

 

 強烈な痛みがズンと腹部に走り意識が覚醒する。腹部を殴られ、青ざめた表情の紫音は、血の混じった胃液を吐き出す。しかし、苦痛はこれだけでは終わらない。込み上げてくる吐き気を堪えようとするが、耐えきれず嘔吐してしまう。なんとか逃れようと身を捩るが羽交い絞めにされている体ではそれがかなうことはなかった。

 

「お゛ごぇっ……う゛ぐぅっ……あ゛がッ……!」

 

 男は容赦なく腹部に連打を叩き込む。一撃を受ける度、紫音は汗や胃液を飛び散らせる。ボディスーツの防護機能がなければ内臓破裂でとっくに死んでいるであろう暴虐の嵐に悲痛な叫びが響き続ける。

 

「お゛っ……あっ……」

 

 止まらない男の殴打の連撃に、頭がガクッと垂れ下がり紫音はついに意識を手放してしまう。声にならない声を弱々しく上げながら白目を剥いているその姿は見るも無残であった。

 

「気絶しましたか。痛めつけるのはそのぐらいにして後は基地に帰還するとしましょうか。」

 

 レクシアハートが気絶したのを確認すると、研究者風の男が戦闘員たちを制止する。研究の実験材料である変身ヒロインを確保したことで上機嫌となった男は、それを隠すことなく早く帰りたいとばかりに戦闘員たちに帰還準備の指示をし始める。

 

「この男はどうします?」

 

「レクシアハートは確保したのでもう用済みですが…後で面白いものを見せてあげようと思いますのでここに置いていくとしましょうか」

 

 研究者風の男と戦闘員たちは人質にしていた浩二をその場に捨て置くと、気絶したレクシアハートを輸送用の機械に拘束し、その場を立ち去っていった―――。

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