中学生の兵藤健二は兄の女達を寝取る事にした。 作:チェーンソーで戦うお坊さん
「塔城さん……?」
部屋にやって来たのは、白に近い銀髪の少女。小学生くらいの見た目に見える塔城小猫だった。
彼女は小さな女の子を声で用件を言う。
「……晩御飯、そろそろ出来るから集まってって、おばさまが」
「あ、そうですか。どうも……」
健二と小猫、及びオカ研メンバーの会話はお世辞にも潤沢とは言えなかった。
高校生のリアスたちは仲良くなろうとしているが、基本的に必要最低限しか話さない健二。
どうやら、両親のコミュニケーション能力は、次男には受け継がれなかったらしい。
部屋を出ようとすると、小猫が健二に質問する。
「……健二くんは、イッセー先輩のこと、嫌い?」
ピクッと体が止まる。
「……どうして、そんなこと、訊くんですか?」
「……ん。そう見えたから」
止まったままの健二を見つめる小猫。
少しして、健二が何かを吐き出すように言葉を出す。
「嫌いに決まってるだろ、あんな奴……!」
心の底から嫌悪に染まった声だった。
「兄さんが中学でバカをやったせいでこっちが今、どれだけ居たたまれない環境だと思ってるんだよ。先生や先輩たちからは要注意人物として目を付けられて。それなのに兄さんは知らぬ存ぜぬで好き勝手して……!」
もしかしたらこれから健二の態度次第で周りも見直して、ちゃんと兵藤健二として見てくれるかもしれない。
しかし、何故自分がそんなマイナスからスタートしなければいけないのか、という理不尽に対する怒りまで無かったことにはできないのだ。
「今日だって、塔城さんのクラスに覗きをしたって。もう終わったことだって。なんでそんな風に考えられるのか本気で理解できない……!」
本人は男なら当然の欲求と言うのだろうが、やって良いことと悪いことがある。
兄の言い分が認められるなら痴漢やストーカーだって罪にはならないだろう。
吐き出したいことはまだまだあったが、そこで自制心が働いて口を閉ざす。
「すみません。みっともないところを見せて。行きましょうか」
小猫の横を通り過ぎようとすると、その手を捕まれた。
「? 塔城さん……?」
「……私にも、姉さまがいるの」
小さな声で話し始める小猫。
「……昔、悪いことをして、私を置いて何処かに行ってしまって。妹の私は、そのことで責められていた時期が、ある」
その時のことを思い出して小さな体を震わせる小猫。
「……それを見かねた部長の家族に拾われて助けてもらったの」
健二には小猫がどんな境遇だったのかは分からない。
それでも、リアスやその家族に対する感謝と、姉に対する憤りと、不信感があるのは察することは出来た。
「……似てる、ね」
小さく微笑む小猫。
兄弟姉妹に対して負の感情を持っている。
それは歪な共感かもしれないが、この短い会話で自分と同類が居ることを知って互いに安堵を覚えた。
「……じゃ、行こ」
「あ、はい……」
小さな体で手を引いてくれる小猫。
引いてくるその手に委ねられる安心感が、姉のようだと思った。
1学期も終わり、夏休みも中盤に突入した。
健二も友人と約束していた旅行から帰ってきたところだった。
「おい、健二。本当に家まで送らなくていいのか?」
「はい。ここからさほど距離もありませんし。京司さんたちが遠回りになってしまいますから」
高月洋介の兄である京司が家まで送ると言うが、辞退する。
車での移動だが、ここまで来れば荷物を持って歩いてもそう苦にならない距離だ。
分かれ道なのに送ってもらうのは忍びなかった。
その健二の様子に京司がため息を吐く。
「ガキがそんなつまんねぇ遠慮すんなよって言いてぇが、俺も借りた車にガソリン入れて親に返さなきゃいけねぇし、助かるわ」
「健二! 旅行は終わったけど、夏休み中はまた集まって遊ぼうぜ!」
「うん! もちろん!」
この時の遠慮が、最大の過ちだった。
そのまま分かれて帰路に着いていると、家の近くの道で知らない高校生の団体に声をかけられた。
「君、兵藤一誠の弟さんだよねぇ」
「はい? そう、ですけど……」
高校の制服を着た男女5人が健二を取り囲む。
「あ、あの……」
「兵藤の弟にしちゃあ、あんま似てないなぁ。本物?」
「アイツの弟の偽物なんて出るわけ無いじゃん」
「それもそうか」
健二の顔は母親似で、パッと見て兄弟とは判断しづらい。
観察されるように見られていると、ガラの悪い男が用件を言う。
「ここに居る俺の彼女がよぉ、お前の兄貴に着替えを覗かれて、写真まで撮られちまったんだよ。弟としてなんか言うことがあんだろ?」
「……それは、すみません。これ、兄の電話番号です。用件があるならそっちにお願いします」
一誠の携帯番号を書いて渡す。
こうゆう風に絡まれるのは初めてではなく、その度に携帯の番号を教えて立ち去ることにしていた。
しかし、相手は肩をガッツリ掴んで放そうとしない。
「そういうことじゃなくてよぉ。アレの身内として、いしゃりょーくらい出すべきじゃねって話をしてんだよ。な?」
健二からすればそんな話は兄か両親とやってくれ、と言いたいが、相手はそれで引いてくれる様子もない。
健二は知らないが、一誠が悪魔として転生したことで、身体能力が劇的に上がり、まともな喧嘩ではただの生徒が複数人でも相手になるのは難しい。
だから、その弟が目をつけられたのだ。
「僕、本当に関係ないんで……!」
「おい待てよ!」
逃げようとする健二に男が提げていたバッグを掴む。
焦った健二はとっさに捕まれたバッグを離させようと力を入れる。
すると、そのバッグが男の顔に当たった。
「あ……」
マズイ、と思ったときにはもう遅い。
「やってくれんじゃん。こりゃあ、お前の分の慰謝料も請求しなきゃな~」
態とらしく痛そうに頬を撫でる男。
取り巻きもどんどん近づいてきて、健二は足がすくむ。
(どうして、こうなるんだよ……!)
友人とその兄の仲間と楽しく旅行を終えて。
夏休み中に家にいない兄とリアスたち。
だから、家族水入らずで旅行の土産話で花を咲かせて。
明日からも友達と遊んで新学期を迎える。
望んでいたのはそれだけだったのに、どうしてこんなことになるのか。
健二が痛みを自覚したのは、殴られて陽射しに熱せられたアスファルトに頭を叩きつけられてからだった。
リアスが兵藤邸を大きくするために近隣から土地を買い上げた影響で兵藤健二が暴行を受けている通報が遅れてしまった。
彼が目を覚ましたのは病院に運ばれて1日経過した後だった。
大慌てで面会に来た両親や友人に教師。
それから警察。
幾らか冷やかしや義務で訪れる者は居たものの、大半の見舞い客が入院した健二を心配してくれた。
それは、間違いなく彼が周りから愛されていることの証拠だった。
しかし────。
「出てけぇっ!!」
病院の廊下まで聞こえる程の声量で健二は見舞いに来た兄である一誠に枕を投げつけた。
「な、なんだよ!? せっかく見舞いにきてやったのに!」
こんなにも激昂した健二を見るのは初めてで、一誠を含めたオカルト研究部の面々は戸惑っていた。
「来てやった!? どのツラ下げて図々しく僕の見舞いに来てるんだ! 今回、誰のせいで僕がこうなったと思ってる!」
「な、なんだよ! 俺のせいだってのか!? 悪いのはお前に暴力を振るった奴らだろ! 俺だって今回の件はそいつらに腹を立ててるんだからな!」
まるで事態を飲み込めていない兄に、健二は奥歯をギリッと鳴らした。
あの男の彼女が本当に覗きや盗撮をされたのか。それはもう、大した問題ではない。
ただ、兵藤一誠の家族に危害を加えてもいい、という理由を与えてしまっているのが問題なのだ。
これからも同じようなことを実行する者が現れないとも限らない。
なのに、それはそれ。これはこれ。とでも言うような兄の態度にとうとう我慢の限界を越えた。
「今回だけじゃない! 学校でも兄さんがやってきた行いが僕の生活の足を引っ張ってるんだぞ!」
どうして、そんなことも思い至らない
「もういい加減にしてくれよ! どれだけこっちに負債を押し付けるつもりなんだよ! お前なんか! お前、なんかぁ……!」
堰を切った感情は止まらない。
これまで溜め込んだ膿を吐き出すように叫ぶ。
「何処かに消えてしまえばいいっ!!」
「なっ!?」
反論しようとする一誠。
だが、その前に朱乃が健二の頬を叩いた。
「朱乃!?」
突然の行動にリアスが手を掴んで押さえる。
健二も、いつもおっとりとしている朱乃に叩かれたことに驚いていた。
「実のお兄さんに酷いことを言っているとは思わないんですか?」
朱乃は健二の暴言が許せなかった。
一誠は、朱乃が心から気を許した男性。
それを実の家族が悪し様に暴言を吐くのが堪えられなかった。
何よりも、その姿が、父を嫌悪する自分と重なって、見るに耐えないのだ。
互いに睨み合う形になった2人にリアスが割って入った。
「どうやら、お見舞いは日を改めた方が良さそうね。みんな、帰りましょう」
「え? でも……」
「いいから!」
反対しようとする一誠の手を掴んで無理矢理退室させる。
ここは病院だし、クールダウンさせないとまともな会話は難しいだろうと判断して。
他の面々も見舞いの品だけを置いて、退室していく。
しかし、小猫だけはその場に残っていた。
すこし、言いづらそうに小猫が口を開く。
「……旅行先で、姉さまと会ったの」
「……」
小猫の話を黙って聞く健二。
「……姉さまは、私を無理に連れていこうとして、イッセー先輩がそれを止めてくれた。だから、その……」
その声には以前には無かった好意がある。
まるで、恋する乙女のような表情だった。
「……イッセー先輩は、健二くんが思っているほど悪いお兄さんじゃないよ」
その言葉は、健二にとって明確な裏切りだった。
「……だから、今回のことは水に流せって? そう。結局、塔城さんも、兄さんの肩を持つんだ……」
声には明確な失望が感じ取れた。
また、来るね、とだけ言い残して、小猫も退室する。
握り拳を作るとその手に涙が落ちた。
裏切り者。そう思ってしまっても、健二と小猫はそこまで深い関係だったわけではない。
ちょっとした共感から親しみが生まれていただけ。
そんなことを考えるなんてただの八つ当たりだ。
理解している。
理解している。
それでも、その共感が本当に嬉しかったのだ。
だから、もう小猫が味方になってくれはしないのだと悟って涙が出た。
何とも言えない怒りと喪失感を味わっていると、個室の扉が開いた。
「やぁ、はじめまして。兵藤健二くん?」
入ってきたのは、やや逆立った銀髪でスーツ姿の中年男性だった。
その男性は顎髭を撫でながら健二に馴れ馴れしく近づく。
「だ、誰ですか、貴方は!? 人を呼びますよ!!」
今回の件で見知らぬ人間に対する警戒心が上がった健二はナースコールを押そうとするが、相手の男性に止められた。
「おじさんはねぇ。君の味方だよ。ちょいと早いクリスマスプレゼントを届けに来た」
「はぁ!?」
意味が分からずにいると、ナースコールを握っていた手は外され、代わりに耳飾りを握らせた。
「これはねぇ。自分の好きな夢が見れる魔法のイヤリングだよ。おっと! 別に宗教勧誘とかじゃないよ~。受け取ったからってお金の請求もしません! 約束するよ~」
どこまでも胡散臭い男性に健二は耳飾りを返そうとするが、相手が許さない。
「これを着けて寝ると、どんな夢でも思いのまま! 気になるあの子とのエッチな夢を見たり、気に入らない奴を好きにボコボコにしたり! 夢の中だから肖像権とかも必要ないしねぇ!」
返したいのに、まるで握っている拳が布でぐるぐる巻きにされているように動かなかった。
「ま、持っておきなよ。君にとって悪いことにはならないからさ~」
言いたいことだけ言って、銀髪の男性は部屋を去っていった。
その夜。就寝時間になっても健二は無理矢理渡された耳飾りを見ていた。
「こんなものを貰っても……」
お金を請求しないと言われたが、信用できない。
もしも、高額請求とか来たらどうしようと恐かった。
もしかしたら、突然あんな豪邸を建てたから、物凄いお金持ちだと勘違いされているのかもしれない。
「好きな、夢かぁ……」
売るにしても笑ってしまうくらい変な人だった。
「これ……付けるのに穴とか空けなくていいんだ」
普段なら無視するそれを、今回のことで精神的に疲弊していた健二には、怪しいオカルト商品にすがりたくもなる精神状態だった。
「……今日くらいこれを着けてもすぐに外せばいいよね」
もしもそれで何もなかったら警察に届けてもらえばいい。
そんな軽い気持ちで健二は耳飾りを着ける。
そのまま、数十分で眠りに落ちていった。
彼がこの後に見た夢は────。
アンケートまで取って置いてエロ無しは申し訳ありません!
次回は小猫回にしようと思ってます。
時々、ヒロイン選びにアンケートはする予定ですので御協力いただければ嬉しいです。
次のエロは誰が良いですか?
-
リアス・グレモリー
-
アーシア・アルジェント
-
姫島朱乃
-
塔城小猫
-
ゼノヴィア
-
紫藤イリナ
-
ロスヴァイセ
-
レイヴェル・フェニックス
-
黒歌
-
リリス