中学生の兵藤健二は兄の女達を寝取る事にした。 作:チェーンソーで戦うお坊さん
いきなり健二が何処かへと連れ去られ、リアス達は驚きから動きを止めた。
「健二くん……?」
血の気の引いた顔で健二の名を呼ぶアーシアの声にようやく頭が働く。
「健二を引っ張った手、見えた?」
後ろから首根っこ引っ張った小さな手。
そして一瞬だけ感じた強大な力には覚えがあった。
そこで今まで黙ってついて来ていたリリスが口を開く。
「リリスと同じ匂い、した」
リリスの言葉にリアスはハッとする。
「リリスってことはオーフィス!」
何故、という疑問が頭を過る。
次元の狭間に消えたオーフィス。その後は不明だったが、生きていた事にはそこまで驚きはない。
だが気になる事がある。
「イッセー……」
健二の前の兵士。
既に生存を諦めていたが、オーフィスが現れたとしたら、あの子はどうなったのか。
それ以前に何故オーフィスが健二を連れ去ったのか。
(前に家に居た時はそこまで健二に興味がある感じじゃなかったけど……)
どちらかと言えば、赤龍帝としてこれまでにない成長を続ける一誠の方に興味が向いていたように思える。
もちろんグレートレッドの力を宿す健二への興味も皆無ではなかったと思うが。
そもそもあんな風にオーフィスが健二を連れ去る理由が分からなかった。
そこまで考えてある可能性が頭に浮かぶ。
「貴方、なの? イッセー……」
もしも兵藤一誠が生きていて、健二がリアスの新しい"
それに今の健二と自分達の関係を知っていたとしたら?
頭の中で嫌な憶測が広がる。
「リアスさん」
ロスヴァイセに肩を掴まれて名を呼ばれてハッとなる。
今はそんな臆測に耽っている時ではない。
「みんな! 初詣は中止よ! 健二の捜索に当たるわ! いいわね!」
『はい!』
全員の返事を聞く中、リアスはアザゼルを始め、関係各所に連絡を入れ始めた。
兄に殴られて地面を転がった健二が気にしたのは着ている和服の事だった。
(これ、レンタルなのに……)
もう返せないなぁ、と破れて汚れた和服を見て申し訳なく思う。
まぁ、現状に対する現実逃避だが。
ここがどこだか分からないが、野球場のような広さがある。
そこで正に憤怒の表情でこちらを見ている兄を見る。
(そういえば、兄さんにあんな表情されるのは初めてかもしれない)
のらりくらりとその場凌ぎでヘラヘラと笑うのはたくさん見たが、こうして本気で怒っているのは初めてかなと記憶を掘り返す。
こうして直接的に殴られるのも初めてな気がする。
間接的には健二に不利益を与えても、暴力などは振るわれた事はなかった。
弟イジメをしない、という点では良い兄だったのかもしれない。
「なんで殴られたか分かるか?」
現実逃避に浸っていると、一誠が問いかけてきた。
「さぁ? 知らないよ。兄さんの癇癪なんて」
突然殴られた事に不貞腐れた声で返す。
実際に健二には一誠に殴られた理由が思い浮かばない。
その態度に苛立ちを隠そうともしないで胸ぐらを掴んできた。
「テメェがアーシア達にヤッた事に決まってんだろ!」
その答えに健二は心の中で納得する。
兄は自分と彼女らの関係を知ったのかと。
「別に。兄さんには関係ないよ」
うんざりした様子で返す健二。
その態度に一誠は大きく目を見開いた。
「これは、僕達の問題。兄さんが口出しする事じゃない」
「健二っ!!」
もう1発、健二の頬を打つ。
倒れた弟を息を荒くして見下ろす兄。
「お前、ふざけんなっ! 俺は部長の"兵士"として────」
「リアスさんの"兵士"は僕だよ……!」
「!?」
健二がリアスの兵士になっているのは知らなかったのか、一誠が驚きの表情を見せた。
「今は、僕がリアス・グレモリーの"兵士"だ。だから、外野は口出ししないで」
理詰めとか現状を教えるのではなく、棘のある声でそう告げる健二。
つまりは挑発。
それを知ってか知らずか一誠は額に青筋を浮かべて奥歯をギリギリと鳴らす。
「ふっざけんな!!」
「ぐっ!?」
左手に赤龍帝の籠手を装着し、健二の腹を殴る。
幸い倍加は発生していなかったので、硬い籠手で殴られただけで済んだ。
「お前に"部長の兵士"が務まるわけねぇだろ!」
「そうかもね……」
お世話になってばかりで、自分がリアス達の役に立っているなんて自惚れてはいない。
きっと周囲に気遣われて出来てない事なんて健二が思っている以上にあるだろう。
だけど────。
「何度でも言うよ。もう外野の兄さんには関係ない。引っ込んでて」
この地位を
ようやく形になってきた安寧の場所。
今更奪い返されてたまるか!
立ち上がった健二は肉体をドラゴン化させる。
「健二、お前……!」
ドラゴン化し、敵意を剥き出しにする弟に一誠は鋭く睨みつける。
「僕のこれからに兄さんは、邪魔だ……!」
「上等だコイツっ!!」
一誠も禁手化して弟を迎え討つ体勢に入った。
駒王町に滞在する三大勢力の総出で兵藤健二の捜索が行われていた。
オーフィスの力の痕跡を探し、何処から空間を繋いだのか調べている。
指示を飛ばしていたアザゼルがリアスに問いかける。
「リアス。イッセーの奴が絡んでるってのは本当か?」
「あくまでも可能性よ。オーフィスが独自に動いている可能性もあるわ。むしろその可能性の方が高いと思う」
言っては何だが、あの何事にも無関心なオーフィスだ。
助けに行った一誠の事など忘れて自分勝手に行動してる、という事も考えられる。
自分の考えが一誠の死を願っているように思える事と、現状から逃げの考えだと自覚して嫌悪感から組んでいる腕を強く握った。
「なら、質問を変えるぜ。もしも一誠と健二がやり合ってたら、お前らはどっちに就く?」
それはリアスだけではなく、この場にいる全員に問うての質問だった。
まだ現実を受け止め切れてない少女らにアザゼルは続ける。
「ここが最後の分水嶺だ。お前らが戻ってきた一誠を選ぶのか。それともこのまま健二を選ぶか」
アザゼルからすれば一誠は可愛い教え子だ。それなりに情もある。リアス達も思うところはあれど、死んで欲しかった訳ではない筈だ。
だが、一誠が健二とリアス達の関係を知れば黙っていないだろう。
「健二がドラゴン化した時にお前らの関係を焚きつけたのは俺だ。だからお前らが俺の
彼女らが自分で決めなければいけない。
それを突きつけられていると、駒王町のスタッフから報告が上がる。
しかしそれは健二に関する事でなかった。
「なんですって? こんな時に……!」
忌々しげに眉間にしわを寄せるリアス。
駒王町のスタッフが健二の捜索に人員を割いた事で、それを狙っていた
戦力は大した事ないが、放って置く訳にもいかない。
「分かったわ。ソーナ達と連絡を取って私達が対処するわ。いいわね、みんな!」
『はい!』
リアスの号令にみんなが返事をする。
みんなが立ち上がろうとすると、アーシアがふらついて壁にもたれかかろうした。
「ん……っ」
「アーシア!?」
ゼノヴィアがそれを支えてイリナが問いかける。
「どうしたのアーシアさん!?」
「いえ、急にお腹の下辺りが熱くなって……」
本人もよく分かってないのか、下腹部を押さえながら戸惑っている。
リアスは健二と一誠が闘っているかもと聞いて精神的なストレスからではと推測する。
「具合が悪いのなら、アーシアは休んでなさい。あいつらは、私達が排除するわ」
「いえ、気にしなければ大丈夫です。私も行きます! みなさんが怪我をしたら大変ですから」
そうは言うが、休ませた方が良いだろうと無理にでも待機を命じようした。
そこで今度は小猫も小さく声を出すと、アーシアと同じように下腹部を押さえる。
「どうしたにゃん、白音」
「……私も急にここが熱くなって……上手く、説明出来ません」
心配そうに声をかける黒歌に小猫が返す。
アーシアと小猫が押さえている箇所。
そこには、赤いドラゴンの紋様があった。
「こんのっ!!」
健二は闇雲に一誠に跳びかかる。
その動きは一誠から見てもお粗末の一言。
「喰らうかよ!」
カウンターで拳を叩き込む一誠。
綺麗に打たれてふっ飛ぶ。
「オラァッ!」
追撃に蹴りを入れ、首根っこを掴んで壁に叩きつける。
「ぐほ……あ……っ!」
「大口叩いたわりにはこんなもんかよ……!」
吐き捨てる一誠。
今の一誠は悪魔の駒を失い、僧侶、騎士、戦車の3形態も、女王の形態も使えない。
しかし、それでも健二を相手にするなら通常の禁手化で充分だった。
禁手化を会得する前ならやられてたかもしれないが、健二の動きは一誠にとってちょっと速いくらいにしか感じない。
動きも読みやすく、簡単にカウンターが取れる。
これは、単純に経験の差だった。
一誠はこれまで勝敗はともかくとして、常に格上と戦ってきた。
いくつかの奇跡と仲間との協力で生き延びてきた彼だが、その死線が一誠の成長へと繋がったのは事実。
対して健二は本人の性格の問題もあり、実力的に倒せて当然の相手ばかりをしてきた。
戦闘に於いては箱入りとして育てられていたと言っても良い。
だから素の戦闘能力で圧倒される実戦経験が皆無に等しいのだ。
逆に一誠は自分より圧倒的弱い敵との戦闘経験が乏しく、(女を除く)敵への手加減を不慣れとしているが。
そんな2人が闘って勝負になる訳もない。
「この……っ!」
両手を突き出す形でオーラを溜める健二。
ドラゴンショットのような砲撃を撃とうとしてるのだと判断した。
「来いよ。真正面からぶっ潰してやる……!」
倍加を最大値まで上げて、健二の攻撃を迎え撃つ姿勢を取る。
「だあぁああああっ!!」
「ドラゴンショットォ!!」
健二が放った球体は、一誠が撃った砲撃に呑み込まれて健二の肉体を包みこんだ。
闘技場となっている場を一直線状に壊したが、貫いた場に健二が膝立ちしていた。
それを見た一誠の中のドライグが不思議に思う。
(妙だな。頑丈すぎる)
先程から喰らわせてもいる攻撃。
そして今のドラゴンショット。
とっくに健二の命を奪っていてもおかしくない威力だった。
なのに、まだ立ち上がれる相手は余力を残している。
殴った時に伝わる感触や健二の実力とあのタフさがドライグの中で一致しない。
『気をつけろよ相棒。なにかがおかしい』
「大丈夫だドライグ。あんな奴、俺の相手じゃない────」
そこで一誠はある事に気付いた。
胸に手を当てている健二。
そこから、優しい緑色の光が放たれているのを。
「なんで……」
その光は、一誠にも見覚えがあった。
何度も自分達を癒し、救ってくれた優しい聖女の癒し。
それに気付いて一誠は健二をこれまで以上に睨んだ。
「なんでお前がアーシアの神器を使ってんだよ……っ!!」
次回、主人公補正と言うのも烏滸がましいご都合展開発動。
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