シンフォギアの消えた世界で H EROVer 作:現実の夢想者
あと、話の構成上エロさは薄いかもしれません。それと長いです。予めご了承ください。
クリスの誕生日前夜、根幹世界のとある宿泊施設に九人の装者とエルフナインにキャロル、そして弓美達三人が集まっていた。勿論ヴェイグやドヴァリンもいる。
その理由は一つ。一日早いがクリスの誕生日会をするためであった。
だが仁志の姿はそこにない。彼は運悪く勤務が入っており、しかもクリス以外は知らないが今日仁志は割と頑張ったのだ。
それが“何で”なのかは言うまでもない。ただ、それもあってか主役のクリスの機嫌は上機嫌も上機嫌であった。
「本当に申し訳ないですよ先輩。わざわざあたしのためにこんな広い場所を借りて食事まで……」
「いいんだ。私だけでなくマリアも賛同してくれたおかげで予定よりも良い内容に出来たしな」
「私だって大切な仲間の誕生日を祝いたいもの。しかも留学していて頻繁には会えないのだから。かかった費用とかは貴方は気にしないで。年に数回しか会えない内は、ね」
「お、おう。……ありがとう」
その一言に翼とマリアが小さく驚き、すぐに嬉しそうに笑みを浮かべて頷いた。素直に礼を述べる事がなかったクリス。それが多少の照れを見せるだけでそう出来るようになった事。その裏にある一人の男の影響を察したのである。
「でも、この料理は……」
そう言ってクリスはテーブルを見た。そこには様々な店から持ち帰ったのだろう料理の数々が並んでいる。その、どこの有名店でも出来ないだろう料理の多国籍ぶりは、クリスが翼とマリアがいくら使ったのか考えるのを止める事にしたぐらいであった。
「凄いよねぇ。宅配や持ち帰りってこんな高そうな物まで出来るんだって初めて知ったよ」
「右に同じです……」
「完全にごーかなお料理ばかりデスよ……」
「そうだね。見ただけじゃ分からないのもあるし、そもそも初めて見るものばかりかも……」
響達の見つめる先にある品の良いテーブルの上には、見るからに美味しそうで高そうな雰囲気の皿の数々が並べられていた。
普段中々散財しない翼と出来ないマリアは、その稼ぎを躊躇いなくクリスのためにと使用していたのだ。
「まるでここがレストランになったみたいですね……」
「ああ……。料理の見た目といい、それらしいかもしれん」
久しぶりの出番となったあの格好に身を包んだエルフナインと、似たような服装ではあるが白を基調とした色合いで統一したキャロルの二人は、テーブルの上の料理を眺めて目を見張っていた。
「ヴェイグ、この小さくて黒い物は何だ?」
「……分からない。タダノがいれば分かったかもしれないが……」
「仕方ないですよ。お兄ちゃん、今夜はお仕事だから来れないって言ってましたし」
「そうそう。残念なのはみんな一緒さ。それと、ドヴァリンの気になってるのはキャビアだね」
「「「「「きゃびあ?」」」」」
揃って小首を傾げる年少組とドヴェルグ二人に笑みを零し、奏がキャビアの説明を始める後ろでは弓美達三人が今いる場所の周囲を眺めてため息を吐いていた。
「はぁ~……色々とすっごいわねぇ」
「うん……場所と料理がミスマッチで不思議な感じだけどね」
「私、こういうタイプの宿泊施設が個人で予約出来るなんて初めて知りましたわ……」
絵に描いたような合宿所の宿舎。そう言われたら納得しかない場所。それが三人のいる施設である。
実は今回のパーティーに誘われた当初、弓美達は参加を遠慮した。自分達は装者でもないし、何よりS.O.N.Gの人間ではないと。
そんな彼女達へ響と未来はこう言って説得したのだ。
――そんな事は関係ないよ。クリスちゃんからすれば、板場さん達だって大事な友達なんだから。
――そうだよ。あのロンドンでの翼さんとマリアさんのライブをクリスの家で一緒に見たでしょ? それに今回のはS.O.N.G関係者でお祝いするんじゃなくて、クリスの誕生日をお祝いするために集まれる人で行うものなんだよ。
勤務のために不参加となった仁志だけではなく、弦十郎達もまた祝いたいが参加出来ない事を聞き、弓美達はならばと参加する事に決めたのだった。
ちなみにクリスの同級生達は誕生日当日に祝う事となっている。このパーティーは先にそちらが決まっていたために前倒しで行う事になったのだ。
まぁヴェイグやドヴァリンの事や、何より奏の事など機密に関わる事が多いので、例え先に決まってなかったとしてもクリスの同級生達はこのパーティーに参加は出来なかっただろう。
「それでは、全員飲み物を持ってくれ」
「パーティーの始まりは主役に告げてもらいましょ」
「あ、あたしがか?」
「いいじゃん。クリス、あんたも来年二十歳になるんだ。ここで少し大人の練習をしときなよ」
「お、大人ぁ?」
照れるような困ったような、そんなどちらともつかない表情を見せるクリスだが、そんなやり取りを聞いて彼女を先輩と慕う二人が目を輝かせた。
「おぉ、クリス先輩、来年は大人デスか。凄いデス」
「お酒もタバコも大丈夫になる……。あとはたしかギャンブルも……」
その調の口から出た内容を聞いた響が楽しげに笑みを浮かべると、近くにいる未来達同級生へ顔を向けた。
「私達は再来年だね~」
「そうだね。でも、この感じだとあっという間かも」
「その時になったら五人でお酒でも飲みましょ」
「いいね。どうせならふらわーでとかどう?」
「ナイスです! 約束ですよ?」
詩織がそう言いながら小指を立てて見せると響達も同じ事をして笑顔を返す。そのまま無言で指切りをするようにその手を揺らし、五人は笑みを向け合う。
その仲良し同級生のやり取りをどこか羨ましそうに見つめ、エルフナインはふと隣にいる双子の姉同然の相手へ顔を向けた。
「ねぇキャロル」
「ん?」
「キャロルはお酒って飲んだ事ある?」
「ない訳ではないが……あまり美味くはないぞ」
見慣れぬ料理をジト目で見つめながらの返事にエルフナインが声なく笑う。何故ならそれはヴェイグやドヴァリンと同じ状態だったからだ。
「む~……セレナ、これはサーモンか?」
「え? えっと……た、多分合ってるはずです」
「セレナ、これはトリニクで合ってるか?」
「……は、はい、きっと合ってます」
両手で氷入りの麦茶が入ったグラスを持ったまま、ヴェイグとドヴァリンはセレナを挟んで料理の材料は何かを探っていた。その様は弟二人にあれこれ聞かれる姉のようだ。
このように誰かが喋り出せばそれを合図に全員が話し出す。それを普段ならば仁志がそれとなく収め、あるいは音頭を取っていた。
そういう意味では今の彼らに船頭はいない。けれどそれが本来の形であった事を彼らは気付かない。
そんなゆるい雰囲気の中、クリスによる乾杯の合図と共にようやくパーティーは本格的に始まる。
まずは料理を立食形式でそれぞれが口へ運んではその味に表情を綻ばせ、ヴェイグやドヴァリンの質問にはマリアや奏が答える形となった。
「これはロブスターね」
「「ろぶすたぁ?」」
「ほら、ヴェイグは覚えてるだろ? いつだったか仁志が伊勢海老がどうのって言ってたの。あれの仲間みたいなもんさ」
「そうか! これはいせえびの仲間か!」
「ドヴァリンには……そうね。とりあえず食べてみたら? 美味しいのよ、これ」
「そうだな。よし、食べてみるか」
その後、二人のドヴェルグは初めてのロブスターの味に驚き、その目を丸くする事となる。
一方、ヴェイグとドヴァリンの相手をマリアと奏へ託したセレナは、エルフナインやキャロルと共に肉料理に舌鼓を打っていた。
「姉さん、これ美味しいですねっ!」
「そうだね。こっちは……柔らか~い」
「中心部が一見すると生のように見えるが…………しっかりと熱が通っているとはな。今の時代、料理人はここまでの技術を持っているのか」
「キャロル、こっちも美味しいよ!」
「あっ、これも美味しいよ」
「ならばこちらも食べてみろ。こんなに美味い肉は食べた事がない」
ただ牛肉や鶏肉だけでなく羊などの珍しい物もあり、三人は保護者の目がないのを良い事に若干暴食気味になりつつあったが……
「「ストップ(デス)っ!」」
「「「っ?!」」」
しっかりと姉気質を身に着けた切歌と調によってブレーキがかけられる事となった。
だがそこで二人はそれぞれの手にある皿から肉をフォークでひょひょいと奪い口の中へ。
「「「あっ!?」」」
「「…………美味しい(デェス)」」
満面の笑みを浮かべる二人だったが、その笑顔のまま切歌はエルフナインと、調はキャロルと、それぞれ目線を合わせるようにしゃがんだ。
「いいデスかエル。あれもこれも食べてもいいデスが、あまり食べ過ぎると後でお腹が痛くなるデスから気を付けなきゃダメデス」
「は、はい……」
「キャロルもだよ? エルのお姉さんなんだからちゃんと注意してあげて?」
「……分かった」
「あ、あの……ごめんなさい」
本来やるべき役割を盗られたと思いつつもセレナは恐る恐る声を出した。自分も叱られる側と理解していたためである。だが、そんな彼女へ切歌と調は立ち上がると苦笑した。
「セレナは仕方ないデスよ。ここがエル達だけならちゃんと出来たはずデスから」
「うん。今のセレナは妹モードだからね。でも、気を付けて。エルにとってはいつだってセレナは姉さんなんだから」
「ぁ……はい!」
エルフナインとキャロルには下げた目線を自分と接する時には戻す。それがどういう意味かを察してセレナは嬉しそうに頷く。
切歌と調はエルフナインとキャロルには姉目線だが、自分には友人あるいは同等目線だと分かったのだ。だからこその笑み。だからこその元気であった。
さて、年少組五人が仲良く料理を分け合い始めた裏で、響達卒業間近組は翼と共にクリスの留学話を聞いていた。
何故ならもう彼女達五人も進路を決め、それに向かって動き出している。だからこそ先に道を決めて歩いているクリスの話は興味があったのだ。
クリスも後輩にあたる響達から留学先での詳しい話をと言われて悪い気はしない。更に翼からも話を聞かせてくれとせがまれれば口も軽くなると言う物。
既に響と未来には夏に話した事も含めて話すクリスには、明らかに学院時代とは違う雰囲気が漂っていた。それは、照れもなく留学先で出来た友人達の事を名前で呼んでいる事からも明らかだった。
「で、アリアとシャナの声がそっくりでさ」
既に学院時代の友人達を名前で呼んでいるクリスにとって、留学先の友人達をそうしない道理はない。あの日々で響と未来を名前で呼んだ事から、クリスは同性に対してだけは名前で呼ぶ事への抵抗が薄れたのだ。
楽しげに話すクリスを見つめ、響と未来は気付かれぬよう小声で囁き合う。
――クリスちゃん、変わったよね、やっぱり。
――うん、そうだね。それと、笑顔が前以上に輝いてる。
あの上位世界で熱い湯に浸かりながら夜空を見上げた日。あの時こそクリスが今のようになれた切っ掛けだったのではないかと響と未来は思っていた。
それまでは二人きりでなければ呼べなかった名前を、それ以外の状況でクリスが自発的に呼んだ事。それがクリスの中にあった躊躇いや迷いを薄れさせたのだろうと。
そして翼もまたそんなクリスを見つめ微笑んでいた。
(雪音がここまで明るく笑うようになるとはな。私を先輩と呼んでくれるようになった日から今日までの事を思い出すと感慨深くもある。いつか、私の事も翼先輩と呼んでくれるのだろうか? ふふっ、その日が来るのも楽しみに待つとしよう)
今も詩織や創世からの質問へ笑顔で答えるクリスに、翼は心からの笑みを浮かべて見つめ続ける。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、料理も綺麗に食べ尽くされ、デザートまで楽しんだ後はクリスを除いた全員で後片付けなどに動き、そこから先は女性だらけという事もあり会話に花が咲いた。
特に盛り上がったのがやはり恋愛関係。とはいえ、弓美がクリスに気になる相手は留学先にいないのか、もし良ければ自分にも男性を紹介してくれと迫ったからなのだが。
「ねぇねぇ、どうなんですか雪音先輩」
「だから、いないって言ってんだろ。知り合いになった奴がいない訳じゃないが、そん中に彼氏にしたいなんて思う奴はいねぇんだって」
「外見が気に入らない?」
「そういう訳じゃねぇ」
「じゃあ……性格でしょうか?」
「別に。いい奴ばっかだぞ、胸ばっか見ないしな。まぁ中にはそういうのもいるけど」
弓美達の問いかけにサラッと答えるクリス。一方ヴェイグとドヴァリンは色恋関係はさっぱりなので、二人してリビングの隅で定例の勉強会のような事を始めていた。
「ドヴァリン、見てくれ。まだ途中なんだが……」
「どれどれ……」
自分が持っているグレイプニルを参考に教わった技術を試しているヴェイグ。その製作途中の物を見せてドヴァリンの意見を聞いていたのだ。
「……まだ荒い所もあるが、上出来だと思うぞヴェイグ」
「本当かっ!?」
「ああ。その調子で最後までやり切ってみるんだ。その時にまた見せてくれ。失敗してもいい。こういうのは何度もやってみて慣れるしかないからな」
「分かった。待っててくれドヴァリン。必ずドヴァリン用のグレイプニルを作ってみせる」
「期待してるぞ」
意気込むヴェイグを嬉しそうに見つめるドヴァリン。その関係性はまさしく師匠と弟子だ。
ここに仁志がいればそれを見て心から喜んだだろう。技術の継承とはそれだけ難しく、また尊いものだからだ。
そこからドヴェルグ二人の話題は仁志の家でたまにやるゲームの話となる。ゲームの腕前は僅かにヴェイグの方が上であるためか、その様子は先程とは打って変わって……
「なぁヴェイグ、まりかーなんだが……」
「まりかーがどうした?」
「最初はいいアイテムが出て上位にいけるんだ。だがそうなると途端にアイテムがコインやばななの皮、良くて緑こうらばかりになる」
「分かるぞドヴァリン。俺もそうだ。だからいつも最後は失速する」
「どうすればいいんだ? 俺はもうエル達や奏にさえ勝てる気がしない」
「それなんだがなドヴァリン。タダノから教えてもらったんだが、アイテムは順位が下の方がいい物が出易いらしい」
「そうなのか? でもそれだと……」
「ドヴァリンの言いたい事は分かってる。だからタダノが言うには……」
そこでヴェイグから告げられる話にドヴァリンは小さく頷き続け、最後には……
「そういう事かっ!」
ゲームを話題に盛り上がる今の二人を見れば誰もが微笑むだろう。それは見かけこそ違え、昭和後期から今の時代まで少年が一度は通るような、そんなありふれたやり取りだったのだから。
そうやって少年のような会話をドヴェルグ二人が続ける中、女性達はこれからの事を話題に話し合っていた。この場所は当然ではあるが宿泊も含めて予約している。部屋がリビングを除いても三つ程あり、それも平気で大人が四、五人は寝られるので、ここにいる全員が平気で寝泊まり出来るレベルなのだ。
「じゃあ奏もセレナも泊まっていけるの?」
「ああ。まぁ呼び出しがあれば無理だけど」
「私も同じだよ姉さん」
「それにしてもまさかそれぞれの世界が宿泊を許可するとはな」
それぞれその世界唯一の装者である奏とセレナ。しかもその世界は未だノイズやアルカ・ノイズの脅威が残っている。そんな中で交代要員が来ている訳でもないのに他世界で一晩過ごす。それを許可する事に翼以外も少なからず驚いていた。
だがそれには当然理由があった。実は依り代が持つ平行世界を渡る力を解明し再現したのがゲートリンクだが、最近遂に試作品ではあるがある物が完成したのだ。
「「「「「「「「「「「「ノイズキャンセラー!?」」」」」」」」」」」」
「そう。翼達の世界は一番装者が多いだろ? で、錬金術師達の組織もなくなって大規模な動きは中々出来ない。けどあたしらはそうじゃない」
「だから平行世界との連絡手段が出来た後、マム達はノイズを何とか出来る力の研究を始めたんです。依り代がノイズを倒した事があったので、今度はそれを何とか再現出来ないかって」
「まぁ、さすがに了子さんやナスターシャさんだけじゃ難しいだろうからって、違う世界の力も借りたけどさ」
「違う世界?」
「はい。フィーネさんです」
その名前に誰もが納得した。あの風鳴弦十郎と男女の仲となった先史の巫女ならば、ノイズキャンセラーへの興味や実現の意欲も強いだろうと理解出来たからである。
ちなみにそのノイズキャンセラー開発のため、仁志は依り代を持ってノイズと再び対峙する事となったのは言うまでもない。ただ前回と違い依り代でノイズを撃退出来ると分かっているためか仁志に緊張も恐れもなかった事だけを記す。
そうして完成した試作品は奏とセレナの世界にも支給され、故に今回の宿泊も許可が出ていた。
その試作品のテストは奏やセレナ、更に先覚世界の弦十郎の手によって行われ、効果は実証済みである。ただ数は試作品故に少ないため、大量のノイズ及びアルカ・ノイズが出現した場合はすぐさま二人が呼び戻される事は間違いない。
ただ、それでも構わないと二人は考えていた。そうなってでも、あの頃のような時間を過ごしたいと思っていたのだから。
そうこうしているとエルフナインが眠そうに欠伸を始め、ならばと彼女を連れてキャロルとセレナが入浴する事となり、パーティーは静かに終わりへと向かって動き出す。
使用する部屋も一番広い場所を主賓のクリスと主催者である翼とマリア、奏の四人で使う事が決まり、後は好きにしていいとなったため……
「じゃ、あたし達はここね」
「位置取りはどうする? ビッキーとヒナは隣同士にするとして……」
「あ、あの、出来れば私は一番奥にお布団を敷きたいなと」
「寺島さんはこう言ってるけど私達はどうする?」
「私は出来れば手前の方がいいかなぁ。板場さん達は?」
「じゃ、あたしは詩織の隣でいいわよ」
「私はユミの隣にするか」
「では決まりですわね」
こうして響達五人の同級生組はそのように決まり……
「アタシ達はここデスね」
「一番奥……静かに寝られそう」
「お~、久しぶりのタタミだ。今夜は布団だな。切歌、早く敷いてくれ」
「待てヴェイグ。寝る前にシャワーを浴びないといけないぞ?」
「デスデス。セレナから頼まれてるんデスからしっかり洗ってあげるデスよ」
「……今日はドライヤーはしないか?」
「するから。そういえばドヴァリンはドライヤーはどう? 嫌い?」
「ん? 好きではないが嫌いでもないぞ。奏が優しく乾かしてくれるからな」
ただ、普段抱き着いてくるのは少し苦手だが。そう締め括ったドヴァリンに切歌と調がヴェイグとの事を思い出して懐かしむように頷き、自分達もドヴァリンとヴェイグを抱き締めてもいいかと尋ねたのは言うまでもない。
それに対して二人のドヴェルグは許可を出したため、切歌がドヴァリンを、調がヴェイグを抱き締めてモフモフする事となり、それにやや苦い顔をしながらヴェイグとドヴァリンは何がいいのだろうと小首を捻るのだった。
そして、全員が汗を流し就寝準備を整えた頃には、エルフナインとキャロル、それにヴェイグとドヴァリンが眠りへと落ちていた。
「セレナ、貴方はまだ寝ないの?」
「せっかくのお泊りだもん。いいでしょ?」
「仕方ないわね。でも、どんなに遅くても日付けが変わったら寝るのよ?」
「え~?」
「セレナ?」
「む~……姉さんの意地悪」
イヴ姉妹のその微笑ましいやり取りを眺め、誰もが笑みを浮かべる。さてそんな風に始まった女子会ではあったが、これが誰も予想していなかった方向へ動き出す事になる。
その切っ掛けは意外にも創世の問いかけだった。
「そういえばさ、ビッキーとヒナはその後好きな人とどうなの? デートとかした?」
それは、もう仁志が二人の想い人と知っているからこそのちょっとしたからかいだったのかもしれない。だが、ここにいる女性達の半数以上がその彼と肉体関係を持っているとは、さすがの創世も気付くはずがない。
「そうねぇ。そもそもまだ会ってるの? というか、切歌ちゃん達は響と未来が好きな人いるって知ってる?」
弓美が口にした質問に詩織だけが息を呑む。彼女は知っているからだ。響と未来だけでなく、調と切歌さえも仁志と男女の関係であると。
けれど、そんな彼女さえもまさかこの場にいる装者全員がそうだとは夢にも思わない。
(只野さんは立花さん達の事を真剣に考えていると言っていました。おそらく今も時々会いに行ってるはずですわ。なら、この話題は避けるべきですわね)
そうして意を決して話題を何とか変えようと詩織が小さく頷く。しかし、悲しいかな。その決意は必要なかったのだ。何故なら……
「知ってるし、今もちゃんと会いに行ってるよ。ね、未来」
「うん。デートだってしたから。それも、あの人の家で制服デート」
あっさりと響と未来が肯定してしまったからだ。しかも話が盛り上がりそうな内容までオマケで付けて。
「好きな男の家で制服デートぉ!?」
「うわぁ、何だか学生時代しか出来ない感じの事やってるね。てか、あれ? 二人で?」
「そう。実は、今私と未来はその人へそれぞれにアピール中なんだ」
「その一環で、かな」
「「成程……」」
納得する弓美と創世だが、詩織はそれが意味する事を正しく認識して顔を僅かに赤くする。
何故なら彼女は知っているからだ。今の二人はギアでさえ男女の交わりに利用してしまう事を。そこから考えれば制服などむしろそういう事に使わぬはずがない。
(き、きっとお二人は学院制服で只野さんを誘惑したに違いありませんわ……っ!)
脳裏に浮かぶ淫らな想像を振り払うように小さく頭を左右に振る詩織。そんな彼女を見て未来と響は苦笑する。
(あれ、絶対エッチな事考えてるね)
(あ~、寺島さんは私と未来の事知ってるからなぁ……)
見事に詩織の脳内を当てる二人の耳にこんな声が聞こえてきたのはその時だった。
「あ、あのっ、もし良かったら姉さん達のそういう話を聞かせて欲しいな」
「そういう話って……」
「デートなどの……と言う事だろうか?」
「はい。わ、私はそういう事あまり詳しくないし、知る事も難しいから……」
仁志と関係を持った女性の中でセレナはもっとも遅れを取っていた。というのも、やはり立場や年齢もあって仁志と交わったのはまだ片手で足りる程であり、宿泊出来たのはたった二回だけだった。
それ故にセレナは未だドエロギアの存在を知らず、ただただ普通に裸で愛し合う方法しか知らなかったのだ。
(こ、ここで姉さん達がお兄ちゃんと何をしてるか、どうやって喜んでもらってるかを知って、今度お兄ちゃんとオマンコする時驚かせてあげるんだ!)
むんっと気合を入れるように両こぶしを握るセレナ。ある意味で頑張る方向を間違えているのだが、それもまた幼いからこその空回りであり愛らしさでもある部分だ。
ただし、この会話を聞いて驚きを浮かべていた者達がいる。当然だが弓美達三人だ。
(ええっ!? も、もしかしてマリアさん達って実は彼氏持ち!? だ、大スキャンダルじゃないっ!?)
(セレナちゃんの言う通りだとすると、もしかして翼さんもマリアさんも付き合ってる人がいる? ……こ、これって凄い事聞いたかも……)
(ま、まさか立花さん達以外も男性と深いお付き合いをなさってるのでしょうか? ですが、翼さんもマリアさんもそういったお話は一切流れてもきませんし、噂さえもなかったはず……)
色々と考える三人だが、揃って最後に出した結論は、やはりトップアーティストは私生活を隠すのが上手いのだろうというものだった。
さてそんな少女の申し出にマリア達は困惑するも、下手な言動は厄介事になると予想し当たり障りのない話を始めた。そう、それはかつての仁志とのデートだ。
それもゲージ上げの一環としてやった内容である。当然セレナから不満が出る――かに思われたが、それを事前に調が防いでいた。
――セレナ、大人の勉強は今は待って。弓美先輩達がいるから、ね?
――ぁ……は、はい。分かりました。
こうして弓美達の欲求を満たす話の暴露はやがて終わりを迎え、灯りが落ち、全員がそれぞれ割り当ての寝床へと就く。
それから数十分後、弓美達が寝付いたのを待っていたかのように九つの気配が静かに動き出した。それは寝ている者達を起こさぬように暗闇の中を行動し、一か所へ、リビングへと集合する。
そして九人があの時と同じ位置に座り、本当の暴露話が始まるのだった。
その様子を窺うように潜む、一つの人影に気付かないまま……。
私が経験したデートは数える程よ。まずそれを念頭に、えっと覚えておいてって事よセレナ。
しかもああいう事までしたのは……そうね……。全部話すのもどうかと思うから一つだけ話すわ。
あれは三回目のデートだった。その日私は仁志の部屋へ連絡もなく行ったの。いきなり行って驚かせようと思ってね。
「あれ? いらっしゃい」
なのに仁志ったら私の来訪に驚く事もなく、若干眠そうな顔でパジャマ姿のままそう声をかけてきたの。
年上なんだけど、そういう時の彼は本当に子供というか少年みたいで、呆れるような微笑ましいような、そんな気持ちになったわ。
で、気怠そうな仁志を見て、私は間違いなく寝起きだと確信した。で、仕方ないから洗濯や掃除をしてあげようとしたら……
「ああ、いいよ。普段頑張ってるマリアにそんな事はさせられないから。それよりも昼飯食べた? もしまだなら一緒に食べに行こう。掃除や洗濯は一人でも平気だけど、食事はどうも寂しくてね」
まだ眠気の残った顔でそう言って私を後ろから抱き締めてきたわ。だから軽く笑いながらこう言ってあげたの。
「それ、デザートは私って事?」
そうしたらそれが意外だったみたいで反応がなかった。でも、その後で私を強く抱き締めると同時に耳元へ顔を寄せてきて……
「とんでもない。マリアならデザートなんかじゃ役不足だ。メインディッシュだよ」
なんて囁いてそのままキスをしたのって、え? それだけじゃないだろって……奏、貴女、自分の番が来たら覚えてなさい。次は貴女の番に今決まったから。
話を戻すわ。えっとキスしたところまで……っ!? し、舌は入れてないわよ? というかセレナ? 貴方、もしかしてまだディープキスを……?
なっ!? だ、ダメよっ。貴方は……もう子供じゃない? 赤ちゃんを産める体になったって……あのねセレナ? 生理が始まっただけではまだ大人への階段を上り出しただけなの。
そ、そりゃあ私はもう大人の女だからそういう事を何度も経験しているけど……何で奏達まで聞きたそうな顔をするのよ。
特に奏? 貴方は自分も言われたら恥ずかしい事があるのを忘れてないでしょうね?
それで、セレナはそういう話をどうしてって、まぁ決まってるか。
えっ? 将来の参考にって……まぁ気持ちは分からないでもないけど…………はぁ~、分かったわ。
だけど、もう聞いてられないと思ったのなら手を挙げて。貴方が思っている以上に男女のあれこれは色々あるんだから。
じゃあ、続けるわよ。えっと、どこまで話したかしら……ああそうそう、キスされたところまでだったわね。
その時、実は舌は入れられてないけど胸を優しく触られていたわ。勿論服の上からよ。で、お尻には硬い物が押し付けられていたの。何かは言わないでも分かるわね? そういう事よ。
「ちょっと、本当にこのまま食事をするつもり?」
「君が望むなら」
もうその瞬間に予定は決まり。私はそっと仁志の硬くなった物を触り、向こうは向こうで私の胸を触り続けた。
無言で互いを愛撫しながらキスをしたわ。何度も何度もキスをして、気付けば私のブラジャーは外されて、仁志の手が服の下へ入り込んで胸を揉んでいた。
お返しじゃないけど私はズボンを下げて窮屈そうにしていた物を出してあげたの。その瞬間熱くて硬い男の象徴が飛び出てきた。でも、不思議なものよね。その時の私にとってそれは心弾ませるものだったの。
だって、私でここまで興奮して喜んでくれてるって証拠だったから。
そこからはただキスをして舌を絡めながら互いの体を愛撫し合ったわ。仁志は胸を揉むのを止めて乳首を弄り出してたし、私は仁志が出してくれる気持ちいい証拠をその熱く硬い物へ塗り付けるように手で扱いてあげた。
どれぐらいそうしていたかしら。気付けば私も仁志も服を脱いで抱き合っていたの。もう私も仁志も求め合いたい、繋がりたいって欲求を互いの性器へ塗り付けていたわ。
「……マリア」
「ええ……」
たったそれだけ。それだけのやり取りで私達は互いの心を分かり合った。え? その後は? ふふっ、そうね。一つだけ言えるのは、結局私達はその日街へ出る事はなかったって事かしら。詳しい話は止めておきましょう。
何故って? きっと私も聞いているみんなも大変な事になるからよ。
ヒント、ね……。じゃあこれだけ。やっぱり日が出ていても風が吹くと外は寒いわね。
次、奏だから。よろしく。
マリア、最後のはヒントじゃなくて答えだよ。まぁ、それがギリギリ話せる事で、どうせそれ以外はセレナに聞かせられない事だらけなんだろ?
ま、いいけどさ。さて、あたしはいつを話そうかな? まぁ無難につい最近の事にしとくよ。
で、その日は仁志が仕事休みでさ。そうなると食後の散歩以外は動かないって知ってるから、あたしは一日中部屋にこもるのはどうかと思って、仮眠から起きたばかりの仁志を外に連れ出したんだよ。
そしたら車でどこかへって言ったから、なら運動できるところがいいって言ったんだ。そうしたらあいつ、広い、えっと緑地公園に行こうって。
そこまで車で移動して、二人で手を繋いでゆっくりと散歩したんだよ。空気も綺麗だし、何よりあたしもゆっくり緑を見るなんて最近してなかったからいい気分転換になった。
軽く一時間以上は歩いたかな? 途中で見つけた遊具とかで軽く遊んだり、ベンチで少しだけ日に当たったりして二時間近く過ごした辺りで、さて次はどうするってなってさ。とりあえず軽く何か食べようってなって車でそこから近くにあるショッピングモールへ向かったんだ。
実はそこ、あの海に行った時に寄ったとこ。あの近くだったんだよ、そこの緑地公園。まぁ正確には車を止めた場所がそっちに近い方だった、かな?
昼ご飯を簡単に済ませた後、そこで買い物でもするかって言われたんだけど、あたしはそんな気になれなくて。何て言うの? ほら、頻繁に会える訳じゃないからか、したくなってきたんだよね。
「ね、どうせならまた運動しに行こうよ。ベッドの上で、さ」
そうやって仁志に持ちかけて車で移動開始。行き先は勿論そういう場所。もう仁志もあたしが言った台詞でそういうモードになったみたいで……
「男をその気にさせたのを後悔させてやるからな?」
なんて、低い声で言われたんだ。もうそれだけで正直あたし濡れてた。
ホテルに着いたら無言で部屋を決めてすぐ移動。もう一秒でも無駄にしたくない。早く求め合いたいって二人して思ってた。
部屋に入るなりキスされて、当然ディープだよ。で、乱暴に服の下へ手が入ってきた。ブラを邪魔だって感じでずらされて、強く胸を揉みしだかれた。
呼吸するのも忘れるぐらいの長いキス。痛いとさえ思うような胸への愛撫。苦しさと辛さばかりなのに、あたしは嬉しくて濡れてた。
あたしさ、実はマゾなんだ。うん、これはもう疑いようのない事なんだけど、ドが付く程のMなんだよ。
キスが終わって一気に新鮮な空気があたしの肺へ流れ込むのと同時に、ジーパン越しに仁志がマンコを触るいや押してきてさ。
「何だ? もうぐちょぐちょじゃないか。ジーパン越しでも分かるぞ、このドMめ」
それをわざわざ耳元で、低く囁くように言ってくんの。それでまた濡れちゃうよね。あっ、言っておくけど、仁志はエッチの時だけあたしのためにそういう感じになってくれるんだよ。
で、その言葉を言った後、仁志はあたしをベッドへと押し倒してきて、怖い顔でニヤリと笑ってこう言ったんだ。
「覚悟しろよ奏。今日はいっぱい鳴かせて、最後には泣かせてやるよ」
言うなり着てた物を全部脱いで、最後にパンツだけになった時、もう仁志のちん……え? いいじゃん、別にそれぐらい。エルがいるなら配慮するのは分かるけど、セレナは見た目は少女でも中身はもう女だよ。だからいいの。
ったく、これだからマリアは過保護だって言うのさ。切歌や調が仁志に出会わなかったらどうなってた事やら……。
ん? ああ、ごめんよセレナ。というか、顔赤いけどホントに続けていいの? あたしの結構ハードな部分もあるからね。例えば、お尻叩かれながらとか、酷い言葉を吐き付けられながらとかさ。
あ~、はいはい。何だかあたしの話は続けない方が良い感じだね。ん~……じゃ交代するか。無難そうな翼、お願い。
な、何だか妙な感じで話を振られてしまったが、私はマリアや奏程そういう事をつらつら話せる自信はないから、そこは分かっていてくれ。
さて、では私は……そうだな。こちらが残暑厳しい頃の話をしようか。
その日、私は仁志さんが帰宅する前に出迎えようと家へ伺った。前もって買い物をし、簡単ではあるが手料理を食べてもらいたくてな。ん? 何だマリアその顔は……っ!?
馬鹿にするなっ。私とてもうご飯ぐらい炊けるし、味噌汁だって作れるようになった……っ! 事実、仁志さんは非常に喜んでくれたし、私も美味しいと思ったのだ。
……話を続けるぞ? 私が作った“美味しい”朝食を食べ終わった仁志さんは後片付けをしてくれた。
勿論私はいいと言ったのだが、出迎えてくれた事と食事の礼だと言われてしまえば引き下がるしかない。だがせめてと洗い終わった物を拭いて戻す事にしたんだが、その時に仁志さんが……
「それで翼? これからどうするんだ? 俺は日課の散歩してから汗流して寝るつもりだけど」
「だったら、一緒に行きたいな。ダメ?」
「いいよ。むしろ嬉しいぐらいだ。ん~……じゃ、先に玄関で待っててくれ。用意をしたらすぐ行くよ」
少しだけ私の格好を見てから仁志さんはそう告げた。おそらく帰ってきた後の事を考えたのだろうと、そんな事を思いながら私は一足早く玄関で仁志さんを待った。
程なくして外出準備を終えた仁志さんが現れた。ただ、しっかりと厚着をしていたのにその手にはウインドブレーカーがあったので、若干妙だなとは思ったがな。
「お待たせ」
「ふふっ、待ってないよこれぐらい」
そう言ってドアを開けると冷たい風が私を襲い、思わず身を縮めてしまった。私は冬場には適さない格好だったためだ。だがすぐにその寒さが和らいだので、顔を動かせば仁志さんが笑みを浮かべていた。
「これ、使ってくれ。翼は女性だからあまり体を冷やすのは良くないしさ」
そう言って仁志さんが指さしたのは私の肩にかけられていた上着だった。そう、先程見たウインドブレーカーだ。てっきり仁志さんが自分用に用意したのだろうと思っていた私は、その気遣いと優しさに感じ入ってしまった。あの時の思案は、私の格好を見てその事を読んでいたからだと理解したからだ。
感謝を述べて袖を通し、私は仁志さんに腕を組んでもいいかと尋ねた。当然のように構わないよと返して、仁志さんはそっと腕を差し出してくれたのだ。
「なら、翼、行こうか」
「はい、旦那様」
若干芝居がかった言い方を互いにして、私達は腕を組んで歩き出した。まだ朝早い事もあり、静かで穏やかな雰囲気だった。
その道中、私は仁志さんと何も話さなかった。何も話題がないのではなく、そうしているのが心地良かったんだ。何も言葉を発さずとも温かさを感じるというのが……その体温と静寂が心地良かった。
時折吹く風は冷たかったが、それを感じさせない温もりが常に傍にあったからだと思う。その温もりに甘えながら、私は笑みを浮かべ続けて歩く事が出来た。
「俺、翼と夫婦になれる自信が出てきたよ」
「え?」
不意にそんな事を仁志さんが呟いたのは私達が散歩を終えて家の前に戻ってきた時だった。
どういう意味だろうと思って見つめていると、仁志さんはドアを開けて私を先に入れるように体を動かしてこちらを見た。
「散歩の間、何も会話がなかったけど、それが息苦しくなかった。それが最後まで続いたからそう思ったんだ。ああ、俺、この人となら沈黙も苦痛じゃないなって」
そう言われた時の気持ちを思い出すと今でも胸が熱くなる。一種のプロポーズにも等しい言葉だったからな。
え? その時何も言わなかったのかって? 当然今のはそういう意味って聞いたよ。でも何て答えてくれたかは言わないから。あれは私だけの宝物なんだからね。
……こほん。このままでは終われないのは分かっている。そうして戻った後だ。仁志さんは入浴すると言って着替えを手に移動したので、私はならと床の支度をするべく二階へ向かった。
そうやって床の支度を終えた時、ふと悪戯心とでも言えばいいんだろうか。ちょっとした企みを思い付いたのだ。私用の布団を仁志さん用の布団として敷いて気付くだろうかとな。
そうやってしばらく寝室で待つ事十数分後、湯上りの仁志さんが現れて私を見てから布団を見るなり……
「何で翼の布団?」
と、一目見ただけで気付いてしまったのだ。そこで私がちょっとした悪戯だと告げようとしたら……
「丁度いいか。翼、一緒に寝よう。その、エッチな事は抜きで」
そう言って照れくさそうな微笑みを……何? えっ? いつセックスするのかって……それはまだ先で……ならそこから話せって……奏、何でちょっと怒ってるの? マリアもだ。何故そんなに…………私が話しているのがただの惚気だから? 段々羨ましくて腹が立ってきた? なっ!? 雪音もなのかっ?!
わ、分かった。なら、その、仁志さんとの睦み事を話そう。とはいえ、あれは不意打ちだったのだ。
仁志さんと一緒に仮眠を取った後、私はくすぐったいような感覚で目を覚ました。
「あっ、起きた?」
目を開けると仁志さんの顔が見え、そこで私はゆっくりと自分の状況に気付いた。そう、上着が捲り上げられ、ブラジャーも同様になっていたのだ。
私の胸は仁志さんの両手ですっぽりと包まれるようになっていて、やわやわと優しく、壊れ物を扱うように愛撫を受けていた。その刺激で私は目覚めたらしいと、そう理解するのと仁志さんが裸だと気付いたのは同時だった。
「ひ、仁志さん?」
「いや、悪いとは思ったんだけどさ。寝てる翼があまりにも愛らしくて魅力的で、つい……な」
言いながらも押し付けられた仁志さんの摩羅は雄々しく反り返り、今に……ああ、摩羅とはその、男性器の事だ。セレナに分かるように言うのなら、お、オチンチン、だろうか……。
っ! い、いいじゃない。こ、こういう言い方の方が何となく恥ずかしいのっ。もうっ、今後人が話してる時にちゃちゃを入れるの禁止だから。いいね奏。みなもいいな? 続けるぞ。
仁志さんの摩羅は涎のように我慢汁を流し、あの方はそれを私へ分からせるように握らせたのだ。けれど言葉はない。それでも私にはそれが、扱いてくれ、という意味だと感じた。
その瞬間寝起きの頭が一瞬にして醒めた。妻として、夫の希望を叶えねばと、そう思った時には体が動いていた。
「あぁ……翼、嬉しいよ」
摩羅を扱き出した瞬間、仁志さんがそう言って、そっと顔にかかった私の髪を邪魔にならないように動かしてキスしてくれた。
しばらくそうした後、私は布団の中へともぐるようにして体勢を変えて、シックスナインと呼ばれる状態になった。
仁志さんが言うには、横からみた形が数字の6と9に見えるからだそうだ。男女が互いの性器を口や舌で愛撫し易いようになる体位だな。
口の中に広がる仁志さんの味は独特だ。本来ならば決してそうは思えないはずなのに、私は嬉しいと感じてしまうのだから。
ヌルヌルとしてやや塩味もあるそれを味わいながら、私は体がオマンコをする準備を始めた事に気付いた。それに当然仁志さんも気付いたのだろう。ニヤニヤと笑みを浮かべるや私へ向かってこう言ったのだ。
「翼、もしかしてフェラしただけでチンポ欲しくなった?」
もう、隠し事は出来ないと痛感した。おそらく私が尺八に夢中……ああ、尺八とはフェラチオ、つまり摩羅を口に含んで愛撫する事だ。それに熱中していたから仁志さんは気付いたのだろう。
だから私はもう隠す事もせず、想いを伝えるべく下品に大きく音を立ててチンポをしゃぶった後、仁志さんへ濡れに濡れたオマンコを……今度は何だ? もう話を途中で…………っ!? ち、チンポと言っていた? そ、それは本当か立花?
……ま、まぁもう私の話はここまででいいだろう。この後はそれぞれの想像に任せる。次は立花、頼む。
任せられたら話すしかないですね! え? っ! ご、ごめん。ついいつものノリで……。声、抑えて話すね。だから怖い顔しないでよクリスちゃ~ん……。
えっ? 許してやるからさっさと話せ? 良かったぁ。えっと、じゃあ気を取り直して……。
私は仁志さんと一人で会う事少ないんだ。その、未来と一緒に行く事多くてさ。でもまったくない訳じゃないんだ。その数少ない内の一つを話すね。
その日、私は学院終わりで仁志さんの家へ行ったんだ。えっと、未来が自主訓練をするって言って一人で本部へ行った日。
それで、翼さんじゃないけど私も簡単なお夕飯を作ってあげたいなぁって思って買い物をしてから行ったんだ。まだ夕方前だし仁志さん寝てるかな?って思いながらリビングへ行くと、予想通り仁志さんはそこにいなくて、ならご飯の支度をある程度始めようと思ってキッチンへ行ったんだ。
けど、そこで私、裸の仁志さんとばったり会っちゃって……
「っ!? ごめんっ!」
「い、いえ……」
お風呂入ってたみたいで、何か飲もうと思ってタオルで頭を拭きながらキッチンへ出たんだよ。自分しかいないから気が抜けてたんだって。
仁志さんは慌てて洗面所へ戻ったけど、私はそれを見てついていく事にした。えっと、や、やっぱり恋人みたいな事したいなぁって。
それで、仁志さんが洗面所に入ってパジャマのズボンを履いたの見て抱き着いたの。そんな事、お父さんにだって出来ないからね。
「響? どうした?」
「あはは……こ、恋人っぽい事したいなぁ~って思いまして」
「恋人っぽい……のか?」
「…………ぽいはずです」
「ははっ、何だよそれ」
「いいじゃないですかぁ。それに、制服のままでご飯作りに来てあげたんですよ?」
「えっ? 飯?」
「はい! だから大人しく待っててくださいね?」
嬉しそうな顔をした仁志さんにそう言って、私は上機嫌でキッチンへと戻るとまずはお米を研ぐ事から始めようとしたんだけど、お米がどこにあるのか分からなかったんだ。それまでは未来や調ちゃんがいてやってたもんだから。
そうしたら仁志さんが苦笑しながら場所を教えてくれて、ついでに今のお米は無洗米って言って研ぐ必要のない物だからそのまま分量に合った水を入れればいいんだよって言ってくれたんだ。
お米はあっさり終わったから、次は買ってきた物を使って夕飯作りを始めた。メニューは仁志さんが大好きな豚の生姜焼きにトマトサラダ、それと玉子のおすましって……何?
そこはもう流していいから早くエッチの話を? え~っ? でもマリアさんも奏さんも、翼さんだってイチャイチャしてたところ話してたのにぃ。
……分かったよ、もうっ。えっと、夕飯作りの間、仁志さんは私のお尻を撫でたりおっぱいを揉んだりして邪魔してきたんだけど、それが私には恋人みたいで嬉しかった。
どうしてそうしたのかも、制服のままエプロンをしたから興奮したんだってご飯の時に教えてくれたしね。何だか“はいとくかん”があったんだって。
ご飯を食べ終わって洗い物をして、これからどうしますかって仁志さんに聞いたら、食後の運動をしないとって言いながら私の事を抱き締めてきたんだ。もうそれだけで分かった。これ、エッチするって事だって。
エプロンを着たままで私はソファに座らされた。そのすぐ後にクイって顎を持ち上げられて優しくキスされたんだぁ。舌は入れないキスだったけど、何度もそうされた私は嬉しくなって、仁志さんに体を預けちゃった。
だって、キスする度に「可愛いよ」とかぁ「大好きだぞ」とか言ってくれるんだもん。
一番凄かったのは、両手を恋人繋ぎしながら、ズボン越しにおっきくなったオチンポをオマンコに押し付けてキスされた時かな?
その、ね。初めてだったんだ。キスでイっちゃったの……。
だからか、その後しばらくボ~っとしちゃって、気付いた時には仁志さんの手に私の履いてた下着があってビックリするのと同時にすっごく恥ずかしかった。だって、だって、その、濡れて一部色が変わってたから……っ♡
「響、ダメじゃないか。運動させてくれるんだろ?」
ニヤ~って笑いながら私の下着を見せてくる仁志さんは、もうズボンどころかパンツまで脱いでて、おっきくなったオチンポがまるで舌なめずりするみたいに我慢汁をダラダラ流してたんだ。
でもね、私も同じだった。オマンコが早く繋がりたくてエッチなおつゆを流してたから。だから両手でオマンコを広げて仁志さんへこう言ったんだ……。
「すみません。お詫びにいっ……ぱぁ~い負荷かけますねっ♡」
あ、あれ? どうしたのセレナちゃん、顔真っ赤だけど……ふんふん、負荷をかけるってどういう意味、かぁ。
えっと、それはオマンコでオチンポをキツク締め付ける事だよ。下半身に上手く力を入れるとオマンコの締め付けを変えられて……え? あ、はい……。ご、ごめんねセレナちゃん。交代だって。じゃあ未来、お願い。
それじゃあ私はイチャイチャ少な目で話すね。さっき響も言ってたけど、私や響は一人で只野さんに会いに行く機会が少ないの。でも、その代わり一人で行くと只野さんがすっごく可愛がってくれて。
その日は響が補習で……うん、そうなの。ただあの終盤の私やクリスと一緒にやった事が役立ってるから卒業は出来そう。あっ、ごめんね。
えっと、私は放課後一人で只野さんのところへ行ったんだ。響はどうだったか知らないけど、私の時は勤務があるみたいで、会った時にすぐその事を言われて……
「ごめんな未来。今夜勤務なんだ。だからデートとか難しいんだよ」
「いいんですよそんなの。私がここに来たのは、その、只野さんの顔が見たかったからなんですよ?」
「……そっか。嬉しいよ未来。ありがとう」
只野さんは静かにそう言って私を抱き締めてくれた。そうやって五分ぐらい過ごしてたかな? そのあったかい時間が終わったのは、只野さんから変な音が聞こえてきたから。
それがお腹の鳴った音だって分かって、どちらともなく笑っちゃったの。それで抱き合う時間は終わって、晩ご飯はどうするんですかって只野さんに聞いたら、即席麺で済ませようと思ってたなんて言うんだよ?
だからそれじゃ栄養が足りなさ過ぎますって言って冷蔵庫の中を見たんだけど、見事に何もなくてため息が出ちゃうぐらいだった。
「只野さん? もしかして普段一人の時の食事って……」
「…………手抜きです」
「マリアさんや調ちゃんは知ってるんですか?」
「……知りません」
「買い物行ってくるのですみませんけどご飯だけお願いします」
「はい! それと財布と買い物袋をお渡しします! 申し訳ないですがよろしくお願いしますっ!」
そんな感じで只野さんの上着を借りて買い物へ行って、一緒にお料理をして、食べて、後片付けをしたら……
「未来、散歩に行くんだけど……」
一緒に来ない?って誘いだと思った。でもちょっと違ったんだ。只野さんは私にえっと……バイブって言ってオチンチンの形をした道具があるんだけど、それをオマンコに入れたまま散歩に付き合ってくれって言われたの。
……う、受けたよ? だって、只野さんがバレないって言うから。その、普通の下着よりも丈夫な水着ギアを展開して、落ちないように気を付けて、ね。
そうやって外に出るとドキドキした。見た目は普通の格好なのに、私はこっそりバイブをオマンコに入れたままなんだって思って。
動く度にバイブがオマンコの中を刺激してきて、そんな事してる事にずっと心臓がうるさいぐらい動いて、どんどんエッチな気分になっていくのが分かった。だから歩き出して五分としない内に、私の頭の中はエッチしたいって事で一杯になったの。
「た、只野さん……」
「何?」
「その……もう無理です」
只野さんはダメだと思ったらすぐに教えてってそう言ってたから、私は素直に無理だって言ったの。そうしたら……
「未来、まだ全然歩いてないんだけど……」
「で、でも……」
「せめてもう少しダメか? 車を止めてる駐車場までは行きたいんだ。そこでなら、さ」
「……そ、そこまでどれくらいかかります?」
「十分はかからないよ」
それぐらいならって、そう思って私は頷いた。でもどこかで私は気付いてた。只野さんは私をいじめたいんだろうなって。だって、散歩中ずっと只野さんはオチンポを大きくしてたから。
パッと見ただけじゃ気付かれないだろうけど、私は気付いてたんだ。ジーンズだからだと思うけど、少しだけその辺りが膨らんでいたの。
思い返すと、あの時の私はずっとそこばかり見てた気がする。只野さんの腕に掴まるようにしながら、何とか歩いて歩いて、やっと駐車場に着いた時、心の底からホッとしたのを覚えてる。
「ちょっと車の中で休んでいこう」
けど、違った。むしろそこからが始まりだった。車のロックを解除して、只野さんが後部座席へ入ってくのを見ながら私はぼんやりとこれからの事を想像した。
ああ、きっと私、ここでエッチな事してもらえるんだって。うん、そうなの。されるじゃなくて、してもらえるだったんだよ。
私のオマンコはもうオチンポ欲しくて仕方なかったし、何よりずっと入れてるバイブは只野さんのそれよりも小さくて物足りなかったし。
「未来、おいで。ドアはちゃんと閉めてくるんだよ?」
「……はい♡」
呼ばれて私も車の中へ入った。一番後ろの長い座席が倒されてて、それだけで余計オマンコが濡れたのが分かった。
ゆっくりと私は只野さんの近くへと向かった。その度にバイブがオマンコの中で動いて快感を与えてきた。けど、物足りない。全然足りない。あったかくない。そう思って私は只野さんに抱き着いてお願いしたの。
「只野さん、こんな偽物じゃなくて本物のオチンポ、入れてください」
そう言ったら只野さんがバイブを笑いながら引き抜いたんだ。それには私のエッチなおつゆがいっぱいついてて、それが夜の闇の中で鈍く光った気がした。
「未来、声はある程度遮蔽出来るけど、ガタガタ揺れるのは誤魔化せないからそこの道を通った人はこの中で何をしてるか分かるからな?」
それは、これからするのは車の中で激しくエッチしてますって他の人へ叫ぶようなものだって……セレナちゃん、大丈夫? それに切歌ちゃんやクリスも顔真っ赤だけど……?
あっ、そうですね。そろそろ交代します。なら……クリス、頼める?
あ、あたしは知ってると思うけど留学してるからな……。だから、他の連中程仁志と過ごせてないんだよ。ま、まぁ、その分夏季休暇の時や今は頻繁に会ってるけどさ。だから寂しくなんてないんだよ。
えっと、その……だぁぁぁっ、セレナっ、んな目で見るんじゃねぇ。そうだよ、寂しいっての。でも仕方ないだろ。あたしだってこんな事になるなら留学なんざ考えなかったんだからな。
とりあえず話すぞ。つっても、あたしのはそんな長くねぇ。仁志んとこで泊まった翌朝の話だ。車でコインランドリーへ行く事になってな。
……多分あたしとそういう事したからだろうな。それで布団を洗いたくなったんだろうよ。
で、だ。車で大きなコインランドリーまで行って布団を大型洗濯機にぶち込んで、そこからデートっていうか少し遅めの朝飯を食べようってなった。
併設されたコンビニへ行って、簡単にサンドイッチやおにぎりに飲み物を買って、布団を洗って乾かすまでの間食事しながら談笑した。
話題は、まぁこの後の事だった。どうするのかから始まって、どこへ行くのか、何をするのか。とりとめもない事をとにかく話した。今までしたくても出来なかったからだろうな。あたしも仁志も会話を止めたくなかったんだ。
途中で布団を乾燥機へ入れ替えてまた喋る。それだけだ。キスしたとか抱き合ったとか、そういうのじゃねぇ。向かい合って、笑い合って、言葉を交わす。ただそれだけの時間がその日のあたしのデートだった。
布団が乾いたのを合図にあたしらはそこを出て車へ戻る。次の行き先はアピタって名前の、まぁ大型スーパーみたいなもんだ。そこで晩飯の買い物がてら昼飯を買おうってなったんだよ。
当然あたしは初めて行くとこだ。どんなとこだって話をしてたら不意に仁志がこう言ったんだ。
「実家が今のとこに引っ越す前は車で五分ぐらいだったんだよ、そこ」
「じゃあ、その辺りが仁志が育った場所?」
「う~ん……厳密に言えば違う。そこは俺の通ってた学区じゃないしさ」
こんな感じで少しだけ仁志の昔話が聞けた。何でも仁志が生まれた場所は違う市らしくて、四歳辺りで学校とかの事を考えて引っ越したのがそのスーパーから車で五分ぐらいの場所だったんだと。
……この辺りの話はまた今度だ。長くなる。
で、そのアピタで買い物を済ませて仁志の家に戻った後、二人で昼飯を食べた辺りでそういう雰囲気になってきたんだ。勿論切っ掛けは仁志の奴だ。
「クリスって和装ギアがあったよな?」
「和装……ああ、あれか。あるけどそれがどうした?」
「そのぉ、言い難いんだけど……」
まっ、その切り出し方でピーンときた。ああ、こりゃその格好でスケベしてーんだろうなって。案の定あたしが問い詰めると仁志の奴は和装ギアのあたしとスケベしたいって言い出した。
ただ、後輩二人は知ってるだろうが、あれってギアだから割としっかりしてんだろ? だから着てスケベするってなっても結局解除しないといけなくなると思ったんだよ。
でも、その事を仁志に言うとさ。
「大丈夫だよ。クリス、ドエロギアを展開した時の思考で和装ギアを展開してくれないか?」
な? 無茶苦茶だろ? あたし……どうしたんだ? ……ああ、ドエロギアが分からないって事か。簡単に言うと、スケベするのに最適なギアだ。ある意味悪魔のギアだな。
どうしてかは……あたし以外に聞け。そうだな……まぁ姉に聞くのがいいだろ。あるいは後輩二人に聞け。お前以外は全員なった事があるらしいからな。
で、その、仁志に懇願されて仕方なく、仕方なくギアを展開してみたんだよ。
あ? どうなったか? …………出来たよ。じゃなかったら話が進まねーだろ。んな事は聞かないでも分かれってんだ。だからお前はバカなんだよ。
ん? どうやったかって……そ、それはだな? えっと……ひ、仁志に胸とかを刺激してもらいながら聖詠を唱えたんだよ。
……展開したギア自体はあの格好のままっちゃままだ。ただ、その……す、透けてんだよ……。何がって、ぎ、ギアが透けてて、しかも何でかインナーがなくなったんだよ、あれでエロスドライブすると。一種の和服だからじゃないかって仁志は言ってたけどな。
っと、ちなみにエロスドライブってのは仁志が付けた名称だ。各ギアにドエロギアを掛け合わせた状態だとよ。ほんっとにそういう事をよくもまぁポンポン思いつくもんだぜ。
って、おい。何だよその目は? ……あたしも人の事言えないってどういう意味だっ。あたしのネーミングセンスは仁志程じゃねーぞ。
……ったく、気を取り直して話、続けるぞ。あたしが展開したギアを見た仁志は無言で興奮してんのが分かった。セレナももしかするとその内分かるかもしれねぇけどな、あのドエロギアってのを展開すると仁志がスケベな気持ちになってるのが手に取るように分かるんだよ。
それと、ち、チンポの匂いや味とかが普段以上にハッキリ、しかも良い匂いや良い味に感じるようになるんだ。
「ど、どう、だ?」
「……クリス、厚かましいのは承知でもう一つ頼んでもいい?」
「いいぜ」
即答した。だってさ、今まで仁志があたしにワガママ言うなんて滅多になかったから。だから嬉しかったんだよ。
「俺がもういいって言うまで、クリスは姫武将で、俺の事は好きなんだけど、この格好でスケベはダメだって抵抗して欲しい」
どうだよ。今のあたしなら正直、おいっ……って言ってる内容だけどな。……まぁ後輩コンビは分かるし、そっちもだろうなとは思う。でも、せめて先輩達は嫌がるなり引くなりしてくれよ……。
なんだよ、全員して仁志らしいって受け入れるとか。んな事言ってると和装ギアがない奴らもあの依り代が使えるようにしちまうぞ?
まあいいや。それであたしは引き受けた。そしたらその瞬間、仁志にキスされた。それも舌を入れてくるやつだ。
しかもあたしの口ん中を電撃作戦で制圧しながら両手で胸や尻を蹂躙してきやがった。いつもなら反撃の一つや二つ出来るんだが、ギアのせいで幸せになっちまって体に力は入らないわ、頭は上手く動かないわで大変だった。
「クリス、俺、やっぱり我慢出来ないよ……」
「だ、だからって、この格好で子作りはダメだって言ってんだろっ。ひゃんっ♡ 真面目な顔しながら尻揉むなぁ♡」
本当は尻だけじゃなくて胸もぐにぐにされたんだけどな。ただ、ここであたしはミスをやっちまった。尻を揉むな、なんて言ったもんだから仁志の奴がそれを余計厄介な方向へ活かしたんだよ。
尻から手が離れたのを感じた次の瞬間、離れたはずの手はよりにもよってあたしの股を、オマンコを触った。一瞬でとんでもない快感があたしの体を駆け抜けて、それだけでイっちまったんだ……っ♡
もう、そこからは言わないでも分かるだろ? あたしはダメだって言いながら、イヤだって言いながら、顔では緩んだ笑みを浮かべてオマンコを濡らし、乳首やクリトリスを勃起させてチンポを誘う淫乱娘にされたんだ。
「ああ、何ていやらしいんだクリス。ほら、袴がスケベ汁で変色してるぞ」
「こ、これはぁ♡ 仁志がオマンコグチョグチョにするから仕方ないんだってばぁ♡」
「じゃあ、どうして君の手は俺の行動を止めるんじゃなく、ずっとチンポを触ってるんだよ?」
「そ、それはぁ……こいつだけは好きにしちゃいけないから……っ♡」
「じゃあ、どうして君の手は俺のチンポを扱いてるんだよ?」
「しゃ、射精させれば小さくなるだろ? それを狙ってるんだよぉ♡ だから早く出せって♡ 熱くて濃いチンポミルクをあたしの戦装束にぶっかけろ♡ それぐらいは、つ、妻だから受け止めてやるからさ♡」
そう言ってる間にも、あたしの手の中で大きくて硬くて逞しいチンポは美味そうな我慢汁をダラダラと流して、射精するぞ射精するぞってこっちへ教えてくるみてぇだった。
ホントはしゃぶりたくて仕方なかったけど、それをやると乳首やオマンコの気持ちいいのが止まるからさ。だから必死に我慢して手コキを続けたんだ。
「くっ……く、クリスのスベスベで白い綺麗な手がチンポを触ってる……っ!」
「ほらほら意地張らずに精液漏らせって♡ その、子作りは着替えたらさせてやるからさ♡」
「くそっ、諦められるかっ!」
そう言って仁志はあたしの乳首を触ってた手までオマンコへ動かしたんだ。そしてそのまま両手を使ってクリトリスとGスポットを同時に攻め立てやがったんだ……っ♡
「~~~~~っ♡♡♡」
当然あたしは何も言葉を発する事も出来ず、ただその場でガクガク震えながらイった。目の前が真っ白になって、頭ん中で何かがチカチカ光ったような気がしたんだ。
グラリと体が前へ倒れる。けど、あたしは咄嗟に仁志のチンポを口に咥えて吸った。我慢汁の濃い味がしてまた頭ん中がチカチカ光る。でも止めない、止められるわけがない。
「クリスっ! もうっ、出すぞ……っ!」
そんな声が聞こえた次の瞬間、あたしの口の中でチンポがビクンと跳ねたかと思うとあったけぇ物が流れてきた。臭くて不味いはずなのに、その時のあたしにはとても好きな匂いで美味い物が。
新鮮で濃厚なチンポミルクをあたしは味わうようにゆっくりゆっくり飲んでいった。飲むだけで軽くイクのが分かるぐらい、とっても美味くて、とってもあったけぇんだ。
「はぁ……っはぁ……クリス、股を開くんだ。俺達の子を作ろう」
ぎらついた目でそう言われて、あたしは素直に従った。もう、そん時のあたしには仁志とスケベする事しか頭になかったんだ。
……な、何だかセレナだけじゃなくて後輩達まで様子がおかしいじゃねーか。大丈夫か?
じゃあ……あたしはここまでにしとくか。うし、次は……好きな方が話せ。
さ、さすがに最後は気が重いので先にアタシがさせてもらうデスよ。うんと、そうデスねぇ……ししょーとエッチした事を話せばいいデスよね? そうなるとぉ、やっぱり一番印象に残ってるのはアレデスかね。
その日、アタシは調と別行動をしてました。それぞれ別々の友達から遊びの誘いを受けてまして、ついでにお泊りする事にもなってたデス。
だけど、あたしは色々あってお昼過ぎには予定がなくなっちゃったんデスよ。寮へ帰っても調は帰ってこないデスし、響さん達は五人でおでかけしてるって知ってたデスからとほーにくれました。
ご飯って、一人分だと作るのが実は面倒だって知ってたからデス。かと言ってお惣菜やお弁当も一人じゃさびしーデスし。
そこでししょーのところへ行く事にしたんデス。到着するとししょーは二階でぐーすか寝てました。なのでアタシも一緒にお昼寝しようと思って、ししょーのお布団に入って目を閉じたんデス。
あっ、そうでした。寝る前にししょーへ抱き着いたんでした。え? 別にどっちでもいいって……酷いデスよクリス先輩。だって、ナントそうしたらししょーがアタシを抱き締めてくれたんデス。
そのあったかさを嬉しく思いながら気付いたら寝てました。で、目が覚めて顔を上げたら……
「おはよう。それといらっしゃい」
「ししょー……おはようデス」
アタシを見つめて優しく笑うししょーがいたんデス。もうそれだけで心が弾んで嬉しくなっちゃったデスよぉ。もうお外は真っ暗で、時計を見たらもう六時を過ぎてました。
そこで完全に目が覚めたら、ししょーがお仕事がお休みだって教えてくれて、何でアタシが一緒にお昼寝してたのかを聞いてきました。そこでじじょーを話すとししょーは納得してくれたみたいで、そういう事ならってお泊りを許可してくれました。
ししょーはいつもなら買い物とかしてから寝るそうデスけど、お休みだったからそれもしないで寝ちゃったらしいデス。
だから晩ご飯は何もないって言われてどうするってなりました。アタシが作ってあげようかなって一瞬思ったんデスが、そう言うよりも早くししょーが……
「うし、どっか食べに行こう」
「食べに行く、デス?」
「そう。今は車があるからな。平日の、しかも金曜でもないからそこまで店も混んでないだろうし……何か食べたい物あるか?」
「ししょ~っ! 大好きデ~スっ!」
えへへ、思い出すだけで顔がにやけちゃうデスよ。へ? どうしてかって……しゃぶしゃぶ食べ放題に行ったからデスよぉ。しかもしかもっ、何とお寿司まで食べ放題だったんデスよっ!
ししょーはずっと嬉しそうに食べるアタシを見てニコニコしてました。ああいう時のししょーは、お兄さんじゃなくてお父さんって感じデスね。ん? デスデス。やっぱりセレナも調もそういう時のししょーを知ってますか。
アタシ、普段のししょーも大好きデスけど、ああいう時のししょーも大好きなんデス。あったかくて、おっきくて、優しいけど怖い時もある、そんなししょーが大好きデス。
美味しいご飯を食べて帰ってきた後は、アタシがお風呂の支度を引き受けました。ご飯代は当たり前デスがししょーが出してくれたので、その代わりにアタシは肉体労働でお返しするしかなかったからデス。
で、お風呂の支度をしてリビングへ戻るとししょーがソファでグッタリしてて……
「どうしたデスか?」
「ん~……男の悩み事疲れ」
なんて、そんな事をって……マリア? 奏さんに翼さんもどーしたデス? え? どういう内容だったかって……それがししょーも教えてくれなかったんデスよ。これは自分でちゃんと考えて答えを見つけないといけないって。
えっと、何でも簡単な問題じゃないから、悩んで悩んで悩み続けて、いつか自分が納得出来る答えを出してみせるって言ってました。
……え、えっと、話を続けるデスよ? お風呂に入れるようになるまでアタシとししょーはソファに座ったままおしゃべりしました。
思い返すとほとんどアタシが話してたデスね。ししょーが学院の話や友達の話、勿論調達との話も聞きたがったデスから。
任務? そーゆーのはまったく聞いてこなかったデスね。訓練内容とかもデス。考えてみるとししょーが一番好きそうな話デスのに変な感じデス。
その内お風呂が入れるようになって、ししょーと二人で入る事になりました。勿論アタシから誘ったんデスよ。少しでもししょーと一緒にいたくて、ワガママ言っちゃいました。
まずししょーが先に入って体とかを簡単に洗いました。アタシもちゃっちゃと洗ってししょーの隣でお湯に浸かった辺りで、ある事を思いだしたんデスよ。
「ししょー」
「ん?」
「えっと、お兄ちゃんって呼んでもいいデスか?」
そう、ししょーをお兄ちゃんって扱う事デス。というのも、ししょーと初めてオマンコした時に最後調も一緒にお風呂に入ったじゃないデスか。あそこでししょーが言ってた事を思い出したんデス。
「……切歌、そう呼ぶとどうなるか分かってる?」
そう聞いてくるししょーの目はオマンコする時の目デス。ちょっと怖くて、だけどドキドキする男の人の目デス。アタシの赤ちゃんのお部屋がキュンってなっちゃう、アレでした。
「教えて欲しいデス、お兄ちゃん」
……そうデスよセレナ。セレナは無意識にししょーのこーふんする事をしてたんデス。でもきっとししょーにとっては今までのセレナは本当に妹みたいに思ってたデスから、エッチな気持ちにはなってないはずデスよ。
今は分からないデスけどね。
アタシが教えてって言ったからししょーはまずキスしてくれました。何度も、何度も、アタシにキスしながらおっきくなったオチンポをお腹へ擦り付けて。
それだけでアタシは分かりました。体が勝手にオマンコしようと準備を始めちゃったのが、デス。
早くオチンポ欲しいってスケベ汁が出てきて、おっぱいの先っぽは早くさわって欲しくてビンビンになって、何よりアタシ自身がししょーともっとくっつきたいって思って体を押し付けてましたから。
そ、それにデスね? ししょーもいけないんデスよ。あの頃よりも今のししょー、逞しくて、頼もしくて、あんなのもっと好きになっちゃうに決まってるじゃないデスかっ。
アタシは出会って少しした頃から、ししょーの事は大人だって思ってました。でも、ししょーは自分はガキだってそう言ってて、大人なんかじゃないって。
だからこそ、今でもししょーは大人に近付けるように頑張ってるんデス。その頑張りの理由の一つにアタシがいるって、そう分かってるからキュンキュンしちゃうんデスよ。
そういう事をキスが終わった時にししょーへ言ったら……
「じゃあ、いつまでもキュンキュンさせられるようにしないとだな」
……そう言って、優しく笑ったんデス。それは、ししょーの、多分大人の表情だと思うデスよ。だって、優しいけど力強く感じたデスから。
「切歌」
「何デスか?」
「ちょっと師匠って呼んでくれるか?」
「? ししょー、デスか?」
「……うん、やっぱり切歌は師匠って呼んでくれた方が嬉しいな」
「っ! ししょ~っ!」
そんなやり取りをしてアタシとししょーはお風呂を出ました。ホントはそのままオマンコしたかったデスが、ししょーはこのままだと風邪を引くまでしちゃうから我慢してって言ってくれたんデス。
二人で素早く体を拭いて、アタシはそこでししょーに言われてギアを展開しました。えっと、サンタギアデス。
けど、やっぱり早くオマンコしたいって思ってたせいか、もしくはオチンポ見ながらだったからか、クリス先輩と似たような感じでギアが本来とは違う感じになりました。
えっとデスね……モコモコは変わらなかったんデスが、背中が丸見えな感じで、あっそうデス。ししょーがバニーガールに近いって言ってました。
「凄くエッチだよ切歌。ああ、今すぐにでも押し倒したいぐらいだ」
「そ、そうデスか? えへへっ、じゃあじゃあ、これはアタシからししょーへのクリスマスプレゼントデスよ!」
「……こんなエロいサンタがプレゼントとはな。じゃあ、俺もお返しにプレゼントをあげるよ」
「何をくれるデスか?」
調、ししょーは何て言ったと思うデス? ……おしいデス。オチンポじゃありません。正解は……
「切歌が最近大好きになった、あったかいものだ。どう?」
「最高デェスっ♡ ししょーししょー、早く二階に行くデスよっ♡ プレゼント交換しないとデスっ♡」
「プレゼント交換か……。そうだな。今夜は楽しくなりそうだ」
「デスっ♡」
「よし、じゃあ……っ」
「わっ!?」
そこでししょーがアタシを両腕で抱き上げてくれたんデスよ。お姫様抱っこデス。えへへ、実はこれ、三度目だったりします。
一度目は、あのお化け屋敷でしてもらいました。二度目は海に行った時デスね。だけど、その二回よりもししょーが頼もしくて、大きく見えたデスね。
二階に上がるとお布団へ優しくししょーが下ろしてくれて、アタシはオチンポが入れやすいように両足を広げました。そうしたら、サンタギアエロスドライブはインナーギアが薄いみたいで、それだけで裂けちゃったんデスよ。
だからししょーの視線がアタシのドスケベオナホマンコにクギヅケデス。オチンポもビクビク動いてくれて、ししょーが早くスケベしたいってアタシに叫んでるみたいでした。
「ししょぉ♡ 早くっ早くっオチンポ欲しいデェス♡」
「何てエロいサンタさんだ。こんなドスケベサンタはチンポで成敗してやろう」
「ぜひお願いするデスよぉ♡」
アタシがそう言うとししょーは一気にオマンコの奥までオチンポを……何デスか調? ここからが本番デスよ?
……あ~、そうデスね。最後まで話す必要はないデスね。セレナ、分かったデスか? ししょーは可愛い格好して、スケベな事を言うといいデスよ。
じゃ、最後は調、お願いするデス。
正直もうセレナは聞かなくてもいいと思うんだけど……聞きたいんだ。えっと、セレナが知りたいのは師匠がどういう事で喜んで、どういう事で嬉しくなるか、だよね。じゃあ私が感じたそういうところを話すから。
まずは、メイドさん。私、メイドギアっていうものを展開出来るんだ。それを、エロスドライブ? その状態にする事も出来た。
大事なのはここから。メイドさんはご奉仕するのが仕事の職業。だから師匠の事をご主人様って呼んで尽くすの。
「調、頼めるかい?」
「はい、ご主人様。では失礼します」
メイドさんとして振舞う時はそういう感じで接する。ご主人様のオチンポ様を優しく……うん、そうだよ。メイドさんの時はオチンポに様を付けて。そうすると師匠が凄く喜んでくれるからね。
優しくオチンポ様をナデナデしながら舌で綺麗にするみたいに舐めていって、ある程度したらお口の中に入れてしゃぶる。頭の中が幸せになるぐらい美味しいオチンポ様の味が広がって、それだけで軽くイっちゃうぐらい凄いんだよ?
「あぁ、とってもいいよ調。そのまま続けてくれ」
頭をナデナデされながらのご奉仕は凄く幸せになるんだ。ご主人様が優しい声と笑みで接してくれるからね。しかもエロスドライブだとオチンポ様の全てがとってもいいものになるんだ。
口の中でオチンポ様が気持ち良くなるように舌を使って、時には喉も使ってあげて、とにかくご主人様が気持ち良く射精出来るように頑張ると、最後にゼリーみたいにブルブルした濃くて美味しいオチンポミルクをもらえるから。
……うん、とっても美味しいよ。エロスドライブやドエロギアを展開してる時のオチンポミルクは、本当にとっても美味しい。それだけで頭の中が真っ白になって、おもらししちゃうかもしれないぐらいの気持ち良さも生まれるからね。
次は巫女さん。巫女さんも喜んでもらえるから覚えておいて。セレナも巫女ギアはなれるから、師匠とスケベする時やってみるといいかも。
それで、大事なのは巫女さんは本当は男の人とスケベしちゃいけないって事。ここ、重要だよ。ちなみに私は師匠に言われて淫乱巫女さんって事でスケベした。
「何でこんなスケスケの巫女服着てるんだ? ん?」
「仁志さんがいけないんですよ? 私にオチンポの気持ち良さ教えたの、仁志さんだし」
「常乙女じゃないといけないのになぁ」
「そんな巫女を押し倒してオマンコ中毒にした人は天罰が下りますね」
「むしろチンポに負けてセックス大好きになったダメ巫女にこそ天罰があるだろ」
そんな会話をしながら師匠は、私を後ろから抱き締めるようにしてオチンポをオマンコへ擦り付けてた。両手はおっぱいを揉んできて、時々乳首をクリクリって可愛がってくれたんだ。
それで耳元で囁いてくるの。チンポねだってごらんって。低い声でそう言われるだけで勝手にオマンコが濡れて赤ちゃんの部屋が疼き出すの。セレナもそういう経験、その内するから。
師匠のオチンポはね、おっきくて、硬くて、熱くて、逞しくて、頼もしくて、安心出来るの。それで心の底から分かるんだ。女はオチンポをオマンコに入れられちゃうと絶対に勝てないって。
しかも、それが大好きな人だと負けたいって思っちゃうんだ。うん、そう。負けるって言うのは赤ちゃん産ませて欲しいって事だよ。
だから……
「ひ、仁志さんっ! 淫乱巫女にオチンポで罰を与えてくださいっ!」
「ダメだよ調。そんな事したら、罰じゃなくてご褒美になっちゃうだろ? 頭の中がドスケベセックス一色になってるんじゃない?」
「い、意地悪……っ! ずっと、ずっとオマンコにオチンポ擦り付けられたらぁ! あぁ……ど、ドスケベ子作りセックスしたいってなるのが女だって知ってるのにぃっ!」
え? 師匠が言ってる言葉と違う? セレナ、そこだよ。単純に言われた言葉を繰り返すだけじゃなくて、時にはそれをもっとエッチに変えたり、もっとエッチな言葉を付け加えたりして興奮してもらうの。
そうするだけでオチンポはどんどん硬くて大きくなってくれるから。オマンコの中にいる時は、熱くて濃い赤ちゃんの素をくれるからね。覚えておいて。
何、マリア? ……うん、まだあるよ? 幻獣ギアでくっころ女戦士プレイとか、ギアじゃないけどスクール水着で先生と生徒プ……もういい?
そう、分かった。セレナも参考になる事いっぱい聞けて満足した? ならいいね。
あっ、それとみんなにお願いが。出来れば私、シャワーを浴びたいんです。なのでお風呂使わせてもらっていいですか? オマンコがもう酷いぐらい濡れてて気持ち悪くて。切ちゃん、セレナ、よかったら一緒にバスルーム行こ?
いそいそとセレナ達三人が動き出し、残された者達もやや熱っぽい吐息混じりに言わなかった事をひそひそと話し出す。その話し声から離れるように静かに動く人影があった。
ただし、その数は最初と異なっている。一つだったはずのそれは、今や三つとなっていたのだ。その三つの人影は、それぞれで可能な限り気配を殺して割り当ての部屋へと戻っていく。
「ど、どういう事? 響と未来はともかく、切歌ちゃんや調ちゃんまで只野さんとそういう事してるって事っ!?」
「落ち着きなよユミ。……気持ちは分かるけどさ」
「そ、そうですわ。私もまさか只野さんと複数の方が男女関係だったなんて……」
立花さん達だけだと思ってましたわ。詩織はその言葉を口に出さず飲み込む事にした。そう告げれば、二人の疑問は自分へ向くと分かっていたからである。
詩織は仁志が響達学院組と肉体関係であるとは知っていた。だからこそまさかそこにクリス達まで加わり、更にその事をセレナも含めて知っているなど夢にも思わなかったのだ。
と、そこで弓美は足を止め、リビングの方へと戻り出した。
「ちょ、ちょっとユミ?」
「トイレ行くのよ。それなら別にそこまでおかしくないでしょ?」
やや赤い顔で弓美はトイレへと向かって移動開始。その後ろ姿を見つめて詩織と創世は弓美の行動の意図を察していた。
(あれ、多分だけどユミ……)
(きっと自分を慰めるんでしょうね……)
そこで詩織と創世はチラリと互いへ視線を送る。
((それと、きっとテラジ(創世さん)も……))
年頃である肉体は、聞いた事や想像した事による刺激で渇きを覚え、妊娠適齢期である少女達へ強く訴えていたのだ。この乾きを、飢えを、満たすか誤魔化すかして欲しいと。
だから詩織も創世もやや困った笑みを浮かべる。おそらく弓美はしばらく戻ってこないし、響と未来もまた同様だろうと分かっているからだ。
部屋へと戻った二人は自分達が使う場所の布団へと近付いたところで安堵するように息を吐いて……
「じゃ、じゃあ寝よっか、テラジ」
「そ、そうですわね」
そそくさと何かから逃げるように布団へと体を隠したのだ。
だがそれだけでは終わらない。二人はその手を密かに動かし始めた。ただ、詩織はもう手慣れているのに対し、創世はどこかおぼつかない手付きではあったが。
(あぁ……もうこんなに濡れてますわ……。んんっ! ち、乳首もこんなになって……っ! い、いつもする時より気持ちいいですわぁ……)
(や、ヤバいかも……っ! お、オナニーってこんなに気持ちいいの? こ、こんな事、今までなかったのに……っ! か、体中が敏感になってるみたい……。胸も、あそこも、触れただけでビリビリくる……っ!)
その頃、トイレの中でも……
(こ、こんなになるの? 話を聞いてただけなのに……。あっ……んっ……こんな風に、なっちゃうんだ……)
意図せずして三人の少女は同時に右手を顔の前へと持ってくる。そこは、自らの分泌液で濡れて淫らな匂いを放っていた。
(((もし……これが男の人の手だったら……)))
三人の脳裏に一瞬過ぎるは、複数の女性を相手にし満足させているだろう一人の男の顔。
その見た目からは想像も出来ない男としての顔に、三人は人は見かけによらないという言葉を改めて実感し、次に思い浮かべるはそのものズバリな男性器。
ただし、教科書や幼い頃に見た父親の物などをイメージの参考にする弓美と創世と違い、詩織はしっかりとあの夜に見た本物をイメージしていた。
――セックスって……どんな感じなんだろう……。
ポツリと呟かれた心の吐露は、誰に聞かれる事なく消える。けれどその口からは、また微かな吐息が漏れ始めるのだ。
この夜を切っ掛けに弓美と創世は自慰をするようになる。それは詩織が辿ったのと似た道だ。
先に女となった者達にあてられ、少女達もまた女へと近付き始める。その行く先がどうなるのかは、誰にも分からないままで……。
三人娘は個人的設定として、弓美はオナニーを知ってはいるがした事ない派、創世はオナニーを試した事があるけどハマらなかった派、詩織はオナニーをしてしまったらハマってしまった派、となっています。
ただ詩織がオナニーに手を出したのもあの夜の光景を見てしまったが故にですので、ある意味では弓美と一緒ですね。