新学期が始まり、早一ヶ月が過ぎようとしている。
神様としての生活にもすっかり慣れて、とは簡単には言えないけれど。
一時期に比べて、随分と気楽に過ごせるようにはなっている。
たまに玉枝が起こす不幸談、というか不運談に対処する位だ。
そして、僕は幸運をもたらす。
正と負。
この両方が釣り合うようにバランスをとり、秀知院学園を中心とする地域を怪異的に治めている。
まぁ、お互いの存在を残すためにしていることだし、総合的な被害はあまりないに等しい。
神様になったことで、物事への対処もしやすくなったこともある。
良い所は確かにある。
だが、神様になったことで起こる問題も存在する。
まずは、東京から長い間離れられないことだ。
信仰を集めるのも基本は秀知院でだ。
その信仰が集まる場所から離れれば、その分存在として不安定になっていくのも自明の理だ。
この点、千花は自由に動ける。
まぁ、人間と怪異で別個に存在出来るから、というのが理由だ。
しかし、存在としては同一だから常に秀知院にいるとも言える。
あれもあれで中々とややこしい存在である。
その話は今回は関係ないのだけれど。
要するに、イチャイチャするにしても意外と神様は不便だという話だ。
***
ゴールデンウィーク。
誰かは悪夢とか言いそうだが、残念ながら僕にとってのゴールデンウィークはただの連休だ。
去年のゴールデンウィークは……、なんか学校で怪異退治してた気がする。
僕、去年はそんなんばっかだな。
ていうのは、まぁ、良いとして。
今日は美青とのデートである。
「おはよう」
「おはようご…、おはよう。白兎」
「ふむ。どうにも上下感覚は中々と抜けないな」
「いや、学校と外とで口調を分けるって大変なんだよ?」
「僕は千花相手にそれをこなしてるけどね」
「今、デート…」
「うん。ごめん」
デート中に他の女性、特に千花のことを挙げるのは駄目だな、うん。
ただでさえ、ややこしい関係性なのに。
「本当に、藤原先輩のこと好きだね」
「いや、その話題、続けるのか。いや、まぁ、好きだけども」
「そこであっさり認めちゃうからね。この人は。素直というか、取り繕わないというか」
「お前ら相手に取り繕わないだけだよ。これを肯定しても否定しても怒るし。それに、」
手を恋人繋ぎで繋ぎにかかる。
「お前のことも大好きだし」
「……まぁ、そういう面ごと受け入れるって言ったの私だもんね」
本当にな。
この問題は本当にどうしたら良いんだろう。
千花との付き合いは本当に消えるまでずっと続くし。
でも、付き合ってるのは美青で、本気で好きだし。
いや、本当に拗れすぎてる。
「本当にどうしたもんかね」
「どうしようもないよ。どっちも選んだんだから」
そうだな。
否定をしきれないのがどうしようもない。
***
今回のデートはカラオケである。
正確にはカラオケからの家で夕食の流れである。
ていうか、基本的にデートは家で夕食のパターンが多い。
美青曰く、
『先輩の料理は下手なお店よりも美味しい』
かららしい。
まぁ、お世辞はそれなりに含まれていると思うが。
別に料理を極めている訳でもなし。
ただ、色んな所で料理を振る舞ってるに過ぎないし。
そもそも極めるという行為が僕自身が否定してる訳だし。
まぁ、そんなお料理トークはこの辺にして。
「お前!それでも人間~か!お前の母ちゃん!な~にじんだ!お前!それでも人間~か!お前の母ちゃん!な~にじんだ!」
「おお……!」
流石は秀知院の一員。
普通に歌が上手い。
因みに曲は「お前の母ちゃん何人だ」だ。
「歌上手いな」
「そうですか?まぁ、この曲は一人で歌いに行く時によく歌いますし」
「え、そんなに一人でカラオケ来てんの?」
「最近は一人カラオケなんて珍しくないよ?」
「でも、こういう所は皆で楽しみたいし」
「人間不信な面があるのに、人と遊ぶのが好きって本当に難儀だね」
「もう性格は難儀なまま、直らない気がするよ」
怪異化でもっと変われなくなっているしな。
怪異にも変化は許されるけど、しかし、人間のような変化は出来ない。
怪異の変化は周りがどう望むかに依る。
斧乃木が分かりやすい例だけれど、周りの人によってあいつの性格が変わっているように、僕もまた周りがどう望むかで変化する、ぽい。
ぽい、というのは単純にそれを実感出来ていないからというのもある。
まだまだ、秀知院内でも信仰は集まっていないし。
これが集まりだすと、何かしらのあり方の変化はあるのかもしれないけれど。
……でも、今は、
「ミスター、ねぇ、ミスター。夢じゃないならきか~せて」
「きゃあーーー」
こいつの恋人で居られればいいかな。
***
と、そんな感じでカラオケを終えて、家に向かう。
「そう言えば、最近秀知院の近くに引っ越したんだっけ?」
「まぁ、性質的に秀知院に近い方が良いからね」
春休みは大体引っ越し作業に追われた。
まぁ、神様になった以上は本当は秀知院で寝泊まりした方が良いのだろうが、あくまで人間社会の中で過ごす以上、そういうことは出来ないので妥協案としてそうなった。
後は千花と一緒に研修に行った位か。
神様の研修。
言葉にすると意味が分からない感じだな。
それにしても、
「普通に学校に行く神様ってなんだろう?」
「いや、意外と居るんじゃないですか?オヤシロ様とかも通ってますよ?」
「あれもあれで、肉体と霊体を行き来出来るんだよな。いや、僕も出来るけど」
「え?マジですか」
「真面目に出来ることは凄い増えたよ。その分の制約も増えたけど」
「私ってそんな人、ていうか神様と恋人なんですね」
「神様と恋人ってのが、色々とおかしいけどな」
本当に、エライ所に着地したものだよな。
僕としても、あのときはまさか神様になるなんて欠片たりとも思わなかったしな。
後、僕が神様ということで神様の価値がとんでもない暴落を迎えてる気がする。
「まぁ、どうでもいいか」
「何がです?」
「いや、今が楽しいならそれで良いかって。それよりも夕飯は何が良い?」
「それじゃあ、シャトーブリアンのソテーで」
「却下」
***
まぁ、神様になろうともお金的な問題はなくならない。
高校生にしては使える金の量は多いが、実際の財閥で使えるお金とは結構な差がある。
そこでバランスが取れるのは精々、臥煙さん位のものだろう。
幹部の人なんて、無一文であることもかなりザラだ。
命賭けることもあるのに。
その辺含めて、ブラックな業界ではある。
色んな意味で闇の世界だ。
まぁ、私情優先で動けるような業界でもあるのだけれど。
ともかく、シャトーブリアンは流石に無理なので、ちょっとお高めの牛肉のソテーで我慢してもらった。
「こうして普通の食材も美味しく食べれると、高級だなんだって言うのが馬鹿らしいって思うの」
「まぁ、珍しいことと美味しいことは比例しないからな。意外と四宮先輩とかもそういう庶民的な食事も嫌ってないらしいし」
「いや、あの人の恋人。社会的な地位がTHE庶民じゃないですか」
「それ言ったらお前も……、いや、はい、一番おかしい地位ですね」
「神様ですからね」
そう混院であっても、庶民の出であっても、今は神様。
何度聴いても、違和感あるな。
自分が神様って。
「でも、まぁ、美味しいって言ってくれるなら良かった」
「先輩の料理はいつでも美味しいですよ」
これがいつものデートの締め。
僕の家で料理を食べた後、少しお腹を休めてから、家に送る。
それがいつもの流れだった。
しかし、今回はこんなことになった。
「そうだ、白兎」
「?何?」
「今日、お泊りだって言ってあるんですよ」
「………テンプレイベントが来やがった」
『お泊りだと言ってある』!
古今東西、というほどの幅はないが、テンプレとして知られているアピールの一つ!
この手法は女性のみの特権!
そこにある意味は、ある程度の年齢を重ねれば自然と分かってくるものである!
って、そんなことはどうでもいい!
「……ええと。まず、誰とのお泊りだって言ってあるの?」
「先に訊くのそれ?まぁ、彼氏の家に泊まるって言ってありますけど」
「え、それで許可されたの?」
「彼なら大丈夫だ、って信頼されてますよ?」
信頼?
えっ、会ったことないよね?
どういうこと?
「いや、学校での武勇伝とか私が立ち直った理由だとかで勝ち取ってるんですよ」
「マジでか」
いや、武勇伝みたいのが広まっているらしいことは把握はしていたけれど。
しかし、そこまで広まってた?
ていうか、それで信頼するのか?
なんか色々と僕の知らないことが起きている臭いが……。
まぁ、それはいいか。
何か実害が出ている訳でもないし。
………じゃあ、
「先にお風呂入るか?」
「……一緒にですか?」
「いや、それはなし。ちょっと買い物に行くしね」
「……!」
美青は僅かに顔を赤らめて、黙り込む。
まぁ、何を買いに行くのかって言ったら、スポドリとかアレとかなんだけど。
う~~む。
そんな反応されるとこっちも恥ずかしくなるな。
「じゃあ、湯張るか」
***
そうしてお湯を張り、美青をお風呂に入らせて、僕は買い物に行った。
スポドリはともかく、アレを買うのは中々と緊張した。
まぁ、これが有効活用出来るのかというのが僕の今の悩みなんだけど。
そうして、家に帰ってくる。
美青はまだ上がっていない。
いや、上がってはいるが浴場からは出ていないらしい。
あっちもあっちで緊張しているということだろう。
なんか暴れている。
僕はスポドリを冷蔵庫に、アレを寝室に放り込み、リビングの椅子に座り込む。
「ハァーーー」
思い切り息を吐く。
マジで緊張する。
身体も若干震えている。
我ながら、若さを感じる。
こういうときはドーンと構えていたものだけど。
と、頭の中が悶々としている中、どうやら決心のついたらしい美青が上がってきた。
「あの、白兎、どう、ですか?」
「可愛いよ」
いや、マジで可愛い。
ピンクを基軸にした、多少のフリルのついたパジャマだ。
まぁ、何が一番可愛いと訊かれたら、それを着て顔を赤らめている美青が可愛いと答えるんだけど。
「じゃあ、寝室こっちだから」
「は、はい」
と、僕について来る。
むむ。
なんか、恥ずかしい。
寝室に入って、ベットに座る。
美青は扉の前でためらうように立っているので、軽くベットの横の部分を叩く。
美青はゆっくりと近づき、座った。
僕は美青の腰の方に手を持っていて距離を近づける。
身体と身体が少し密着させた。
「は、白兎」
「美青。ヤる前にちょっと話しておかないといけないことがある」
「な、なんですか?」
「一夜孕みって知ってる?」
「えっ、う~んと、……もしかして」
「うん」
一夜孕み。
日本で言うなら、邇邇芸命が木花咲耶姫と一夜の交わりによって子を孕み、それからちょっと大喧嘩になったというエピソード。
ギリシャで言うなら、ゼウスがアルクメネとの一度の交わりで、かの英雄ヘラクレスをもうけたというエピソード。
いわゆる神様は一度の交わりによって子をもうけるとされている。
まぁ、子どもは神様からの授かりものと言われるぐらいだし、その神様なら好きなだけ子をもうけられるのはおかしくないと言える。
そこから転じて、一夜で孕んだ子どもは神様の子と言われて、特別な存在であるとされる。
まぁ、神話ではよくある話だ。
それはともかく。
僕は幸運の神様でもある。
つまり、
「アレを付けていようと一回で妊娠する可能性がある」
「……!」
「だから、中出し系は一切出来ない」
これは最初に断っておかなくてはならない。
子どもが欲しいか欲しくないかで言えば、勿論欲しいけれど。
でも、まだ高校生だし、色々な社会的な目があるので今は駄目だ。
そういうのが許されるのは、結婚してからだ。
美青は少し考えるようにして、
「神様って面倒くさいね」
「本当にな」
と、呆れたような笑いをしながら、ゆっくりと唇を重ねる。
「む、ん、んん~」
唇の角度を変えながら、上唇、下唇を吸っていく。
美青の唇はとても柔らかくて、瑞々しい。
どうやら、薄めのリップを付けているらしい。
どことなく、甘い味がした。
そのまま、右手で頭を軽く押さえて、左手を腰に当てて、押し倒す。
美青の髪が広がる。
「ハァハァ、む~~!」
少し唇を離して、息が少し整ったの見計らってからまた唇を重ねる。
今度は舌を入れて、絡ませる。
いやらしい水音が鳴る。
それと並行して、下の方から上のボタンを外していく。
「ちょっ、ちょっと待って!」
「む。何?」
「その、恥ずかしいので、自分で脱がさせてください」
「……嫌」
僕はそう言うと、美青の手をまとめて右手で抑える。
手を抑えながら、ボタンを外し切る。
その間、美青はジタバタしたが、流石に力で負けることはない。
見えるブラはパジャマに合わせたのか、可愛いピンクだ。
美青は顔を真っ赤にしている。
僕はその表情にゾクゾクする。
僕は背中にあるであろうホックも外す。
「え!なんで、ホックを外せるんですか!?」
「いやいや。構造が分かれば、外す位なんてことないよ。ていうか、なんで外せないと思ったの?」
「だって、伊井野先輩が……!」
「うわーー…。優、ドンマイ」
あちらの性事情が見えてきそうだ。
流石に友人のそういう話は色々とアレなので、触れていないんだけど。
しかし、そういう形で広まる辺り、ミコもミコで女子だな。
それはまぁ、いいとして。
僕はブラを上げて胸を見る。
美青の胸はそこそこ大きくて、綺麗な形をしていた。
胸の突起は綺麗なピンク色で立っている。
美青はいよいよ顔を反らしだす。
でも、その顔がまた可愛くて、嗜虐心を刺激される。
僕は頬にキスしながら、
「お前は本当に可愛いな」
「きゅ、急に言わないで…、ひゃっ!」
左手で胸を揉みだす。
ゆっくりと胸全体を触る。
それでいて、突起の部分には触れないように。
右手は腰からお腹、脇の辺りを触れていく。
刺激を与えつつ、しかし、過度にはならないように。
もどかしさを与えるように。
「は、白兎…」
若干、涙目になっている美青が可愛くて、キスをする。
と、同時に突起の部分を刺激する。
「~~~~!」
美青は声にならない声を上げる。
身体がビクビクしている。
僕は耳元で、
「もしかして、イッちゃった?」
「~~~!バカ!」
これで萌えないとかマジでありえない。
そう思いながら、舌で耳を舐める。
「ちょっ!ひゃっ!」
「ねぇ、美青。どこが一番キモチイイ?」
僕は訊きながら、耳の外縁を舐めていく。
左手は足の所を撫でていく。
でも、アソコは刺激しないように。
「ねぇ、どこが良いの?」
「は、く、と」
美青は声を上手く出せていないようだ。
下もパジャマの方を脱がす。
ショーツが濡れている。
僕はショーツの辺りには触れずにふとももを撫でる。
耳も内側を舐める。
「ひゃぁん!」
どうやら、耳が弱いらしい。
ここぞとばかりに刺激を与えるように、水音を聞かせるように舐めていく。
舐める度に、美青は身体をビクつかせる。
手は相変わらず、敏感な所には触らないように撫でていく。
美青の身体は柔らかくて、気持ちいい。
「もう、だめ」
「じゃあ、止める?」
「そう、じゃなくて触って」
「どこを?」
「わ、私の……」
そこから、恥ずかしくて場所を言えないようだ。
このまま意地悪するなら言わせたり、これを続けるけれど、あんまり意地悪するのはアレだし、こっちも我慢の限界だ。
なので、横からショーツを脱がし、触れる。
「ひゃっん!」
触れるだけで大きな声を上げる。
この時に引っ越して正解だと思った。
これで引っ越す前だと声が隣に聞こえてしまう。
そしたら、男だと男じゃなくさないといけないので、子孫繁栄みたいな所でも良かったと思う。
まぁ、僕は子孫繁栄よりも美青を優先するという話だけど。
「随分と濡れてるけど、なんでかな?」
「白兎のドS!鬼畜!」
「いや、鬼畜って程じゃないと思うけど」
マジもんの鬼畜はこんなものじゃないと思う。
ドSはそうだろうけど。
だって、美青のそういう声やどこか誘うような赤い顔でゾクゾクと支配欲と独占欲が沸き立っているし。
まぁ、
「そんな人を惚れさせたのが悪い」
「~~~!」
僕は小指を中に挿れる。
小指でも相当にキツイ。
痛い位だ。
これはそのまま入れるとお互いに痛いことにしかならない。
これはゆっくりと解かさないいけない。
小指をゆっくりと掻き回す。
その間に、ディープキスをする。
「ん、んん」
小指の動きに反応しつつも、流石に刺激に慣れてきたのか舌で拙く返すようになってきた。
う~~ん。
もうちょっと、マウントを取っておきたいんだよね。
なので薬指も挿れる。
「むん!まっ……!」
「待たない」
僕も僕で大体の位置を把握したので、弱い箇所を重点的にイジる。
美青は可愛らしい喘ぎ声上げて、イッた。
流石に少し疲れたので、美青が落ち着くまで休憩する。
「ハァハァハァ………、白兎」
「何?」
「もしかして、怒ってる?」
「外れ。でも、なんでそう思ったの?」
「だって、妙に意地悪だから。ドSって言うにしたって……」
「僕にしては焦らし過ぎだと」
ふむ。
意外と思考は回ってるのか。
気づかないでいるなら、それが良かったんだけど。
僕は服を脱いで上半身裸になって、美青の所に倒れ込む。
美青の身体の柔らかさを体中に感じる。
「ちょっと重いんですけど」
「最初に言ったこと、覚えてる?」
「一夜孕みの話ですか?」
「うん。一回間違えたら終わり。だから、試行回数を増やすのは危険なんだ」
「もしかして、一回で私が満足する為に?」
「まぁ、そういうこと」
出来ることなら、思う存分味わいたいけれど。
しかし、それで棒に振れるほど、今の生活は軽くないから。
「私は白兎との子どもなら欲しいですよ」
「僕も欲しいけど、でも、今じゃない」
その子どもも、色々と背を合わせざるおえないこともあるし。
その為には、ちゃんとした社会的な立場は必要だから。
「バカですね」
「おっと」
体重をかけて動かないようにしていたのに、美青は身体をズラして体位が反転する。
「私ばっかりが満足したって意味がないんです。だって、愛し合う行為なんですよ」
「いや、お前の表情とかで結構満足してるけど」
「嘘」
そういうと美青は半脱ぎになっている上を脱ぎ切る。
それでいて、僕の下もパンツごと脱がした。
これでお互いに全裸だ。
美青は後ろを向くようにして僕のモノを見る。
「へぇー。男性器ってこんなに反ってるんですね」
「最初の感想、それ?」
なんで不思議な形とか変な匂いとか大きいとかじゃなくて、反ってるなんだ。
なんかこう、観点がずれている気がする。
美青はその少し大きめな胸で僕のモノを挟む。
「初手でそれする!?」
「私は焦らし方とか分からないので」
と、挟みながら上下する。
元々、かなりの時間勃ったまま放置してたから、急な刺激に反応しそうになる。
が、流石に速攻でイクのは情けないのでなんとか耐える。
「あ、ああ、あっ」
「白兎も可愛い声、出るじゃないですか」
妖艶なイイ顔で煽ってくる僕の恋人。
随分と楽しそうだ。
この野郎。
なら、こうしてやる。
「ひゃっ!お尻の穴…!」
「一方的にヤラれるなんてらしくないので」
「なんで…!さっき散々私を辱めてじゃないですか!」
「それとこれとは話が別!」
「一緒ですよ!」
お互いに刺激しながら言い合う。
変な所で負けず嫌いだ。
とは言え、アソコを刺激した方が効果はある。
なのに、尻の方を刺激しているのはどの位のものか確かめる為だ。
まぁ、今回はしないだろうが今後の参考の為に。
結果として、同時にイッた。
僕は脱力感で寝そべり、美青は身体をピクピクさせている。
「私もうお嫁に行けないですよ」
「僕の所に嫁ぐんだからいいでしょ」
「もうちょっといいプロポーズの言葉が欲しいんですけど!」
「別にまだプロポーズする気はないんだけど」
離れる気も欠片たりともないんだけど。
「ぶっちゃけ、お前が居るだけで僕は満足だよ」
「もうちょっと求めても、良いと思いますけどね」
「あんまり求めすぎても、後が怖いので」
そう言いながら、僕は美青の上に乗って、ゴムを付けて穴に自分のモノを近づける。
「美青」
「なんですか?」
「愛してるよ」
「私も愛してます」
そうして、ゆっくりと挿入していく。
中は大分とかしたと思ったが、それでもかなりキツイ。
美青の方もきつそうだ。
生理的な涙が流れている。
美青にキスをして、気を逸らしながら中に挿れる。
「ハァハァハァ、大丈夫か?」
「まだ、ちょっと、キツイですけど…」
僕は負担にならないように、腰を動かす。
「う、あっ、あっ、やっ」
美青は途切れ途切れに声を漏らす。
そうして、ゆっくり動かす内にお互いに徐々に慣れてきた。
「あん、あっ、あっ、やん!」
声も徐々に喘ぎ声になってきた。
僕は一度、少しモノを中から出し、そのまま奥を突く。
「ヒャッアン!」
美青の声が響く。
僕はそれを繰り返し、美青の声がその度に響く。
僕はその度に身体をゾクゾクさせる。
愛おしい。
離したくない。
「なぁ、美青」
「な、なんですか」
「首に跡残していいか?」
「ヒャアン!な、なんて、あっ、あっ」
身体への刺激で聞こえてないらしい。
でも、僕も我慢できなくて、首の近づかなければ見えない位置を吸う。
跡を付けるために。
「へぇ?ちょっ、はく、やっ」
「好き。好き。好き。好き!」
心からの気持ちが漏れ出す。
滅多に言えない言葉を零す。
「傍に居て欲しい!ずっと、ずっと、ずっと!」
「はく、と?」
「一人は嫌!寂しいのは嫌!離れていくのが嫌!」
いつの間にか動かずに涙が流れる。
そんな僕を美青は撫でる。
「大丈夫ですよ。ちゃんと居ます」
「うん。……美青、愛してる」
「はい」
そして、僕は最後のスパートをかける。
「美青、美青、美青、美青!」
「白兎、白兎、白兎、白兎!」
そして、
「ああん!」
「グッ!」
美青はイキ、その収縮で危うくイク直前にどうにか中から出して、僕も果てた。
「ハァハァハァ」
「ハァハァハァ」
互いに息が乱れる。
僕は美青の隣に寝そべる。
「良かったか?」
美青は可愛らしい顔で、
「はい!」
と、言った。
可愛い。
「それにしても、妙に上手くなかったですか?」
「ああ、多分それなりに本番の音を聞いてたからだと思う」
「本番?」
美青は怪訝そうな顔をする。
まぁ、そう大したことではないのだけれど。
「いや、前のマンションは面積的にある程度の階まで声や音が聞こえて。それで毎晩どこかでしている音が聞こえたから」
「うわー……」
美青は複雑そうな呆れた顔をした。
まぁ、僕だって聞きたくて聞いていた訳ではない。
が、耳栓をした所で何の意味もないそれはAVよりも色んな意味で参考になった。
まぁ、強姦系はないけれど。
「本当に大変でしたね」
そう言って、美青は頭を撫でる。
凄いこっ恥ずかしいが、とても心地良い。
「あの……、白兎さん?」
「なんだよ、さん付けして」
「なんで、もう復活してるのかな?」
………。
……しゃーないやろ。
あんなこと言われて、勃たない訳がない。
僕はその言葉を聞いた瞬間、頭が獣になるのを感じた。
「お前が可愛いのがいけないんだからな」
「えっ、いや、ちょっ、なんで四つん這いにさせようとするんですか!?」
「煽ったのはお前だからな。ここから後2回戦位は付き合って貰うから」
「ええ~~!私、イッたばっか、ヒャァン!」
***
事後談。
あれから、一応きちんと2回戦で終わらせた。
まぁ、長く楽しんだけど。
勿論だが、中には一切出していない。
夜も更けて、恐らくは夜中の2時位。
僕は上にTシャツ、下にパンツを着て、冷蔵庫からスポドリを2本取り出して、寝室に向かう。
「ほら、これ」
「むぅぅぅぅ」
むくれた顔をして、美青は布団を覆い被っていた。
僕から手渡されたスポドリをごくごくと飲む。
「なんで、そんなにむくれてるの?」
「私が嫌だって言ったのに、3回戦までヤるからですよ」
「んん~。ごめん。だけど、お前だってノッてただろ」
僕もスポドリを飲む。
かなり美味い。
伊達に夜の運動と比喩されていない。
結構体力を使った。
まぁ、あと5回戦位はこなせそうな気もするが、それは美青の方の体力が絶対に保たないので止めよう。
「だからって許しませんよ。それに首と肩に結構跡付けてるし」
「それは許可貰った筈なんだけど」
「いや、許可を出し切る前にやってましたよ」
「そうか?」
「全く」
不貞腐れて、そっぽ向かれてしまった。
まぁ、正直調子に乗りすぎたというのは否めない。
ていうか、思ってた以上に中毒性が高い。
いつだかの優の言葉を思い出す。
性欲もかなり溜まってたようだし。
我ながら、オスなんだなーと感じた。
その辺はちゃんと反省しよう。
とはいえ、だ。
このままそっぽ向かれ続けるのもアレなので、僕は布団ごと美青をこっちに引き寄せて、
「嫌いになった?」
「……そんな訳ないじゃないですか」
「なら良かった。……言っとくけど、離れたいって言っても早々に離す気はないからね」
「ハァーー。とんだヤンデレ彼氏ですね」
「それ使い方が間違ってるぞ。正確には重いが正解だよ」
僕は美青の頬に手を添えて、軽くキスをする。
美青は顔を赤くして、
「バカ」
と言って、僕に抱きつく。
僕はそれを抱きしめ返し、そのまま二人で寝そべり眠るように背中を叩く。
「愛してるよ」
その日の眠りは心地よかった。
イチャイチャって難しいな…。