※この作品はR-18です。

【シャニマス】四泊五日の温泉ロケ、中年Pと相部屋になったイルミネ3人   作:黒胡椒サラミ

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プロデューサー設定:
汚いオッサン。


一日目の夜

(んっ、んっ、あっ、やっ、そこ、ダメですっ)

 

 夜の暗闇の中、新鮮な畳の匂いがする十二畳間の中央で、小山のように盛り上がった布団がリズミカルに揺れている。その中から聞こえてくるくぐもった音は、切羽詰まった少女の声。

 

(こんなのっ、ダメですっ、プロデューサーっ、ぜったいにダメっ)

 

 駄目だ駄目だと言いながら、少女の声は甘ったるい。目下絶賛売り出し中の新人女子校生アイドル、風野灯織。清潔感に溢れ、切れ上がった目と口元のホクロが、どことなくクールな印象を与える年若い美少女が、こんなメスの声を出せると知ったら、ファンたちは何と思うだろう。いや、ファンだけでなく、灯織とアイドルユニット「illumination STARS」を組む二人――櫻木真乃と八宮めぐるですら、灯織にこんな一面があるとは知らないかもしれない。

 

(こんな、ところでっ、真乃とめぐるに、きかれたら――あっ、んっ!)

 

 自制を求める灯織の声は、甲高い嬌声となって中断させられる。キシキシと床に悲鳴を上げさせながら、規則的に揺れる布団の中に居るのは、灯織だけではない。その中にはきっと、灯織たちのプロデューサーもいるはずだ。

 十二畳敷きの上に並んでいる布団は四つ。部屋の入口から、櫻木真乃、風野灯織、八宮めぐるの布団が川の字の様に並んでいる。部屋奥の障子戸を隔てた小スペースには、彼女たちのプロデューサーが、その少し肥満体の身体を縮めて眠っていた。少なくとも、この部屋の灯りが消された時点ではそうだった。

 秋の虫の声しか聞こえない深夜。奥の障子戸に少しだけ隙間が空いている。さらに奥に見える布団はもぬけの殻で、その主はどこかへ行ってしまったようだ。

 

 そして、どこへ行ったかと問われれば、答えはやはり一つ――

 

(ぷろ、デューサーっ! やめて、くださいっ、あっ)

 

 川の字になって眠るアイドル三人の中央、熱気こもる布団の中で灯織にのしかかっているのが、そのプロデューサーである。

 細い身体の女子校生アイドルを己の腕で組み敷いて、彼が何をしているのか、そんなことは一々答えるまでもなかろう。彼はただ、己の邪欲に任せて、若い身体を思うさまに犯し抜いているだけだ。この掛布団を引っぺがせば、浴衣をはだけさせた灯織の秘部に、大柄な身体に見合ったプロデューサーの大柄なペニスが、ギッチリとハメ込まれているのが見えただろう。

 灯織の声にも耳を貸さず、彼は勃起した股間から湧き出る衝動だけに従って、少女の狭いメスの穴を堪能している。どれほど彼が夢中になっているかは、射精を堪えて歯を食いしばり、口の端から汚い涎を垂らしている事からも分かるだろう。プロデューサーという、彼の職業にとっては大切な「商品」に手を付けてしまったという事実。少し前まで中学生だった少女を貪っているという背徳感。多くの青少年が憧れ、あるいは自慰のオカズにしている極上のカラダを我が物にしているという優越感。そういったあれこれがない交ぜになって、チンポに伝わってくる刺激は幾層倍にもなり、とても普通の性交では得られない快感を彼は得ていた。

 

(んっ、んっ、んっ、んっ、んっ、んんっ! あっ、んっ♡)

 

 そして、彼に組み敷かれている灯織のほうも、しっかりと性の快感を受け取っていた。男の腰の動きが、より小刻みに、より速くなるにつれ、少女の口から洩れるのは悦楽の喘ぎだけになった。時たま、ちゅるちゅると何かを吸うような音がするのは、布団の中で彼らが口を吸い合わせ、お互いの唾液を交換しているからだろう。灯織のスラリとした両脚は、浴衣の帯しか残っていないプロデューサーの腰に絡みつき、男のモノをより深くまで迎え入れようとしている。これはほとんど、自分を従える強いオスと交わって、繁殖を果たさなければならないという、メスの本能の動きであった。

 この若いメスを貪り尽くすため、種付けプレス状態で、プロデューサーはなおも腰を振りたくった。はじめは両隣に寝ている二人に配慮していた彼らの動きも、快楽の津波に流されて、それどころではなくなっている。ギシリギシリと、畳の上げる悲鳴の声は、より大きくなっていた。すぐそばでこんな獣の交わりをされて、櫻木真乃と八宮めぐるの両名は、よくも安らかな寝息を立てていられるものだ。

 

(んっ、んっ、あっ、んっ、んっ♡)

 

(………………)

 

 ――いや。

 

(ちゅ、ちゅ、ちゅば、んっ、ちゅる、ちゅ)

 

(…………ひ、灯織?)

 

(あっ、あっ、あっ、ああっ、んっ♡)

 

 どうやら起きている者は、夢中で交わっている両者以外にもいたようだ。

 

(灯織とプロデューサー、一緒の布団で何してるの……!?)

 

 八宮めぐるは、灯織たちに背を向けて寝たふりをしながら、後頭部の数十センチ先で行われる激しい情事の音を、自身の凄まじい動悸の音とともに聞いていた。

 

 

 そもそも、この状況はどうして生まれたのだろうか。話は数日前にさかのぼる。

 

「温泉ロケ?」

「ああ、泊まり込みになる。今度の連休を使って……何泊か。それでグラビアとか、温泉のCM映像撮影とか、色々」

 

 イルミネの他の二人と一緒に、プロデューサーからその話を聞いためぐるが最初に思ったのは、「楽しそう」という事だった。夏のひまわりを思わせるような笑顔で、めぐるは挙手をしてにぎやかな声を出した。

 

「やるやる! 面白そう!」

「このご時世で、旅行に行く奴も少ないから……、少しでもPRにならないかって話で――」

「えへへ、一緒にお泊りなんて、修学旅行みたいだね! 真乃、灯織!」

 

 ぼそぼそと冴えない声で説明を続けるプロデューサーをよそに、めぐるは真乃と灯織に話しかけた。これは別に、彼女がプロデューサーを軽んじていたからではない。プロデューサーの言う通り、今年は色々とあって、旅行などの大っぴらな移動が困難になった。アイドル活動は何とかやれているが、彼女たちの学校でのイベントは、ほとんどが中止になった。遠足も、修学旅行もきっとできないだろう。そう思っていたところに聞いたこの話だから、めぐるが少し浮かれてしまったのも無理は無かった。

 

「もう……、めぐる。プロデューサーの説明は、ちゃんと聞かないと」

「そうだよ、めぐるちゃん」

 

 そんなめぐるを、灯織と真乃の二人は柔らかくたしなめた。

 

「ゴメンゴメン! でも、二人とも楽しみでしょ?」

 

 二人が内心では自分と同じようにはしゃいでいるのを、めぐるはちゃんと理解していた。真乃はほわわんとした笑顔で「うんっ」と答え、灯織も「これは仕事だから――」とか何とか言っていたが、口元は確かに緩んでいた。

 

「連休だけじゃ足りないかもしれないが……せっかくだから、いくつかの仕事をまとめてそこでこなしたいんだ。湖なんかもあるし、水着で撮影もできる。まだ客も少ないだろうから、色々と遠慮も要らないしな」

「じゃあ、旅館も貸し切りっ?」

「俺たちスタッフ以外は、ほぼそうだって聞いてる」

「わ~、そうなんだ。真乃、灯織、一緒に湖で泳ごうよ! 魚釣りなんかもできるかなぁ?」

 

 めぐるがぴょんぴょんと跳ねるたび、彼女の二つに結わえられた金髪が、喜びを表現するかのように揺れる。アメリカ人の母と日本人の父のハーフであるがゆえに、彼女のスタイルはとても高校一年生とは思えない。揺れているのは、髪以外の、めぐるの胸にあるたわわな双丘もだった。

 

「……暑い。離れて、めぐる」

 

 対する灯織は、黒髪の日本的な美少女である。胸の大きさなどではめぐるに負けているかもしれないが、彼女の顔、身体は、一種の繊細なガラス工芸か、大理石像のようだった。

 

「ほわ……、プロデューサーさん、ピーちゃんを連れて行ってもいいですか……?」

「いや、山の中だから、鷹とかに襲われたらどうするんだ」

 

 真乃はたれ目がちの、柔らかい雰囲気をまとった亜麻色の髪の少女だ。マイペース――というよりは個性的な発言で、いつも周囲を惑わせている。彼女たちは三者三様であったが、むしろそれ故にか、イルミネーションスターズは特別な魅力を放っており、まだまだ全国区には程遠いものの、「知る人ぞ知る」と言われるほどには知名度を上げていた。初期には灯織と真乃のコミュニケーションが上手くいかず、少しだけギクシャクとしてしまったこともあったものの、明るく活動的なめぐるが両者の間に入って上手く引っ張る形で、彼女たちは段々と打ち解けた。今は三人ともに深く信頼し合った、息の合ったユニットである。

 

「じゃあ、詳細は今度詰めるが、そのつもりで予定を空けておいてくれ」

 

 そして三人のアイドル活動をプロデュースしているのが、彼女たちの前で喋っているプロデューサーである。この283プロに来る前は何をしていたのかよく分からない、経歴不明の中年男だ。めぐるたちとは、下手をすれば親子ほども年が離れている。少し肥満体の、ぼそぼそと喋る冴えない男で、一見の印象は正直言って良くない。

 他のユニットのプロデューサーには、白いコートの似合う王子様のような見た目の青年もいる中で、めぐるたちはこのようなプロデューサーをあてがわれてしまった。しかし、はじめは他のユニットを羨ましがる気持ちがあったものの、この男は仕事に関しては堅実で、何よりも熱意があった。表現は不器用なものの、めぐるたちを絶対にトップアイドルにするという心は彼女たちにも伝わって、イルミネーションスターズがメンバー同士で信頼し合っているように、三人はプロデューサーの事を信頼していた。そう、まるで彼女たちの保護者か、頼りになる教師のように。

 

 

 少なくとも、めぐるはそう思っていた。

 

 

(んっ、んっ、んっ、んんっ、あぅっ――!)

 

 その男が今、めぐるの背後の数十センチ先で、灯織を犯している。めぐるのかけがえの無いユニットメンバーで、大切な親友である灯織を、布団の中で組み敷いている。掛布団の中に隠れてはいるものの、めぐるにも、中で何が行われているかは十分に想像がついた。

 

(もしかして……、灯織とプロデューサー、えっち……してるの?)

 

 女子っぽい言葉で和らげてはみたものの、エッチとは即ちセックスである。そしてセックスとは、夫婦や恋人が、子作りのため、あるいは快楽を求めて行うものだ。背後で行われている彼らの行為を想像して、めぐるはごくりとつばを飲んだ。

 

 ここは某県の山奥にある温泉地の旅館だ。めぐるたちイルミネの三人は、今日の学校を早退して、プロデューサーが運転する事務所のミニバンに拾われ、そのままここまでやって来た。温泉地のほとんどの施設は営業していたが、プロデューサーが事前に言った通り、そこにいる観光客はまばらだった。現地の人たちの生活を思うと痛ましい気持ちにはなったものの、こんな風光明媚な温泉地をほとんど貸し切り状態にできると思うと、めぐるはワクワクとした気分を抑えきれなかった。

 ここから連休明けまで、この温泉地周辺で仕事をこなす。カメラマンやスタイリストなどのスタッフは、それぞれめぐるたちとは別の手段でやってきて、必要に応じて交代する。彼女たちがプロデューサーから受けた仕事の概要説明はそんなものだ。

 

 そこは由緒正しい温泉旅館で、山と森の景色になじんだ木造だった。しかし、内部は細かに改修されているようで、決して古臭い印象を与えない。きっと一泊につきかなりの値段がするはずだ。

 学校から直接やってきたため、旅館にチェックインする時、めぐるたちは制服だった。旅館のスタッフは当然説明を受けている。しかし、ロビーでチェックイン手続きをする一人の中年男の後ろに、違う高校の制服を着た三人の美少女が並んでいる光景は、それだけでどこか背徳的な趣があった。

 

「え、私も彼女たちと同室ですか?」

 

 プロデューサーが困ったような声を出したのは、そのチェックイン手続きの時だった。

 

「それは……駄目でしょう。私は彼女たちの保護者ですよ?」

「で、ですが、予約表では確かにそうなって――」

「……おかしいな、はづきさんがそんなミスをするはずが――」

 

 何らかの手違いがあって、プロデューサーがめぐるたちと同室になってしまったという事だ。プロデューサーはスマホを手に取り、事務所に電話をした。

 

「もしもし、はづきさんですか? ええ、そうです、今到着しました。それで、部屋割りに問題が――。……え?」

 

 待っているめぐるの耳に入ってきたのは、「残りの予算」とか「弱小プロダクション」という単語だった。

 

「いや、問題ないって、そんな乱暴な――」

 

 プロデューサーは戸惑っている。どうやら事務のはづきさんが、予算節減のために、プロデューサーに無断で四人を同室にして予約してしまったようだ。真乃は窓の外に見える庭の景色に夢中になっていたので、めぐるは灯織の隣に立って、彼女に耳打ちした。

 

(灯織、聞いた? わたしたちとプロデューサー、同じ部屋だって)

(う、うん……)

(三人だけだったら、枕投げとかしようと思ってたのにね)

 

 不安そうな顔をする灯織とは別に、めぐるはこの時、プロデューサーと同室になることについて、それほど嫌だと思ったわけではない。プロデューサーは彼女たちと親子ほども年が離れている。生徒だけの合宿のはずが、先生まで同室になってしまったという程度で、「思ったよりも羽目を外せないみたいだな」くらいにしか、彼女は考えていなかった。

 

(でも、プロデューサーも枕投げしたいかな? 誘ってみよっか?)

(ちょっとめぐる……)

 

 つまりは、めぐるはこの時まで、プロデューサーを性的な対象として意識したことが無かったのだ。当然、仕事上のパートナーとして信頼する彼が、彼女たちに何らかの危害を加えるようなことがあるなどとは、一片も思っていなかった。

 しかし、呑気なめぐるに対して、灯織はずっとハラハラと心配そうな表情をしていた。灯織は何かにつけて悲観的なところがある。元気づけようと、めぐるは灯織に抱き着いた。

 

「大丈夫だよ、灯織」

「あっ……」

「あ、ひょっとして、プロデューサーに着替えを覗かれるかもって心配してる? プロデューサーはそんな事しないよ。三人だけじゃなかったのは残念だけど、プロデューサーを仲間外れにしちゃうのも、可哀そうでしょ?」

「う、うん」

 

 頷いたにも関わらず、灯織はやはり不安そうだった。不安そうな目で、プロデューサーの電話の行方を見守っている。構ってもらえていないと感じためぐるは、「むぅ」と唇を尖らせて、灯織の腰を少しくすぐった。

 

「きゃっ、ちょっとめぐる、止めてよ」

「やだっ、止めないよ~」

「ちょ、くすぐっ、くすぐったいってば」

「ほわっ、二人とも……、何してるの?」

 

 眉間の皺が取れ、灯織が控えめな笑いを漏らす。そこに真乃もやってきて、三人はしばしイチャイチャと揉み合った。

 

「すまない三人とも、待たせた……なんだ、仲が良いな」

 

 そして、事務所との電話と旅館スタッフとの話し合いを終えたプロデューサーが戻ってきた。

 

「ちょっと申し訳ない事態になった。はづきさんが――」

「部屋を一つしかとってなかったんだよね?」

「何だ、聞こえてたのか。そうだめぐる。予算の関係とかで……それを言われると、俺としてもな」

「じゃあっ、プロデューサーもわたしたちと同じ部屋で寝るんだね」

「それは色々問題があるからな……、自腹で、ここか別の旅館に俺の部屋を取って――」

「別にそこまでする必要無いよ!」

 

 めぐるは本心からそう言った。自分たちのプロデューサーが安月給であることを、彼女は十分承知している。ただでさえ自分たちのために忙しく働いている彼に、この上身銭を切らせるという発想は、めぐるには無かった。

 

「プロデューサーもわたしたちと一緒の部屋のほうが楽しいよ! ねっ、二人とも!」

「うん、そうだねめぐるちゃん」

「灯織は……?」

 

 めぐるの発言に、真乃は笑顔で同意したものの、灯織はやはり心配そうな顔をしていた。プロデューサーも灯織の表情が気にかかるのだろう。三人に――というよりは灯織に向けて、改めて言った。

 

「すまない灯織、本当は別々の部屋のはずだったんだ。今から違う部屋を取るから、俺の事は気にしないでくれ」

「プロデューサー……」

 

 灯織は身体をぎゅっと硬直させている。彼女はどうしても、プロデューサーと一緒の部屋で寝るという事にためらいを感じているようだ。プロデューサーもそんな灯織を気遣って、別に部屋を取るから心配ないと繰り返し言った。

 だが、めぐると真乃が反論し、結局彼らは、このロケ中、四人で同じ部屋に泊まる事になったのだ。

 

 

 

 

 

(ぷろ、ぷろりゅーさっ!♡)

 

(…………っ!)

 

 灯織の口から久しぶりに喘ぎ声以外の単語が漏れて、めぐるはびくりと身体を震わせた。舌ったらずな甘い声で、灯織はプロデューサーを呼んでいる。

 いったいいつからこうなったのかは知らないが、めぐるが目を覚ました時には、灯織とプロデューサーの二人は、もうこの行為を始めていた。真っ暗なので、深夜だという事は分かる。だが、身動きできないので、時計を確認する事すら不可能だ。それでもめぐるが覚醒してから、きっと一時間くらいは経っていて、二人はずっと布団の中で絡み合っている。……いや、一時間経過したというのはめぐるの主観で、本当はもっと、短い時間しか経っていないのだろうか。

 

(ちゅっ、んっ、んっ、んっ、ちゅうっ、んっ、んっ)

 

 喘ぎはキスの音に変わった。声を漏らした灯織の口が、掛布団の中でプロデューサーに塞がれたのだ。ギシギシという畳の悲鳴は、より小刻みに速くなり、この行為のクライマックスが迫っていることを予感させる。

 めぐるは息を殺しているが、心臓はばくばくと鳴り響いている。その鼓動が灯織たちに聞かれないためとでもいうように、めぐるは胸に手を当てて、もう片方の手で自分の口を塞いだ。

 

(灯織とプロデューサー、どうして? いつから? なんで?)

 

 思考は混乱の極みにあって、一向にまとまらない。それでも出てきた重大な疑問は、灯織はプロデューサーに「無理やり」これを行わされているのだろうかという事だ。男と女――大人と子供の膂力の差や、プロデューサーとアイドルという立場の差を利用して、嫌がる灯織を強制的に押さえつけているのではないかという事だ。

 ――もしそうであるならば、なんとしてでも灯織を助けなければならない。

 

(うっ、んっ、あうっ、んっ、んっ、んんっ――!)

 

 だが、そうではない。

 

(ちゅ、ちゅ、ぷろりゅ、ちゅ、んちゅ、ぷろりゅーさー♡ ――あむっ)

 

 抑えようの無い喜悦の声。愛しい人を呼ぶ甘い声。灯織の口から出ているとは信じられないこの艶めいた声が、この行為が両者の合意のもとで行われていることを如実に証明している。プロデューサーが灯織を求めるように、灯織もプロデューサーを激しく求めているのだ。

 

(恋人っ、だったの? 二人って付き合ってたの? こんな……、こんなのって……!)

 

 二人は初めから、この部屋でこういう行為に及ぶつもりだったのだろうか。だが、プロデューサーはめぐるたちと同室である事を、ここに来るまで知らなかったように見えた。あれが演技とは思えない。灯織も、プロデューサーと同室になることに本当に戸惑っているように見えた。――ならばもしかしたら、本当は別の部屋に泊まるプロデューサーのもとに、灯織が訪ねていく予定だったのだろうか。

 

(んんん――――――っ!♡)

 

 めぐるの思考がまとまる前に、ひと際大きな声がして、灯織たちの布団がごそりと動いた。そして、たしっという、何かが畳を叩く音がした。めぐるには見えないが、掛布団から出てきた灯織の右腕が、襲い来る快感を堪えるために、枕もとの畳を指で掴んだのだ。外から見える灯織の身体は、わずかその一部分だけである。彼女の右腕はじっとりと汗で濡れてなまめかしく光っており、快感を逃すように悶えるその動きは、あまりにも官能的だった。

 しかしやがて、少女の白い細腕は、毛深い体毛に覆われた太い腕に掴まれ、再び布団の中に引きこまれた。まるで布団が巨大な貝のように意志を持って、灯織の全身を身の内に捕らえ、捕食しているかのような光景だ。

 だが、まさにその通り。プロデューサーは、少女と己の体臭だけが混じり合った布団の中で、風野灯織というアイドルの全てを、五感をすべて使って味わいつくしているのだ。

 

(灯織っ、灯織っ、灯織っ――!)

 

 めぐるは心の中で親友の身を案じ、その名前を呼んだ。しかし、めぐるの背後にあるのは、一匹のオスと一匹のメスの、二人だけの世界だった。そこに部外者であるめぐるの声など、届きようもない。

 

(んっ、んっ、んんっ――!)

 

 さっき腕が飛び出た穴を通って、灯織の感極まった声が、より明瞭にめぐるの耳まで伝わってくる。限界が近いと、その苦しそうな声が教えている。そしてこの艶のある声は、聴いているめぐるの身体にも変化をもたらした。めぐるがぎゅっと両目をつぶり、もじもじと太ももを擦り合わせ、全身をよじっているのはどうしてだろうか。浴衣の生地が湿り気を帯びる程に、体中に汗をかいているのはどうしてだろうか。

 

 灯織たちを挟んで向こう側にいる真乃は、この事態に気付いているのだろうか。明日から自分は、灯織とプロデューサーと、どんなふうに接すれば良いのだろうか。

 ぐちゃぐちゃの思考を抱えためぐるは、心臓を押さえていた自分の手が、自身の胸の膨らみを掴み、ゆっくりと揉み始めていたことに気付いていなかった。

 

(ぷろ、ぷろりゅ、だして、出してください!♡)

 

 灯織の口がそう言ったのを、めぐるはハッキリと聞いた。出すとは何のことだろう。何をどこに出すのだろう。きっと、めぐるが保健の授業や女子の噂話で耳にしたことがあるものだ。めぐるの大切な友達は、それを己の胎内に吐き出すことを、男に向かって哀願している。

 倫理的、常識的に考えて、そんな事は許されない。避妊はしているのだろうか。自分がここで立ち上がって、二人を止めるべきではないだろうか。短い時間に色々な考えが思い浮かんだが、結局めぐるの身体は動かなかった。

 

 そしてついに、その時が来た。

 

(んっ――――――――――!!!!♡♡♡♡)

 

 ただひたすら「気持ちイイ声」としか言いようのない声がして、全ての音が止まった。リズミカルに揺れていた布団も静止して、ぴくりぴくりと、わずかに動くだけになった。

 掛布団の中では、灯織とプロデューサーがこれ以上ないほどに密着し合い、限界まで肌を触れ合わせている。唇と唇は合わさり、舌同士が絡み合って、両者の境目は分からなくなっていた。そして灯織のまだ成長しきっていない秘裂には、中年男の野太いペニスが深々と突き刺さり、恥骨と恥骨が触れ合うまでに、少女の奥まで侵入していた。男の睾丸が脈動するたび、灯織の子宮の最奥にまで、どくどくと精が注ぎ込まれる。灯織は男の身体の下で、高校一年生が受け取るには大きすぎる快楽の波に打ち震えながら、彼の腰にスラリとした両脚を巻き付けて、その精を一滴たりとも逃すまいとしていた。

 陶然とした表情をする灯織の眼の奥で、パチパチと白い火花がスパークし、彼女の思考を絶頂による快感と男への愛しさだけに染め上げていく。

 そしてその火花は、灯織のすぐ横にいるめぐるにも伝わっていた。

 

(~~~~~~~~~っ!)

 

 灯織の絶頂に合わせ、いつの間にか己の股間をまさぐっていためぐるの指が、ショーツ越しに、秘裂の上部にある肉芽に触れた。

 

(イっ、ちゃう――――っ!)

 

 もう片方の手で口をふさぎ、唇を噛んで、めぐるもまた、快感の波に揺られていた。背後で行われた激しい情交の音をエサに、めぐるは思春期の少女のどうしようもない衝動を、自分の手で慰めたのだ。

 白い波が通り過ぎていく。その先でめぐるの中に残ったのは、快楽の後のけだるさと、一種の自己嫌悪だった。

 

(二人がシてる音で、こんな事するなんて……)

 

 だが、それが今までめぐるが経験してきたあらゆる快感に勝っていたことも、また疑いようのない事実だった。

 ともあれ、衝動は去り、めぐるの思考にも静寂が戻った。プロデューサーと灯織が、いつからこういう関係だったのかは知らないが、この事実にめぐるが気付いてしまったことを、彼らに知られる訳にはいかないだろう。明日彼らとどういう顔で話せばよいかは、まだ分からない。しかし、何も知らないふりをしてやり過ごし、改めて考える必要がある。

 とにかく今日は終わったのだ。ここから寝付けるかは分からないが、このまま目を閉じて、明日を待つ以外にないだろう。

 

 そんな風に、めぐるが思考の決着をつけかけた時――

 

(んっ、あっ、プロデューサー、ダメですっ、いま、びんかんでっ)

 

 後ろの二人が、行為を再開した。

 

(んっ、んっ、んんっ、いいえっ、イヤじゃないですっ、もっとくださいっ♡ 久しぶりですから、プロデューサーが、スッキリするまでっ)

 

 彼らが貪り合う声と共に、めぐるの胎内にも熱と疼きが戻ってくる。

 

(二人とも、まだするのっ!?)

 

(もっと、もっと、もっと、もっと、プロデューサーっ!♡)

 

 灯織の声に応えるように、布団は再度小刻みに揺れ出した。めぐるもまた、自身をまさぐる動きを再開する。結局、その桃色の響きは明け方まで途切れることなく、めぐるがどうにか眠れたのは、部屋の中が陽の光で白み始めたころだった。

イルミネの次にヤるとしたら?

  • アンティーカ
  • アルストロメリア
  • 放クラ
  • ストレイライト
  • ノクチル
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