【シャニマス】四泊五日の温泉ロケ、中年Pと相部屋になったイルミネ3人 作:黒胡椒サラミ
「はい、良いよ真乃ちゃん! その表情! もうちょっとだけ首を傾げて! いいねぇー! マジいいよ!」
電子的なデジカメのシャッター音がして、フラッシュがたかれる。テンションの高いカメラマンの指示を受けて、桃色の浴衣を着た真乃がポーズをとっていく。この温泉地におけるめぐるたち三人の最初の仕事は、温泉地全体のPR用の宣材撮影だった。
温泉地に遊びに来た高校生アイドルという体で、めぐるたちとプロデューサーは、数人の撮影用のスタッフを引き連れて、民芸品を売る土産物屋や地元の神社などを巡っていた。めぐる、真乃、灯織の三人は、旅館のものとは違う、それぞれ異なった色の浴衣を身に着けている。少女たちはいつもと違った形に髪を結い、足元は下駄履きで、手には民芸風の手提げや団扇などの小道具を握り締めていた。
今は、小川に架かった小さな橋の上にいる。赤い欄干に寄り掛かった真乃が、山と温泉街の古風な街並みを背景に、どこか物憂げな表情で遠くを見ている。これもカメラマンの指示だ。
「いやぁ~、良いっすねぇプロデューサーさん! おたくの真乃ちゃん、前よりもぐっと良くなりましたよ!」
「そうですか……。それはどうも」
「表情に幅が出てきたっつーか、色気があるっつーか、マジでグッときますねぇ!」
「ありがとうございます。真乃も喜びます」
このカメラマンは、以前にもめぐるたちのグラビアを撮影したことがある。やたらにテンションが高く声が大きいが、大物芸能人が彼を特別に指名するほど、この道では結構知られた人間らしい。まだ駆け出しアイドルの部類であるめぐるたちの撮影に、こういう人材が用意されているのも、プロデューサーの努力と手腕のおかげだと言えるのかもしれない。
「じゃあ、次はめぐるちゃん、行ってみようか!」
「は、はいっ! よろしくお願いしますっ!」
「良いねぇ! 良い返事だよ!」
そう、プロデューサーは、きちんとめぐるたちのプロデューサーとしての仕事をしている。彼は仕事に対しては、真面目で誠実な人間のはずなのだ。
だからめぐるも、午前の露天風呂で起きた事を忘れられないながらも、こうやって仕事に出てきていた。
(真乃……)
カメラマンの指示で配置につきながら、めぐるはプロデューサーと会話する真乃の横顔をちらりと眺めた。
今からほんの数時間前、あの露天風呂で、真乃とプロデューサーは激しい性行為に及んでいた。昨晩は灯織と交わっていたはずのプロデューサーが、次の日の朝には真乃と性交する。それだけでも十分に驚きだったろうに、喉奥まで使った真乃のディープフェラや、真乃が意識を飛ばすようなプロデューサーの中出し種付けなど、処女のめぐるが目撃するにはあまりにもショッキングな光景が、あそこでは展開されていた。
あまりにも非現実的過ぎたので、めぐるは心の中で、昨晩の灯織の事も含めて、全ては自分が見た夢だったのではないかと思い始めていた。実際、今プロデューサーに話しかけている真乃は、めぐるの知っているいつもの真乃だった。そのほんわかとした笑顔を見ていると、とても「ああいう行為」が彼女にできるとは考えられない。
それほどに、プロデューサーと交わっている時の真乃の表情は淫靡だった。
(でも……、でも……、わたしもあの後、お風呂であんな事……。一人で、あんな……)
そう、プロデューサーが気絶した真乃を抱えて去った後、露天風呂に取り残されためぐるは、一人で自慰行為に及んでしまったのだ。
自慰というものを、めぐるは一応以前から知っていた。と言っても、これまでにほんの数回だけ、自室で肉芽を撫でて、浅い絶頂を味わってみた事がある程度の可愛らしいものだ。そんなめぐるからしてみると、あの時の真乃が、プロデューサーの凶悪なモノに貫かれて、どれくらいの激しい快楽に満たされていたかなど、想像するべくもない。だがそれでも、一人になった露天風呂で自分の胸を揉みながら、充血して張り詰めた肉芽を指で握り潰した時、めぐるはこれまでの人生で最大の性感に襲われた。ビリビリと背骨に電流が走り、勝手に腰が踊ってしまう。あれが湯の中でなければ、めぐるは自分の股座が、白濁した蜜で濡れそぼっていた事に気付けただろう。
しかも、結局それを三回繰り返すまで、めぐるはその時のどうしようもない衝動から逃れられなかった。
(~~~~~~っ!)
それを思い出すだけで、めぐるの顔からは火が出そうだった。旅館の露天風呂という公共の場である事も忘れて、三回も自慰にふけってしまったのだから当然だろう。しかもそのオカズが、親友である真乃が、プロデューサーの大柄な身体によって、好き勝手に蹂躙されている光景だったとくれば――
(ダメダメっ! 思い出さないでっ!)
めぐるはぶんぶんと頭を振って、あの時の事を頭から振り払おうとした。灯織だけでなく、真乃もプロデューサーとあんな関係だった事を知ってしまった今、どうしていいか分からないが、ここから逃げ出すわけにもいかないのだ。今は忘れて仕事をしよう。この仕事が終わって家に帰ってから、どうするか改めて考えよう。めぐるがそう思った時――
「ちょっとめぐるちゃん! 何してんの!」
「えっ」
怒りを含んだカメラマンの大声が、めぐるを我に返らせた。
「さっきから、ボクの言ってること聞いてた!?」
「えっ、あっ」
そうだ、今は撮影中だった。めぐるが思い出した時には、カメラマンはファインダーから目を離して、大げさな手ぶりで自身の不機嫌をめぐるに伝えていた。
「聞いてなかったの!? そんなんじゃ困るよ!」
確かに、めぐるは彼の指示を全く聞いていなかった。咄嗟にめぐるは勢いよく頭を下げた。
「ご、ごめんなさい!! ぼうっとしてて、あのっ!」
「真面目にやってよね! こっちは忙しい中で――」
「ごめんなさいっ、本当にすみませんでしたっ!」
カメラマンはそのまま、めぐるの仕事態度について叱りつける。彼の怒りようは、未熟な高校生アイドルに対するものとしては、多少度が過ぎたものがあったかもしれない。しかし、ここで悪いのは自分だとめぐるにも分かっていたから、彼女はただひたすらに頭を下げた。
「やる気が無いなら帰ってくれてもいいんだよ!?」
「ちょっと、すみません」
「あん――!?」
「めぐるがどうかしましたか」
カメラマンが振り向くと、そこにはめぐるたちのプロデューサーの顔があった。プロデューサーは、その顔に柔らかい笑みを浮かべている。
「どうしたもこうしたも無いよ!」
カメラマンは、めぐるに対する不満をプロデューサーにぶつけ始めた。それだけでなく、ここで言わなくてもいいだろうという色々な愚痴を、彼に叩きつける。だが不思議なもので、それでカメラマンの怒りの矛先は、完全にめぐるから逸れてしまった。
「本当に申し訳ありません」
何かを言われるたび、プロデューサーはカメラマンに対して丁寧に頭を下げて詫びる。カメラマンの愚痴の中には、プロデューサーに対する個人攻撃のようなものまで含まれていたので、その原因を作っためぐるは居たたまれなくなった。
「じゃあ、もうこんな事無いようにしてよ!」
「はい、ありがとうございます」
「よしっ、めぐるちゃん、もう一回ポーズとって!」
「え、は、はいっ!」
ようやくプロデューサーが説教から解放されると、まるで何事も無かったかのように撮影が再開した。めぐるは心の整理をつけかねていたが、それでも何とか笑顔を繕って、カメラマンの要求に応えていった。
「めぐる、お疲れ様」
「灯織……」
昼からの撮影が大体済むと、ベンチに腰かけてうなだれているめぐるの傍に、コロコロと下駄を鳴らし、灯織が寄ってきた。青い浴衣を着た灯織は、何も言わずにめぐるの隣に腰を下ろした。しばらく無言の時が流れてから、口を開いたのはめぐるだった。
「……プロデューサー、たくさん謝ってた」
「……うん」
「わたしがぼうっとしてたから」
「そうかもね」
「……はぁ~」
めぐるは更にうなだれて、自己嫌悪のため息を吐いた。そんな彼女を見て、灯織はクスリと微笑んだ。
「どうして笑うの?」
「いつもと逆だなって」
「逆?」
「いつもは、私が落ち込んで、めぐるが励ましてくれるから」
「……じゃあ、励ましてよ」
「……よし、よし」
灯織はそう言いながら、まるで幼子をあやすように、めぐるの金髪を撫でた。
「プロデューサー、怒ってるかな……?」
めぐるは言った。めぐるの今日の不調は、元をたどればそのプロデューサーのせいだと言えそうだが、自分の失敗の事をそんな風には考えないのがめぐるだった。そんなめぐるに、灯織はいつもの静かな声で言った。
「怒ってないと思うよ。あのカメラマンさんは、よくああいう風になるからって、プロデューサーも言ってたし」
「うん……」
「気になるなら、夕方の撮影が始まる前に、プロデューサーと話して来たら?」
「……そうだね」
この休憩時間の後、夕暮れになれば撮影は再開される。夕焼けをバックにした写真と、日が落ちた夜の温泉街での写真も撮る予定だからだ。灯織の提案に、顔を上げためぐるは頷いた。
「そうしてくるよっ。ありがとう、灯織」
「ううん」
「あっ、でも、プロデューサーはどこに行ったのかな?」
それなりに長い休憩時間がとられていたので、撮影再開までの行動は各自自由だった。めぐるたちも、そうしたければ土産物屋などを見て回ってきてもよいと言われている。
「スタッフの人と打ち合わせ……じゃないよね」
めぐるが視線をやった先には、プロデューサー以外の撮影スタッフの姿が見える。喫煙所に固まって、撮影再開までの時間を雑談で潰すつもりのようだ。めぐるたちのプロデューサーは煙草を吸わないし、打ち合わせならもう事前に済んでいるはずだ。ならば、プロデューサーもプロダクションへのお土産などを購入するため、どこかに行ってしまったのだろうか。めぐるがきょろきょろ辺りを見回していると、灯織が心当たりをつぶやいた。
「……多分、神社だと思うよ」
「え、神社?」
「うん、お参りしたいって言ってたから」
めぐるは視線の方向を変えた。温泉街の外れには、少し長い石段があって、その上には小ぢんまりとした神社がある。めぐるたちはさっき、そこでも撮影を行ってきた。
「お参り……?」
「商売繁盛だって」
「本当?」
「さあ?」
灯織は曖昧に笑った。神社の神様が本当に商売の神様なのかは分からないが、プロデューサーがそこにお参りに行ったという事は確かなようだ。なら、次の撮影が始まる前に、少しだけさっきのことについて話しておきたい。めぐるはそう思った。
「……分かった、じゃあ……行ってくるね。……灯織は?」
「めぐるが一人で行ったほうが、いいと思うな」
めぐるは付き添いを求めるような視線を灯織に向けたが、灯織はそれを断った。プロデューサーに謝ったりしたいのならば、二人きりで話すほうが良い。そういう事だろうと、めぐるは受け取った。
「うん、分かったよ」
めぐるは頷くと立ち上がり、少し早足で、カラコロと下駄を鳴らして石段のほうに歩いていった。
その背中を、灯織は優しい表情で見送って、それからぽそりとつぶやいた。
「……もしかしたら、プロデューサーと一緒に、真乃がいるかもしれないけど……」
そう言った時の灯織の唇は、何故かとても艶めいていた。
――――――――――――――――――
その神社に続く石段は、ただでさえ人気の少なくなった温泉街のはずれにある。そこまで来ると、もう人の影は完全に見えない。石段の下には、赤い布をスカーフにしたお稲荷様が鎮座していて、その前には数個の温泉饅頭が備えられていた。石段は数十段あり、鬱蒼とした林に挟まれている。お稲荷様の横に立っためぐるの目に、石段を登り切った先にある、すすけた鳥居の頭が見えた。聞こえるのは、風で林がざわざわと騒ぐ音だけだ。
(なんか、お化けとかが出てきそう……かも)
まるで怪談に出てきそうな場所である。めぐるはその景色を見てそう思った。もしも今が夜だったら、ここを一人で登るのには、大分勇気が要ったに違いない。だが、この神社にはさっきも撮影で訪れた。それに、上にはプロデューサーがいるはずなのだ。
「よしっ」
小さく気合を入れると、めぐるは一歩目を踏み出した。浴衣を着ている上に足元は下駄だから、彼女が歩く速度は決して速くない。一歩一歩、確かめるように石段を登っていく。温泉街は段々と遠くなり、林が作った影のせいで、まだ日はあるのに薄暗くなった。
「プロデューサー、本当に上に居るのかなぁ……?」
不安と寂しさを誤魔化すため、めぐるはわざと声に出してそう言った。彼女はまだ16歳だ、こういう場所に幽霊が出るかも――という想像を完全に振り切るには、いささか若すぎる。
(プロデューサーに、どうやって謝ればいいかな……)
しかも今の彼女の頭の中には、そんな風に心を落ち込ませる心配事があった。自分の失敗で、プロデューサーに下げなくてもいい頭を下げさせた。そんな思いが、めぐる持ち前の明るい笑顔を奪っていた。
(……それに、灯織と真乃のことも、どうすればいいのかな……)
そして、敢えて忘れたふりをしていても、やはりその事もめぐるの頭を悩ませていた。プロデューサーは、めぐるの大切なユニットメンバーである二人と肉体関係にあった。それはどうしようもない事実なのだ。他ならぬめぐる自身の目と耳が、彼らの交わるところを見て、聞いてしまったのだから。
めぐるがプロデューサーと二人で会いたいのは、さっきの事を謝りたいからである。だが、二人きりの場所でなら、プロデューサーと灯織たちの関係について、直接問いただす事ができるかもしれない。そう考える気持ちが、めぐるの中にも有った。
「…………っ、んっ」
めぐるは石段の半ばで立ち止まると、浴衣の前を合わせ直した。その頬がほんのりと紅潮していて、少しだけ息が乱れているのは、石段を登って疲れたからだろうか。それとも、プロデューサーと二人きりになって、灯織と真乃との事を彼に問いただした時、自身の身に起こるかもしれない「何か」を想像したからだろうか。
(…………あそこに、プロデューサーが)
石段の頂点を見上げ、めぐるはごくりと喉を鳴らした。そしてそこから一歩上がるたびに、トクントクンと動悸が高まっていく。
石段を上った先にプロデューサーがいる。いたら、自分は彼に謝る。謝って許してもらえたら、それから自分はどうするだろう。「昨日の夜、部屋で灯織に何していたの?」と尋ねるのだろうか。それとも、「今日の朝、露天風呂で真乃と何をしてたの?」と問いただすのだろうか。それらの問いを口にしためぐるを、彼と彼のプロデュースするアイドルとの後ろめたい関係を知ってしまっためぐるを、プロデューサーは一体どうしてしまうのだろうか。
その答えは分からない。だが、どこか熱に浮かされたようにふらふらと石段を上る今のめぐるを、他の何かに例えるならば、それは、恐ろしい毒蜘蛛の巣があると知りながらそこに向かって飛んでいく、サナギから羽化したばかりの蝶だった。
「プロ、デューサー?」
石段を上り切り鳥居をくぐると、途端に視界が開けた。石段から続く石畳の先にお社があり、石畳の周りは白い砂利で敷き詰められ、その上には枯れ葉一枚落ちていない。小さな手水舎から、ちょろちょろという水の音が響いている。そこは住み込みの神職も居ない小さな社だが、この温泉地にとっては重要な神社で、神域は街の者の手によって良く整備されていた。山腹の林の中にぽっかりと空いた空間の入口で、めぐるはしばし立ち尽くし、目当ての人間の姿を探した。
しかし、誰も居ないようだ。
「……………はぁ~」
それを確認すると、強張っていためぐるの肩から力が抜け、彼女は大きなため息をついた。
「な、なぁんだ、灯織の勘違いか~。それとも、もう別の場所に行っちゃったのかなぁ?」
めぐるはどことなくぎこちない笑いを浮かべながら、浴衣をせわしなく整えた。彼女がしきりに胸元を気にするのは、何だか身体が熱くなっていて、体温をどこかに逃がしたかったからだ。
「もうっ、ドキドキして損しちゃ――」
(…………え?)
めぐるは言葉を中断し、ある疑問を思い浮かべた。
自分は何故ドキドキしていたのか、どうして損をしたと思うのか。
「う、ううん、違う、違うよ。ドキドキなんかしてないしっ」
それに損をしたと思うのは、プロデューサーに謝るつもりだったのに、彼がここに居なかったからだ。そんな風に、自分の独り言に対して、めぐるは一人で言い訳をした。
身体の熱が収まらない。どうにかして頭を冷やしたい。そう思っためぐるは、しゃりしゃりと砂利を踏みしめて、手水舎に近寄った。そして柄杓で水をくむと、行儀が悪いと知りながら、その澄み渡った水を一息で飲み干してしまった。
「ん――くっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
走ってもいないのに息が荒い。冷たい水を飲んだのに、身体は火照ったままだった。
変だ。本当に変だ。身体と思考が変になっている。それはいつから――、そう、昨晩部屋で、灯織とプロデューサーがセックスをしている音を聞いてからだ。
「んっ――」
めぐるはぎゅっと目をつぶると、浴衣の下で、もじもじと内ももを擦り合わせた。
(なに、これ……。お腹の奥が苦しくて……切ない、よぉ……)
下腹の奥がジンジンとする。お腹が空いたのとは別の意味で、満たされないと感じてしまう。既にめぐるのショーツには、少女の割れ目に沿って、卑猥な縦染みができていた。
露天風呂で三回もしたばかりなのに、オナニーしたくてたまらない。淡い緑の浴衣をはだけて、ショーツの中に手を入れ、はしたなく自慰にふけりたい。そうしないと、身体が熱くてどうにかなってしまいそうだった。
(――でもっ、ダメだよそんなの! ダメだからっ! 違うからっ!)
頭に露天風呂で見たプロデューサーの裸体が浮かびかけて、めぐるは激しくかぶりを振った。どうにかしてこの淫らな想像を頭から振り払いたい。そう考えためぐるの目に、お社が映った。
「あ……」
そこで参拝すれば、煩悩を落とすことも出来るのではないか。彼女がそのお社に向かって歩き始めたのは、そんな単純な理由からだ。そのお社――拝殿の前には小ぶりな賽銭箱が置いてあり、鳴らすべき鈴も一応ながらついている。その前で拝めば、きっと妙な考えも消えてくれるだろう。消えてくれるに違いない――。
「…………!」
しかし、彼女が向かった先には、彼女がここに探しに来た人間が居た。彼はめぐるがここに来た時からずっと、その中に居たのだ。
(ん、あっ――)
拝殿に近づくめぐるが気付いたのは、建物の中から聞こえてくる嬌声だった。めぐるは既にその声を一度聞いていた。今日の朝、露天風呂で……。そう、それはまさしく、めぐるの親友である櫻木真乃が快感に喘ぐ声だった。
(あっ、あっ、あっ、んっ)
拝殿の扉が、少しだけ開いている。めぐるは無意識に足音を忍ばせると、その隙間に目を当てた。
「プロデューサーさん、気持ちイイですかっ? 私のおマンコ、ちゃんとプロデューサーさんを気持ちよくできてますかっ? プロデューサーさんのおちんちん、私のおマンコの一番奥まで届いてますっ♡ 私、プロデューサーさんとプロデューサーさんのおちんちんが大好きです♡ いっぱい出して、私に種付けしてくださいね♡」
鼻にかかった甘え声で、真乃が自身に覆いかぶさるプロデューサーに、愛の言葉を囁きかけている。プロデューサーは、そんな真乃の上で夢中で腰を振っていた。
小さな拝殿の板張りの床の中央に、帯を解かれた真乃の浴衣が広がっている。その上で、真乃はプロデューサーによってマン繰り返しの体勢にされ、反り返った黒い肉棒を、何度も何度も秘裂の中に突き込まれていた。
(真乃と、プロデューサー……!)
繋がった二人は、拝殿の奥に頭を向けている。つまり、外からその様子を覗くめぐるには、二人の結合部分が最もよく見える格好になった。中年プロデューサーの毛の生えた汚い尻の穴までが、めぐるの視界を犯している。プロデューサーが腰を上げると、肉棒が真乃の膣からずるずると引き抜かれる。その竿は、真乃が分泌した白濁した本気汁でべっとりと濡れている。
「ん――っ、きゅうっ!?♡」
亀頭が抜ける寸前まで腰を持ち上げると、今度は逆に勢いよく打ち下ろす。プロデューサーのペニスに奥を突かれ、真乃は歯を食いしばり、喉をのけぞらせてヨガった。串刺しにされた真乃は、天井に向かって足をピンと伸ばし、覗き見をしているめぐるにも、自分がどれほど幸福な快感を味わっているかという事を伝えていた。
(あんな、あんなに奥まで、あんなに長いのが、あんなに奥まで真乃の中に入っちゃってる……!)
拝殿に灯りは設置されていないが、障子窓から差し込む光で、中の様子は十分に把握できる。露天風呂の時と違い、めぐるの目には全てが明瞭に映っていた。あんな長大であんなグロテスクな物体が、真乃の細い身体の内部を出入りしている。絶対に苦しいはずなのに、真乃の声から伝わってくるのは途方もない快感だけだ。
奥まで肉棒を突き入れると、プロデューサーは今度はぐりぐりと腰を回転させ始めた。その動きにビクビクと激しい反応を返しながら、息も絶え絶えになった真乃が、プロデューサーの首に腕を巻き付け、彼に心からの感謝の言葉を囁く。
「はーっ、はーっ、はーっ――んっ♡ プロデューサーさんっ、ありがとうございます。お風呂で一回しかできなかったから、私、撮影中もずっと切なかったんです♡ プロデューサーさんの赤ちゃんミルクがお腹に入ってないと、我慢できないカラダになっちゃったから――あっ♡」
ゆるゆると肉棒が引き抜かれ、またゆるゆると奥に戻ってくる。露天風呂の時と違い、プロデューサーは真乃の意識を飛ばさないように、ある程度手加減しているようだった。だがしかし、それで真乃に与えられる快感が弱くなる訳ではない。真乃は蕩け切った夢見心地の表情で、はあはあと熱い吐息をこぼしている。少女は中年男が与えてくれる快楽に、身も心も支配されていた。
「あっ、はぁっ!♡ んっ、ぷろ、デューサーさんっ!♡」
真乃の腰もいやらしく動き、膣内の無数のひだがプロデューサーのペニスを執拗にねぶり回す。
言葉もなく腰を振っていたプロデューサーが、それに堪えかねたように声を出した。
「おっおっ、イクぞ、真乃っ!」
「はっ、はいっ、ん、んあぁっ!♡ 中で、膨らんでっ♡ 出してくださいっ♡ おチンポのミルク、奥に、いっぱいっ!♡」
「うおおおお!」
「んっ♡ む、ああああああぁっ!♡」
二人は獣が吠えるような声を上げ、絶頂の快楽に浸っている。どくどくと精液が吐き出される音が、めぐるの耳にも届いた気がした。真乃の脚はプロデューサーの腰に絡みつき、与えられる精を一滴もこぼすまいとしているかのようだった。真乃のピンク色の菊門はヒクヒクと動き、そこにもザーメンをおねだりしているように見えた。
そして、めぐるはというと――。
(真乃っ、真乃っ、真乃っ、真乃っ――)
扉の隙間から、親友である真乃が犯される様子を食い入るように見つめながら、己の胸とクリトリスを激しく弄っていた。
(んっ、あっ、気持ちイイっ、クリトリスっ、凄いっ! これ、すぐイッちゃう!♡ 真乃と一緒にわたしもイッちゃう――――――っ!♡)
声が漏れないように唇を噛み締め、涙目になりながら肉芽をこすり、真乃が種付けされるのと同時に、指の腹で強く押し潰した。胸を揉んでいた手にも、ぎゅっと力を込める。そうすると、めぐるの身体はいとも簡単に絶頂に昇りつめた。
(あっ、あっ、あっ、あっ――♡ 頭の中に、白いのがチカチカ光って、すっごくイイっ)
浴衣の合わせ部分から手を差し込んで、めぐるは自分の胸と秘所をまさぐり続けている。拝殿の中にいるプロデューサーたちも、すぐに二回戦を開始したようだ。いや、めぐるが来る前から彼らはこの行為を始めていたのだから、既に何回戦も繰り広げられた後なのかもしれないが。
それからも、真乃とプロデューサーが絡み合う場面を覗き見ながら、めぐるは自慰にふけった。だが何回絶頂しても、身体の疼きは収まる気配を見せない。
(気持ちイイっ! 気持ちイイっ! 気持ちイイよぉっ!)
クリトリスを虐めながら、めぐるの腰はひとりでにくいくいと前後に動いていた。だが、こんな快楽を味わうのは初めてなのに、意識が朦朧とするほどに気持ちいいのに、一かけらも満足できない。切なさだけが募っていく。それは一体どうしてだろうか。
「凄いですっプロデューサー♡ 深くて、ぐりぐり当たってっ♡ これっ凄いです!♡ あああ――――――っ!!♡♡」
(真乃が、プロデューサーに、中で出されてるっ!♡ そんな、そんな、わたしも、イッちゃう――っ♡)
プロデューサーに射精され、真乃が再びアクメした。それとタイミングを合わせ、めぐるも絶頂する。だが、やはり全く満足できない。もっともっとと、身体の内側から訴えかける声が止まらない。お腹の奥が切なくて切なくて、いっそ辛い。種付けされた真乃がとても幸せそうな表情をしているのと、涙目のめぐるは対照的だった。
(真乃、すっごい気持ち良さそうだよぉ……。プロデューサーにセックスされるのが、そんなに気持ちイイの? 精液、中に出されると、そんなに幸せになれるの?)
まるで餌を欲しがるメス犬のような瞳で、めぐるは真乃の膣を出入りするプロデューサーのオスチンポを見つめていた。そこにはもう、親友が犯されているという驚きも、プロデューサーの毛深い肉体に対する嫌悪感も何もない。ただただ、あれが自分の中に入ったら、一体自分はどうなってしまうのだろうという好奇心だけだった。
「真乃、ここの神様が何の神様か知ってるか?」
松葉崩しに体位を変え、汗だくになって交わっている最中、プロデューサーがふと、真乃にそんな質問をした。
「ほわぁ……? 知りません……♡」
既に真乃の瞳は完全に情欲に蕩け、乳首もクリトリスもピンピンに張り詰めていた。だが少女の身体は、プロデューサーから先の質問の答えを聞いた途端、更に淫らに変化した。
「子宝と、安産祈願だそうだ」
「あ…………♡」
真乃の胎内の様子を透視する事ができれば、その瞬間、彼女の奥でぽこんと卵が生み出されたのが分かっただろう。彼女の膣内は前にも増してガチガチに締まり、プロデューサーのチンポを離すまいと締め付ける。子宮口は降りきって、鈴口に熱烈な種請いキスを開始していた。
安産祈願と聞いただけで、身体が繁殖の準備を整えてしまった女子校生アイドルに対し、プロデューサーは意地悪い笑みを浮かべて問いかけた。
「どうする、本当に妊娠したら」
ここまでにも、真乃はプロデューサーに対し、孕ませて、種付けしてとしきりに懇願していた。しかし彼は改めて、子宝の神様の眼前で本気の子作りセックスを行い、中年男の種で妊娠する覚悟はあるかと、真乃に問いかけているのだ。
それを耳にして、めぐるもさすがに顔色を変えた。
(そ、そうだよね。エッチって、赤ちゃんを作るためにするんだもん。……プロデューサーのアレをお腹の中に入れられたら、妊娠しちゃうかもしれないんだよね。そうしたら、高校生なのにママになって、アイドルも続けられなくなっちゃう……)
めぐると同じ事を、真乃も思い浮かべていたようだ。真乃はきゅっと目をつぶり「妊娠したら、めぐるちゃんと灯織ちゃんと、アイドルを続けられなくなっちゃいます」と言った。
「じゃあ止めるか? 出さずに抜くか?」
「ん――、くぅんっ♡ で、でも、でも――!」
松葉崩しの体勢のまま、プロデューサーがゆるゆると腰を回す。真乃は背をのけぞらせて、切ない声を漏らした。
「でも、私、めぐるちゃんたちとアイドルを――! あぅっ――!♡」
プロデューサーは、真乃の言葉が終わらない内に、亀頭で子宮口を軽く小突いた。
「お前が口でどう言っても、お前のマンコは、射精してくれって言ってるぞ?」
そうなのだ。プロデューサーが指摘した通り、妊娠という言葉を耳にしてから、真乃の秘裂は彼のチンポをがっちりと咥え込み、膣壁をざわざわと収縮させて、激しくザーメンをおねだりしている。チンポを引き抜こうと思っても、ちょっとやそっとでは抜けなさそうだ。
「私、灯織ちゃんとめぐるちゃんと、アイドルを――――きゃうっ!?♡」
それからも、真乃が種付け懇願をためらって言いよどむたび、プロデューサーは彼女のポルチオを責めて、嬌声で言葉を中断させる。しかも、決して激しくピストンせずに、本気イキだけは味わわせないようにしてだ。
「はーっ、はーっ、はーっ、はーっ♡」
そんな状況がしばらく続いて、真乃は息も絶え絶えになった。彼女の腕は完全に脱力して床に投げ出され、瞳にはハートマークが浮いている。プロデューサーは、真乃に絶頂間際のもどかしさを徹底的に味わわせて、彼女の思考をぐずぐずに蕩かしてしまった。少女の頭の中には、もはやプロデューサーの逞しいチンポと、それから吐き出されるオス臭いザーメンの事しかない。
「真乃、もう一度聞くぞ。……お前は、どうして欲しい?」
「ぷろでゅーさーさんの、あかちゃん、ほしいです……」
仰向けのまま、荒い呼吸に胸を上下させながら、呂律の回っていない舌で、真乃はそう答えた。
「かみさまのみてるまえで、まのに、たねつけしてください……」
「……良し、いい子だ」
メスが自分の前に完全に屈服したのを確認すると、プロデューサーは満足そうに頷いた。それと同時に、彼は腰の律動を再開する。
「あっ♡ んっ♡ あっ♡ あっ♡ んあっ♡」
男のピストンに合わせ、真乃の口から飛び出てくる嬌声は、さっきまでよりも更に淫らなものになっていた。
「お゛っ♡ おっ♡ あっ♡ んおっ♡ むっ♡」
あまりの快感に脳神経を焼かれ、真乃は殆ど白目をむいて、犬の様に口からだらしなく舌を垂らしている。先ほどの種付け懇願と合わせて、今の彼女の姿をファンが見たら、絶望で首を吊ってもおかしくない。
「真乃! お前のマンコ、メチャクチャ締まってるぞ! お前の望み通り、濃いのを沢山奥に出してやるからな!」
「あっ♡ ぎゅっ♡ おっ、おっ♡ んっ、ぎぃっ♡」
「出るぞ! 絶対に孕めよ! 孕ませてボテ腹のまま、ファンの前でステージ衣装で歌わせてやる!」
プロデューサーはプロデューサーで、真乃の片足を抱えて激しく腰を振り、アイドルマンコの中に孕ませるための射精をして、心地よくなることしか頭にない。普段は真面目に彼女をプロデュースする彼と、獣欲に支配された今の彼はまるで違う。さしずめ二重人格者のようだった。
彼女たちのアイドル活動を冒涜するような文句を口にしながら、真乃に種付けしようとするプロデューサーの姿を見て、拝殿の外に居るめぐるは思った。
(プロデューサー、私たちをプロデュースしながら、あんな事考えてたの……?)
「灯織もだ! 灯織も絶対に孕ませる! 仲良く高校生ママアイドルになれ! 二人とも俺の子どもを産め!」
(真乃も、灯織も妊娠させて、ママにしちゃうつもりだったの……?)
めぐるはこの温泉ロケまで、自分たちのプロデューサーの事を、少し冴えないおじさんだが、仕事は真面目な頼れる人間として信頼していた。時には両親や学校の先生よりも、めぐるの事を第一に考えてくれていると思っていた。
しかし今の彼は、荒々しく真乃を犯し、彼女を完全に支配下に置いて、思うさま蹂躙している。
(真乃も、灯織も……)
裏切られた。
信じられる人だと思っていたのに、そうではなかった。
だから、今のめぐるはものすごく悲しいはずだ。そう思わなければならないはずなのに。
(真乃も灯織も、あんなに激しくて……、気持ち良さそうに……っ)
なのにどうして、こんなに身体が熱くなってしまうのだろう。真乃や灯織のように、自分もプロデューサーに組み敷かれ、無理やり犯される想像が頭から離れないのだろう。
「うおおおおおおっ!!」
「ほっ――ぎゅぅうううっ!!♡♡♡♡」
プロデューサーが、真乃の胎内に射精した。めぐるには、見ているだけでプロデューサーが、射精するタイミングが分かった。思考は混乱の極みにありながらも、めぐるは彼の射精に合わせて、乳首とクリトリスをぎゅっと指で押しつぶし、絶頂の快楽を味わった。
(気持ちイイっ! 真乃がプロデューサーに乱暴にされてるのに、すっごく、すっごく気持ちイイよぉっ……! ……でもぉっ!)
しかしやはり、めぐるの身体には快感と同時に切なさが募る。真乃と灯織はプロデューサーに中出しされて、失神するほどの絶頂を味わっているのに、自分は一人情けなく己を慰めている。めぐるはその事が、どうしようもなく寂しかった。
イルミネの次にヤるとしたら?
-
アンティーカ
-
アルストロメリア
-
放クラ
-
ストレイライト
-
ノクチル