【シャニマス】四泊五日の温泉ロケ、中年Pと相部屋になったイルミネ3人 作:黒胡椒サラミ
プロデューサーの雰囲気が変わった。
めぐるがそれに気付いたのは、この温泉ロケに来てから三日目の朝だった。
昨夜の夕食の時、めぐるはプロデューサーから逃げるように、温泉に入ると偽って部屋を出てしまった。彼女がそんな嘘をついたのは、灯織と真乃に同時に手を出す彼に嫌悪を抱いたから……ではないはずだ。もしそうであるならば、閉めた扉にすぐに耳を当て、室内の物音に耳を澄ませる必要があっただろうか。
その時のめぐるは、めぐる以外の三人だけになってしまった部屋で、「何か」が起こる事を明確に期待していた。期待して、じわりと股を湿らせていたのだ。当然、めぐる本人にそうなのかと聞いても、彼女はそれを認めないだろう。だが既にめぐるは、真乃と灯織がプロデューサーに犯される光景をオカズにして行う自慰の快楽に、憑りつかれつつあったのかもしれない。
めぐるの期待通りにというべきか、しばらくすると、プロデューサーと二人が、いやらしい事をする声が漏れてきた。ほぼ貸し切りとは言え、従業員か誰かが通る可能性が十分にあるにも関わらず、めぐるは息を荒くして、自身の秘裂に指を這わせた。そして、一度だけ甘イキを味わったところで、室内が急に静かになった。三人に気付かれたと思って、めぐるは慌てて扉の前から離れ、エレベーターでロビーに逃げた。結局それから日付が変わるくらいまでふらふらと時間を潰し、三人が寝静まった頃を見計らって、ようやく部屋に戻ったのだ。
夜中は何も起きなかった。真乃と灯織はぐっすりと静かな寝息を立てていたし、プロデューサーは彼女たちが眠っている十二畳敷きの奥のスペースでいびきをかいていた。身体の芯が妙に熱くて、熟睡できなかったのはめぐるだけだ。
深夜、ようやく眠れたと思ったら、布団に黒い何かが覆い被さって来て、めぐるは何度も目を覚ました。その黒いものはプロデューサーの大きな身体であり、プロデューサーのペニスはめぐるをレイプするために、ギンギンに反り返っていた。――だが、それはめぐるの夢に過ぎない。本当に目を覚ました時には、そこには誰も居ないのだ。
そうやって目を覚ますたびに熱くなる身体を抱え、めぐるは一晩中、悶々と苦しんだ。
朝、めぐるが目覚めると、既に灯織と真乃の姿は部屋に無かった。
「二人とも、風呂に行ったぞ」
「――――!! プ、プロデューサー……」
部屋にいたのはプロデューサーだけだった。彼は浴衣姿のまま、窓際の椅子に座って、めぐるの事をじっと見ていた。上半身だけを布団から起こしためぐるの身体は、寝汗でしっとりと濡れている。それを眺めるプロデューサーの目つきは、昨日までとどこか違い、妙に鋭く、めぐるの身体の隅々までを舐め回すようなものだった。
その視線に磔にされたように、めぐるがお早うを言うのも忘れて固まっていると、プロデューサーは言った。
「今日の予定は変更だ」
「――え?」
「めぐる、今日は真乃と灯織とは別行動になる。二人は街に降りて、温泉街の食レポだ」
プロデューサーは静かな落ち着いた声で喋っている。今彼が言った食レポは、三日目の予定として、初めから織り込まれていた仕事だ。しかし予定では、めぐるも一緒に参加するはずだった。食いしん坊のめぐるは、今回の仕事の中で、それを一番の楽しみにしていた。
「わ、わたしは、どうするの……?」
しかし今は食欲よりも、彼女の身体を切実に苛む別の欲求がある。その欲求がそうさせているのか、めぐるはプロデューサーの鋭い眼から目を逸らす事ができず、ただ指示を仰いだ。
「お前は、俺と二人で仕事だ」
「プロデューサーと、ふたり、だけで……何をするの?」
赤ずきんが、おばあさんに化けた狼の前でそうしたように、めぐるは質問を繰り返した。
「簡単な仕事だ。山の上のほうに、いくつか秘湯って呼ばれてる温泉が湧いているそうだ。そこのPR用の宣材を撮りに行く」
「撮影……?」
「ああ、俺がそこまで運転する。……まあ、と言っても、歩いて行けない事は無いくらいの距離さ」
「ふたりで、そこに……? でも、でも、カメラマンさん、とかは……?」
「心配するな」
そんな急に予定を変更して、カメラマンの手などは足りるのか。めぐるの疑問は当然であった。しかし、プロデューサーはその質問に対し、即座に、かつ断定的に言った。
「俺が撮る。……お前らの魅力を一番分かってるのは、俺だ」
「……っ!」
やけにドスの利いたその声を受けて、めぐるの背筋をぞわりとしたものが走り抜けた。それは寒気のような、あるいは甘い痺れのような、良く分からない何かだった。そして、それが実際に何だったのかにせよ、めぐるがこう答えたのは事実なのだ。
「う、うんっ……。そう、だよね」
もうすぐに出発するとプロデューサーが言うので、めぐるは身支度を整えるために布団から抜け出て立ち上がった。
「着替えたら広間で朝食だ。夕方まで部屋に戻れないから、必要なものは全部持って出てくれ」
「うん、分かった。………………」
「……どうした?」
立ったまま動こうとしないめぐるに対し、プロデューサーが急かすように声をかけた。だが――
「あのね、プロデューサー。プロデューサーにそこに居られたら……、着替えられないんだけど……」
「ああ、そうだったな」
彼はさも今気づいたという声を出したが、昨日までの彼ならば、めぐるが一々こんなことを言わずとも、さり気なくどこかに席を外してくれたはずだ。しかし今日のプロデューサーは、肘掛け椅子に腰かけたまま、全く動く気配が無い。
「プ、プロデューサー?」
「悪いが、今日は急ぐからな。すぐに着替えてくれ」
「え……?」
「服は学校の制服でいい」
「う、うん。でも……」
「ああ、そうか。俺も着替えなきゃな――」
「あ――!」
めぐるは思わず声を出した。プロデューサーはようやく椅子から立ち上がったかと思うと、おもむろに浴衣の帯を解いて、前をはだけたのだ。それだけで、だらしなく脂肪がついた中年の下腹や、鼠色のブリーフが露わになる。
「どうした? 独りで着替えられないなら、俺が手伝おうか?」
「う、ううんっ!」
めぐるは首を振りながら、プロデューサーの身体から慌てて目を逸らした。プロデューサーが急いでいるのなら仕方ない。彼にいやらしい気持ちは無いはずだから大丈夫だ。心の中でそんなお粗末な言い訳をしながら、少女はついに、自分の浴衣の帯に手をかけた。
しゅるりしゅるりという衣擦れの音が、十二畳の和室の中で、やけに大きく響く。めぐるは浴衣の下に、寝間着代わりのTシャツとホットパンツを身に着けていた。シンプルなデザインのTシャツは、めぐるの巨乳のせいで、生地がパツンパツンに張っている。出かけるために着替えるのなら、それも一度脱がなければならない。
めぐるがプロデューサーの表情をうかがうと、早くしろと、男の厳しい目が言っている。めぐるは最早、その目線に逆らえなかった。
「ンっ……!」
しばらくもじもじとためらってから、めぐるは両手を上げ、Tシャツを脱いだ。その下から、高校一年生とは思えない、めぐるの90㎝のバストがこぼれ出る。張りのある半球は、先端を隠す薄緑色のブラとともにプルンと揺れた。
(脱いじゃった……。プロデューサーの前で……。わたしの心臓、信じられないくらいドキドキしてる……っ!)
動悸の音がやかましくて仕方ない。ライブの直前でも、こんなに胸が弾んだ事は無い。しかもまだ終わっていない。めぐるは少し前かがみになると、ホットパンツに手をかけて、それも脱ぎ始めた。
「んっ……、しょっ……」
緊張で上手く脱げないのか、非常にゆっくりとした動作でホットパンツが下ろされていく。めぐるの秘部を守っている、ブラとおそろいの薄緑色のショーツがプロデューサーの前に晒され、前かがみになっているせいで、彼女のたわわな巨乳は、よりその谷間を強調していた。
水着でグラビアを撮影した事くらい、めぐるにも何回もある。ブラとショーツだけの姿になったとは言え、晒している肌面積はビキニとほとんど変わらない。だが、二人だけになった温泉旅館の一室で、プロデューサーにまじまじと見られながら脱衣するという行為は、恐ろしく淫猥な響きを持っていた。
その時のめぐるがプロデューサーから目を逸らさず、彼の股間部をよく見ていれば、ブリーフの前面が不自然に盛り上がり、はち切れんばかりになっていた事に気付けただろう。
「き、着替えたよ、プロデューサー」
どうにか着替え終わると、めぐるはプロデューサーに報告した。紺色のYシャツと赤基調のチェックスカート。めぐるの制服はどことなくアメリカンスクールを思わせるデザインで、金髪碧眼のハーフである彼女に良く似合っていた。
「じゃあ行くぞ、他の荷物は、全部車に積んである」
プロデューサーのほうも、いつの間にかスーツ姿に着替えている。二人が着ているのは、何の違和感もない、いつも通りの服装だ。いつもと違う部分があるとすれば、昨夜めぐるの制服にぶっかけられたプロデューサーの精液の残り香がほんのりと漂い、少女の嗅覚を知らぬうちに犯していた事くらいか。
ともあれそうして、急遽変更された予定に従い、二人は旅館の広間で朝食をとった後、車に乗って山の上のほうに移動した。
「………………」
「………………」
行きの車内では、お互いに完全に無言だった。助手席に座るめぐるは、どうしてかすぐ隣にいるプロデューサーの顔を見る事すらできず、ひたすら前を向いていた。プロデューサーが何を考えているのかは分からないが、いつもの彼よりも、少しだけ運転が荒っぽい気がする。速度もかなり出ていて、まるで、一刻も早く目的地にたどり着きたいかのようだった。
「ここだ……。聞いてたよりも立派だな……」
プロデューサーがつぶやいた。その秘湯は、山の上とは言っても、アスファルトで舗装した道路を十数分くらい運転する程度でたどり着けた。露天風呂だそうだが、駐車スペースから見えるのは木造の小屋だけだ。あれが脱衣所で、温泉が湧いているのはその先らしい。そう言えば、小屋の奥の木々の間に、湯気が立ち上っているのが見えた。
「じゃあ、始めるか」
「あ……」
そう言うと、大きなカメラバッグを肩にかけたプロデューサーは、ざすざすと小屋に向かって歩いていく。
「プ、プロデューサー、待ってよ!」
そしてめぐるは、その背中を慌てて追った。
その秘湯には、男湯と女湯の区別などは無いらしい。しかし脱衣所だけは、かろうじて男女のスペースに分けられていた。あまり人が訪れる事は無いのだろう。脱衣所の木の床の上にも数枚の落ち葉が吹き込んで、そのままになっていた。
小屋の中を一通り眺めてから、プロデューサーはめぐるに問いかけた。
「なあめぐる、どうして今回、この仕事を引き受けたか分かるか?」
「え……?」
「町としては、こういう無駄になってる観光資源を整備して、新しい客を呼び込みたい方針らしい。この小屋も、それに合わせて改築される手はずになってるそうだ」
「そ、そうなんだ」
「ああ。お前たちがここで仕事をやっておけば、イルミネーションスターズがこの町の親善大使のような扱いになる。自治体もそれなりに予算を付けてるから、細いが確実な仕事が、これからももらえるはずだ」
「う、うん」
めぐるたちにやらせる仕事の方針について、このプロデューサーは基本的に隠し事をしない。今はアイドル界で上昇気流に乗りはじめたイルミネだが、だからこそ、派手なライブだけに目を奪われず、こういう地道な活動もしっかりとやっておきたいと彼は言った。
「お前たちも、まだまだ固定ファンを増やさなきゃならない。こういう自治体のPRに参加しておけば、地域の住民はお前たちに愛着を持って、ある程度動向を追ってくれるようになる」
「そ、そうだねっ。分かったプロデューサー! わたし頑張るよ!」
そうやって、めぐるたちのアイドル活動について熱っぽく語るプロデューサーは、めぐるがこの温泉ロケに来る前から知っていた、いつものプロデューサーだった。その言葉を聞いていると、めぐるの心を覆う悶々も少し晴れて、彼女の返事と表情に明るさが戻ってきた。
「良し、その調子だ、めぐる」
そしてプロデューサーは、めぐるに対し、優しい表情でにっこりと笑いかけた。
(あ……!)
彼につられてめぐるも笑顔になった。彼女が久しぶりに笑ったのは、自分たちのアイドル活動について、プロデューサーがやっぱり真剣に考えてくれているという確信を得たからだ。それだけでなく、プロデューサーはめぐるに対し、こうも約束してくれた。
「俺がお前たちの魅力を最大限に引き出して、必ずお前たちをトップアイドルにしてみせる。だから、心配するな」
「うん……。うんっ! プロデューサー!」
やはり、真乃と灯織が彼にされていたことは、何かの悪い夢だった。それか、そそっかしいめぐるの見間違いか勘違いに違いない。だって彼はこんなに真摯な声と表情で、必ず彼女たちをアイドルとしての高みに連れてってくれると、めぐるに約束してくれたのだから。デビューからずっと、ここまで苦労を共にしてきてくれた彼が言うのだから、きっと間違いない。
だから――
「それじゃあ、撮り始めるぞ。……まずは、脱ぐシーンからだな」
カメラの電源を入れたプロデューサーがそんな風に言うのも、きっとめぐるのアイドルとしての将来を考えての事なのだ。そうであってほしいと、めぐるは信じたかった。
「は、はい、プロデューサー」
「良い返事だ」
笑顔のままのプロデューサーに褒められて、何故かめぐるの下腹の奥が、きゅんきゅんと疼いた。
―――――――――――――――――――
「めぐる、ゆっくりだ。ゆっくりと手を動かせ」
ロッジ風の木の小屋の中で、デジカメ特有の電子的なシャッター音が鳴り続ける。そのカメラを構えているのは、プロのカメラマンではなく、弱小プロダクションの一介のプロデューサーである。スーツのジャケットを脱いでネクタイを外し、彼は撮影に熱中している。
(撮られてる……、プロデューサーに撮られちゃってるよぅ……!)
被写体はもちろん、彼がプロデュースする大切なアイドルの一人、イルミネーションスターズの八宮めぐるだ。高校一年生で16歳。金髪碧眼の日本人とアメリカ人とのハーフ。身長157㎝、体重46㎏の、スポーツで鍛えられた贅肉一つついていない引き締まった体。それなのにバストは90㎝、ウェストは59㎝、ヒップは89㎝と、出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ、まさに理想的なプロポーションをしている。ダンスが得意で、太陽かひまわりのようにはつらつとした彼女の笑顔は、男女を問わず見た者を虜にする。明るい歌声に、勇気をもらったというファンも多い。
デビュー当初は全然だったが、最近では、握手会を開けば必ず盛況になる。そんな時、ステージ衣装を着た彼女の前に列を作る青少年たちは、憧れと恋愛感情が入り混じった顔で、ソワソワと自分の順番が来るのを待っている。「来てくれてありがとうっ!」と言いながら、満面の笑顔でめぐるが彼らの手を握ると、ファンたちは更にめぐるのファンになる。
そんな八宮めぐるが、いかにプロデューサーとは言え、一人の野暮ったい中年男が構えるカメラの前で、ストリップショーまがいの事をしているのだ。
「いいぞめぐる……! 恥ずかしくてもいい! いや、恥ずかしがらなきゃだめなんだ……! それでこそだ……! もっと、もっと恥ずかしがれ……!」
羞恥に息を荒くして、頬を紅潮させながら、高校の制服を一枚一枚脱いでいくめぐるを見て、プロデューサーは良く分からない納得の仕方をしている。前から、後ろから、上から、下からと、色々な角度から舐め回すように、彼はめぐるを撮影し続けた。
「んっ……」
スカートのホックを外した時、めぐるの口から鼻にかかった声が漏れた。その瞬間を見逃さず、プロデューサーは何回もシャッターを切る。そうすると、めぐるの顔はさらに羞恥に染まり、耳や首まで真っ赤になった。涙目になり、きゅっと唇を噛んだ彼女を見て、男は狂喜して撮影を続けた。
「チッ! めぐる、ちょっと待ってろ」
「は、はい」
めぐるがブラとショーツだけの姿になる前に、プロデューサーはメモリカードの容量を一枚分使い切った。熱中していたのに邪魔されたと、彼は忌々しそうに舌打ちすると、即座に次のメモリーカードに取り換える。その前で、腕を胸の前に持ち上げ、太ももを擦り合わせて、何とか恥ずかしい部分を隠そうと、めぐるはむなしい努力を続けていた。
「続きだ……!」
そう言った時のプロデューサーの目は血走り、めぐるに有無を言わせない気迫が籠っていた。
だが、この続きという事は、めぐるはブラとショーツも脱いで、男の前で全裸になるという事を意味する。いくら何でも、高校生アイドルのそんな画が、温泉街のPRに使えるはずはない。しかし、このプロデューサーの中には確信があった。
「めぐる、分かるな……! お前のアイドルとしての魅力を、全部引き出すためなんだ……!」
何の嘘偽りもなく、彼は本心からそう言った。これから始まる今日の「レッスン」を乗り越える事で、めぐるはただの明るい少女にとどまらない新しい魅力を身に着けて、更なるステージへと昇るはずなのだ。
その、少女が一人で受け止めるにはあまりにも重い、暗く歪んだ熱意を間近に受けたせいか、それとも、この温泉地に来てから目撃し続けた衝撃的なシーンの数々が、彼女の常識と倫理観をぐずぐずに脆くしていたせいか、めぐるは彼の言葉に対して、小刻みに肩を震わせながら、首を縦に振る事で返した。
「んっ……、はぁっ……」
フロントホックに手をかけただけで、めぐるの口からとんでもなく甘ったるい声が漏れる。プロデューサーは鼻息荒く、ファインダー越しにその様子を凝視しながら、決定的瞬間を待った。この穢れの無い少女が、男の前で初めて全てを晒す瞬間を、永遠のものとして残す。ズボンの下でペニスを勃起させながら、彼はそんな謎の使命感に駆られていた。
「んくっ……」
めぐるがホックを外すと、それに押さえつけられていたバストが揺れ、肩にかかるブラ紐が緩んだ。焦らす様な動きで、めぐるは胸を腕で隠しながら、ブラ紐をずらしていく。プロデューサーは無言で、パシャパシャとシャッター音を鳴らしている。そしてとうとう、薄緑色のブラが、パサリと木の床に落ちた。
「……腕をずらせ。……ゆっくりとだ」
「は、はいっ……、んっ」
「いいぞ、めぐる……」
ぎゅっと目をつぶり、めぐるは男の視界を遮っていた白い腕を、己のたわわな果実からどけていく。その頂点にあるピンク色の突起を、ついに彼は目撃した。
「素晴らしいぞ……」
ファインダーから目を離し、肉眼でそれを確認して、思わず、彼はつぶやいていた。控え目な乳輪と可愛らしい乳首。めぐるの胸の魅力は、これがあってこそ完成される。まるで一つの崇高な美術品のようだった。ファンに見せる事ができないのがもったいない。半ば本気で、プロデューサーはそう思った。
しかも、身体の震えに合わせてぷるぷると震えるその乳首は、ツンと硬く張り詰めて上向いているのだ。こんな薄汚い中年男の前でストリップショーを行いながら、乳首を勃起させている。彼が睨んだ通り、やはりめぐるは灯織や真乃と同じ、天性のアイドル――淫乱なメス犬だった。
「ああ……、んっ――」
そして、もはや彼が命令する必要すらなく。めぐるは自ら最後の布――ショーツに手をかけた。思わず揉みしだきたくなる尻から、邪魔っけな布切れが取り払われる。引き締まった腹の下にある、鼠径部から続く三角地帯は、もはや感動的とも言える美しさだった。そして肝心の乙女の秘裂には、産毛一本生えていない。一目見ただけで、そこが誰の侵入も許した事が無いと断言できるほど、ぴっちりと閉じられていた。そして、そこから確かに漂う芳しいメスの香り――
――パシャ、パシャ、パシャ。
全裸になっためぐるの前で、プロデューサーは無言のまま、延々とシャッターを切り続けた。
「ん、くぅっ――。あっ、んっ――――!」
そのシャッター音に合わせ、めぐるは喉をびくつかせ、艶やかな声を漏らす。彼女の内ももには、つぅっと、透明な液体が一筋流れていた。
―――――――――――
「その石に腰かけて、右肩越しに振り向け。山の景色を見るんだ。――そう、そうだ。少し目線を下げろ。温泉の心地よさに身を任せて――」
脱衣シーンの次は、温泉に浸かりながらの撮影会だ。めぐるは髪をアップに結って、バスタオル一枚だけを身体にまとわせている。全てをさらけ出した後なのに、今更バスタオルなどと思うかもしれないが、温泉というシチュエーションにアイドルを連れてきて、ただ裸のシーンを撮るだけでは不満足だと彼は考えていた。
露天の縁の石組みに腰かけるめぐるの肩は、湯の熱さによって赤く染まっている。肌はいつにも増して潤いを帯び、彼女の鎖骨を流れる水滴は、命の水のように輝いていた。バスタオルの合わせた部分からは、ちらりとめぐるのヘソと鼠径部が覗いている。むしろ全裸の時よりも、男の目を奪う淫靡な風景がそこにある。温泉に入るめぐるの背景には、初秋の山野の恵まれた自然が、パノラマで広がっている。こんな絶景の温泉に、こんな美少女と入る事ができれば最高だ。ここで撮った写真をポスターにすれば、この温泉地にも千客万来間違いなしであろう。
めぐるの入浴シーンを、プロデューサーはあらゆる角度で撮りまくった。湯に濡れた背中を写したり、少女が肩まで湯に浸かり、陶然とした表情をしているところを撮影したり、とにかくシャッターを切りまくった。めぐるもいつの間にか、いやらしい思いなどをほとんど忘れて、モデルとしての仕事に集中していた。しかし、そうしてかなりの時間撮影に没頭すると、熱中していたプロデューサーは、どうしてか表情を曇らせ始めた。
(プ、プロデューサー? どうしたの……?)
「…………違う」
「え……?」
「…………」
めぐるが聞き返しても、彼はデジカメのプレビュー画面を見て首を傾げるばかりだった。どうやら彼は、写真の出来が気に食わないらしい。
「……時間もある。次に行こう」
そしてプロデューサーは、不意にカメラを下ろすと、めぐるにそう言った。この秘湯以外にも、まだ撮影しなければならない温泉があるそうなのだ。まだ湯の中にいるめぐるを置いて、プロデューサーは振り返り、めぐるが引き留める暇もなく出て行った。
「ま、待ってよプロデューサー!」
めぐるは慌てて湯から上がると、急いで服を着て脱衣所の外に出た。その時には、プロデューサーはもう運転席に乗っていて、エンジンもかかっていた。めぐるが助手席に座りシートベルトを締めると、彼は何も言わずにアクセルをふかした。
次の秘湯は、また更に山の上にあった。先ほどと同じような撮影が、そこでも行われていく。しかし、めぐるが順調に仕事をこなしているはずなのに、プロデューサーの顔はどんどん険しくなっていく。
「……次が最後だ」
彼がそう言ったのは、昼も過ぎ、二時くらいになった頃だった。
(ど、どうしたんだろう……。プロデューサー、あれからずっと、全然喋らない……。顔も怖いし……)
プロデューサーが依然として不機嫌な事は明白だ。しかし、その理由がめぐるには分からない。それでも、彼女は最後の秘湯に車が到着する前に、勇気を出してプロデューサーに不機嫌の理由を尋ねた。
「プロデューサー、どうして怒ってるの……?」
「…………」
「わたし、何か失敗しちゃった……?」
「……いいや」
「でも……。……あ!」
めぐるがうつむくと、プロデューサーがブレーキをかけ、山道の途中で車が止まった。
「ど、どうしたのプロデューサー?」
「これを見ろ」
「これ……? さっき撮った写真……? …………!!」
プロデューサーが運転席から差し出したのは、さっきから彼が使っていたデジカメのプレビュー画面だった。それを見てめぐるが瞠目したのは、自分自身の恥ずかしいフルヌードが映っていたからではない。
「これ…………わたし?」
プレビュー画面に映っていたのは、山々を背景に温泉の縁に腰かける、バスタオル姿のめぐるだった。荒い画質でも分かる。大自然の圧倒的な美しさ以上に、そこに映っている少女は、一瞬めぐるが自分自身だとは分からないほどに美しかった。いやらしいとかそういう感想は、この写真からは得られない。無垢な少女の可愛らしさと、そこから脱皮しかかっている艶やかさ。そこにある素晴らしさを、めぐるの語彙では表現しきれない。そこに映っている少女に、きっと誰もが恋をする。前にめぐるを怒鳴った、大御所芸能人御用達のカメラマンだって、こんな写真を撮れはしないだろう。
「すごい……」
それは、めぐるの素直な感想だった。
この二人だけの撮影会に出発する前、プロデューサーは旅館の部屋で、「お前らの魅力を一番分かってるのは俺だ」と、力強く宣言した。それは事実だったのだと、めぐるはようやく思い知った。プロのカメラマン以上に、めぐるのファン以上に、めぐるの家族以上に、そしてめぐる自身以上に、プロデューサーはめぐるの魅力を知っている。そうでなければ、こんな奇跡のような写真は撮れないのだ。
しかしプロデューサーは、不満足そうに眉間にしわを寄せて、写真の出来を切り捨てた。
「まだまだだ」
「でも、そんな、こんなにすごい写真なのに」
「足りない。めぐる、お前はもっと、これよりずっと魅力的だ」
「え……」
めぐるの心臓が、トクンと跳ねた。
プロデューサーは、この写真に写っている奇跡のような美少女よりも、めぐるのほうが魅力的だと言っている。お世辞やおためごかしではなく、本気でそう言っている。彼はそのことを微塵も疑っていない。
(プロ、デューサー……)
今めぐるの顔が赤くなり、心臓がトクトク跳ねるのは、この温泉地で何度か経験したような、恥ずかしさや性衝動から来るものではない。こんな感情を、少女はこれまで一度も経験した事が無い。
「……出すぞ」
カメラを引っ込めると、プロデューサーはそうつぶやいてからアクセルをふかした。
それから次の目的地に着くまで、めぐるは熱に浮かされたような顔で、プロデューサーの横顔を眺め続けていた。
――――――――――――――――――――
「……どうしたらいいか、考えたんだが」
そして最後の撮影地、人里から完全に外れた秘湯に到着し、その近くの砂利場に車を止めると、プロデューサーは唐突に言った。
「え……?」
「俺が撮りたいめぐるの魅力を引き出すには、どうしたらいいか」
「……それって」
「やっぱり、一つしかない。方法は一つしか。……これはあまり、見せたくなかったが」
ぶつぶつとつぶやいたかと思うと、がたりという音がして、ミニバンの扉にロックがかかった。運転席から、プロデューサーが鍵をかけたのだ。
「なっ、なに……?」
めぐるは身体をこわばらせた。プロデューサーが無言で上体をひねり、助手席の彼女に身体を近づけてくる。めぐるは何かを想像して、きゅっと目をつぶった。しかし、プロデューサーは彼女には覆い被さっては来ずに、ごそごそと何かをしている。
「スマホ……?」
彼は自分のスマートフォンとカーナビの画面を有線でつなげて、そこに何かを映し出そうとしているのだ。スマホと画面をつなげ終わると、プロデューサーは再び運転席に深く腰掛け、今からそこに映るものを見ろと、めぐるに指示をした。
「あ……」
最初に映ったのは神社の石段だった。スマホの動画アプリで撮られたと思しきその映像は、撮影者が歩くたびにゆらゆらと揺れている。その画面の奥、石段の上のほうに小さく映っているのは、見慣れたデザインの浴衣を着た金髪の少女だ。
(これって……)
めぐるはごくりと喉を鳴らした。その時にはもう、彼女にはこの映像が何を撮影したものなのか、はっきりと分かっていた。撮影者の前方をふらふらと行く金髪の少女は、後をつけられている事に気付こうともしない。まるで誘蛾灯に誘われるように、ただふらふらと、石段を登っていく。
「俺は、ここに映っているものが、もう一度見たい」
画面に目を奪われるめぐるの隣で、運転席に座るプロデューサーが言った。
石段を登り切った少女は、すすけた鳥居をくぐり、画面外に消えていく。動画はそこで一旦切れ、シーンが変わった。次に映ったのは、白い砂利が敷き詰められた神社の境内だ。さっきの少女は、やはりその動画にも映っていた。少女は賽銭箱の裏で、拝殿の扉の隙間から、その中を覗き込むようにしている。
望遠の隠し撮り映像だが、確かに映っている。金髪の少女は自身の浴衣の中に手を入れ、己の胸や股間をせわしなくまさぐっている。それが自慰にふけっているのだとは、彼女が時折、ビクビクと絶頂に身体を震わせることからも明白だ。
「…………っ!!」
映像は唐突にブラックアウトした。プロデューサーが、スマホと画面を繋いでいたケーブルを、強引に引っこ抜いたのだ。
「めぐる」
「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ――」
プロデューサーに声をかけられても、めぐるは返事ができない。過呼吸寸前の状態で、彼女はどうにか正気を保っている状態だ。
「めぐる」
「んっ――――!」
もう一度呼ばれて、めぐるは自身の心臓を手で押さえた。
逃げなければならない。ここから逃げなければ。
めぐるの理性が、ガンガンとうるさいほどに警鐘を鳴らしている。
今すぐここから逃げなければ、きっともう戻れなくなる。この先に待っているのは、少女にとってそれほどに恐ろしく――そしてとても素晴らしい事だった。
(逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ――!)
頭の中で何度唱えても、脚は震えるばかりで動かない。手も震えていて、シートベルトを外す事さえままならない。
それに、逃げると言ってもどこに逃げれば良いのだろう。ここは人里離れた山奥で、車を動かせるのは彼だけだ。逃げる場所などどこにもない。――だから、受け入れなければ。これから起こることを受け入れなければ。そうすればきっと、今よりずっと幸せになれる。
(違う、違うよ、わたし、そんな、真乃、灯織――!!)
大切なユニットメンバーに助けを求めたが、想像の中の二人は何故か妖艶に微笑んでいて、めぐるの耳元で、一緒に堕ちようと囁いてくる。一緒に堕ちて、三人で気持ちよくなろうと。めぐるのショーツに縦染みが広がるのはどうしてだろうか。それはきっと、恐怖で失禁したからではないはずだ。
逃げなければならない。でも、車のドアにも鍵がかけられている。だから逃げられないのは仕方ない。これから起こる事をめぐるは望んでいないが、逃げられないから仕方ないのだ。
「めぐる」
「――――――――!!」
三度目に名前を呼ばれて、めぐるの身体はシートから跳ね上がった。
プロデューサーのごつごつした手が、彼女の制服のチェックスカートに近づいてくる。
そして、いよいよだとめぐるが思った時、プロデューサーの手は、彼女が座る助手席のシートベルトを外し、扉のロックを解除した。運転席から操作されて、助手席の扉が電子音と共に開いていく。
「え……?」
呆気にとられるめぐるを車内に置いて、プロデューサーは降車する。肩にはカメラバッグを下げていない。完全な手ぶらだ。
そして、秘湯の看板が立っている辺りまで歩くと、彼はめぐるが乗る車を振り返って、はっきりとした声で言った。
「お前が望むなら、こっちに来い」
逃げ道は用意してやった。だから来るならば、めぐる自身の意志で来い。彼はめぐるに、そう言っているのだ。プロデューサーの姿は、秘湯があるはずの獣道の奥に消えていく。
「わた、し…………」
めぐるは迷った。いや、彼女の中に、本当にわずかにでも迷う気持ちは残っていたのか。
「プロ、デューサー…………」
彼女は既に車を降りて、獣道の奥に吸い込まれようと、ふらふらと歩いていた。
イルミネの次にヤるとしたら?
-
アンティーカ
-
アルストロメリア
-
放クラ
-
ストレイライト
-
ノクチル