短めで、R18要素もありません。
ありませんというか、ネルギガンテは無性生殖っぽいし……。
……おい、起きろよ。
薄れゆく意識の中で、ネルギガンテは目の前の狩人に呼びかけた。
首をばっさりと切られた。声も出ない。
己の負けだった。己の翼を、指を切り落とし、角を砕き、片目を潰したその刀身は今も尚、輝いている。
叩きつけても、弾き飛ばしても、突き刺しても、その度に妙な水や何かを飲み込み、噛み砕いて立ち上がってきたその狩人は、己の首を切り裂いたその直後、安堵したように崩れ落ちた。
そして、その腹からじわりと血が滲み出て、溢れ出して。
……おい、この俺を倒したんだ。相打ちなんて認めねえ。立ち上がれよ。おい。おい!
けれど、狩人は首をわずかに持ち上げて顔を合わせると。
笑ったのだった。これが最後だというように。
おい、おい! 認めねえ! お前まで死ぬんじゃねえよ! 俺に勝って満足かって? もう何も要らないって?
俺は、俺はそんなの望んでねえ! 前を見ろよ! 飲んでたモンはどうした! 食ってたモンはどうした! 取り出せよ!
空っぽのポーチ。
……くそ、くそ、くそくそくそくそくそ!
頼むよ、起き上がってくれよ。おい、おい……。お……い……。
こん…………な…………。
*
*
目が覚めた。
……あれ?
手を見る。足を見る。尻尾を見る。
「…………ガァ?」
何で俺、生きてるんだ?
指も全部揃ってるし、両目も見えるし……。
それに、ここ……どこだ?
いや、何だ。……俺の知らない記憶が頭の中にある。
……………………。
理解した。
俺は生き返った。そして別の世界に来た。
いや、それなら、狩人は?
…………居た。すぐ隣に。
呑気な顔をしてぐぅぐぅ寝てやがる。
でも、ほっとした。俺だけこんな世界に来ただなんて、それは嫌過ぎる。
頭を揺さぶれば。
「……何だよ……えぇ!?」
もう戦うつもりもねえよ。
そう言うように体を下ろす。
「え、何だお前。いや、ここ、どこだよ。……は? 何だこの知識。誰に植え付けられた? いや、え、あ? ここ、異世界なのか? え、え?」
ひとしきり変な声を上げた後に、俺に声を掛けてきた。
「同じ……って事か?」
俺と自分自身を交互に指で差す。
言いたい事は分かる。そういう事らしい。
ここは人が台頭する世界。古龍も竜も何も居ない世界。そしてその代わりに、人同士がとんでもない勢いで殺しまくっている世界。
いや、何だよこの世界。そもそも人ってのは、そこまで残酷な生き物なのかよ。俺、知らなかったよそんな事。
「で、どうするよ」
声を掛けられて、目を合わせる。
「グゥ……」
……どうしようか。
ぐぅぅぅ。
「……腹、減ったな」
……そうだな。
*
俺と狩人の肉体も目に見えて弱くなってるし、こんなんじゃ元の世界のチャチなボウガンを食らっても跳ねてしまう程に痛そうだ。それに対して、人の武器は元の世界より生き物を殺すのに特化してると来た。
見えない距離から指を動かせば、はい、頭が吹き飛んだ、だなんて世界で誰が暴れようなんて思うかよ。
戦うのが生きる事そのものだったが、こんな世界じゃあ、そんな気力も失せるってもんだ。
つまんねえの一言に尽きる。
「ここらの植物も鉱物も、どーれも使いモンになんねえなあ」
この世界に来て数十日。
傷を治す薬も、代わりの砥石すらも狩人は作れていない。
「すまんな、俺とまた戦える日は来そうにない」
「グルゥ」
この狩人も俺と似たようで戦う事に飢えているようだったが、そもそもそんな刃物を持って戦うだなんてこの世界では前時代も良いところ、百年以上も前から主流じゃなくなっている。
良いよ、と俺は狩人を前脚で引き寄せた。
狩人もそれに逆らわず、俺の肩に身を寄せた。
「つまんねえなあ」
「グゥ」
かと言って、この世界の人に会いに行くのも、踏ん切りがつかなかった。
狩人を乗せてちょっと遠くへと行ってみれば、人と交流しているような竜とかも見かけたんだが、俺達が望んでいるのはそういうのじゃねえんだよなあ。
みーんな丸くなりやがって。古龍達もそうなのか? はー、クソ。世の中クソだな。
「でも、生き返った事自体は良いよな?」
そう聞いてくる。目と目が間近で合う。
鼻息で返した。
……まあな。
もう、こいつに俺も情が沸いちまった。殺し合おうだなんて今も思えるか正直微妙だ。
クソクソ思いながらも、俺も丸くなっている。
いつか、俺も慣れてしまうんだろうか。
きっと、そうなんだろうな。
*
ある夜。
「クアアアアアッ!!」
遠くから、激しい咆哮が響いてきた。
俺も狩人も跳び起きる。
せわしないような暴れる音。
「イャンガルルガ……!?」
あの喧しい鳥の事、イャンガルルガって言うのか。
何に暴れているのか知らんが、とにかく。
久々に暴れられる時だ。俺にとっても、狩人にとっても。
だが、狩人はそんな時でも落ち着いていた。
「少し、様子を見よう。撃たれて死ぬだなんてつまんない結末、嫌だろう?」
「グ……グゥ……」
それにしても何と戦ってんだか。他の竜やらの咆哮も聞こえてこないし、まさかこっちの生物に対してあんな咆哮でも上げてんのか?
……まあ、あの鳥は俺以上に戦闘狂ってところもあるような感じだし、相当苛立っていたって事は想像に難くないが。
暫くすると、バラバラバラバラと空から音が鳴り響いてきた。
イャンガルルガがまた吼えて、そして月に照らされながら、その鉄の鳥……というか、籠に向かって飛んでいく。
もしかして、誘き寄せてたのか? アレと戦う為に。
横に、縦に。狙いを定めないように複雑に軌道を変えながら飛んでいくイャンガルルガ。だが、鉄の籠から轟音が鳴り響いた。
……訳の分からない音だ。
狩人のデカいボウガンから鳴り響く音は、連射速度も、一発一発の弾ける音も、数段違う音。
イャンガルルガには、それを避けられる自信があったのか分からない。ただ、躱そうとした時にはもう肉体が四散していた。
「……ひでえ」
狩人が、思わずと言ったように呟いていた。
それに対して俺が思った事は。
もしかしたら……元居た世界も、時が経ったらこんな事になっていたのだろうかという、絶望に近いものだった。
そして、鉄の籠は俺達を見つけた。
その銃は向けられたまま、しかしそれから弾が発射される事はなく近付いてくる。
……狩人が居なかったら、俺もあのイャンガルルガと同じようになっていたのだろう。
この世界は、人が人を殺す為に発展をし続けて。
それは人が竜や俺達に立ち向かう世界よりも、殺意がひたすらに尖っている。
酷い世界だ。
*
*
「なあ」
何だ?
「今なら、俺とも戦えるよな」
そうだな。
お前も今は、砥石も薬も揃ってるしな。
「それでも、お前は戦いたくないんだな」
そうだよ。
お前もだろう?
目を向ければ、狩人も頷いた。
「……そうだな。もう俺達、一心同体だよな」
こんな不自由な世界で、取り残されたくない。
女々しい願いだが、共通している。
ヴーッ、ヴーッ!!
唐突に派手な音が鳴り響いた。
区画の片隅にあるスピーカーから音が鳴る。
『xx市oo町にて、竜が牧場の牛を食い漁っています。対応願います』
狩人が二本の刃を手に取り、立ち上がる。
「でもまあ、あのまま死ぬよりは良かったよな?」
「グルルッ」
そうだな。ここは酷い世界だが、あのまま死んでいた方がマシだった、というまでじゃない。
さあ、乗れ。
今日も狩りへと行こうじゃないか。
「よっこいせっと」
翼を開く。
ぐっと四肢に力を込める。
一気に空へと飛ぶ。
眩しい太陽。青い空。涼しい風。
良い、狩り日和だ。
「ガアアアアッ!!」
ネルギガンテ:
狩人と共倒れになって認めねえって思ってたら、狩人と共に転生してた。
この世界はクソだと思ってるけど、狩人と共に(経費削減という名の)害竜駆除で闘争心を満たせるようになったので、まあ最悪ではないか、くらいの気持ち。
クソな世界で自分だけ取り残されたくないので狩人の事はかなり大切に思ってる。
狩人:
双剣使い。
悔いはなかったけど、ネルギガンテと共に転生してた。
同じくこの世界はクソだと思ってるけど、(経費削減という名の)狩猟欲を満たせるようになったので同じく最悪ではないくらいの気持ち。
ネルギガンテに関しては、この世界の同じ人間よりも信頼している。
イャンガルルガ:
暴れられないストレスが限界突破して暴れ回って、(金が掛かるし、色々市民団体から言われる)機銃掃射で死亡。
ネルギガンテフィギュアに関しては、活動報告から飛べるtogetterに纏めてあります。
……早速傷物にしたという、悲しい事も含めて。
20thでのHEAD HIGH RESOLUTION MODEL希望
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リオレウス
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ディアブロス
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ティガレックス
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ナルガクルガ
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ジンオウガ
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ラギアクルス
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タマミツネ
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ラージャン
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マガイマガド
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キリン
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テオ・テスカトル
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クシャルダオラ
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シャガルマガラ
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バルファルク
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イヴェルカーナ
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メル・ゼナ
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アルバトリオン
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ミラボレアス
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これからの新モンスター
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その他