私は姉の玩具。 作:飯妃旅立
食事の時間。学校でのそれではなく、家でのそれ──特に夕飯は、姉の襲来のない平和なひと時である。
姉は家族たちのいるスペースで食事を取るため、こちらに来る余裕がないのだ。才の無い者を一時でも視界に入れておきたくない父と母は、才ある姉と過ごす時間を何よりも大切にする。無論自身の仕事や付き合いもあるからずっと入り浸っているわけではないけれど、姉が彼らの娘として在れる時間を出来る限り作る──それだけを見れば、"お金持ちの両親"という記号の中では、良心的な部類になるのだろう。
それを羨ましいとは、思わない。思わなくなった、の方が正しいか。小さい頃は時分らしく悲しんでいたし、それを訴えてあしらわれて絶望した事もあった。今はそうでもない。干渉してこないとわかった以上、干渉しなければ、思い出の中にしか存在しない誰かに成り下がる。
あれらを両親と、家族として見ているかは──最早わからない。「あちらには父と母がいる」という情報だけが知識にあって、それが本当にいるかどうかは、わざわざ父母の近況を話してくる姉の言から察するしかないのだから。
姉だけが、世界で一番嫌いな姉だけが、"レイプ魔"ではなく"姉"として、家族として認識できている、というのは、なんとも皮肉な話だけど。
「うっ、んぐ……う、う……」
最早嫌悪感さえ薄れてきた口と口の接触時に、何かを飲まされた。長い舌で喉奥にまで運ばれたソレを嚥下反射で飲んでしまい、咀嚼された食材にはない異物感に思わずえずく。けれど嘔吐感が拭われることは無く、ずっと何かが喉に引っかかっているような感覚を得て、目を開けた。
最初に映るのはいつも通りの恍惚の笑みを浮かべた姉の顔。
そしてその下に、握りしめられた拳。また腹部への殴打──かと思いきや、それは何かを抓んでいるようで。
「けほっ、う、ぇあ」
「ふふ、苦しそうな顔。感じるー? 今──マイちゃんのナカに、これが入ってるんだけど」
くいくい、と。人差し指と親指に抓まれたそれをほんの少し動かす。
伴って嘔吐感と、凡そ生きていて感じる事のない舌根と喉に走った摩擦に目を白黒させた。
"これ"と提示されたもの──それは、タコ糸だろうか。白い糸。ピンと張られた糸の先は、私の口の中へ伸びている。異物感に喉を鳴らせばそれにも振動が伝わり、姉がほんの少しを手繰れば悍ましい摩擦が喉を襲う。
糸だけでなく、その先に括りつけられているのだろう何かが食道を擦り上げ、それが余りにも大きな吐き気と不快感を生んだ。
「これの先っぽが、今マイちゃんの身体の中にあるの。こうやって捻じったり引っ張ったりすれば……ほら、感じるでしょ? 私の指の感触が、マイちゃんの、普通じゃ絶対触れない場所を擦ってる」
「うぷ、げ、ぇ……げほっ、けほっ」
「ぞりぞり、ぞりぞり……あ、マイちゃん。涎垂れてるよ? 舐めとってあげる」
指の動きだけで言えば、本当にほんの僅かだ。痙攣と変わらないくらいの距離をクイクイぐりぐりと動かされるたび、喉奥で恐ろしい程の異物感が自身を主張する。とめどなく溢れる唾液は簡単に口の端を割り、それを舐めとらんと顔を近付けた姉が体勢を変えた事によってまた不快感が生じた。
宙ぶらりんになっている糸の先の何かは私がえずく度に跳ね、それが食道にぶつかって、更なるえずきを生む。段々とすっぱいものを感じてきた咥内でも押さえつけられた舌が糸を揺らし、同様の結果を生んでいた。
「今どの辺りかなぁ? んー……この辺り?」
「げぁっ……!」
人差し指でゆっくりと喉元を押さえられる。わかっていたように押さえつけられた糸の先の重りが圧迫されて、大きくえずきを上げた。そのまま何度も咳き込むけど、異物が外に出てくる気配はない。長期に続く異物感に飲み込んだ方がいいと体が判断したか、嚥下に喉を鳴らす回数が多くなる。けれど、糸の根元を握っているのは姉だ。飲み込むことが出来ずに喉を動かすだけに終わる。
生理的なもので、涙が出てくる。それに気付いた姉はにんまりと笑って。
「ォ、うえ゛ぇっ!」
思いっきり、それを引き抜いた。
遡っていた胃液やその他粘液に塗れた糸と重し──想像よりもかなり小さいカプセル的形状のそれが飛び出て、私の口と糸を引いたままに姉の手元に垂れ下がった。
ようやくなくなった異物に何度か咳き込んだあと、溢れていた唾液を飲み込んで一息を吐く。
「ここから、ここまで」
「ぁ、はぁ、はぁ……はぁ」
「これがマイちゃんの喉の長さ」
自慢げに何かを話す姉を完全に無視して、息を整える。息が上がっていたわけでもないのに、何度かの深呼吸を必要とした。窒息に似た感覚に心拍数が上がっていたのかもしれない。
「じゃあ次ねー」
言って、私の足を持ち上げる姉。抵抗はしない。それが無駄だと知っている。
いつものように──姉に膣口と肛門を見せつけるような足を開いた屈辱的な格好にされて、縛られる。体勢はそれなりの負荷があるけれど、縛られているが故に軽減する事は適わない。もっとも同じ理由で力を入れていなくても良い、という側面も存在するけれど。
つぷ、と。
「……っ」
それ──まるっこい樹脂の感触が、肛門へ侵入した。既に度重なるレイプによって、この程度の太さなら痛みにも思わない自分が嫌になる──否、嫌になるのはもう、通り過ぎた。
排泄感に歯を食いしばりながら、本来の流れを逆走してくる樹脂の冷たさに耐える。
球体がどんどん入ってくる。詰め込まれて、詰め込まれて、詰め込まれて詰め込まれて詰め込まれて。
「は──ぁ、ふぅっ……──ぅう、う──ふう……ぁあっ」
深い呼気と共に球体を飲み込んでいくお腹は鋭い痛みを訴え続けている。けれど、言わない。言ったら姉を喜ばせるだけだ。それでやめてくれるわけでもないのだから、わざわざ餌をやることもない。
そうして、ようやく。
"そこ"以上は入らなくなった。
「じゃあ、抜いていくよぉ」
「──ふ、ぅんっ、あっ、んんっ!」
一つずつ、一つずつ。姉の手によって引っ張り出される球体は、けれどその感覚は排泄と同じで。一定の感覚ではなく、姉の采配で早くなったり遅くなったりを繰り返しながら、時たま腹部を圧迫されつつ球体は抜かれていく。
私が力を込めているわけじゃないから余計に違和感が大きい。勝手に出て行くそれらが肛門を通る度、性的なそれとは違う快楽が口をついて、食いしばっているはずの歯を抜け、喘ぎ声に変わる。
さすさすと撫でられる腹部にはまだ球体が残っていて、それが一つずつ外へ動いていく様が私にも見えた。
「んー……えいっ」
「っぷふっ!?」
多少の速度の変動はあれど、ずっと一つずつだったそれが、突然一気に四つ程引き抜かれた。腸壁を擦り上げられるその感覚に上体までもが跳ねてしまう。
跳ね起こした体が腹部に力を入れ、球体を排泄せんと力む形となった。それを感触で覚えたのか、姉がにんまりと笑う。
あ、来る。
「んんんんんっ!!」
残っていた十数個。それが一気に引き抜かれた。
びちちっ、と、空気と粘液の混じった汚らしい音が響く。自身の身体に入っていたとは到底思えないような長さのそれは、息を整える私に見せつけるようにして持ち上げられた。
姉は私の腹部を軽く押して、言う。
「これが、マイちゃんのお尻から、ここまでの長さ」
先ほどから、私の体内の計測でもやっているらしい。姉のやる事はいつでもわからないし、理解したくもないが、今回のはとびきりだった。
じゃあ次、と。今度は膣口を撫でる姉。もうやられることはわかった。わかったけれど、何もできない。
先ほどまで球体の入っていた肛門が外気に晒されぴくぴくと痙攣し、この部屋のなまったるい空気を飲み込んでいる。それを見てだろう、姉は少し大きめの姿見を取ってきて、私の正面に置いた。
足をV字に開いて縛り付けられた裸の少女。その尻穴は、真っ暗な洞窟の様にぽっかりと口を開けている。
「今の肛門の直径がこれくらい、と」
わざわざ声に出して姉は言う。本当に、嫌い。
そして、ひんやりとしたものが膣口に当てられた。
樹脂というには少し硬いそれ。ダイレーターというものだと、保健体育で習ったような気がする。
ぐぐ、と押し込まれていくソレに多少の呼気を漏らしつつも、喘いだりはしない。ゆっくり進むそれが子宮口を探り当てても同じ。
「う──ぐ、んん、ぐ……」
でも、さらに奥へ──子宮口の奥へと、それを無理矢理こじ開けようとされれば、痛みと苦しみから喘ぎ声も出るというものだ。快楽など欠片も無い。ただ無理矢理内臓を割られる不快感が子宮全体を包む。
教科書で見たダイレーターでは考えられない程の長さのそれは的確に子宮口を割り、その中へと侵入した。そして、コツン、と。柔らかい壁が先端を阻む。
内臓を内側から触られたその感覚に、先ほどとは別物の吐き気を覚えた。
奥を確認したら、今度は攪拌だ。子宮口に押えられた点を支点にして、ぐるぐるとダイレーターが回転する。恐ろしい感覚に痛みと苦しみが混ざり合い──さらには膣口を刺激されることで、快感までもが入り混じるようになった。
なって、しまった。
「あ──あ、ぁ、あ、──あ、うっん……ぁあっ!」
呻き声の中に嬌声が混じる。回転しながらゆっくりと抜かれていくそれに妙な喪失感を覚え、そんなことは無いと考えを振り払う。ぢゅぷ、と粘液溢れる子宮から抜き取られたダイレーターが膣道を擦っていく。その道筋は酷く長く感じられ、しかし鋭敏に、膣の全体がその形を惜しむように脈動し、撫でまわしているのが分かった。
抜き取ったそれを見て、姉はまたも満足気な表情。
「ここからここまでがマイちゃんの赤ちゃんを作るところで、ここまでがおまんこの長さ。降りてきてない時の長さね?」
誰に向けての注釈か、私に向けていったのか。
荒い息を吐く私にはもう内容のほとんどを理解できていない。理解するつもりがない、という方が正しいか。聞いても無駄だから、聞かない。それだけ。
そして、最後。
「ここはちょーっと痛いよー?」
「っ……」
姉が触ったのは──尿道口。
そこへ押し付けるのは細長い棒……ではなく、ゼリー飲料のパック。その先端こそが細長く加工されていて、それが多少の痛みと共に尿道口へ宛がわれた。
「カテーテルでも良かったんだけど……こっちの方が、可愛い声が聞けそうだから」
「うっ──あああっ!?」
漏れないようにだろう、姉は私の尿道口を指でぐっと抑え、その反対の手でゼリー飲料のパックを──圧し潰した。
尿道を尿以外のものが通る異物感。それに伴う摩擦で生じる痛み。逆流するそれが想定外の"厚さ"を持って、細い尿道を押し広げていく。痛い。痛い。痛い。痛みだ。全部痛み。熱さと熱と燃えるような痛み。
普段から排泄を我慢させられているからだろう、膀胱が埒外の質量に膨らんでいくのがはっきりわかる。どこにあるのか、どの程度の大きさなのかが完全に理解できる。
「い、ぎぃ……あぁっ! ああ、ぁ、ぁ、ぎっ……」
「1パック、よく飲めましたー。じゃあもう一つ」
「む──無理、無理無理無理!」
思わず叫んでしまった。言っても無駄だと知っているのに。姉を喜ばせるだけだと知っているのに。
埒外の痛みと苦しみが、私の我慢を突き抜けたのだ。
「はいぎゅー」
「──か、ぁ──」
さらに侵入してくるゼリー飲料。既に満杯の膀胱ではそれを受け止め切れず、尿道が膨らむことで、尿道に溜まる事でなんとか半分までの受け入れは出来た。苦痛だけでなく、一生で感じることの無いだろう尿意に口がかっぴらき、舌が突き出される。何故か喉がからからになったかのような感覚があり、それが声を出す事さえ難しくさせた。
「ありゃ、もう入らないみたい。じゃあ、おしっししましょうねぇ」
「は、ぅ……ぁあっ、ぁああああっ!」
押し込まれるだけだったゼリー飲料の塊が排泄された。
苦痛。焼けるような痛み。それしかない──それしかない、はずなのに。
「ぎぃぃ……いんっ、ひいぁ……」
痛みの中に快楽が。苦しみの中に快楽が。猛烈な尿意を解消する事が──快楽に繋がる。10割の苦痛が9割に減って、1割の快楽に。その割合は段々と快楽に傾き始めるも、どちらかでどちらかが上書きされる、という事は無い。気持ちがいい、けど痛い。苦しい、けど気持ちがいい。
並行に、並列に、苦痛と快楽が尿道を抜けていく。
尿道口からゼリーがぼとぼとと落ちて、パンパンに張った膀胱が中身を尿道へ押しやって、尿道が膨らんで、痛んで、気持ちよくて、苦しくて、気持ちよくて、気持ちよくて──気持ちが悪い。
勢いよく飛び出したのは最初の内だけで、途中からは会陰の方へどろどろとゼリーが垂れていくのが分かった。ぶりゅ、ぷひゅ、なんて汚い音で気泡が爆ぜる時があって、その時だけゼリーが跳ねる。けれど大半はどろどろのゼリーで、開きっぱなしになった尿道口が延々ぜりーを押し出しているだけ。
灼熱の膀胱と尿道は段々と落ち着きを取り戻すけれど、依然ゼリーは排出され続ける。このまま尿道が開いたままになるんじゃないかと思う程、ずっと。膣口を撫で、会陰を滴り肛門へ、そして椅子に溜まっていくゼリーが新しい不快感を生むけれど、尿意の解消がぬるい快感を生んでいてそちらに集中してしまう。
ふと、鏡が目に入った。
尿道をぽっかり空けた裸の少女が、そこからゼリーを垂れ流し、涙を流し──陰核を強く屹立させている。
「ゼリーおしっこ。気持ちよかったねぇ?」
「……」
それがただの生理反応だ、と。思いたかった。
けれど事実として、今なお──気持ちがいい。自分の身体を嫌悪してしまう程に、気持ちが悪いと思ってしまう程に──気持ちがいい。排泄が、あまりにも、気持ちがいい。
「1パックと半分。これがマイちゃんの膀胱に入る体積でーす」
大分膀胱の張りは収まったけれど、排泄は止まらない。力めば痛むのが本能的にわかる。だから力を入れずにただじっと、自然な圧力でゼリーが出るのを待つしかない。
姉は、よし、なんて言って。
「それじゃ、全部出終わる頃にまた来るから……ちょっとの間、ずぅっとおしっこする感覚を楽しんでね」
そのまま、部屋を出て行ってしまう。
残された私の目に入るは、やはり鏡。
卑猥な格好で縛られたまま、どろどろとした尿を垂れ流し続ける誰かが、切ない顔でこちらを見ていた。
※喉を責める行為は様々な病気に繋がります。止めましょう。
また、喉を傷つけかねません。止めましょう。
※尿道を責める行為は様々な病気に繋がります。止めましょう。
また、尿道を傷つけかねません。専門的な知識がない限りは止めましょう。