『R18二次創作』闇夜の蛍 作:天上夢月
古の大凶妖、空亡復活。救妖衆の陰謀。左大臣の離反。退魔七士全滅から始まった陰陽寮崩壊。妖軍勢による都大襲撃。
夥しい魑魅魍魎。阿鼻叫喚の断末魔。延々と続く殺戮。終わらない凌辱劇。悪趣味な戯れ。疑心暗鬼と自暴自棄で人間は共食いを始め、煌めく帝都は地上の地獄へと堕ちた。
扶桑国建国以来、過去最大の悲劇を前に──殆どの人間が絶望に叩き落される。
だがしかし、逆境の最中人の光は消えなかった。
最初は劣勢だった人類も、各地の退魔士たちの奮起、協力、襲撃。
犠牲がなかったわけではない。
倒れていった者も多くいた。
それでも、屍を踏破して諦めなかった善性。諦めなかった人類は悪鬼羅刹を退治。最後は都を取り戻したのである。
特に最も活躍したのが北土を領地とした鬼月家だった。
かの家は新四凶半数と逆賊元左大臣、これらを討伐。
何より、かつての戦乱では封印することしかできなかった空亡を完全消滅。
この大偉業に鬼月家は国中から英雄として讃えられた。
然れど、一将成りて万骨枯れるとは正にこのこと。
賞賛の代償は、多くを支払っていた。
犠牲の最たるものが──鬼月が直系の血脈たる鬼月雛と鬼月葵の死亡。
あろうことか当主候補を二人とも失ったのである。
緊急事態に鬼月家は自ら当主の座を辞退していたかつての最有力候補、鬼月思水を当主へと祀り上げた。
更には乱の英雄である蛍夜環を彼の妻にあてがう。
これにより、先が不安だったお家存続問題を盤石なものにしたのだった。
────────
「うえ! ひっく! 姫様ぁ……‼」
薄暗い雲。鬼月谷の森深く。人目を忍ぶように聴こえるのは少女の嗚咽だった。
狐耳を垂れ下げながら尻尾を地面に落とし、元傍使──白はボロボロと涙を零す。
戦場で死んだ鬼月葵の傍使であった白は、住んでいた鬼月家の屋敷を追い出されていた。
正確には、所持者がなくなった葵の屋敷からの退去。
その際、いなくなった主から白が受け賜わった品々も、葵の遺品、しいては鬼月家の財産として没収された。
捨てるよりマシね。
そう言われながら貰ったものは白にとって全て宝物だった。
だがそれを、主がいなくなった屋敷へ踏み入った者共がすべて奪い去った。
何もできなかった白は今、人目を避け嘆き叫ぶしかなかった。
今後の鬼月家での白の扱いは、現在保留となっている。
白と同じく半妖を雇用している環姫の従者になる。
あるいは赤穂末娘が引き取るという話もあり、両者が揉めていた。
彼女にとってはどちらも同じだった。
あの戦いが終わった直後、都にいるに吾妻の下へ行きたいと儚い笑みで誰かに語っていたが、今の白に己の今後を考える余裕などない。
心の中は、亡くなった桃色の姫君ばかり───。
あの時、自分が守っていれば。
せめて、肉壁となっていれば。
何が傍使かッ‼
何がお役に立つかッ‼‼
今のように嘆くばかりで、己の主はあの紅蓮と共に消えたではないかッ‼‼‼
「ほう。悲しむくらいには躾ていたようだな。忠心は本物だったわけだ。
ならば、主の下へ送ってやるのが慈悲だろうよ」
「!?」
風が凪ぐ。
咄嗟に白は身を翻し、背後から飛んできた凶刃を回避した。
「!? きゃああ!!」
だが、突発的な挙動の反動で制止した彼女に、問答無用の火球がぶつかる。
「やったか?」
「いや、生きている。あの姫が飼いならしていた半妖というわけか」
「あうぅ……」
ヒリヒリと焼き付く肌を摩りながら、白は周囲を見渡した。
そこには霊力を纏った集団がいつの間にか自分を囲んでいた。
「何を、私は────」
「今は亡き葵姫の傍使えだろ? 知っているさ。だからこそ、殺処分するのさ」
「え!?」
「おいおい、わざわざ半妖に説明する必要あるのか?」
戸惑う白を他所に、囲んでいた集団の一人が不満を漏らす。
「問答無用でやってしまえばいいだろう」
「物事には順序がある。物分かりがよければ無用な手間が省けるというもの」
「だったら、最初に投擲はなんだったのさ?」
「何も分からず死ねたほうが慈悲だろ。半妖でも、あの大戦で生き残り鬼月家に仕えたものだ。
次の一撃は余計な抵抗は無駄だと示す分からす為と──半端な上位火遁ぐらいでは、火傷しか負わんとお前たちに分からすためだ」
『!?』
「この任、子供半妖相手に我々が徒党を組んで挑む理由を、これ以上、私に説明させるなよ」
『……………』
「さて、なぜ自分が処分されるかだったな」
怯えて縮こまっている白を代表格の男は冷淡に見下ろす。
「簡単なことだ。鬼月は新体制に入る。それゆえ旧世代の火種は小さなものでも消したいわけだ」
「火種って、どいう?」
「そこは我々が看過する物事ではない」
実際はいなくなった二の姫への腹いせか嫌がらせが大きいだろう。
幾ら亡き葵姫がこの半妖を可愛がっていても、実子でもなければ養子でもない。
所詮は雑人。半妖。無視しておいても、なんなら影響もないのだ。
むしろ、引き取ろうと考えている赤穂の末娘との関係悪化すら有り得る。
けれど、実行する彼らにそれを反抗する意思もなければ、力もなかった。
「亡き主を思うなら黙して死ね」
「ひう!?」
四面楚歌。殺気に包まれた空間で一歩的な暴力が繰り広げられた。
いや、実行者にとっては単なる仕事である。
そこに快楽ではなく、無感情な作業。
中には温情を持って、ひと思いに殺す者もいた。
「いや! 痛い! 痛いッ!? 痛いッ!? 痛いぃッ!? 止めて!」
泣き叫ぶが誰も助けにはこない。
だが、耐える。
纏っていた衣服は既にボロボロであり、裂傷、刀傷、骨も砕け、内臓も痛めながら、まだ原型を留めていた。
我慢を切らした一人の男が、思わず口を滑らした。
「ちッ! しぶとい! あの身勝手な姫様も妙な置き土産を残しやがって」
「!?!!!」
「貴様不敬だぞ!」
代表格の男が叱責するがそれを鼻で嗤う。
「死んだ奴を敬う必要はないだろ。特にあの姫は外面はいいが、自由勝手すぎたんだ。半妖なんぞ傍に置かなければ、俺たちがこんな些事をすることもなかった」
「そうだな」
苛立ち伝播し、他の者たちからも不満が漏れる。
「だいたい死んだのって、雛様の仲互いが原因という噂だ。どうせ、喧嘩をふっかけてきたのは二の姫のほうからだろう」
「全く、死んでも迷惑な女───ぎゃひ!!」
「愚か者めが───」
一人の男の首が飛び、代表格の人間は心の底から落胆した。
「糞蟲共が───今、姫様を馬鹿にしたな?」
何が起こった?
その場にいた殆どの者が目を疑った。
僅かな刹那。無力な狐の小娘は強大な妖力を纏った九尾の美女に変化したのだ。
「その力は!? 九尾に化けることは知っていたが、それは葵姫の助力あってのこと──がきゅう!」
「軽々しく姫様の名を口にするな、糞蟲ッ!」
叫んだ男の喉笛が切断され、血しぶきが舞う。
あっさりと絶命した同僚が崩れ堕ちる様を無視し、周りが狼狽える中、代表格の男だけが静かに見据えていた。
「この力、間違いない。自力で九尾に至れたか!」
可能性はあった。あの大戦時、九尾の白狐が単身で人々を守っていた話もあった。
故に、臆病であることと争いを好まぬ性格を利用した。
反撃の期待を与えず、幼子の姿のまま処理すること当初の目的だった。
他の者たちは危惧し過ぎと軽視した事態に、まんまと陥ったわけである。
時間を掛け過ぎた。
更に娘の逆鱗に触れた。先程まで怯えた瞳は憎悪に染まり此方を睨んでいる。
結局、彼らは襲った相手から一方的に蹂躙されたのである。
その光景は悲惨の一言。
途中で嗤いながら嬲り殺しする様は、かつての狐璃白綺を彷彿させた。
最後に死んだのは、代表格の男。
大戦時に今の姿の彼女に助けられて、懸想を抱き、その上で今回の任を言い渡され、どれだけ苦難があったのか。それはもう誰も分からない。
自分を襲ってきた人間を皆殺した九尾の女は、自分の置かれた状況を分析した。
枷である主の喪失。心労が重なったところに襲撃されて、魂に残っていた狐璃白綺の面が発芽したのだろう。
でなければ、襲った相手でもあのように愉しんで嬲り殺してはいない。
狐璃白綺の復活と言ってしまってもいいが、白として過ごした時期が遠くなく、しっかりと残っている。
試しに、死骸を一摘まみして遠慮なく口に入れた。
白であった頃には考えらない所業。
襲ってきた人間はそれなりの退魔士たちだったので、目覚めたばかりの狐璃白綺には丁度良い食事だったが、思った通りすぐ吐き出した。
「まずい」
久しぶりに口をしたが、白の頃の記憶で拒絶反応が出た。
亡き主と共に食べた食事やオヤツを思わず思い出し、涙を浮かべる。
「しばらく、人は食べれないな」
あるいはもっと上質ならば話は別かもしれない。
人でなく妖なら飲み込めるかもしれない。
そう考えると、彼女は一つの可能性に思い至った。
「そうだ。あの人なら、食べれるかも」
どのみちこの場所に未練はない。
襲ってきた相手を返り討ちしたと言っても、半妖の言葉など信用されない。
いいさ。主のいないこんな家など、こちらから出て行ってやろう。
ならば、最後にお礼参りでもしようではないか。
この姿になったからか、白の頃に潜めていた負の感情が溢れている。
そうだ。あの人。
あの男は、何故のうのうと生きているのだ?
────────
奇襲は突然だった。
伴部が今後の為に一人で近辺整理をしていると、その影が背後から現れた。
狐璃白綺が襲い掛かってきた。
「はッ───」
瞬時に背後の気配を感じ取った下人。
それだけの事であった。即座に襲いかかる何者かに対応しようにも、地力で劣る彼は反応仕切れなかった。
結果として下人──伴部は初撃で行動不能なる。
倒れる伴部を見下ろすのは、九つの白尾を靡かせた妖麗な美女だった。
「ぐあ! 白? いや、その姿、狐璃白綺かぁ!?」
「どちらも正解。駄目じゃないですか、一人でいるなんて。
今の鬼月家は危ういんですから、私もされたように襲われますよ?
守ってくれる人はもういないんですから……」
「? どういうことだ? 白、誰かに襲われたのか!?」
「……この後に及んで他の心配って、相変わらずお人よしだ。その気持ちを、なんでもっと姫様に───貴方がもっと分かってあげようとしら、姫様は死なずに済んだんだ!」
「ぐお!!!」
尻尾で殴打すると額から血が噴き出す。
自分を襲った先程の退魔士たちはこれで命を落としたものもいたが、流石に頑丈だ。先の大戦において最前線で生き抜いただけはある。
尻尾に媚びりついた伴部の血を九尾の女は舐めると、思わず口が綻ぶ。
「……美味しい。あの蜘蛛や淫魔が夢中になるのも分かるなぁ。
これなら食べられそうだな」
「俺を、食う気か?」
「ここを出ていく前の腹ごなしだ。せいぜい、私の分まであの世で姫様に詫び続けろ」
そうやって手にかけようと思った矢先、狐璃白綺ふと思いついた。
「いや、その前に子種も貰うとするかな?」
「はぁ?」
伴部が間抜けな声を出す。
自分が食われるか否かと身構えているところで、そのような言葉が出れば、仕方もないことだった。
呆気にとられた顔をする伴部を、狐璃白綺は何処までも馬鹿にしたように鼻で嗤う。その仕草は亡き彼女の主に少しだけ似ていたかも知れない。
「勘違いしないで下さい。血肉は勿論食べるさ。しかしな、同じくお前の精液も霊力と神力を高める筈。普通に喰らうでは摂取できん。最後に今まで世話になったお礼をしてやりますよ。感謝するが良い」
尊大な言葉。丁寧に敬う言葉遣い。加えてあどけなさが入り乱れた口調。
彼女自身がどちらも正解と言った弁は嘘ではないと伴部は察した。今の彼女は自分たちと共に過ごした白であり狐璃白綺なのだろう。
見るからに不安定だが、今は暗黒面である狐璃白綺が強く押し出されたようである。
「いや、だが流石にこの流れでエロ展開は無理やり──」
「黙れ」
狐璃白綺の目が怪しく光る。
伴部の口は止まると同時に、再活動しかけていた体の制御が効かなくなった。
「相変わらず瞳術に弱いですね。もう手遅れですけど」
蔑みながら、その身体を押し倒す。
九又の純白の尻尾をまるで掌の器用に扱って、まるで毛皮を剥くかのように下人の衣服を剥ぎ取った。
ボロリ、と。剛毛が生い茂る男の象徴を垂れ下がる陰嚢諸とも冷たい外気に晒し上げる。
「お、おい……「あはっ!!」ぎっ!!?」
糾弾しようとした下人。
それを無邪気に邪気な嘲笑と共に、狐璃白綺は眼前の逸物を足で踏みつけた。
「痛いですか? 安心して下さい。すぐ気持ちよくさせるから大人しくしていろ!」
獰猛で加虐的な笑み。
狐璃白綺は乱暴に足で伴部の逸物を扱き出す。
己の白く細い足で以て、足の指一本一本で以て、足の爪で擽って、弄んでいく。
「うお………」
「ふふ……、情けない。少し、虐めただけでどんどん固く、大きく、熱くなっているじゃあないか?」
刺激に反応して瞬く間に内に膨張する肉棒。
膨張する灼熱を足の裏で感じながら、狐璃白綺は息を荒くする。男の欲望の権化を凝視する。
「ほらほら、破裂しそうな逸物で我慢しなさいな。出しちゃうとそのまま食べるよ。ほぅら、頑張れ頑張れ♪」
一時の感情で忘れているが、心の奥底では懸想を抱く男。
兄のように父のように慕っていた人間。
それが自分の素足で高ぶっている様子に、狐璃白綺は内心で興奮が抑えきれてはいなかった。
口元からじゅるりと涎が垂れていたことに、本人すら気付いていない。
彼女がそうやって弄ぶ間にも限界がないかのように肥大化していく肉棒。
血管が浮き出るそれは、既に彼女の足裏では収まらなくなっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ!」
言葉攻めはいつの発情しきった吐息へと変わり、彼女は男の魔羅棒を一心不乱に乱暴にしごいていく。
まるでそれが己の存在意義かのように。
顔だけ見ればどちらが攻められているか分からない状態だ。
「ま、待て……!?これ以上はっ!!?」
「煩い!!」
何かに耐えるように懇願する下人。
白狐の返答は陰嚢を足の指を踏みつけるように押し付ける事だった。
その行動が破綻の最後の一押しとなった。
「っ──!」
「え? きゃあッ!?」
限界に達していた所に陰嚢に加えられた圧迫がトドメとなった。
皮が剥けた剥き出しの亀頭から勢い良く飛び出した濃厚な白濁が狐璃白綺の端正な顔にぶっかけられる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「あ、あう…あ………」
欲望を放った男が肩を上下して息を切らす。
同時に白狐も突然精液を浴びせられて、茫然自失としていた。
男の放った精の何と濃厚にして上質な事。それをよりによって顔面に直接叩きつけられた。
彼女は一種の霊気酔い、神気酔いというべき症状に陥っていたのだ。
髪にこびりつく塊、鼻っ柱から頬に垂れる汁。男の臭気が脳を犯す。
「ぺろ……はぁ」
思わず頬を垂れるそれを赤い舌でペロリと舐めていた。
嘆息。粘り気のある汚液の塊を咀嚼していた。
口の中に男の味が広がる。
濃く、苦く、塩辛く、甘く、何よりも癖になりそうな味だった。
女を牝にする、甘露の美味。
「……………、もう出るなんて情けない。思ったより早漏なんですね」
呆然としていた狐璃白綺が漸く我に返ると、必死に取り繕って強がってを見せ、すぐに未だ聳え立つ肉棒を見て喉を鳴らす。
ごくりと唾を呑む。
最初の射精で軽く普通の男の数回分の量を吐き出した筈なのに、まるで何事もないかのように屹立……いや、先程よりも更に一回り大きくなっているようにも白狐には錯覚してしまった。
「仕方あるまい。直接受け止めてあげますよ。それなら取りこぼしもないよね」
まだ熱が残る精液が顔に垂れているにも関わらず、それを拭おうとすら考えていなかった。
ただただ、強い雄に臭いに誘惑された彼女はいつの間にか己の濡れそぼった剃毛された股を晒していた。
そもそも、である。
狐璃白綺が伴部の子種を貰おうと考えた原因は、彼女が不用意に舐めてしまった彼の血にある。
何度も語られている通り、伴部という存在は元地母神の遺伝子が内包されており、時を経て凝縮された血は命を宿す、簡単に言えば生殖行為を引き起こす催淫効果があるのだ。
食べ慣れている者や元々性的耐性がある淫魔、あるいは誘惑を飲み込みほどの愛情があるなら兎も角、そうでないものにとっては効果が大きい。
殺そうとしても、心の奥底では異性として見ている雌であれば尚の事。
血だけで性行為を後押しする催淫効果を発揮するのだから、その象徴である精液であれば、その効果は比べるまでもない。
そんなことは気づいていない白狐の女は、恐る恐る自分の中にビクビクと打ち震える男根を招き入れようとする。男の上に乗り掛かる。
「んっ、ぴやぁ!?」
先端が膣の入り口に触れると、幼い姿と同様な悲鳴を上げた。
快楽と、恐怖からだった。
こんなおぞましい物、入るわけがない。
けれど猛烈に入れたい。受け入れたい。奥底に抱きたい!!
相反する感情が脳を埋め尽くす。
そもそも男を惑わす手練手管は消滅した本体から学んでいたが、その本体の狐璃白綺も本番は未経験だった。
以前の自分は、敬愛していた黒狐の姉と爛れるように戯れた事はある。だが、所詮は女同士の事。雄との行為の参考にはならない。
未知の恐怖が白狐を支配する。されど発情した雌の本能がそれを押し潰し、後押しして、最終的に白狐は覚悟を決める。
己の恥丘に男の亀頭をなぞるように当てる。
その傘状の雁首に膣壁を若干引っ掛けつつも沈める……騎乗位の態勢でずぶりずぶりと己の体内へ肉棒を侵入させた。
「あぅ、はぁ、はう、あああ!」
喘ぎながらゆっくりと、着実に異物が自分の形を変えていくのを文字通り感じていた。
焼けるような熱。裂ける痛み。
それでもなお、突き動かす甘美な快感。牝としての至上の幸福。
「ううう!!?」
とん、と自分の中で、子宮の入り口が魔羅棒に触れたのが分かった。
まだまだ、肉棒は半分も埋まっていないのにもう自分の限界へ辿り着いたと悟る。
一瞬の無力感と敗北感を感じて、雄への申し訳なさに代わり……振り払う。
「そんな、馬鹿な事……!?」
己の可笑しな思考を押し退けて、白狐は不敵な笑みを装った。
負けるか。無理にでも上下に動き出した。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、やん!」
上から目線の態度に比べてそれはたどたどしく、徐々に夢中になって己の腰をくねらせて動かす狐の女。奉仕する牝狐。
「んっ、んっ、んっ、ひっひっ!!?はぁっ、うっ……んっ!!?」
だらしなく顔を赤くし、涎を垂らして、己のたわわに実る果実を豪快に揺らして、すっかり快楽の虜になって無防備な姿を、今まで黙っていた男は逃さなかった。
見逃すには、余りにも淫靡過ぎた。
「──ったく、いい加減にしろ!」
「きゃああ!?」
瞳術の束縛から解放された伴部は一瞬で女の押し倒し、正常位転じる。
上下関係が逆転する。
今度は男が自ら腰を動かした。女よりも遥かに力強く。乱暴に。
「そんなによがりたいなら、そうさせてやるよッ!!!」
「ひゃああああん!!?」
さんざん弄ばれた怒りと中途半端な性的刺激が引き金となっていた。
妖母の因子が男の精神を塗り潰す。
雄としての本能を刺激した。彼は目の前の女を蹂躙することに決めた。
最早容赦もなく、犯し尽くす事を本能から決意する。
「おらっ!!」
「ひぐっ!!?」
女の細い腰を爪を立てて掴む。
ゴリッ、という音と共に、半分しか入っていなかった肉棒を無理やり押し込んだ。
腰を引く事はない。
ただひたすら子宮を壊しかねない勢いで何度も何度も奥底に叩きつける。
「いや! まって! 深い! いきなりッ! 痛い! 痛いぃ!痛い!痛い!痛い! ああ! 中で大きくなってる! 壊れる! 壊れるからッ!?」
快楽の比率よりも加速した激しさに悲鳴を上げるが、伴部の耳には届いていない。
攻める手段は逸物以外でも行い、大きくなった胸を爪を立てた固い掌で掴み上げた。乱暴に揉みしだき、汗ばんだ首を嘗め上げる。完全に襲う側が変わっていた。補食する獲物だった。
「やだ、おっぱい虐めないで! ああ! ふわ! いや! あああああああああ!!」
「じゃあ喰ってやるよっ!!」
「ひゃんっ!!?」
揉みしだかれていない方の乳房に、その桜色の頂きに彼が噛みついた。
瞬間、白狐は軽く達した。
胸元に走る痛み、男の行為に、しかし彼女は嫌悪感ではなくて興奮を覚えていた。思わず、広げていた足を男に回していた。逃げないで、と懇願するように。
「あっ、あっ、ふぁ、ふぁ、!!?ああんっ!!?」
ギリギリと前歯で責め立てられて、痛みが増す。
だが同時に快楽も増していた。男が乳房の片方に噛み跡を『残してくれる』と、硬い欲望を叩き込みながら今度は今一方の揺れる胸元に獣の形相で狙いをつける。
「随分とでかい物揺らしてるじゃねぇか!!可愛がってやるよ!!はむっ、んっ!!」
「ああんっ!!?」
嘲りの罵倒、同時に豪快に咥えられて吸いたてられる胸。
思わず白狐は男の頭を抱いていた。
己の胸に赤子のように吸い付く男を迎え入れていた。
九本の尻尾もまた、彼の傷だらけの身体を労るかのように包み込んでいた。それは本能の行動だった。
己の尽くすべき雄への奉仕、服従。悦び。それを示す行為。
「ふぅ、ふぅ!!くっ、!!じゅる。ぐっ!!?」
「あんっ!!?あんっ!!?あっ。んんんっ!!?」
爆発音と間違得そうになる程の肉と肉がぶつかる衝撃音。
揺れる陰嚢が狐の尻を我が物顔で叩きつける。遠慮を忘れたように淫らな水音が室内に響く中、とうとう女は限界を達した。
「ひゃあああああああああああああ!」
盛大に塩を吹く女。そこにいるのは艶やか妖狐の美女ではなく、淫蕩に溺死したはしたない雌だった。雄に屈服したただの牝の獣だった。
犯される快楽に悦ぶ一匹の牝狐。
「ふぇっ?」
するとどうだろう、性交で力尽きたのか妖狐の女は直後、元の子供に姿を戻した。
「あれ? 私? ああああ!! 伴部さん! 待って! 痛い! 痛い!! 痛い!!!! やめて痛い! 痛いよ!!」
我に返った白だったが、伴部は止まらなかった。
この男に根付く因子に中途半端な性交は通じない。収まるわけない。
小さくなった体で余計きつくなった膣内を乱暴に削り、遠慮もなく血をまき散らしながら、体を貪った。
「あああ!! きゃああ! あああ!! やだ、姫様!? 助けて姫様!!」
泣きじゃくりながら、もういない主に助けを求めるが当然やってこない。
「……!!」
耳元でわんわんと喚くのが喧しいと思った男は一瞬思案して、思い付く。
「煩せぇんだよ!!女狐がっ!!」
「ひっ!!?」
下人は躾とばかりに白の頬を軽く叩いた。
走る鈍い痛みに怖じ気づく少女。一瞬の沈黙。
好機として瞬時に態勢を変えて少女の顔を地面に抑えつける。
「むぐう! ううう!! んああああ!! ひゃあい! うううう!」
まだうるさいが、先程よりはマシだろう。
男の思考は冷たかった。
弱い牝を孕ませてやろうとする、まさしく一方的な雄の思考だった。
「ふんっ!!ふんっ!!」
「んぎっ!!?ひぎっ!!?」
性感帯でもある一本の尻尾を引っ張りながら、幼く狭苦しい膣を極大化した雄で無理矢理蹂躙する。
正面から見たら白の下腹部から突き出す肉の小山が見えた事だろう。
正直子宮が壊れて死んでも可笑しくないように思える惨状。
しかしながら妖母の因子はそれすらも想定していた。
男の象徴が流す先走りの汁や白濁の種は生命力の塊。
それは淫欲を高ぶらせるだけでなく、雄の極まった物を受け入れても死なぬように女の傷を癒し、それどころか一層その肚を強靭にし、牝として磨き上げる効果すらあったのだ。
雄の種を、十全に孕めるようにするために。
「くっ!!?きついな……!?おい、出すぞ、ちゃんと受け止めろよ!!?」
「えっ!?あ、あっ、あっ、あっっ!!?」
男の有無を言わさぬ宣言。
小さな体を後ろから押し潰すように、乱暴に抱き締め突き続けると、遂にドロドロの精液を放出した。
「ああう! あつい! 気持ちいい!?ごめんなさい! ごめんなさいッ! ごめんなさいいッ!!!」
自分の中に満たされる熱を感じながら、白は謝った。
誰に対しての謝罪かは叫ぶ本人にも分からない。伴部か。あるいはいなくなった主か。その疑問すら白く塗り潰される。快楽に霧散する。
一方、伴部は精子を出しながらも腰を振る動きは止めない。
ごぼりごぼり、と淫乱な音が響く。濁流のように白の肚を蹂躙する濃厚な子種。
膣内から白濁が溢れた。当然だ。小さな体にこの量が収まるはずがない。
「ちッ!」
牝の不甲斐なさに、伴部は不快げに舌打ちして肉棒を乱雑に引き抜く。
吐き出すように己の精液が逆流する様子には目もくれず、乱暴に白の頭を掴んで、その小さな可愛らしい口に肉棒を無理やり押し込み、喉奥まで突き刺し、勢いで残った精液を喉に注いだ!
「!!!!???」
後頭部を深く押さえつけられる。
視界に映るのはひたすら汗と精の臭いを染み込ませた剛毛。
苦い。辛い。熱い。苦しい。甘い。
次の瞬間には窒息しかねない惨状を、しかし白は無抵抗で受け入れていた。
ああ、これは自分が悪いことした罰なんだと。
これは、こんな己にこの人がくれた慈悲なのだと。
きっと、そうですよね姫様?
「!? 悪いやり過ぎた───」
散々やった後で今更我に返った伴部が慌てて肉棒を抜こうとするが、自罰的になった白は離れようとしない。
彼の尻に小さな手を回して、寧ろもっと咥えんとする。
「おい、離れと、ってまず!、ぐっ……!!?」
半ば無理やり抜くと、緊張が抜けた故か逸物から性液以外の物が飛び出した。
「うおっ!!?」
「~~~~っ!!」
それすなわち尿。射精以上の勢いで、射精以上の量で流れこんだ尿を白は一切嫌がる事なく口で受け止める。
こくりごくりと、ひたすら飲み込んでいく。
それを拒絶する事は男には出来なかった。
何せ、己の剛毛に顔を沈める美少女の、まるで媚びるような上目遣いを見てしまうと……。
何秒、何十秒続いたのだろうか?
結局、最後まで白の口の中で湯放してしまった。
粗方出しきった後すらも白は剛直を離す事はなくて、尿道に残る残液を吸いたてていく。鼻息は荒く、男の陰毛を揺らす。
漸く離すと、尚も固さと大きさを残す肉棒がぽんっと飛び出した。
ぶるりと揺れて白の顔面を叩いた。
白は頬に触れる醜悪な肉棒を鼻を押し付けて愛情たっぷりに口づけ。未だにそそり立つ彼の肉棒を愛でる。口元には貼り付いたように黒い毛が一本、ひっついていた。
「白、お前………」
「えへへへ………」
膨らんだ肚を撫でながら、上目遣いで微笑む白狐の瞳に、最早光はなかった。
その後、落ち着いた伴部が事後処理を行った。
勢い任せの軽率な行動だと反省し、少女が暴走した原因を問いだそう考えた。
だが、目を離した一瞬の隙に、白はいつの間にか姿が消えていた。
────────
暫しして、鬼月家の家人を殺めて逃亡した半妖の討伐部隊が結成された。
流石奸知に長けた妖狐というべきか。あるいは亡き姫が危険なとき自力で逃げてるよう躾けた賜物か。
その足取りは様として知れず、結局見つかることはなかった。
──だが、六年後。
風の噂で遠邦にその姿を見たとの話が鬼月家に届いた。
最早風化した過去の事件を再熱させたのは、当主の正室になった鬼月環である。
執拗な捜索、追撃。
狐の隠れ住んでいた小屋を焼いて、畑を踏み荒らす仲間の姿に眉間に皺を寄せる。しかしそれは前菜に過ぎない。真に辛い瞬間は直ぐそこにまで迫っていた。
話を聞いて慌てて赤穂の末娘が参戦したのは、そこまで手遅れになってからだ。
最早、手の施しようもない。半妖が鬼月家を去った理由を彼女は知っていた。
探しても見つからなかったから、せめてひっそりと暮らしていればと、願った。
もう、あの半妖を救う手立てはないと諦めたか彼女は、自分の手で終わらせると覚悟を決めた。それが亡き従姉との約束を果たせなかったケジメである。
その時が来た。
漸く捕らえた女狐。
赤穂の末娘は包囲する下人退魔士の円の中から一歩出ると、膝をついて頭を下げる目標に、苦悶に満ちた顔で刃を向ける。
だが、刹那。
半妖を庇うため、間で誰かが割って入った。
最早振り落とされた刃は止まらず、元下人の男を───赤穂の末娘は斬首してしまった。
六年前、鬼月家から自分のところに来てくれた、彼の首が、ころりと転がった。
「ぇ?────────────────あ?
いやあああああああああああああぁぁあああああぁああッ!???」
絶叫が響く。
皮肉なことに、死の運命を乗り越えた少女の刃は、半ば不死身を一刀で殺せるほど成長していた。
誤った相手を斬った後悔故か、それ以降、彼女が刀を持つことはなく、人前に姿を現すことなかった。
尚、問題の半妖は蛍夜環が処分した。
「君が余計なことをするからあああああああああああああああッ!!!!!」
抵抗はなかった。
自分を庇った男の死骸を呆然と眺めているところを、後ろから叩き切ったからである。
これにて、一連の騒動は閉幕。
最初は大事だったが、時間が経つにつれて些事として扱われた。
故にある娘が愛しい男を殺めてしまい、敬愛する従姉の忘れ形見も守れず発狂し、「ごめんなさい、ごめんなさい」と誰かに謝り続けながら廃人同然として後生を経たことを知る者は、彼女の家族しか知らない悲劇。
ある娘が半妖を自分の手で殺した理由が、八つ当たりだったことを察している者はいたが、それを口にする者は誰もいなかった。
「うふふふ、あはははは!」
「一時はどうなると思ったけど、ようやく私の所に来てくれたね!」
「邪魔な奴は殆どいなくなったし、残りは我慢ね。これからずっと一緒にいましょう!!」
「ふふ。驚いてる。逃げない。逃がさない。ほら、口を開けて。ちゅ………んん! ははは堪らないわ!」
時を経て、今もなお鬼月家は繁栄している。
血肉を呪い合う宿痾は穏やかな夫婦によってなくなった。
たとえそれが、互いに一切愛していない仮面夫婦でも、平穏な日々は本物だった。
……討伐の最後、森の中で母の最期を一人の白狐が網膜に焼き付けた事は誰も知らない。
その狐の胸の内に母の仇達への、人間共への憎しみに満ち溢れている事も、それを押さえつけて、泣きながらその場から逃げ去った事も、今はまだ、誰も知らない。
復讐と怨習の円環の理が、新しい醜悪な物語を紡ぐまで、今は暫しの筆休め。
あるいは新たな生贄のおかげか。
この惨状の原因は紫と一時的に鬼月家の物にならなくなった白に座敷童がデバフをかけたせい。
とはいえ、多くの人々に平和が訪れたのは事実。
めでたしめでたし。
「見つけたわ。彼とあの子を虐めた責任、とってもらうわよ」
はい、バットエンド。
後で最後に希望をこそっり追加しましたけどね
ちなみに次は牡丹ちゃん。
もう殆どできているので、あとは最新話来てから修正したら、すぐ投稿するのさ。